有価証券報告書-第109期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 11:55
【資料】
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【項目】
145項目

有報資料

(1)会社の経営の基本方針
[企業理念]
当社は、証券金融の専門機関として、常にその公共的役割を強く認識するとともに、証券界、金融界の多様なニーズに積極的に応え、証券市場の参加者、利用者の長期的な利益向上を図ることで、証券市場の発展に貢献することを使命とする。
[経営方針]
①証券金融会社としての社会的責任を常に認識し、コンプライアンス、企業統治および経営リスクの管理を徹底することにより健全な業務運営を実践し、以って、揺るぎない社会的信頼を確立する。
②証券市場のインフラの担い手として求められる経営の安定性および財務の健全性を確保するため、強固な自己資本を維持しながら企業価値の増大を図るとともに、収益環境や投資計画などを総合的に勘案し、株主への利益還元を充実したものとしていく。
③証券金融会社の根幹である貸借取引業務をより強化し、あわせて当社・グループ会社が提供する金融・証券関連サービスの拡充と新規展開に努め、グループ全体のビジネス基盤を一層拡大し堅固なものとする。
④経営環境の変化に機動的に対応するため、グループ内の組織・業務運営の一層の効率化を推進する。
(2)中長期的な会社の経営戦略
第5次中期経営計画(2017年度~2019年度)
2017年3月に、上記「(1)会社の経営の基本方針」に基づき、第5次中期経営計画として次の戦略を策定いたしました。
[計画策定にあたっての考え方]
当社は、大阪証券金融(株)との合併後3年超が経過しますが、この間、当社グループは業務および組織・システムの一体化に取組み、効率的で活力のある体制づくりを進めてきました。
一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、大きく変化しています。すなわち、商品やサービスに人工知能(AI)を活用する技術向上とも相俟って金融のグローバル化と高度化が加速し、また、金融市場の安定化に向けた国際金融規制や有価証券決済制度の見直しがさらに進められ、その下で新たな金融取引のニーズも生まれつつあります。
当社グループは、現下の超低金利が継続する可能性にも留意しつつ、これまで培ってきた資金・有価証券関連業務の運営能力と高い信用力、市場における中立性を活かして、既存ビジネスの強化に取組むとともに、内外の新たな取引ニーズを積極的に取り込むことで、当社の存立基盤をより強固なものとし、市場や投資家の信認に応えていきたいと考えています。
こうした考え方に立って、2017年度を初年度とする新たな中期経営計画を策定しました。
[戦略]
①証券市場のインフラとしての貸借取引業務の強化
株式市場を取り巻く環境変化に適切に対応し貸借取引業務の安定的な運営および利便性向上を図る。また、市場参加者の動向を的確に把握し、貸借取引の利用促進を図るとともに、制度信用・貸借取引にかかる情報発信を強化し、投資家のすそ野を拡大する。
②内外の金融商品取引業者等への柔軟な対応
既存取引先の海外法人をはじめとした非居住者との直接取引の拡大を図るとともに、外国有価証券の担保受入により取引拡大を目指すなど、内外の金融商品取引業者等との多様な取引に積極的に対応し、収益機会の拡大を図る。
また、有価証券の決済期間短縮化に伴う新たな取引ニーズに積極的に応え有価証券貸付業務の拡大を図る。
③新規業務の開発
証券金融会社としての業歴を背景とした当社の特長を活かし、内外の関係先やグループ会社との連携の下で、長期的視野に立って新規業務を開発する。
④資金の効率的活用としての有価証券運用の多様化
外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールの下、機動的にポートフォリオの見直しを実施することで、安定した収益を確保する。また、外国国債など外貨建て有価証券による運用拡大や、外貨を利用したビジネス展開をサポートするため、外貨調達手段の整備を進める。
⑤グループ連携の強化
子会社を中心とするグループ会社との連携を強化し、多様化する取引ニーズに積極的に対応する。また、当社および子会社の一体的な取組みによりグループ全体としての収益基盤を一層強固なものとする。
⑥業務運営管理体制の強化
当社に求められている社会的要請に積極的に対応し、企業理念を実現していくため、コンプライアンスを経営の前提と位置付けていることをあらためて確認する。
当社に対する揺るぎない社会的信頼を確立するため、内部監査の実効性を確保し、金融業務に付随するリスクの多様化・複雑化に対応してリスク管理の一層の充実を図る。
重大な災害発生時においても最重要業務である貸借取引業務を継続するため、金融・証券業界の動向を注視しながら、遠隔地バックアップ態勢の整備を推進する。
⑦働きやすい職場環境の整備と企業活力の向上
働きがいがあり、かつ、働きやすい職場環境を整備することにより、職員ひとりひとりの生産性を高め、企業活力を向上させる。
(3)会社の対処すべき課題
今後の世界経済は、米中貿易摩擦の長期化や中東地域における地政学リスクの高まりなどによる影響が懸念されるものの、米国を中心に緩やかな回復が見込まれます。わが国経済についても本年10月に予定されている消費税率引き上げの影響等には留意する必要がありますが、企業収益の改善や政府による各種政策の推進により緩やかな回復の継続が期待されます。
また、金融・証券市場におきましては、金融のグローバル化と高度化が加速する中、国際金融規制の強化や有価証券決済制度の見直しが進められるなど、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。
このような事業環境を踏まえ、当社は、2017年3月に策定した第5次中期経営計画(2017年度~2019年度)のもと、証券金融会社の根幹である貸借取引業務の強化に努めるとともに、当社グループが提供する金融・証券関連サービスの拡充や内外の新たなニーズの獲得に向けた取組みなどを続けてまいりました。第5次中期経営計画の最終年度を迎える2019年度につきましても、以下の課題に取組むことにより、当社の存立基盤をより強固なものとし、市場や投資家の信認に応えてまいります。
〇信用取引・貸借取引の利用促進
発行会社および証券会社担当者向け普及活動や海外に拠点を持つ投資家へのプロモーション活動などを通じて、信用取引・貸借取引の利用促進を図り、PTS(私設取引システム)における信用取引解禁に向けた取組みにも注力してまいります。
〇株式の決済期間短縮(T+2)化への対応
本年7月に迫る株式の決済期間短縮(T+2)化では、フェイル(決済日における証券受渡未了)発生件数の増加が予想されていることを踏まえ、「証券市場のインフラの担い手」として株式調達先の拡大や新たな貸株スキームの導入などによる取引先の利便性向上に取組んでまいります。
〇多様化する取引先ニーズへの柔軟な対応
「証券界や金融界の多様なニーズに積極的に応える」との認識のもと、グローバル化や規制強化の動きにより変化の著しい金融・証券市場に対応すべく、外貨建資産の取扱い拡大や取引手法の高度化などに取組むほか、投資指標の開発をはじめとした新規業務の開発に向けてチャレンジを続けます。

当社グループでは、以上のような取組みを通じて中長期的な業績の向上と企業価値の増大を実現し、株主の皆様への利益還元を引き続き充実したものとしてまいりたいと考えております。

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