有価証券報告書-第64期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/30 14:26
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(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、輸出や消費の減少、企業収益や雇用環境の悪化など厳しい状況となりました。また、同様に世界経済においても個人消費や企業業績は大幅に悪化し経済活動が急速に低下しており、今後の感染状況によっては景気回復が遅れ長期停滞となる可能性もあり、内外経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は577億55百万円(前期比32億72百万円減)、経常利益は97億23百万円(前期比18億41百万円減)となりましたが、ハーン銀行の留保利益に対して税効果を認識し法人税等調整額を計上した影響により親会社株主に帰属する当期純損失は30億15百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益72億5百万円)となりました。
当社グループは、当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。
銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)
証券関連事業 エイチ・エス証券株式会社
債権管理回収関連事業 エイチ・エス債権回収株式会社
IT関連事業 iXIT株式会社 ※
その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム
※ 第2四半期連結会計期間において、当社は、当社の連結子会社であるiXIT株式会社の全株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、iXIT株式会社は連結の範囲から除外されることとなりました。なお、報告セグメントごとの業績における「IT関連事業」は、第1四半期連結累計期間の業績となります。
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a)銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は491億17百万円(前期比32億13百万円減)、営業利益は80億17百万円(前期比24億59百万円減)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)
モンゴル経済につきましては、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国境閉鎖や外国からの入国制限、各種イベントや施設利用の禁止などの措置がとられ、景気は急速に悪化しております。特に、飲食店の営業時間制限や遊興施設の一時閉鎖等により多くの中小企業が影響を受け、また、中国との国境閉鎖と中国経済の減速は中国への鉱物資源の輸出や石炭等の鉱物生産の大幅な減少をもたらし、実質GDP(1-12月)は前期比で5.3%減少し、インフレ率は景気減速により前期比2.3%の上昇にとどまりました。外貨準備高は海外からの直接投資の増加や国際援助機関からの支援を背景に45億ドル台(前期比4.3%増加)となりましたが、景気悪化により財政収支は赤字が急拡大しております。貿易収支は黒字を維持しておりますが、モンゴルの輸出の大半を占める対中国輸出の減少や景気悪化などにより、輸出・輸入ともに減少しております。為替市場では、現地通貨トゥグルク(以下、MNTという。)が前期比で米ドルに対して4.2%下落(ドル高)、円に対して9.8%下落(円高)となりました。
モンゴルの銀行業界につきましては、景気悪化に伴い、金融セクターの融資残高は前期比で4.9%減少しました。また、延滞債権残高は54.1%増加、不良債権残高は10.1%増加となりました。この結果を受け、モンゴル中央銀行は4月と9月に政策金利を1%ずつ引き下げるとともに、11月には政策金利を2%引き下げました。
このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、デジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。しかし、2020年3月24日に発表いたしましたとおり、2020年1月に施行されました年金担保融資の国による返済に関する法律(英語法律名「One-time State Repayment for Pension Secured Loan of a Citizen」)の影響が依然として残っており、個人向け融資や資金運用収益が減少し、貸倒引当金繰入額が増加しました。そのため、当期においては、大口の法人向け融資にも注力し、法人向け融資が大きく増加しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う景気悪化なども影響し、結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期比で26.2%増加、融資残高は6.7%増加した一方で、資金運用収益は3.1%減少、当期純利益は14.1%減少いたしました。融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期比で48.2%増加、個人向け融資は24.6%減少、農牧業向け融資は21.0%増加いたしました。
キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)
キルギス経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により景気は悪化し、自粛や検疫制度などが実施され、鉱工業生産、建設、サービス業など経済のあらゆる部門が打撃を受けた結果、実質GDP(1-12月)は前期比で8.6%減少となりました。インフレ率は食料品価格の上昇や現地通貨(キルギスソム)の下落の影響により前期比で6.3%の上昇となりました。
このような環境の中、キルギスコメルツ銀行につきましては、融資残高と預金残高を慎重に運用し、新規貸出を抑えながら既存融資先のサポートに注力いたしました。景気が急速に悪化する状況下で融資残高と預金残高は横ばいとなっておりますが、経費削減などの対策の結果、業績は改善してきております。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により融資先の財政状態が不透明となってきているため、貸出審査及びリスク管理を厳格化し、慎重な業務を行うことといたします。また、リテール事業の拡大に向けて、新決済システムの導入によるデジタルバンキングやクレジットカード事業の強化、個人向けの新商品開発を進めてまいります。
ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)
ロシア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け自粛や外出禁止措置などがとられた結果、景気は悪化しており、実質GDP(1-12月)は前期比で3.0%減少、インフレ率は食料品価格の上昇などにより4.4%上昇となりました。また、ロシア中央銀行は、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、数回にわたって政策金利を引き下げており、原油相場の下落により現地通貨(ルーブル)の下落基調が続きました。
このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、融資残高と預金残高の増加を抑え、安定した業種の中堅優良企業への貸出、銀行保証や為替取引などの非金利収入の維持に注力いたしました。また、継続的なコスト削減や不良債権の回収、担保物権の売却に取り組んでまいりました。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響、現地通貨(ルーブル)の為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の影響もあり、ロシア経済は低成長が続くと予想されますが、優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力し、業務の合理化とともに財務状態の改善に取り組んでまいります。
b)証券関連事業
当連結会計年度における国内株式市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による景気後退懸念から下落して始まりましたが、2020年4月上旬に政府が緊急事態宣言発令と同時に発表した108兆円規模の緊急経済対策を好感し上昇に転じると、6月初旬には、緊急事態宣言が解除されたことによる国内経済の回復への期待感から、機関投資家等の買戻しが増加したことに加え、先進国の経済活動再開や米国経済指標が改善したことなどを好感し、株価は3ヶ月半振りに23,000円を回復しました。しかし、その後は新型コロナウイルス感染症の拡大懸念が再び広がったことで上値は抑えられる展開となり、狭いレンジでのもみ合いが続きました。
11月に入ると、新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発進捗から世界の景気回復期待への高まりに加え、米国大統領選挙後の混乱が予想より短期終息したことから、大幅に上昇しました。その後も上昇を続け、2月には約30年ぶりに3万円の大台を回復しました。結果として、当連結会計年度末の日経平均株価は29,178円8銭で取引を終えました。なお、当連結会計年度における東証の売買代金は前期比で14.3%増加しました。
このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、お客様のパフォーマンスに貢献する証券会社として、国内株式営業への取り組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)8社(うち主幹事2社)の幹事参入を果たしました。さらに、TOKYO Pro Market J-Adviser資格を取得するなど、法人ビジネスの拡大にも取り組みました。
また、当連結会計年度末における預り資産は、3,186億54百万円(前期比692億87百万円増)となりました。
結果として、当連結会計年度における営業収益は37億46百万円(前期比4億15百万円増)、営業利益は5億61百万円(前期比4億1百万円増)となりました。
(受入手数料)
当連結会計年度の受入手数料は、13億22百万円(前期比88百万円増)となりました。
その内訳としましては、委託手数料が10億37百万円(前期比2億27百万円増)、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が53百万円(前期比14百万円減)、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が84百万円(前期比22百万円増)、主に投資信託事務代行事務手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は、前連結累計年度に計上されていた公開買付事務手数料の反動により1億46百万円(前期比1億46百万円減)となりました。
(トレーディング損益)
当連結会計年度のトレーディング損益につきましては、株券等は10億96百万円(前期比5億66百万円増)となりました。また、債券・為替等は7億98百万円(前期比2億3百万円減)となり、合計で18億94百万円(前期比3億62百万円増)となりました。
(金融収支)
当連結会計年度の金融収益は5億29百万円(前期比26百万円減)、金融費用は1億17百万円(前期比23百万円減)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は4億11百万円(前期比3百万円減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、30億66百万円(前期比47百万円増)となりました。
c)債権管理回収関連事業
サービサー業界につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による全国的な景気後退懸念が継続しているものの、各金融機関において制度融資や緊急融資等の対応により不良債権化する状況には至っておらず、依然として業界の競争は激しく債権の買取価格の高騰が続いております。
このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、不良債権の買取価格の高騰が続き、買取実績については前年度実績に対し減少しているものの、収益性を加味した入札の継続により良質な不良債権確保に努めております。引き続き、既存の取引先金融機関からの不良債権買取を中心に、取得した債権から適切に管理回収を行い堅調な事業収益を確保しつつ、銀行を中心とした金融機関以外にも、不良債権市場のシェア拡大を目指し、安定的な債権の取得を継続しております。
結果として、当連結会計年度の営業収益は47億67百万円(前期比4億99百万円増)、営業利益は2億70百万円(前期比8百万円減)となりました。
d)IT関連事業
IT関連事業であるiXIT株式会社は、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。
なお、第1四半期連結累計期間の営業収益は2億17百万円(前連結会計年度比9億53百万円減)、営業損失は47百万円(前連結会計年度は営業損失32百万円)となりました。
e)その他事業
当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
その他事業の当連結会計年度の営業収益は2億44百万円(前期比1百万円増)、営業損失は69百万円(前期は営業損失1億41百万円)となりました。
f)持分法による投資損益
持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコム及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
株式会社外為どっとコムにつきましては、主にドル円のスプレッドを縮小したことにより取引数量は増加したものの収益性が低下し、当連結会計年度の業績は減収減益となりました。
結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は6億87百万円(前期比2億47百万円減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計につきましては、4,995億91百万円となり、前期比299億31百万円増加しました。
これは主に、「有価証券」が478億75百万円増加し、一方で「現金及び預金」が160億63百万円減少したことによるものであります。
主な増減要因は、「現金及び預金」及び「有価証券」はハーン銀行における資金運用に伴う増減によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計につきましては、4,282億47百万円となり、前期比392億1百万円増加しました。
これは主に、「預金」が462億35百万円、「繰延税金負債」が49億1百万円増加し、一方で「長期借入金」が116億66百万円減少したことによるものであります。
主な増減要因は、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に対する税効果の認識による増加、「長期借入金」はハーン銀行における長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、713億43百万円となり、前期比92億69百万円減少しました。
これは主に、「利益剰余金」が34億90百万円、「非支配株主持分」が47億93百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,854億12百万円(前期比394億16百万円増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、776億37百万円の資金増加(前期比361億92百万円の増加)となりました。
これは主に、「預金の純増減(△)」384億70百万円の資金が増加したことによるものであります。
主な増減要因は、ハーン銀行が顧客から預かる預金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、87億4百万円の資金減少(前期は51億55百万円の資金増加)となりました。
これは主に、「投資有価証券の取得による支出」110億99百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な増減要因は、ハーン銀行における投資有価証券取得の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、147億49百万円の資金減少(前期比65億48百万円の減少)となりました。
これは主に、「子会社の自己株式の取得による支出」71億77百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な増減要因は、ハーン銀行における非支配株主持分への払戻しによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
該当事項はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は577億55百万円(前期比32億72百万円減)、経常利益は97億23百万円(前期比18億41百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は30億15百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益72億5百万円)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ハーン銀行の業績は当社グループの経営成績の主たる割合を占めており、その業績の変動が当社グループに重要な影響を及ぼすことになります。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から大きな影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、株式、債券、金利、為替等の市況環境に影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては△5.3%となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大などによる銀行関連事業の減収減益、ハーン銀行の留保利益に対する税効果の認識による法人税等調整額(損)の計上などが要因となります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a)銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度における営業収益は491億17百万円(前期比32億13百万円減)、営業利益は80億17百万円(前期比24億59百万円減)となりました。
ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの、資金運用収益や当期純利益は前期比で減少し減収減益となった一方で、融資残高や預金残高は前期比で増加しました。
ハーン銀行の業績は、モンゴル国において、2020年1月に施行されました年金担保融資の国による返済に関する法律(英語法律名「One-time State Repayment for Pension Secured Loan of a Citizen」)が影響を及ぼしました。この法律は、年金を担保にした個人向け融資について、1人あたり最大600万トゥグルグまで国が返済を肩代わりし、その財源としてモンゴル国営企業Erdenes MGL社が発行する社債を銀行に一時的に引き受けさせるという内容のものです。この法律の影響により、個人向け融資や資金運用収益が減少し、リスク分散された優良なポートフォリオであった年金担保融資が、1社の社債に置き換わった結果、貸倒引当金繰入額を増加させました。
この個人向け融資の減少によって、ハーン銀行は当連結会計年度で大口の法人向け融資にも注力したため、法人向け融資が大きく増加し融資残高は前期比で増加、資金運用収益は法律施行前の状況まで徐々に改善してきております。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、モンゴル国においても国境閉鎖や外出禁止などの措置により景気の急速な悪化をもたらし、ハーン銀行は、国の経済支援策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しております。このため、来期以降、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加する可能性もあります。
ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めております。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。また、本社ビルを新築し、窓口業務と本社機能の効率化を図っております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも注力いたします。
キルギスコメルツ銀行においては、キルギス国内でも新型コロナウイルス感染症の感染拡大が景気悪化をもたらしましたが、現地通貨ベースでは融資残高や預金残高がともに増加し、資金運用収益も増加しました。しかし、国際会計基準ベースでは貸倒引当金繰入額の計上が大きく、依然として当期純損失となっております。
キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンター設立などを進めており、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。
ソリッド銀行においては、ロシアにおける新型コロナウイルス感染症の感染拡大やルーブルの下落、国際情勢の不安定化等の影響から厳しい環境が続いております。貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築やコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。
b)証券関連事業
証券関連事業の当連結会計年度における営業収益は37億46百万円(前期比4億15百万円増)、営業利益は5億61百万円(前期比4億1百万円増)となりました。
エイチ・エス証券株式会社においては、主に年後半から、米国における経済財政政策や新型コロナウイルス感染症のワクチン開発期待により株式市場が好況となり米国株式の販売が増加し、また販管費の削減効果もあり増収増益となりました。しかし、今後も新型コロナウイルス感染症の影響による内外経済の下振れリスクが懸念されることや、少子高齢化による顧客数減少、競合他社の手数料値下げなど、エイチ・エス証券を取り巻く環境は依然として厳しく不透明な状況が続いております。
このような状況の中、エイチ・エス証券におきましては、『お客様のパフォーマンスに貢献する誠実な証券会社を目指す』ため、お客様の声が迅速に届くようなフラットな組織・体制を構築し、お客様ニーズに沿った商品・サービスの提供に努めてまいります。
また、コロナ禍において企業の働き方や人々の生活スタイルが変化する中、従来のサービス形態にとらわれることのない、創造的な発想によるビジネスモデルを構築し、新たな価値の創造に果敢にチャレンジしてまいります。
c)債権管理回収関連事業
債権管理回収関連事業の当連結会計年度における営業収益は47億67百万円(前期比4億99百万円増)、営業利益は2億70百万円(前期比8百万円減)となりました。
エイチ・エス債権回収株式会社においては、各金融機関における不良債権保有率の減少に伴いサービサー間での競争が激化している中、取引先金融機関等の拡充を図り継続的な債権の仕入れを目指すことで、安定的な収益の確保に努めております。当連結会計年度では、買取債権の回収が順調に進んだことから増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により各金融機関が制度融資や緊急融資などを積極的に行った結果、不良債権の発生が抑えられたこと、さらに、利益率の高い不良債権獲得のため査定を厳しく行ったことから、保有買取債権残高は前期比で減少しました。
着実な取引金融機関の増加を目指した営業活動から大幅に取引数を増加していますが、そのような過去の営業活動は、不良債権市場が活発になった際に不良債権を取捨選択し、利益率の高い不良債権を獲得するための素地となるため、引き続き、取引金融機関のシェアを広げつつ、景気の転換期を迎えた際には収益性のある不良債権の獲得を目指してまいります。
d)IT関連事業
IT関連事業であるiXIT株式会社は、第2四半期連結会計期間において、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。
なお、第1四半期連結累計期間の営業収益は2億17百万円(前連結会計年度比9億53百万円減)、営業損失は47百万円(前連結会計年度は営業損失32百万円)となりました。
e)その他事業
その他事業の当連結会計年度における営業収益は2億44百万円(前期比1百万円増)、営業損失は69百万円(前期は営業損失1億41百万円)となりました。
当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成されており前期比で増加となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、主にアジア圏における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開しております。さらに、投資事業の一環として、企業の再生についても国内外問わず行っております。また、M&A仲介・コンサルティング事業は、対応が困難とされる短期的な案件や小規模な案件に対しても積極的に取り組み、徐々に実績を重ねてきております。今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。
f)持分法による投資損益
当連結会計年度における持分法による投資利益は6億87百万円(前期比2億47百万円減)となりました。
株式会社外為どっとコムにおいては、FX業界の市場規模は緩やかながらも拡大傾向を維持しておりが、異業種企業の参入が継続しており、企業間での顧客獲得競争は依然として厳しい状況にあります。競争優位性を高めるために各社が価格訴求策を打ち出すことで取引高あたりの収益率を低下させるという悪循環が、当社を含む業界全体を消耗させる要因となっています。
当連結会計年度では、各種政治イベント、新型コロナウイルス感染症による経済活動や個人投資家の生活様式の変化等を背景に取引が活発となった結果、取引高は前期比で増加しましたが、収益率の低下により減収減益となりました。今後は、このように競争が激化するFX業界において、顧客基盤の拡大に取り組み、マーケティング施策の強化や取引システムの強化等により、顧客からの更なる支持の獲得を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a)キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、デジタルバンキングサービスなどの情報システムの構築、ATM増設及び支店開設、改築等によるものであります。
また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、長期借入金(1年内含む)457億4百万円、短期借入金32億30百万円、信用取引借入金51億92百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は1,854億12百万円となっております。主な借入先として、ハーン銀行においてオランダ開発金融公庫から105億43百万円、モンゴル中央銀行から73億95百万円、欧州復興開発銀行から35億27百万円、H.I.S U.S.A. HOLDING,INC.から30億94百万円、エイチ・エス債権回収株式会社において株式会社きらぼし銀行から26億80百万円、エイチ・エス証券株式会社において日本証券金融株式会社から51億92百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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