有価証券報告書-第109期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 11:55
【資料】
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【項目】
145項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、証券金融の専門機関として、常にその公共的役割を強く認識するとともに、証券界、金融界の多様なニーズに積極的に応え、証券市場の参加者、利用者の長期的な利益向上を図ることで、証券市場の発展に貢献することを使命とし、健全な業務運営を通じて揺るぎない社会的信頼を確立することを目指しております。
②企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
(企業統治の体制を採用する理由)
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方のもと、2019年6月から、会社法上の機関設計として「指名委員会等設置会社」を採用し、監督と執行の分離を明確にし、経営の健全性確保について社外取締役を中心とした監督強化を図りつつ、環境変化に素早く対応する迅速な業務執行の実現に努めております。
(取締役会)
・取締役会は、経営の基本方針など法令に定められた事項および経営上の重要事項にかかる意思決定を行うとともに、取締役および執行役の執行状況を監督します。
・経営の効率化および業務執行の迅速化を図るため、取締役会は法令または定款で定める取締役会で決議する事項以外の業務執行の決定について、代表執行役に委任します。
・取締役会は、専門知識や経験等の異なる多様な取締役で構成するとともに、取締役会の機能が最も効果的かつ効率的に発揮できる適切な員数を定款の定める範囲において確保します。
・独立性を有した社外取締役を複数選任し、経営等にかかる豊富な経験や専門的な知識に基づく助言・発言を通じて、当社業務運営の適性化担保および外部からの客観的・中立的な経営監督機能が期待できる構成とします。
・取締役会議長は、原則として社外取締役とします。
〇構成
取締役会議長 小幡尚孝(社外取締役)
取締役 杉野翔子(社外取締役)
取締役 飯村修也(社外取締役)
取締役 櫛田誠希(社内取締役)
取締役 奈須野博(社内取締役)
(委員会)
・指名委員会は、法令に基づく取締役候補者の選任に関する内容の決定の他、執行役の選解任に関する内容や取締役および執行役の選解任に関する方針等、当社の取締役および執行役の選解任に関する事項全般について審議・決定いたします。
・監査委員会は、取締役および執行役の職務執行の監査、監査報告の作成等の他、株主総会に提出する会計監査人の選解任議案等の内容について審議・決定いたします。
・報酬委員会は、法令に基づく取締役および執行役の個人別の報酬の決定およびその決定に関する方針の決定の他、当社の取締役および執行役の報酬に関する事項全般について審議・決定いたします。
・指名、監査、報酬の各委員会の委員長は、原則として社外取締役とします。
〇構成
指名監査報酬
委員長小幡尚孝飯村修也小幡尚孝
委員杉野翔子杉野翔子杉野翔子
櫛田誠希奈須野博櫛田誠希

・小幡尚孝、杉野翔子、飯村修也の3名は社外取締役です。
(執行役)
・代表執行役および執行役は、取締役会が定めた職務の分掌および指揮命令関係に基づき、取締役会から委任を受けた業務執行の決定と業務の執行を行います。
・業務執行にかかる重要事項等の審議または決定を行う「経営会議」を設置しております。
・2019年6月26日現在、当社の執行役は6名(うち代表執行役1名)です。
提出日現在の当社のコーポレート・ガバナンス体制について次のとおり図示します。
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③ 内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムの整備に関し、内部統制に関する基本方針を、次のとおり定めております。
証券市場における専門金融機関としてその社会的責任と公共的使命を強く認識しつつ、本基本方針に基づき、内部統制システムを構築、運営するとともに、適宜見直しを行い、内部統制の整備を図る。
イ.監査委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項
・監査委員会の職務を補助する使用人に関する事項、その独立性および指示の実効性を確保することを明記した「監査委員会の職務の補助に関する規程」を制定し、適切に運用することとする。
ロ.監査委員会への報告体制
・監査委員会から選定された監査委員(以下「選定監査委員」という。)は、取締役会のほか必要に応じて経営会議等に出席し、重要な事項について報告を受ける。
・選定監査委員は、当社の内部監査、コンプライアンス、リスク管理および財務管理の状況等ならびに子会社におけるこれらの状況等について、当社の執行役もしくは使用人または子会社の業務執行取締役等から定期的に報告を受ける。
・当社および子会社のコンプライアンスに関して外部通報窓口に相談・通報があった場合は、外部通報窓口から選定監査委員に対しその内容および調査結果が報告される。
・経営会議等の重要会議の議事録、社内のすべての禀議書およびその他の重要文書を選定監査委員に回付して閲覧に供する。
・選定監査委員は、業務遂行状況(子会社に関する事項を含む)に関して必要に応じ執行役または使用人にその説明を求めることができる。
・監査委員会へ報告を行った役職員に対して、当該報告を行ったことを理由として不利益に取扱わない。
ハ.監査委員の職務の執行(監査委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用または債務の処理等にかかる方針
・監査委員がその職務の執行について、会社法第404条に基づく費用の前払い等の請求をしたときは、担当部署において審議の上、当該請求に係る費用または債務が当該監査委員の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理する。
ニ.その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査委員会は、内部監査部門と密接な連携を保ち内部監査の結果を活用する。
・関係会社監査の実効性を高めるため、定期的に関係会社の監査役との会合を開催し、連係を強化する。
・監査委員会は、当社の会計監査人との間で適宜連絡をとるとともに、密接に情報交換を行う。
ホ.執行役・使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
・当社は、コンプライアンスを企業経営の前提と位置づけ、取締役会決議により定める「役職員の行動基準」および「コンプライアンス基本規程」に基づき役職員に対してコンプライアンスの徹底を図る。
・会社全般のコンプライアンスを統括するコンプライアンス統括部を設置し、全社的なコンプライアンスを推進する。
・コンプライアンス統括部は、「コンプライアンス・プログラム」を策定し、コンプライアンス向上のための各種施策を実施する。
・相談・通報制度として、社内窓口だけでなく外部通報窓口を設置し、通報者の匿名性を維持しながら、実効性を高める対応を行う。
・マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与の防止態勢ならびに当社および子会社の業務において顧客の利益が不当に害されることのないよう、利益相反および顧客に関する非公開情報の適切な管理体制を整備する。
・市民社会の秩序や安全に脅威を与え健全な経済・社会の発展を妨げる反社会的勢力との関係を遮断するための全社的方針を定め、不当要求防止責任者を中心に全社的な対応を行う。
・内部監査を担当する監査部は、内部管理態勢の適切性、有効性を検証し、法令、規則等の順守状況を監査する。
ヘ.執行役の職務の執行にかかる情報の保存および管理に関する体制
・業務執行にかかる適正な情報管理および保存を図る観点から、社内文書の管理全般にかかる取扱いを定めた規程を制定する。
・株主総会、取締役会等の重要会議の議事録や執行役の職務執行にかかる決裁の記録である禀議書等を、適正に保存し管理する。
・情報セキュリティに関する管理方針を定め、電磁的情報の管理・保存を含む社内共通の情報セキュリティ対策の推進を図る。
ト.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・取締役会決議により定める「リスクの管理方針」に基づき、社内全体にリスク管理重視の考え方を周知徹底する。
・会社全般のリスク管理を定めた「リスク管理規程」に基づき業務運営部署とリスク管理部署との相互牽制体制を構築する。
・統合リスク管理の導入により経営の健全性確保および収益性の向上を図る。
・大規模地震やテロ行為・サイバー攻撃等が発生するリスクに備え、取引先および外部関係機関等への影響を最小限に止めるため、可能な限り業務を継続または早期に再開するための態勢を整備する。
・監査部は、リスクの管理状況を把握し、リスクの制御および管理に関する内部管理態勢を評価するとともに、その改善に向けての提言等を行う。
チ.執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・取締役会の決議により、業務執行の決定を執行役に委任し、業務執行の効率化・迅速化を図る。
・業務執行に関する重要事項の決定や取締役会決議事項の予備討議等を行う「経営会議」を設置し、原則週1回開催する。
・会社業務の遂行にあたっては、社内の職務分掌、重要事項に関する決裁権限者を定め、当該決裁権限者の承認を受けて行う態勢とする。
リ.当社企業集団における業務の適正を確保するための体制
・関係会社に関する事項を統括する「関係会社担当役員」を任命し、子会社および関連会社に対する適切な経営管理を行う。
・子会社と関係会社管理に関する契約を締結し、「関係会社管理規程」に基づき、財務の状況、リスク管理の状況その他の子会社の職務の執行にかかる事項の報告を受ける。
・当社の代表執行役は、関係会社の代表取締役等から定期的に、当該関係会社の状況についての報告を受ける。また、当社の関係会社担当役員は、関係会社の業務執行取締役等と定期的に会合を開催し、関係会社の職務の執行にかかる事項の報告を受ける。
・当社の選定監査委員は、子会社に対して報告を求め、または子会社の状況について調査する。
・当社の監査部は、必要に応じて子会社の業務を監査対象として内部監査を行う。
・当社のコンプライアンス統括部は、グループ全体のコンプライアンス体制の整備、強化を推進するため、子会社のコンプライアンス担当者との連絡会議の開催やコンプライアンスに関する情報の提供などを行う。
④ 責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等である者を除く。)とは、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額としております。
⑤ リスク管理体制の整備の状況
当社は上記「③内部統制システムの整備の状況」に記載のとおり、リスク管理体制の整備を行っております。
またリスク管理部は、各種リスクを可能な限り計量化したうえで統合的に管理し、経営体力の範囲内でリスクテイクを行うことにより経営の健全性を確保しながら収益の向上を図るとともに、業務運営部署との相互牽制体制を構築しております。
⑥ 取締役の定数および資格制限
当社の取締役は10名以内とする旨定款に定めております。なお、代表執行役は金融商品取引業者の役員および使用人以外の者でなければならない旨定款に定めております。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑧ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
イ.自己株式の取得
当社は、自己株式の取得について、機動的な資本政策を遂行するため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
ロ.配当
株主への利益還元や資本政策を機動的に遂行できるよう、剰余金の配当等、会社法第459条第1項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨定款に定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。