四半期報告書-第115期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
(1)業績の概況
当第1四半期連結累計期間の収益合計(金融費用控除後)は2,720億円、金融費用以外の費用は2,584億円、税引前四半期純利益は136億円、当社株主に帰属する四半期純利益は52億円となりました。
四半期連結損益計算書における収益合計(金融費用控除後)および金融費用以外の費用の内訳はそれぞれ次のとおりであります。
事業別セグメント情報
事業別セグメントにおける業績は次のとおりです。
なお、合算セグメント情報と、四半期連結損益計算書における収益合計(金融費用控除後)および税引前四半期純利益(△損失)との調整計算につきましては、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]16 セグメント情報および地域別情報」をご参照ください。
収益合計(金融費用控除後)
金融費用以外の費用
税引前四半期純利益(△損失)
営業部門
収益合計(金融費用控除後)は、不透明な市場環境を背景に、お客様の様子見姿勢が継続し、928億円となりました。金融費用以外の費用は729億円、税引前四半期純利益は199億円となりました。2018年6月末の営業部門顧客資産残高は、2018年3月末から0.9兆円増加し118.6兆円となりました。
アセット・マネジメント部門
収益合計(金融費用控除後)は261億円となりました。金融費用以外の費用は158億円、税引前四半期純利益は103億円となりました。2018年6月末の運用資産残高は、市場要因に加えて米国ハイ・イールド・プロダクト等への資金流入もあり、2018年3月末から0.8兆円増加し50.8兆円となりました。
ホールセール部門
収益合計(金融費用控除後)は1,373億円となりました。金融費用以外の費用は1,447億円、税引前四半期純損失は74億円となりました。ホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)の内訳は以下のとおりです。
グローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は1,122億円となりました。フィクスト・インカムの収益合計(金融費用控除後)は、方向感の見えにくい市場環境や、新興国市場の変調などで、トレーディング・ビジネスが低調となり、前年同期の938億円から577億円となりました。エクイティの収益合計(金融費用控除後)は、市場売買高の減少などから、前年同期の585億円から545億円となりました。インベストメント・バンキングでは、収益合計(金融費用控除後)は251億円となりました。
2018年4月、野村はクライアント・ファイナンシングアンドソリューション(以下「CFS」)を設立いたしました。CFSではグローバル・マーケッツとインベストメント・バンキングが協働するため、事業セグメント上はCFSから発生する収益をグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングに適宜按分しております。これに伴って従来グローバル・マーケッツに含めて表示していた収益の一部をインベストメント・バンキングに組み替えております。
その他の経営成績
その他の経営成績には、経済的ヘッジ取引に関連する損益、営業目的で保有する投資持分証券の実現損益、関連会社損益の持分額、本社勘定、その他の財務調整が含まれております。また、当第1四半期連結累計期間に生じたデリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失8億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する損失14億円がその他の業績に含まれております。当第1四半期連結累計期間のその他の経営成績の収益合計(金融費用控除後)は137億円、金融費用以外の費用は249億円、税引前四半期純損失は112億円となりました。
サイバーセキュリティインシデント
海外子会社において、当該子会社の顧客情報を含むシステムへの不正なアクセスがあったことが判明しました。当該事案により、野村のレピュテーションが害されること、ならびに法的責任および行政処分の対象となることによる経済的損失を被る可能性があります。また、当該事案に対する是正措置のみならず、他の野村グループ会社のサイバーセキュリティ強化により、費用が増加することが見込まれます。
地域別情報
地域別の収益合計(金融費用控除後)および税引前四半期純利益(△損失)については、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]16 セグメント情報および地域別情報」をご参照ください。
キャッシュ・フロー
「(6)流動性資金調達と資本の管理」をご参照ください。
(2)投資・金融サービス業務に付随する主要な資産負債等の状況
1)一定の金融商品および取引先に対するエクスポージャー
市場環境は、野村が一定のエクスポージャーを有するさまざまな金融商品に影響を与え続けています。また、野村は通常の業務においても、特別目的事業体などの取引先に対し、一定のエクスポージャーを有しております。
レバレッジド・ファイナンス
野村は、顧客にレバレッジド・バイアウト、レバレッジド・バイインにかかる貸付金を提供しています。通常このような資金提供はコミットメントを通じて行われることが多く、野村は実行済および未実行コミットメントの双方においてエクスポージャーを有しております。次の表は、2018年6月30日現在における野村のレバレッジド・ファイナンスのエクスポージャーを対象企業の地域別に表しております。
特別目的事業体
野村が行う特別目的事業体との関与は、これらの事業体を組成すること、またマーケットの状況に応じて、これらの事業体が発行する負債証券および受益権を引受け、売出し、販売することが含まれております。また野村は通常の証券化およびエクイティ・デリバティブ業務の中で、これらの事業体に対する金融資産の譲渡、これらの事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。さらに野村は、マーケット・メーク業務、投資業務、組成業務に関連し、特別目的事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。特別目的事業体とのその他の関与には、債務保証やデリバティブ契約などが含まれます。
変動持分事業体への関与に関するより詳しい説明は、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]7 証券化および変動持分事業体」をご参照ください。
2)金融商品の公正価値
野村の金融商品の大部分は経常的に公正価値で計上され、公正価値の変動は損益もしくはその他の包括利益に計上されます。公正価値評価は米国会計原則により明確に適用が要求される場合と、野村が公正価値オプションを選択できる対象に選択して適用する場合があります。
その他の一義的な評価基準が公正価値に基づかない金融資産や負債は非経常的に公正価値評価されます。その場合、公正価値は当初認識以降の減損の測定など限定的な状況で使用されます。
米国財務会計審議会編纂書(以下「編纂書」)820「公正価値評価と開示」に基づき、公正価値で測定されたすべての金融商品はその測定に使用された基礎データの透明度によって3段階のレベルに分類されます。
毎期経常的に公正価値評価される資産の合計に対するレベル3に分類された資産の比率は、当第1四半期連結会計期間末で3%となりました。
詳細につきましては「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]2 公正価値測定」をご参照ください。
(3)トレーディング業務の概要
トレーディング目的資産負債
トレーディング目的資産および負債の内訳については、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記] 2 公正価値測定 および 3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。
トレーディングのリスク管理
野村はトレーディング業務におけるマーケット・リスクの測定方法として、バリュー・アット・リスク(以下「VaR」)を採用しております。
1)VaRの前提
・信頼水準:99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
2)VaRの実績
(1)過去3カ月のVaRの最大値、平均値、最小値は日次の計算結果に基づく。
(4)繰延税金資産の状況
1)繰延税金資産・負債の主な発生原因
2018年6月30日現在、四半期連結貸借対照表上、その他の資産-その他として記載されている繰延税金資産、およびその他の負債として記載されている繰延税金負債の内訳は、以下のとおりであります。
2)繰延税金資産の算入根拠
繰延税金資産は、米国会計基準に基づき、将来において実現すると予想される範囲内で認識しており、将来において実現が見込まれない場合には評価性引当金を計上しております。なお、将来の課税所得の見積期間は納税単位ごとに個別に判断し、適正な期間見積もっております。
3)過去5年間の課税所得および見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額
当社は、日本にて連結納税制度を採用しており、野村證券を含む主要子会社は当制度に含まれております。上記1)に記載されている繰延税金資産のうち、日本の連結納税グループにおける繰延税金資産(負債)の純額は△32,527百万円となっており、野村の連結財務諸表における繰延税金資産(負債)の純額の大部分を占めております。そのため、以下の記載では連結納税グループの合算数値を記載しております。
過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)
(注) 法人確定申告書上の繰越欠損金控除前の課税所得であり、その後の変動は反映しておりません。
見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額
日本の連結納税グループについては、5年を課税所得見積期間とし、見込み税引前当期純利益合計および見込み調整前課税所得合計はそれぞれ、914,089百万円、882,677百万円となっております。
(5)リスク・マネジメントについての定性的開示
1)リスク・マネジメント
野村では、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクなど業務運営によって生じる不測の損失により当グループの資本が毀損する可能性、および自社の信用力の低下または市場環境の悪化により円滑な資金調達ができなくなるという資金流動性リスク、さらに収益環境の悪化または業務運営の効率性もしくは有効性の低下により収益がコストをカバーできなくなるというビジネス・リスクをリスクとして定義しております。
そのうえで、野村では全社員が自らリスク管理を行う主体であると認識し、リスクに適切に対処することを基本理念としております。野村では、組織内の全階層において積極的なリスク管理がなされるよう推進し、かつ、リスクをリスク・アペタイトの範囲内に抑制するよう努めております。野村のリスク管理の枠組みはリスク・アペタイト、リスク管理のガバナンスおよび監督、財務的経営資源の管理、すべてのリスク・カテゴリー管理、およびリスクの計測および管理プロセスで構成されています。
2)グローバル・リスク管理体制
野村は取締役会において「業務の適正を確保するための体制」を基本方針として定め、それに沿って、損失の危機の管理に関するその他の体制を制定し、この体制に基づいてリスク管理の高度化、リスク管理の強化・整備に継続的に取り組んでおります。また、経営会議から委任を受けた統合リスク管理会議においてリスク管理規程を制定し、リスク管理の基本方針を含むグループ全体のリスク管理の枠組みについて定めております。
市場リスク管理
市場リスクは、市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券等の価格)の変動により、保有する金融資産および負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクです。市場リスクを適切に管理するためには、複雑かつ不断に変動する市場環境をグローバルに分析し、損失に繋がる可能性のある傾向を把握したうえで、適時に適切な対応を取る能力が必要となります。
野村では継続して市場リスクを統計的に計測・モニタリングする主要な手段として、VaR、ストレスVaRおよび追加的リスクを利用しております。また、感応度分析やストレス・テストも市場リスクを評価・分析する手段として利用しております。感応度は、市場リスク・ファクターの単位当たりの変動によるポートフォリオ価値変化を示す尺度として利用されます。感応度は、資産種別によって異なり、通常、異なるリスク・ファクターに関する感応度を合算することはできません。ストレス・テストにおいては、ポートフォリオ・リスクやテイル・リスクをその非線形な性質を含めて分析し、グループ全体から各部門、個々のトレーディング・デスクに至るあらゆる階層で、市場リスク・ファクターを横断した合算が可能となります。市場リスクは、ビジネス部門やシニア・マネジメントに報告される日次レポートその他の経営情報により、社内手続きに基づいて承認されたリミット内であるかどうかモニタリングされます。
信用リスク管理
信用リスクとは、債務者が、債務不履行、破産、または法的手続き等の結果として、予め合意した条件どおりに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいい、オフ・バランス資産にかかる損失を含みます。当該リスクはまた、カウンターパーティーの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメントにより損失を被るリスクを含みます。なお、野村では、グローバルおよびリーガル・エンティティ単位で信用リスクを管理しています。
野村における信用リスクの計測、モニタリングおよび管理に関する事項は、グローバル・ポリシー、プロシージャーで規定しています。クレジット・リスク・マネジメント(以下「CRM」)は、リスク・マネジメント部門内のグローバルな組織として、これらのポリシーやプロシージャーの実装、および維持、管理に責任を負います。これらのポリシーは、統合リスク管理会議、グローバル・リスク・ストラテジック・コミッティ(以下「GRSC」)の承認を受けて制定され、信用リスク管理の基本方針のほか、クレジット・リミット設定にかかる承認権限を定めています。
信用リスクは、CRMならびに、グローバルおよび地域の各種リスク・コミッティにより管理されており、重大な信用リスクの把握やクレジット・リミットの遵守の徹底のほか、多額の与信の提供に関する承認や、シニア・マネジメントがリスクの集中に関する承認を行う態勢を確保しています。
CRMは、リスク・マネジメント部門内の信用リスクを管理するための組織であり、チーフ・リスク・オフィサーに報告します。野村における信用リスク管理プロセスには、以下を含みます。
・カウンターパーティーの債務不履行の可能性の評価
・すべてのアクティブなカウンターパーティーに対する内部格付の付与
・与信の供与およびクレジット・リミットの設定に関する承認
・時価および将来のポテンシャル・エクスポージャーの計測、モニタリングおよび管理
・契約書における信用リスクに関する条件の設定
・一括清算、担保徴求およびヘッジを含む適切な信用リスク削減手法の活用
野村は、規制自己資本を算出するための信用リスク・アセットの計算において、2011年3月より基礎的内部格付手法を採用しています。なお、信用リスク・アセットの計算において、重要性の低い一部のビジネスまたは資産については、標準的手法を採用しています。
信用リスク管理に使用されるエクスポージャー計測モデルは、2012年12月より、期待エクスポージャー方式による連結自己資本規制比率の算出にも利用されています。
オペレーショナル・リスク管理
野村はオペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、オペレーショナル・リスクの顕在化の結果、法令や規制等の違反に至るリスクおよび野村グループ各社の評判の悪化に至るリスクを含みます。
野村は、業界標準である、以下の三段階管理で、オペレーショナル・リスク管理を行うこととしております。
(1)第一段階:ビジネス・ユニットは自らリスク管理を行います。
(2)第二段階:オペレーショナル・リスク管理部署は、オペレーショナル・リスク管理の枠組みを策定し、その運用を推進します。
(3)第三段階:内部監査は、独立した立場でオペレーショナル・リスク管理の枠組みの確認を行います。
野村は、オペレーショナル・リスクの特定、評価、管理、モニタリング、報告が可能となるオペレーショナル・リスク管理の枠組みを整備しております。経営会議より委任を受けた統合リスク管理会議がこの枠組みに基づくオペレーショナル・リスク管理全般を監督しています。
野村は、金融庁告示に定められた粗利益配分手法によりオペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本額を算出しております。粗利益配分手法では、業務区分に配分した粗利益に金融庁に定められた一定の掛目を乗じたものの過去3年間の平均値を計算し、オペレーショナル・リスク相当額としております。
モデル・リスク管理
モデル・リスクとは、評価モデルおよびリスク・モデルに関して、モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用により、損失を被るリスクをいいます。モデルの誤謬は、前提条件を設定し実装するまでのいかなる時点においても、発生する可能性があります。また、モデルの出力結果は入力データの質に依拠しているため、入力データにも注意を払う必要があります。さらに、基本的には妥当なモデルであり、モデルの設計目的に合った正確な出力がされる場合であっても、不適切に使用または誤って適用された場合、高いモデル・リスクを生じる可能性があります。こうしたリスクに対処するため、野村では定性的ステートメントと定量的項目から構成されるモデル・リスク・アペタイトを設定しております。定性的ステートメントには、モデルの不正確もしくは不適切な適用について明示しております。定量的項目については、モデル・リスクから生じる潜在的損失に基づいております。
野村は統合リスク管理会議、GRSCのいずれか、または双方により承認された各種規程類と実施手続きを文章化しており、評価モデルまたはリスク・モデルの変更時の手続きや検証の必要性について規定しております。モデルの公式使用に先立ち、モデル検証グループは、モデルの健全性および包括性について、モデルの開発者から独立した立場で検証を行う責任を有しております。すべてのモデルはまた、適切性を保つためモデル検証グループによる年次再承認手続きを受けなければなりません。さらに、新しく導入したモデル・パフォーマンス・モニタリング実施手続きを行うことで、モデルが設計時の機能を失う状況や潜在的に機能しなくなる状況を特定し、場合によっては追加的な検証の実施など必要な手続きを取っております。モデル変更により重要度に関する閾値を超える影響が生じる場合には、モデル承認が必要となります。
(6)流動性資金調達と資本の管理
資金調達と流動性管理
概況
野村では、資金流動性リスクを野村グループの信用力の低下または市場環境の悪化により必要な資金の確保が困難になる、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクと定義しております。このリスクは、市場において有担保あるいは無担保調達が不可能になる、野村の信用格付けが低下する、予定外の資金需要の変化に対応できない、迅速かつ最小の損失での資産の流動化ができない、あるいは、グループ会社間の自由な資金移動が妨げられる規制資本上の制約に関する変化等、市場全体の事情や野村固有の事情により発生します。資金流動性リスク管理については、経営会議が定める流動性リスク・アペタイトに基づくことを基本方針としております。野村の資金流動性管理は、市場全体が流動性ストレス下にある場合において、またそれに加えて野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合においても、それぞれ1年間、および30日間にわたり、無担保による資金調達が困難な場合においても、保有資産を維持しつつ業務を継続することができる十分な資金流動性を常に確保することを主な目的としております。また、金融庁の定める流動性カバレッジ比率(「金融商品取引法第五十七条の十七第一項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社およびその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社およびその子法人等の経営の健全性のうち流動性にかかる健全性の状況を表示する基準」)の充足が求められております。
野村は、主な流動性維持の目的を達成可能とする、さまざまな資金流動性リスク管理フレームワークを定めております。このフレームワークには、(1)余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持、(2)流動性ポートフォリオ以外の担保未提供資産の活用、(3)資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散、(4)野村グループ各社に対する与信枠の管理、(5)流動性ストレステストの実行、(6)コンティンジェンシー・ファンディング・プランに関することが含まれております。
経営会議は、野村の資金流動性に関する重要事項についての決定権を有しており、財務統括責任者(以下「CFO」)は、経営会議の決定に基づき、野村の資金流動性管理に関する業務を執行する権限と責任を有しております。
1.余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持
野村は、野村グループ内で資金流動性を有効に活用することを可能とするため、野村グループ各社の余剰資金の集中管理を行っております。資金の使用に関しても、野村では、無担保で提供される資金を一元的に管理しており、内部で上限を設けております。この上限は、CFOによって決定され、経営会議において各部門へ配分が行われます。ファイナンス部門において、資金流動性の管理を行う組織であるグローバル・トレジャリーは、使用状況についてモニタリングを行い、経営会議へ報告しております。
また、グループ会社間の資金移動を円滑なものにするため、規制対象ブローカーあるいは銀行における資金調達は限定的にしか行っておりません。野村は、無担保による資金調達の当社あるいは主要規制外発行体への集中を積極的に行っております。このことにより、野村は調達コストを最小化し、投資家からの認知度を高め、さまざまなグループ会社間の資金供給のフレキシビリティを高めております。
潜在的な資金流動性必要額を考慮し、十分な資金流動性を確保するために、野村は、現金ならびに売却や担保提供することで流動性資金を供給することができる流動性の高い担保未提供資産等で構成される流動性ポートフォリオを維持しており、グローバル・トレジャリーにて他の資産と区別して管理をしております。流動性ポートフォリオの金額は、2018年6月30日現在、5兆1,124億円となっており、ストレスシナリオを考慮した資金流動性必要額を満たしております。
2.流動性ポートフォリオ以外の担保未提供資産の活用
流動性ポートフォリオに加えて、主にトレーディング資産で構成される有担保資金調達の際の追加担保として使用可能な担保未提供資産を所有しております。グローバル・トレジャリーは、その他担保未提供資産のモニタリングを行っており、流動性ストレス下においては、当該資産を現金化し、野村グループの流動性供給のために利用することができます。なお、流動性ポートフォリオとその他担保未提供資産の合計は、野村の1年以内に満期の到来する無担保債務の合計に対して、十分な金額を維持しております。
3.資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散
野村は、保有資産を継続して維持していくうえで必要となる長期性資金を確保するために、長期無担保債務の額、および株主資本を十分な水準に維持するように努めております。また、無担保調達資金の借換えリスクを低減させるために、資金調達を行う市場やプロダクト、投資家、通貨および返済期限の分散にも努めております。
野村は、さまざまな種類の債券を発行することによって、資金調達手段の分散を図っております。これらには、仕組ローンや仕組債が含まれ、金利・為替・株式・コモディティやこれらのインデックスにリンクしたリターンが付いております。野村は、資金調達方法の多様性が増すように仕組ローンや仕組債を発行しております。これらについて、野村は、通常、デリバティブや原資産に対する支払い義務をヘッジすることにより、無担保調達債務と同様の効果を得ております。
3.1 短期無担保債務
野村の短期無担保債務は、短期銀行借入(長期銀行借入のうち、満期まで1年未満のものを含む)、その他の短期借入、コマーシャル・ペーパー、銀行業務受入預金、譲渡性預金、および償還まで1年以内の社債で構成されております。銀行業務受入預金および譲渡性預金は、銀行子会社の預金および譲渡性預金を表しております。短期無担保債務には、長期無担保債務のうち残存期間が1年以内となったものを含んでおります。
以下の表は、2018年3月31日、2018年6月30日現在の野村の短期無担保債務明細を表示したものです。
3.2 長期無担保債務
野村は、常に十分な長期性資金を確保し、適切なコストでの調達および適切な長期債務償還プロファイル維持を満たすために、満期や通貨の分散を行い定期的に長期性資金の調達を行っております。
野村の長期無担保債務には、米国発行登録および登録ミディアム・ターム・ノートプログラム、ユーロ・ミディアム・ターム・ノートプログラム、国内発行登録およびさまざまな発行プログラムより発行される普通社債や劣後社債が含まれております。
日本のグローバルな金融サービスグループとして、野村は、世界中のさまざまな市場と資金調達センターへのアクセスを持っております。主として当社、野村證券株式会社、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンスN.V.、ノムラ・バンク・インターナショナル PLCおよびノムラ・インターナショナル・ファンディング Pte. Ltd.が外部からの借入、債券発行その他資金調達を行っております。使用通貨や保有資産の流動性に合わせた資金調達や、必要に応じた為替スワップの使用により、調達構造の最適化を図っております。
野村は、市場や投資家のタイプごとに、効率的かつ十分に多様化された資金調達を行うために、さまざまなプロダクトや通貨による調達をしております。野村の無担保債務の大部分は、発行コストの上昇や債務償還満期を早める財務制限条項(格付け、キャッシュ・フロー、決算あるいは財務レシオ)は、付されておりません。
以下の表は、2018年3月31日、2018年6月30日現在の野村の長期無担保債務明細を表示したものです。
(1)編纂書810「連結」に定義される変動持分事業体の要件を満たす“連結変動持分事業体(VIE)が発行する社債”と編纂書860「譲渡とサービシング」により、会計上担保付金融取引として取り扱われる譲渡取消に伴う担保付借入を含んでおりません。
3.3 償還プロファイル
プレーン・バニラ物(プレーン・バニラ債および長期借入金)の調達に関しては、平均残存年数が3年以上となるように努めております。また、仕組ローンや仕組債については、その大部分が、金利・為替・株式・コモディティやこれらのインデックスにリンクしており、これらの償還確率は、内部数理モデルによって継続的に評価され、グローバル・トレジャリーによりモニターされております。予定された満期日以前に償還される可能性のあるものについては、野村の内部ストレスオプション評価モデルにより、評価されております。このモデルは、ストレス市場環境下で、いつその債券が償還される可能性があるかを評価します。
3.4 有担保資金調達
野村は、トレーディング業務のための資金調達活動は、担保付借入、レポ契約、日本の現先レポ取引によって、通常行っております。これらの有担保資金調達は、無担保資金調達に比べコストが低く、格付けの影響を受けにくいものと考えております。有担保資金調達は、担保資産の質や市場環境の影響を受けます。流動性の高い資産を担保として用いる場合は短期の契約で資金調達を行う一方で、流動性の低い資産を担保として用いる場合は、契約期間の長期化に努めております。野村は、有担保資金調達にともなう資金流動性リスクを低減させるために、カウンターパーティーのグローバルな分散、担保の種類の多様化にも努めております。また、流動性の低い資産を用いた短期有担保資金調達の借換えが難しくなる場合のリスクに備えて、流動性ポートフォリオを保有しております。詳細は、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]5 担保付取引」をご参照ください。
4.野村グループ各社に対する与信枠の管理
野村は、資金調達の安定性を確保するために、金融機関から野村グループに対する与信枠の維持、拡大に努めております。また、資金流動性リスク管理の一環として、借入の契約満期日が一時期に集中しないように分散させております。
5.流動性ストレステストの実行
野村は、先に述べた流動性管理方針に沿うよう、一定のストレスシナリオ下でのキャッシュ流出をシミュレートする内部モデルに基づいて流動性ポートフォリオをモニターしております。
資金流動性必要額は、さまざまなストレスシナリオ下において、異なるレベルで、さまざまな時間軸に沿って見積もられております。そこでは、親会社や子会社レベルでの格下げといった野村固有および市場全体のイベント下で発生する資金流動性必要額を見積もっております。野村では、このリスク分析を「マキシマム・キュームレーティブ・アウトフロー(以下「MCO」)」と呼んでおります。
MCOフレームワークは、主たる資金流動性リスクを考慮したうえで構築し、以下の2つのシナリオに基づいて、将来のキャッシュ・フローをモデル化しております。
・ストレスシナリオ:市場全体が流動性ストレス下にある場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく1年間適切な流動性を維持すること。
・アキュートシナリオ:市場全体が流動性ストレス下にあることに加え、野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく30日間適切な流動性を維持すること。
野村は、これらの各モデルで用いられている時間軸の中で、資産の流動化を行ったり、ビジネスモデルを修正することはできないと想定しております。したがって、MCOフレームワークは、ストレス状況下においても、野村が適切と考える流動性リスク・アペタイトを満たすために必要な資金流動性額を定義するものです。
2018年6月末時点において、野村の流動性ポートフォリオは、上述のシナリオ下で想定された資金流出予想額を上回っておりました。
野村は、規制環境や市場の変化に基づいた資金流動性リスクの前提条件を継続的に評価し、調整をしております。ストレスの影響をシミュレートするために用いるモデルでは、以下のような事象を考慮、想定しております。
・資産の売却ができない状況
・追加の無担保調達を行うことができない状況
・既存の借入金の返済期日や発行済み社債の償還期日(1年以内)
・発行済み社債の買い取りの可能性
・流動性の低い資産を担保とする資金調達ラインの喪失
・通常の事業環境下での運転資金需要の変化
・ストレス時における受入銀行預金および担保の流出
・既存のレポ調達時の担保掛目の拡大
・決済銀行からの担保・預託金追加要求
・コミットメント提供先のドローダウン
・損失に伴う資金の喪失
・野村の信用格付けが2ノッチ格下げされた場合のデリバティブ取引にかかる契約上の追加担保要請、および清算・決済機関からの潜在的な追加担保要請
・グループ会社間の資金や証券の移動を制限する法規制を考慮した資金流出
6.コンティンジェンシー・ファンディング・プラン
野村は、詳細にわたるコンティンジェンシー・ファンディング・プラン(以下「CFP」)を定め、包括的リスク管理の枠組みに組み込むとともに、定量的なコントロールを強化しております。この中で、リクイディティ・イベントの範囲の分析と特定方法を記載しております。そのうえで、野村固有のあるいは市場全体の影響の可能性を見積もることや、リスクを低下させるために即座にとられるべき対応を特定しております。CFPは、キーとなる内部および外部の連絡先やどの情報を知らせるかを示すプロセスの詳細をリスト化しております。また、野村が規制上、法的、あるいは税務上の制限によって、グループ会社レベルにおける資金へのアクセスができなくなったことを想定し、グループ会社レベルで、個別の資金需要に応えうるように作られております。なお、野村は、定期的にさまざまな市場や野村固有のイベントに対して本CFPの有効性をテストしております。野村は、日本銀行等中央銀行が行うさまざまな証券に対して実施する資金供給オペレーションへのアクセスも持っております。これらのオペレーションは、通常のビジネスでも利用しておりますが、市場の悪化による不測のリスクを軽減させる重要な手段のひとつです。
流動性規制
2008年にバーゼル委員会は、流動性フレームワークの基盤となる「健全な流動性リスク管理及びその監督のための諸原則」を公表しました。続いて、バーゼル委員会は資金流動性にかかる2つの最低基準を策定し、流動性管理の枠組みをさらに強化しました。これらの基準は、それぞれ独立しているものの相互補完的な2つの目的を達成するために策定されております。
第1の基準の目的は、金融機関の流動性リスク態様の短期的強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関が流動性の高い資産を十分に保有し、30日間継続する強いストレスシナリオに耐える力を持っていることを確保することにあります。バーゼル委員会は、この目的を達成するために流動性カバレッジ比率(以下「LCR」)を策定しました。
第2の基準の目的は長期的な強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関に対し、常により安定的な資金調達源を確保したうえで、業務を行うことを促すための追加的なインセンティブを設けました。安定調達比率(以下「NSFR」)は、対象期間を1年とし、資産・負債が持続可能な満期構造を保つよう策定されました。
これら2つの基準を構成するパラメータは、主として、国際的に統一された既定の数値です。しかしながら、各国固有の状況を反映させるため、一部のパラメータには各国裁量の要素が含まれております。LCRについては、本邦においてバーゼル委員会の国際合意文書に必要な修正を加えた金融庁告示が公布され、2015年3月末から最低基準として段階導入されております。なお、当第1四半期連結会計期間におけるLCRの平均値は184.8%となっており、上記金融庁告示の定める要件を満たしております。また、NSFRについては、現時点で本邦において導入されておりません。
キャッシュ・フロー
現金、現金同等物、制限付き現金および制限付き現金同等物の前第1四半期連結会計期間末残高および当第1四半期連結会計期間末残高は、それぞれ2兆3,210億円と2兆4,632億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間においては主にトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資の増加等により5,066億円の支出となり、当第1四半期連結累計期間においては主に売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券(純額)の増加等により862億円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間においては主に建物、土地、器具備品および設備の購入により43億円の支出となり、当第1四半期連結累計期間においては主に建物、土地、器具備品および設備の売却により128億円の収入となりました。また財務活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間および当第1四半期連結累計期間において、主に長期借入の増加等によりそれぞれ2,922億円と1,396億円の収入となりました。
四半期連結貸借対照表および財務レバレッジ
2018年6月30日現在の資産合計は、2018年3月31日現在の40兆3,439億円に対し、売戻条件付買入有価証券およびトレーディング資産が増加したこと等により、2兆4,845億円増加し、42兆8,285億円となりました。また、2018年6月30日現在の負債は、2018年3月31日現在の37兆5,441億円に対し、買戻条件付売却有価証券が増加したこと等により、2兆4,391億円増加し、39兆9,833億円となりました。2018年6月30日現在の当社株主資本は、2018年3月31日現在の2兆7,493億円に対し、累積的その他の包括利益が増加したこと等により、前期末比479億円増加の2兆7,972億円となりました。
なお、2018年4月1日より適用した会計方針の変更にともない、2018年3月期の数値は組み替えて表示しております。詳細は「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]1 会計処理の原則」をご参照ください。
野村は、マーケットの極端な変動によってもたらされ得る大きな損失にも耐えられる規模の資本を維持することに努めております。野村の適正資本の維持にかかる基本方針は経営会議が決定し、その実践の責任を負います。適正資本の維持にかかる基本方針には、適正な総資産規模の水準やそれを維持するために必要な資本規模の決定などが含まれます。当社は、当社のビジネス・モデルに起因する経済的なリスクに耐え得る必要充分な資本を維持しているかにつき、定期的な確認を行っておりますが、こうした観点とは別に、銀行業や証券業を営む子会社は規制当局から要請される最低資本金額を満たす必要もあります。
レバレッジ・レシオは、野村と同様に他の金融機関でも、一般的に用いられており、当社のアニュアルレポートの利用者が野村のレバレッジ・レシオおよび調整後レバレッジ・レシオを他の金融機関と比較できるように、ベンチマークとする目的で、自主的に開示しております。調整後レバレッジ・レシオは、野村がレバレッジにかかる有用な補助的指標であると考える米国会計原則に基づかない指標です。
以下の表は、当社株主資本、総資産、調整後総資産と財務レバレッジの状況を示しています。
(1)調整後総資産は米国会計原則に基づかない指標であり、総資産の額から売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金の額を控除したものとなり、以下のように計算されます。
(2)レバレッジ・レシオは、総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。
(3)調整後レバレッジ・レシオは、調整後総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。
総資産は、売戻条件付買入有価証券およびトレーディング資産が増加したこと等により、6.2%増加しました。当社株主資本は、累積的その他の包括利益が増加したこと等により、1.7%増加しました。この結果、野村のレバレッジ・レシオは、2018年3月31日現在の14.7倍から2018年6月30日現在15.3倍に上昇しました。
調整後総資産が増加した理由は、主にトレーディング資産の増加によるものです。この結果、野村の調整後レバレッジ・レシオは、2018年3月31日現在の8.8倍から2018年6月30日現在9.1倍に上昇しました。
連結自己資本規制
金融庁は2005年6月に「金融コングロマリット監督指針」を策定し、連結自己資本規制に関する規定を設けました。この「金融コングロマリット監督指針」に基づき、2005年4月から、当社は、連結自己資本規制比率のモニタリングを開始しました。
2011年4月から、当社は、親会社に対する連結自己資本規制の適用を受ける最終指定親会社の指定を受け、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十号、以下「川上連結告示」といいます。)により、バーゼルⅡに基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。また、2011年12月末からは、マーケット・リスク相当額の計測方法を大幅に改定したバーゼル2.5に基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。さらに、2013年3月末からは、より質の高い資本を具備させることを目的とした自己資本項目の再定義や、信用リスク・アセットの計測対象の大幅な追加を主な内容とするバーゼルⅢを受けて改正された川上連結告示の内容に基づいた連結自己資本規制比率の計測を行っております。
当社は、川上連結告示第2条の算式に従い、普通株式等Tier1資本の額、Tier1資本(普通株式等Tier1資本およびその他Tier1資本)の額、総自己資本(Tier1資本およびTier2資本)の額、信用リスク・アセットの額、マーケット・リスク相当額およびオペレーショナル・リスク相当額をもとに連結自己資本規制比率を測定しております。2018年6月30日現在の野村の連結普通株式等Tier1比率(普通株式等Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は16.10%、連結Tier1比率(Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は17.15%、連結総自己資本規制比率(総自己資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は17.54%となり、川上連結告示の定める要件をそれぞれ満たしました。なお、2018年6月30日現在、川上連結告示の定める要件は、連結普通株式等Tier1比率について6.79%、連結Tier1比率について8.29%、連結総自己資本規制比率について10.29%となっております。
2018年6月30日現在の連結自己資本規制比率について、以下に示しております。
連結レバレッジ規制
金融庁は2015年3月に「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十二号、以下「開示告示」といいます。)を改正するとともに「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件第三条第一項の規定に基づき、金融庁長官が別に定める連結レバレッジ比率」(平成二十七年金融庁告示第十一号、以下「連結レバレッジ比率告示」といいます)を公表し、連結レバレッジ比率に関する算出ならびに開示にかかる要件を定めました。当社は開示告示および連結レバレッジ比率告示に基づき、2015年3月末から連結レバレッジ比率の算出および開示を開始しました。また、当社の経営者は同連結レバレッジ比率に関する報告を定期的に受けております。なお、2018年6月30日現在の当社の連結レバレッジ比率は、4.59%となりました。
(7)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間および本第1四半期報告書提出日までに新たに発生した事業上および財務上の対処すべき課題はありません。
当第1四半期連結累計期間の収益合計(金融費用控除後)は2,720億円、金融費用以外の費用は2,584億円、税引前四半期純利益は136億円、当社株主に帰属する四半期純利益は52億円となりました。
四半期連結損益計算書における収益合計(金融費用控除後)および金融費用以外の費用の内訳はそれぞれ次のとおりであります。
| 前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) (百万円) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) (百万円) | |
| 委託・投信募集手数料 | 90,968 | 79,456 |
| (委託手数料) | 60,464 | 54,342 |
| (投信募集手数料) | 23,190 | 17,820 |
| (その他) | 7,314 | 7,294 |
| 投資銀行業務手数料 | 22,707 | 23,959 |
| (引受・募集手数料) | 7,459 | 12,758 |
| (M&A・財務コンサルティングフィー) | 8,340 | 7,308 |
| (その他) | 6,908 | 3,893 |
| アセットマネジメント業務手数料 | 58,343 | 62,981 |
| (アセットマネジメントフィー) | 53,918 | 58,835 |
| (その他) | 4,425 | 4,146 |
| トレーディング損益 | 120,467 | 71,887 |
| プライベート・エクイティ投資関連損益 | 359 | 553 |
| 純金融収益 | 27,289 | 10,602 |
| 投資持分証券関連損益 | 62 | 2,092 |
| その他 | 40,628 | 20,467 |
| 収益合計(金融費用控除後) | 360,823 | 271,997 |
| 前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) (百万円) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) (百万円) | |
| 人件費 | 136,249 | 127,700 |
| 支払手数料 | 23,775 | 20,935 |
| 情報・通信関連費用 | 44,569 | 40,961 |
| 不動産関係費 | 17,056 | 16,376 |
| 事業促進費用 | 8,409 | 8,896 |
| その他 | 53,322 | 43,486 |
| 金融費用以外の費用計 | 283,380 | 258,354 |
事業別セグメント情報
事業別セグメントにおける業績は次のとおりです。
なお、合算セグメント情報と、四半期連結損益計算書における収益合計(金融費用控除後)および税引前四半期純利益(△損失)との調整計算につきましては、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]16 セグメント情報および地域別情報」をご参照ください。
収益合計(金融費用控除後)
| 前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) (百万円) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) (百万円) | |
| 営業部門 | 101,684 | 92,833 |
| アセット・マネジメント部門 | 28,097 | 26,089 |
| ホールセール部門 | 179,316 | 137,290 |
| その他(消去分を含む) | 51,707 | 13,738 |
| 計 | 360,804 | 269,950 |
金融費用以外の費用
| 前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) (百万円) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) (百万円) | |
| 営業部門 | 76,792 | 72,909 |
| アセット・マネジメント部門 | 14,527 | 15,806 |
| ホールセール部門 | 153,963 | 144,714 |
| その他(消去分を含む) | 38,098 | 24,925 |
| 計 | 283,380 | 258,354 |
税引前四半期純利益(△損失)
| 前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) (百万円) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) (百万円) | |
| 営業部門 | 24,892 | 19,924 |
| アセット・マネジメント部門 | 13,570 | 10,283 |
| ホールセール部門 | 25,353 | △7,424 |
| その他(消去分を含む) | 13,609 | △11,187 |
| 計 | 77,424 | 11,596 |
営業部門
収益合計(金融費用控除後)は、不透明な市場環境を背景に、お客様の様子見姿勢が継続し、928億円となりました。金融費用以外の費用は729億円、税引前四半期純利益は199億円となりました。2018年6月末の営業部門顧客資産残高は、2018年3月末から0.9兆円増加し118.6兆円となりました。
アセット・マネジメント部門
収益合計(金融費用控除後)は261億円となりました。金融費用以外の費用は158億円、税引前四半期純利益は103億円となりました。2018年6月末の運用資産残高は、市場要因に加えて米国ハイ・イールド・プロダクト等への資金流入もあり、2018年3月末から0.8兆円増加し50.8兆円となりました。
ホールセール部門
収益合計(金融費用控除後)は1,373億円となりました。金融費用以外の費用は1,447億円、税引前四半期純損失は74億円となりました。ホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)の内訳は以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |||
| 前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) | ||
| グローバル・マーケッツ | 152,250 | 112,188 | |
| インベストメント・バンキング | 27,066 | 25,102 | |
| 収益合計(金融費用控除後) | 179,316 | 137,290 |
グローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は1,122億円となりました。フィクスト・インカムの収益合計(金融費用控除後)は、方向感の見えにくい市場環境や、新興国市場の変調などで、トレーディング・ビジネスが低調となり、前年同期の938億円から577億円となりました。エクイティの収益合計(金融費用控除後)は、市場売買高の減少などから、前年同期の585億円から545億円となりました。インベストメント・バンキングでは、収益合計(金融費用控除後)は251億円となりました。
2018年4月、野村はクライアント・ファイナンシングアンドソリューション(以下「CFS」)を設立いたしました。CFSではグローバル・マーケッツとインベストメント・バンキングが協働するため、事業セグメント上はCFSから発生する収益をグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキングに適宜按分しております。これに伴って従来グローバル・マーケッツに含めて表示していた収益の一部をインベストメント・バンキングに組み替えております。
その他の経営成績
その他の経営成績には、経済的ヘッジ取引に関連する損益、営業目的で保有する投資持分証券の実現損益、関連会社損益の持分額、本社勘定、その他の財務調整が含まれております。また、当第1四半期連結累計期間に生じたデリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失8億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する損失14億円がその他の業績に含まれております。当第1四半期連結累計期間のその他の経営成績の収益合計(金融費用控除後)は137億円、金融費用以外の費用は249億円、税引前四半期純損失は112億円となりました。
サイバーセキュリティインシデント
海外子会社において、当該子会社の顧客情報を含むシステムへの不正なアクセスがあったことが判明しました。当該事案により、野村のレピュテーションが害されること、ならびに法的責任および行政処分の対象となることによる経済的損失を被る可能性があります。また、当該事案に対する是正措置のみならず、他の野村グループ会社のサイバーセキュリティ強化により、費用が増加することが見込まれます。
地域別情報
地域別の収益合計(金融費用控除後)および税引前四半期純利益(△損失)については、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]16 セグメント情報および地域別情報」をご参照ください。
キャッシュ・フロー
「(6)流動性資金調達と資本の管理」をご参照ください。
(2)投資・金融サービス業務に付随する主要な資産負債等の状況
1)一定の金融商品および取引先に対するエクスポージャー
市場環境は、野村が一定のエクスポージャーを有するさまざまな金融商品に影響を与え続けています。また、野村は通常の業務においても、特別目的事業体などの取引先に対し、一定のエクスポージャーを有しております。
レバレッジド・ファイナンス
野村は、顧客にレバレッジド・バイアウト、レバレッジド・バイインにかかる貸付金を提供しています。通常このような資金提供はコミットメントを通じて行われることが多く、野村は実行済および未実行コミットメントの双方においてエクスポージャーを有しております。次の表は、2018年6月30日現在における野村のレバレッジド・ファイナンスのエクスポージャーを対象企業の地域別に表しております。
| (単位:百万円) | |||||
| 実行済残高 | 未実行 コミットメント残高 | 合計 | |||
| 欧州 | 20,822 | 37,947 | 58,769 | ||
| 米州 | 29,274 | 244,572 | 273,846 | ||
| アジア・オセアニア | 11,182 | 1,424 | 12,606 | ||
| 合計 | 61,278 | 283,943 | 345,221 |
特別目的事業体
野村が行う特別目的事業体との関与は、これらの事業体を組成すること、またマーケットの状況に応じて、これらの事業体が発行する負債証券および受益権を引受け、売出し、販売することが含まれております。また野村は通常の証券化およびエクイティ・デリバティブ業務の中で、これらの事業体に対する金融資産の譲渡、これらの事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。さらに野村は、マーケット・メーク業務、投資業務、組成業務に関連し、特別目的事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。特別目的事業体とのその他の関与には、債務保証やデリバティブ契約などが含まれます。
変動持分事業体への関与に関するより詳しい説明は、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]7 証券化および変動持分事業体」をご参照ください。
2)金融商品の公正価値
野村の金融商品の大部分は経常的に公正価値で計上され、公正価値の変動は損益もしくはその他の包括利益に計上されます。公正価値評価は米国会計原則により明確に適用が要求される場合と、野村が公正価値オプションを選択できる対象に選択して適用する場合があります。
その他の一義的な評価基準が公正価値に基づかない金融資産や負債は非経常的に公正価値評価されます。その場合、公正価値は当初認識以降の減損の測定など限定的な状況で使用されます。
米国財務会計審議会編纂書(以下「編纂書」)820「公正価値評価と開示」に基づき、公正価値で測定されたすべての金融商品はその測定に使用された基礎データの透明度によって3段階のレベルに分類されます。
毎期経常的に公正価値評価される資産の合計に対するレベル3に分類された資産の比率は、当第1四半期連結会計期間末で3%となりました。
| (単位:十億円) | |||||||||
| 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | |||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 取引相手 および 現金担保 との相殺 | 合計 | |||||
| 公正価値評価資産 (除くデリバティブ) | 9,446 | 8,681 | 537 | - | 18,664 | ||||
| デリバティブ資産 | 21 | 15,678 | 148 | △14,888 | 959 | ||||
| 合計 | 9,467 | 24,359 | 685 | △14,888 | 19,623 | ||||
詳細につきましては「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]2 公正価値測定」をご参照ください。
(3)トレーディング業務の概要
トレーディング目的資産負債
トレーディング目的資産および負債の内訳については、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記] 2 公正価値測定 および 3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。
トレーディングのリスク管理
野村はトレーディング業務におけるマーケット・リスクの測定方法として、バリュー・アット・リスク(以下「VaR」)を採用しております。
1)VaRの前提
・信頼水準:99%
・保有期間:1日
・商品の価格変動等を考慮
2)VaRの実績
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) (億円) | 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) (億円) | |
| 株式関連 | 12 | 22 |
| 金利関連 | 31 | 29 |
| 為替関連 | 32 | 23 |
| 小計 | 75 | 74 |
| 分散効果 | △11 | △29 |
| VaR | 64 | 45 |
| 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) | |||
| 最大値(億円)(1) | 最小値(億円)(1) | 平均値(億円)(1) | |
| VaR | 61 | 36 | 47 |
(1)過去3カ月のVaRの最大値、平均値、最小値は日次の計算結果に基づく。
(4)繰延税金資産の状況
1)繰延税金資産・負債の主な発生原因
2018年6月30日現在、四半期連結貸借対照表上、その他の資産-その他として記載されている繰延税金資産、およびその他の負債として記載されている繰延税金負債の内訳は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |
| 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | |
| 繰延税金資産 | |
| 減価償却、その他の償却、および固定資産の評価 | 20,016 |
| 子会社・関連会社株式投資 | 48,061 |
| 金融商品の評価差額 | 67,839 |
| 未払退職・年金費用 | 26,462 |
| 未払費用および引当金 | 61,097 |
| 繰越欠損金 | 370,100 |
| その他 | 2,565 |
| 繰延税金資産小計 | 596,140 |
| 控除:評価性引当金 | △437,446 |
| 繰延税金資産合計 | 158,694 |
| 繰延税金負債 | |
| 子会社・関連会社株式投資 | 133,688 |
| 金融商品の評価差額 | 44,211 |
| 海外子会社の未分配所得 | 839 |
| 固定資産の評価 | 10,028 |
| その他 | 3,930 |
| 繰延税金負債合計 | 192,696 |
| 繰延税金資産(負債)の純額 | △34,002 |
2)繰延税金資産の算入根拠
繰延税金資産は、米国会計基準に基づき、将来において実現すると予想される範囲内で認識しており、将来において実現が見込まれない場合には評価性引当金を計上しております。なお、将来の課税所得の見積期間は納税単位ごとに個別に判断し、適正な期間見積もっております。
3)過去5年間の課税所得および見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額
当社は、日本にて連結納税制度を採用しており、野村證券を含む主要子会社は当制度に含まれております。上記1)に記載されている繰延税金資産のうち、日本の連結納税グループにおける繰延税金資産(負債)の純額は△32,527百万円となっており、野村の連結財務諸表における繰延税金資産(負債)の純額の大部分を占めております。そのため、以下の記載では連結納税グループの合算数値を記載しております。
過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)
| (単位:百万円) | |||||
| 2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | |
| 日本の連結納税グループ合算値 | △91,847 | 252,152 | 195,472 | 160,769 | 79,397 |
(注) 法人確定申告書上の繰越欠損金控除前の課税所得であり、その後の変動は反映しておりません。
見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額
日本の連結納税グループについては、5年を課税所得見積期間とし、見込み税引前当期純利益合計および見込み調整前課税所得合計はそれぞれ、914,089百万円、882,677百万円となっております。
(5)リスク・マネジメントについての定性的開示
1)リスク・マネジメント
野村では、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクなど業務運営によって生じる不測の損失により当グループの資本が毀損する可能性、および自社の信用力の低下または市場環境の悪化により円滑な資金調達ができなくなるという資金流動性リスク、さらに収益環境の悪化または業務運営の効率性もしくは有効性の低下により収益がコストをカバーできなくなるというビジネス・リスクをリスクとして定義しております。
そのうえで、野村では全社員が自らリスク管理を行う主体であると認識し、リスクに適切に対処することを基本理念としております。野村では、組織内の全階層において積極的なリスク管理がなされるよう推進し、かつ、リスクをリスク・アペタイトの範囲内に抑制するよう努めております。野村のリスク管理の枠組みはリスク・アペタイト、リスク管理のガバナンスおよび監督、財務的経営資源の管理、すべてのリスク・カテゴリー管理、およびリスクの計測および管理プロセスで構成されています。
2)グローバル・リスク管理体制
野村は取締役会において「業務の適正を確保するための体制」を基本方針として定め、それに沿って、損失の危機の管理に関するその他の体制を制定し、この体制に基づいてリスク管理の高度化、リスク管理の強化・整備に継続的に取り組んでおります。また、経営会議から委任を受けた統合リスク管理会議においてリスク管理規程を制定し、リスク管理の基本方針を含むグループ全体のリスク管理の枠組みについて定めております。
市場リスク管理
市場リスクは、市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券等の価格)の変動により、保有する金融資産および負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクです。市場リスクを適切に管理するためには、複雑かつ不断に変動する市場環境をグローバルに分析し、損失に繋がる可能性のある傾向を把握したうえで、適時に適切な対応を取る能力が必要となります。
野村では継続して市場リスクを統計的に計測・モニタリングする主要な手段として、VaR、ストレスVaRおよび追加的リスクを利用しております。また、感応度分析やストレス・テストも市場リスクを評価・分析する手段として利用しております。感応度は、市場リスク・ファクターの単位当たりの変動によるポートフォリオ価値変化を示す尺度として利用されます。感応度は、資産種別によって異なり、通常、異なるリスク・ファクターに関する感応度を合算することはできません。ストレス・テストにおいては、ポートフォリオ・リスクやテイル・リスクをその非線形な性質を含めて分析し、グループ全体から各部門、個々のトレーディング・デスクに至るあらゆる階層で、市場リスク・ファクターを横断した合算が可能となります。市場リスクは、ビジネス部門やシニア・マネジメントに報告される日次レポートその他の経営情報により、社内手続きに基づいて承認されたリミット内であるかどうかモニタリングされます。
信用リスク管理
信用リスクとは、債務者が、債務不履行、破産、または法的手続き等の結果として、予め合意した条件どおりに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいい、オフ・バランス資産にかかる損失を含みます。当該リスクはまた、カウンターパーティーの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメントにより損失を被るリスクを含みます。なお、野村では、グローバルおよびリーガル・エンティティ単位で信用リスクを管理しています。
野村における信用リスクの計測、モニタリングおよび管理に関する事項は、グローバル・ポリシー、プロシージャーで規定しています。クレジット・リスク・マネジメント(以下「CRM」)は、リスク・マネジメント部門内のグローバルな組織として、これらのポリシーやプロシージャーの実装、および維持、管理に責任を負います。これらのポリシーは、統合リスク管理会議、グローバル・リスク・ストラテジック・コミッティ(以下「GRSC」)の承認を受けて制定され、信用リスク管理の基本方針のほか、クレジット・リミット設定にかかる承認権限を定めています。
信用リスクは、CRMならびに、グローバルおよび地域の各種リスク・コミッティにより管理されており、重大な信用リスクの把握やクレジット・リミットの遵守の徹底のほか、多額の与信の提供に関する承認や、シニア・マネジメントがリスクの集中に関する承認を行う態勢を確保しています。
CRMは、リスク・マネジメント部門内の信用リスクを管理するための組織であり、チーフ・リスク・オフィサーに報告します。野村における信用リスク管理プロセスには、以下を含みます。
・カウンターパーティーの債務不履行の可能性の評価
・すべてのアクティブなカウンターパーティーに対する内部格付の付与
・与信の供与およびクレジット・リミットの設定に関する承認
・時価および将来のポテンシャル・エクスポージャーの計測、モニタリングおよび管理
・契約書における信用リスクに関する条件の設定
・一括清算、担保徴求およびヘッジを含む適切な信用リスク削減手法の活用
野村は、規制自己資本を算出するための信用リスク・アセットの計算において、2011年3月より基礎的内部格付手法を採用しています。なお、信用リスク・アセットの計算において、重要性の低い一部のビジネスまたは資産については、標準的手法を採用しています。
信用リスク管理に使用されるエクスポージャー計測モデルは、2012年12月より、期待エクスポージャー方式による連結自己資本規制比率の算出にも利用されています。
オペレーショナル・リスク管理
野村はオペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、オペレーショナル・リスクの顕在化の結果、法令や規制等の違反に至るリスクおよび野村グループ各社の評判の悪化に至るリスクを含みます。
野村は、業界標準である、以下の三段階管理で、オペレーショナル・リスク管理を行うこととしております。
(1)第一段階:ビジネス・ユニットは自らリスク管理を行います。
(2)第二段階:オペレーショナル・リスク管理部署は、オペレーショナル・リスク管理の枠組みを策定し、その運用を推進します。
(3)第三段階:内部監査は、独立した立場でオペレーショナル・リスク管理の枠組みの確認を行います。
野村は、オペレーショナル・リスクの特定、評価、管理、モニタリング、報告が可能となるオペレーショナル・リスク管理の枠組みを整備しております。経営会議より委任を受けた統合リスク管理会議がこの枠組みに基づくオペレーショナル・リスク管理全般を監督しています。
野村は、金融庁告示に定められた粗利益配分手法によりオペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本額を算出しております。粗利益配分手法では、業務区分に配分した粗利益に金融庁に定められた一定の掛目を乗じたものの過去3年間の平均値を計算し、オペレーショナル・リスク相当額としております。
モデル・リスク管理
モデル・リスクとは、評価モデルおよびリスク・モデルに関して、モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用により、損失を被るリスクをいいます。モデルの誤謬は、前提条件を設定し実装するまでのいかなる時点においても、発生する可能性があります。また、モデルの出力結果は入力データの質に依拠しているため、入力データにも注意を払う必要があります。さらに、基本的には妥当なモデルであり、モデルの設計目的に合った正確な出力がされる場合であっても、不適切に使用または誤って適用された場合、高いモデル・リスクを生じる可能性があります。こうしたリスクに対処するため、野村では定性的ステートメントと定量的項目から構成されるモデル・リスク・アペタイトを設定しております。定性的ステートメントには、モデルの不正確もしくは不適切な適用について明示しております。定量的項目については、モデル・リスクから生じる潜在的損失に基づいております。
野村は統合リスク管理会議、GRSCのいずれか、または双方により承認された各種規程類と実施手続きを文章化しており、評価モデルまたはリスク・モデルの変更時の手続きや検証の必要性について規定しております。モデルの公式使用に先立ち、モデル検証グループは、モデルの健全性および包括性について、モデルの開発者から独立した立場で検証を行う責任を有しております。すべてのモデルはまた、適切性を保つためモデル検証グループによる年次再承認手続きを受けなければなりません。さらに、新しく導入したモデル・パフォーマンス・モニタリング実施手続きを行うことで、モデルが設計時の機能を失う状況や潜在的に機能しなくなる状況を特定し、場合によっては追加的な検証の実施など必要な手続きを取っております。モデル変更により重要度に関する閾値を超える影響が生じる場合には、モデル承認が必要となります。
(6)流動性資金調達と資本の管理
資金調達と流動性管理
概況
野村では、資金流動性リスクを野村グループの信用力の低下または市場環境の悪化により必要な資金の確保が困難になる、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクと定義しております。このリスクは、市場において有担保あるいは無担保調達が不可能になる、野村の信用格付けが低下する、予定外の資金需要の変化に対応できない、迅速かつ最小の損失での資産の流動化ができない、あるいは、グループ会社間の自由な資金移動が妨げられる規制資本上の制約に関する変化等、市場全体の事情や野村固有の事情により発生します。資金流動性リスク管理については、経営会議が定める流動性リスク・アペタイトに基づくことを基本方針としております。野村の資金流動性管理は、市場全体が流動性ストレス下にある場合において、またそれに加えて野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合においても、それぞれ1年間、および30日間にわたり、無担保による資金調達が困難な場合においても、保有資産を維持しつつ業務を継続することができる十分な資金流動性を常に確保することを主な目的としております。また、金融庁の定める流動性カバレッジ比率(「金融商品取引法第五十七条の十七第一項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社およびその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社およびその子法人等の経営の健全性のうち流動性にかかる健全性の状況を表示する基準」)の充足が求められております。
野村は、主な流動性維持の目的を達成可能とする、さまざまな資金流動性リスク管理フレームワークを定めております。このフレームワークには、(1)余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持、(2)流動性ポートフォリオ以外の担保未提供資産の活用、(3)資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散、(4)野村グループ各社に対する与信枠の管理、(5)流動性ストレステストの実行、(6)コンティンジェンシー・ファンディング・プランに関することが含まれております。
経営会議は、野村の資金流動性に関する重要事項についての決定権を有しており、財務統括責任者(以下「CFO」)は、経営会議の決定に基づき、野村の資金流動性管理に関する業務を執行する権限と責任を有しております。
1.余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持
野村は、野村グループ内で資金流動性を有効に活用することを可能とするため、野村グループ各社の余剰資金の集中管理を行っております。資金の使用に関しても、野村では、無担保で提供される資金を一元的に管理しており、内部で上限を設けております。この上限は、CFOによって決定され、経営会議において各部門へ配分が行われます。ファイナンス部門において、資金流動性の管理を行う組織であるグローバル・トレジャリーは、使用状況についてモニタリングを行い、経営会議へ報告しております。
また、グループ会社間の資金移動を円滑なものにするため、規制対象ブローカーあるいは銀行における資金調達は限定的にしか行っておりません。野村は、無担保による資金調達の当社あるいは主要規制外発行体への集中を積極的に行っております。このことにより、野村は調達コストを最小化し、投資家からの認知度を高め、さまざまなグループ会社間の資金供給のフレキシビリティを高めております。
潜在的な資金流動性必要額を考慮し、十分な資金流動性を確保するために、野村は、現金ならびに売却や担保提供することで流動性資金を供給することができる流動性の高い担保未提供資産等で構成される流動性ポートフォリオを維持しており、グローバル・トレジャリーにて他の資産と区別して管理をしております。流動性ポートフォリオの金額は、2018年6月30日現在、5兆1,124億円となっており、ストレスシナリオを考慮した資金流動性必要額を満たしております。
2.流動性ポートフォリオ以外の担保未提供資産の活用
流動性ポートフォリオに加えて、主にトレーディング資産で構成される有担保資金調達の際の追加担保として使用可能な担保未提供資産を所有しております。グローバル・トレジャリーは、その他担保未提供資産のモニタリングを行っており、流動性ストレス下においては、当該資産を現金化し、野村グループの流動性供給のために利用することができます。なお、流動性ポートフォリオとその他担保未提供資産の合計は、野村の1年以内に満期の到来する無担保債務の合計に対して、十分な金額を維持しております。
3.資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散
野村は、保有資産を継続して維持していくうえで必要となる長期性資金を確保するために、長期無担保債務の額、および株主資本を十分な水準に維持するように努めております。また、無担保調達資金の借換えリスクを低減させるために、資金調達を行う市場やプロダクト、投資家、通貨および返済期限の分散にも努めております。
野村は、さまざまな種類の債券を発行することによって、資金調達手段の分散を図っております。これらには、仕組ローンや仕組債が含まれ、金利・為替・株式・コモディティやこれらのインデックスにリンクしたリターンが付いております。野村は、資金調達方法の多様性が増すように仕組ローンや仕組債を発行しております。これらについて、野村は、通常、デリバティブや原資産に対する支払い義務をヘッジすることにより、無担保調達債務と同様の効果を得ております。
3.1 短期無担保債務
野村の短期無担保債務は、短期銀行借入(長期銀行借入のうち、満期まで1年未満のものを含む)、その他の短期借入、コマーシャル・ペーパー、銀行業務受入預金、譲渡性預金、および償還まで1年以内の社債で構成されております。銀行業務受入預金および譲渡性預金は、銀行子会社の預金および譲渡性預金を表しております。短期無担保債務には、長期無担保債務のうち残存期間が1年以内となったものを含んでおります。
以下の表は、2018年3月31日、2018年6月30日現在の野村の短期無担保債務明細を表示したものです。
| (単位:十億円) | |||
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | ||
| 短期無担保債務 | 2,107.0 | 2,330.4 | |
| 短期銀行借入 | 143.6 | 243.8 | |
| その他の短期借入 | 176.2 | 206.9 | |
| コマーシャル・ペーパー | 179.3 | 371.0 | |
| 銀行業務受入預金 | 925.8 | 915.4 | |
| 譲渡性預金 | 11.1 | 11.1 | |
| 償還まで1年以内の社債 | 671.0 | 582.2 |
3.2 長期無担保債務
野村は、常に十分な長期性資金を確保し、適切なコストでの調達および適切な長期債務償還プロファイル維持を満たすために、満期や通貨の分散を行い定期的に長期性資金の調達を行っております。
野村の長期無担保債務には、米国発行登録および登録ミディアム・ターム・ノートプログラム、ユーロ・ミディアム・ターム・ノートプログラム、国内発行登録およびさまざまな発行プログラムより発行される普通社債や劣後社債が含まれております。
日本のグローバルな金融サービスグループとして、野村は、世界中のさまざまな市場と資金調達センターへのアクセスを持っております。主として当社、野村證券株式会社、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンスN.V.、ノムラ・バンク・インターナショナル PLCおよびノムラ・インターナショナル・ファンディング Pte. Ltd.が外部からの借入、債券発行その他資金調達を行っております。使用通貨や保有資産の流動性に合わせた資金調達や、必要に応じた為替スワップの使用により、調達構造の最適化を図っております。
野村は、市場や投資家のタイプごとに、効率的かつ十分に多様化された資金調達を行うために、さまざまなプロダクトや通貨による調達をしております。野村の無担保債務の大部分は、発行コストの上昇や債務償還満期を早める財務制限条項(格付け、キャッシュ・フロー、決算あるいは財務レシオ)は、付されておりません。
以下の表は、2018年3月31日、2018年6月30日現在の野村の長期無担保債務明細を表示したものです。
| (単位:十億円) | |||
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | ||
| 長期無担保債務 | 5,218.9 | 6,242.4 | |
| 長期銀行業務受入預金 | 214.5 | 221.4 | |
| 長期銀行借入 | 2,567.6 | 2,639.7 | |
| その他の長期借入 | 118.6 | 95.2 | |
| 社債 (1) | 2,318.2 | 3,286.1 |
(1)編纂書810「連結」に定義される変動持分事業体の要件を満たす“連結変動持分事業体(VIE)が発行する社債”と編纂書860「譲渡とサービシング」により、会計上担保付金融取引として取り扱われる譲渡取消に伴う担保付借入を含んでおりません。
3.3 償還プロファイル
プレーン・バニラ物(プレーン・バニラ債および長期借入金)の調達に関しては、平均残存年数が3年以上となるように努めております。また、仕組ローンや仕組債については、その大部分が、金利・為替・株式・コモディティやこれらのインデックスにリンクしており、これらの償還確率は、内部数理モデルによって継続的に評価され、グローバル・トレジャリーによりモニターされております。予定された満期日以前に償還される可能性のあるものについては、野村の内部ストレスオプション評価モデルにより、評価されております。このモデルは、ストレス市場環境下で、いつその債券が償還される可能性があるかを評価します。
3.4 有担保資金調達
野村は、トレーディング業務のための資金調達活動は、担保付借入、レポ契約、日本の現先レポ取引によって、通常行っております。これらの有担保資金調達は、無担保資金調達に比べコストが低く、格付けの影響を受けにくいものと考えております。有担保資金調達は、担保資産の質や市場環境の影響を受けます。流動性の高い資産を担保として用いる場合は短期の契約で資金調達を行う一方で、流動性の低い資産を担保として用いる場合は、契約期間の長期化に努めております。野村は、有担保資金調達にともなう資金流動性リスクを低減させるために、カウンターパーティーのグローバルな分散、担保の種類の多様化にも努めております。また、流動性の低い資産を用いた短期有担保資金調達の借換えが難しくなる場合のリスクに備えて、流動性ポートフォリオを保有しております。詳細は、「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]5 担保付取引」をご参照ください。
4.野村グループ各社に対する与信枠の管理
野村は、資金調達の安定性を確保するために、金融機関から野村グループに対する与信枠の維持、拡大に努めております。また、資金流動性リスク管理の一環として、借入の契約満期日が一時期に集中しないように分散させております。
5.流動性ストレステストの実行
野村は、先に述べた流動性管理方針に沿うよう、一定のストレスシナリオ下でのキャッシュ流出をシミュレートする内部モデルに基づいて流動性ポートフォリオをモニターしております。
資金流動性必要額は、さまざまなストレスシナリオ下において、異なるレベルで、さまざまな時間軸に沿って見積もられております。そこでは、親会社や子会社レベルでの格下げといった野村固有および市場全体のイベント下で発生する資金流動性必要額を見積もっております。野村では、このリスク分析を「マキシマム・キュームレーティブ・アウトフロー(以下「MCO」)」と呼んでおります。
MCOフレームワークは、主たる資金流動性リスクを考慮したうえで構築し、以下の2つのシナリオに基づいて、将来のキャッシュ・フローをモデル化しております。
・ストレスシナリオ:市場全体が流動性ストレス下にある場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく1年間適切な流動性を維持すること。
・アキュートシナリオ:市場全体が流動性ストレス下にあることに加え、野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく30日間適切な流動性を維持すること。
野村は、これらの各モデルで用いられている時間軸の中で、資産の流動化を行ったり、ビジネスモデルを修正することはできないと想定しております。したがって、MCOフレームワークは、ストレス状況下においても、野村が適切と考える流動性リスク・アペタイトを満たすために必要な資金流動性額を定義するものです。
2018年6月末時点において、野村の流動性ポートフォリオは、上述のシナリオ下で想定された資金流出予想額を上回っておりました。
野村は、規制環境や市場の変化に基づいた資金流動性リスクの前提条件を継続的に評価し、調整をしております。ストレスの影響をシミュレートするために用いるモデルでは、以下のような事象を考慮、想定しております。
・資産の売却ができない状況
・追加の無担保調達を行うことができない状況
・既存の借入金の返済期日や発行済み社債の償還期日(1年以内)
・発行済み社債の買い取りの可能性
・流動性の低い資産を担保とする資金調達ラインの喪失
・通常の事業環境下での運転資金需要の変化
・ストレス時における受入銀行預金および担保の流出
・既存のレポ調達時の担保掛目の拡大
・決済銀行からの担保・預託金追加要求
・コミットメント提供先のドローダウン
・損失に伴う資金の喪失
・野村の信用格付けが2ノッチ格下げされた場合のデリバティブ取引にかかる契約上の追加担保要請、および清算・決済機関からの潜在的な追加担保要請
・グループ会社間の資金や証券の移動を制限する法規制を考慮した資金流出
6.コンティンジェンシー・ファンディング・プラン
野村は、詳細にわたるコンティンジェンシー・ファンディング・プラン(以下「CFP」)を定め、包括的リスク管理の枠組みに組み込むとともに、定量的なコントロールを強化しております。この中で、リクイディティ・イベントの範囲の分析と特定方法を記載しております。そのうえで、野村固有のあるいは市場全体の影響の可能性を見積もることや、リスクを低下させるために即座にとられるべき対応を特定しております。CFPは、キーとなる内部および外部の連絡先やどの情報を知らせるかを示すプロセスの詳細をリスト化しております。また、野村が規制上、法的、あるいは税務上の制限によって、グループ会社レベルにおける資金へのアクセスができなくなったことを想定し、グループ会社レベルで、個別の資金需要に応えうるように作られております。なお、野村は、定期的にさまざまな市場や野村固有のイベントに対して本CFPの有効性をテストしております。野村は、日本銀行等中央銀行が行うさまざまな証券に対して実施する資金供給オペレーションへのアクセスも持っております。これらのオペレーションは、通常のビジネスでも利用しておりますが、市場の悪化による不測のリスクを軽減させる重要な手段のひとつです。
流動性規制
2008年にバーゼル委員会は、流動性フレームワークの基盤となる「健全な流動性リスク管理及びその監督のための諸原則」を公表しました。続いて、バーゼル委員会は資金流動性にかかる2つの最低基準を策定し、流動性管理の枠組みをさらに強化しました。これらの基準は、それぞれ独立しているものの相互補完的な2つの目的を達成するために策定されております。
第1の基準の目的は、金融機関の流動性リスク態様の短期的強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関が流動性の高い資産を十分に保有し、30日間継続する強いストレスシナリオに耐える力を持っていることを確保することにあります。バーゼル委員会は、この目的を達成するために流動性カバレッジ比率(以下「LCR」)を策定しました。
第2の基準の目的は長期的な強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関に対し、常により安定的な資金調達源を確保したうえで、業務を行うことを促すための追加的なインセンティブを設けました。安定調達比率(以下「NSFR」)は、対象期間を1年とし、資産・負債が持続可能な満期構造を保つよう策定されました。
これら2つの基準を構成するパラメータは、主として、国際的に統一された既定の数値です。しかしながら、各国固有の状況を反映させるため、一部のパラメータには各国裁量の要素が含まれております。LCRについては、本邦においてバーゼル委員会の国際合意文書に必要な修正を加えた金融庁告示が公布され、2015年3月末から最低基準として段階導入されております。なお、当第1四半期連結会計期間におけるLCRの平均値は184.8%となっており、上記金融庁告示の定める要件を満たしております。また、NSFRについては、現時点で本邦において導入されておりません。
キャッシュ・フロー
現金、現金同等物、制限付き現金および制限付き現金同等物の前第1四半期連結会計期間末残高および当第1四半期連結会計期間末残高は、それぞれ2兆3,210億円と2兆4,632億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間においては主にトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資の増加等により5,066億円の支出となり、当第1四半期連結累計期間においては主に売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券(純額)の増加等により862億円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間においては主に建物、土地、器具備品および設備の購入により43億円の支出となり、当第1四半期連結累計期間においては主に建物、土地、器具備品および設備の売却により128億円の収入となりました。また財務活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間および当第1四半期連結累計期間において、主に長期借入の増加等によりそれぞれ2,922億円と1,396億円の収入となりました。
四半期連結貸借対照表および財務レバレッジ
2018年6月30日現在の資産合計は、2018年3月31日現在の40兆3,439億円に対し、売戻条件付買入有価証券およびトレーディング資産が増加したこと等により、2兆4,845億円増加し、42兆8,285億円となりました。また、2018年6月30日現在の負債は、2018年3月31日現在の37兆5,441億円に対し、買戻条件付売却有価証券が増加したこと等により、2兆4,391億円増加し、39兆9,833億円となりました。2018年6月30日現在の当社株主資本は、2018年3月31日現在の2兆7,493億円に対し、累積的その他の包括利益が増加したこと等により、前期末比479億円増加の2兆7,972億円となりました。
なお、2018年4月1日より適用した会計方針の変更にともない、2018年3月期の数値は組み替えて表示しております。詳細は「第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表][四半期連結財務諸表注記]1 会計処理の原則」をご参照ください。
野村は、マーケットの極端な変動によってもたらされ得る大きな損失にも耐えられる規模の資本を維持することに努めております。野村の適正資本の維持にかかる基本方針は経営会議が決定し、その実践の責任を負います。適正資本の維持にかかる基本方針には、適正な総資産規模の水準やそれを維持するために必要な資本規模の決定などが含まれます。当社は、当社のビジネス・モデルに起因する経済的なリスクに耐え得る必要充分な資本を維持しているかにつき、定期的な確認を行っておりますが、こうした観点とは別に、銀行業や証券業を営む子会社は規制当局から要請される最低資本金額を満たす必要もあります。
レバレッジ・レシオは、野村と同様に他の金融機関でも、一般的に用いられており、当社のアニュアルレポートの利用者が野村のレバレッジ・レシオおよび調整後レバレッジ・レシオを他の金融機関と比較できるように、ベンチマークとする目的で、自主的に開示しております。調整後レバレッジ・レシオは、野村がレバレッジにかかる有用な補助的指標であると考える米国会計原則に基づかない指標です。
以下の表は、当社株主資本、総資産、調整後総資産と財務レバレッジの状況を示しています。
| (単位:十億円) | ||
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | |
| 当社株主資本 | 2,749.3 | 2,797.2 |
| 総資産 | 40,343.9 | 42,828.5 |
| 調整後総資産 (1) | 24,106.2 | 25,430.7 |
| レバレッジ・レシオ (2) | 14.7倍 | 15.3倍 |
| 調整後レバレッジ・レシオ (3) | 8.8倍 | 9.1倍 |
(1)調整後総資産は米国会計原則に基づかない指標であり、総資産の額から売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金の額を控除したものとなり、以下のように計算されます。
| (単位:十億円) | ||
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | |
| 総資産 | 40,343.9 | 42,828.5 |
| 控除: | ||
| 売戻条件付買入有価証券 | 9,853.9 | 13,097.8 |
| 借入有価証券担保金 | 6,383.8 | 4,300.0 |
| 調整後総資産 | 24,106.2 | 25,430.7 |
(2)レバレッジ・レシオは、総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。
(3)調整後レバレッジ・レシオは、調整後総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。
総資産は、売戻条件付買入有価証券およびトレーディング資産が増加したこと等により、6.2%増加しました。当社株主資本は、累積的その他の包括利益が増加したこと等により、1.7%増加しました。この結果、野村のレバレッジ・レシオは、2018年3月31日現在の14.7倍から2018年6月30日現在15.3倍に上昇しました。
調整後総資産が増加した理由は、主にトレーディング資産の増加によるものです。この結果、野村の調整後レバレッジ・レシオは、2018年3月31日現在の8.8倍から2018年6月30日現在9.1倍に上昇しました。
連結自己資本規制
金融庁は2005年6月に「金融コングロマリット監督指針」を策定し、連結自己資本規制に関する規定を設けました。この「金融コングロマリット監督指針」に基づき、2005年4月から、当社は、連結自己資本規制比率のモニタリングを開始しました。
2011年4月から、当社は、親会社に対する連結自己資本規制の適用を受ける最終指定親会社の指定を受け、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十号、以下「川上連結告示」といいます。)により、バーゼルⅡに基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。また、2011年12月末からは、マーケット・リスク相当額の計測方法を大幅に改定したバーゼル2.5に基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。さらに、2013年3月末からは、より質の高い資本を具備させることを目的とした自己資本項目の再定義や、信用リスク・アセットの計測対象の大幅な追加を主な内容とするバーゼルⅢを受けて改正された川上連結告示の内容に基づいた連結自己資本規制比率の計測を行っております。
当社は、川上連結告示第2条の算式に従い、普通株式等Tier1資本の額、Tier1資本(普通株式等Tier1資本およびその他Tier1資本)の額、総自己資本(Tier1資本およびTier2資本)の額、信用リスク・アセットの額、マーケット・リスク相当額およびオペレーショナル・リスク相当額をもとに連結自己資本規制比率を測定しております。2018年6月30日現在の野村の連結普通株式等Tier1比率(普通株式等Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は16.10%、連結Tier1比率(Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は17.15%、連結総自己資本規制比率(総自己資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は17.54%となり、川上連結告示の定める要件をそれぞれ満たしました。なお、2018年6月30日現在、川上連結告示の定める要件は、連結普通株式等Tier1比率について6.79%、連結Tier1比率について8.29%、連結総自己資本規制比率について10.29%となっております。
2018年6月30日現在の連結自己資本規制比率について、以下に示しております。
| (単位:億円) | |
| 当第1四半期連結会計期間末 (2018年6月30日) | |
| 自己資本 | |
| 普通株式等Tier1資本の額 | 25,449 |
| Tier1資本の額 | 27,109 |
| 総自己資本の額 | 27,721 |
| リスク・アセット | |
| 信用リスク・アセットの額 | 77,493 |
| マーケット・リスク相当額を8%で除して得た値 | 54,144 |
| オペレーショナル・リスク相当額を8%で除して得た値 | 26,377 |
| リスク・アセット合計 | 158,014 |
| 連結自己資本規制比率 | |
| 連結普通株式等Tier1比率 | 16.10% |
| 連結Tier1比率 | 17.15% |
| 連結総自己資本規制比率 | 17.54% |
連結レバレッジ規制
金融庁は2015年3月に「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十二号、以下「開示告示」といいます。)を改正するとともに「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件第三条第一項の規定に基づき、金融庁長官が別に定める連結レバレッジ比率」(平成二十七年金融庁告示第十一号、以下「連結レバレッジ比率告示」といいます)を公表し、連結レバレッジ比率に関する算出ならびに開示にかかる要件を定めました。当社は開示告示および連結レバレッジ比率告示に基づき、2015年3月末から連結レバレッジ比率の算出および開示を開始しました。また、当社の経営者は同連結レバレッジ比率に関する報告を定期的に受けております。なお、2018年6月30日現在の当社の連結レバレッジ比率は、4.59%となりました。
(7)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間および本第1四半期報告書提出日までに新たに発生した事業上および財務上の対処すべき課題はありません。