有価証券報告書-第69期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要が好調に推移し、企業業績が堅調に推移するとともに雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。世界経済においても、米国トランプ政権による関税政策の影響の顕在化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の減速など景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。
当社グループは、当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社4社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。
銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)
リユース事業 株式会社STAYGOLD、株式会社PRICING DATA ※1
Happy Price Company Limited ※2、株式会社日本オークション協会 ※2
World Watch Auction Limited ※2
その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、HS FINANCIAL Pte. Ltd.(※1)
※1 株式会社PRICING DATA(以下「PD社」)は、第1四半期連結会計期間期末より当社の連結子会社となり、2025年8月1日を効力発生日として、株式会社STAYGOLD(以下「SG社」)を存続会社とし、PD社を消滅会社とする吸収合併を行いました。
※2 PD社の株式取得及びSG社との合併に伴い、PD社の連結子会社であったHappy Price Company Limited、持分法適用関連会社であった株式会社日本オークション協会、 World Watch Auction Limitedは、それぞれSG社の連結子会社、持分法適用関連会社となり、当社グループに含まれることとなりました。
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a) 銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。
ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)
モンゴル経済につきましては、国内消費の増加や銅精鉱の輸出増加が寄与し、実質GDP(1-12月)は前期比で6.8%増加と高成長が続いております。インフレ率は、モンゴル経済の好景気、原材料費の高騰による食料品等の価格上昇の影響を受け、前期末比7.5%と高止まりしています。また、貿易収支(1-12月)は黒字を維持しており、前期末比で6.7%増加、外貨準備高は貿易収支の黒字が継続していることから70億ドル台(前期末比27.1%増)となっております。為替市場では、前期末比で米ドルに対して4.0%下落(ドル高)、日本円に対して3.8%下落(円高)しました。モンゴル経済は引き続き好調を維持していますが、主要な輸出先である中国経済の失速から中国向け輸出が減少に転じており、今後の景気減速が懸念されます。
モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル経済が高成長を続けていることから、金融セクターの融資残高は前期末比で18.9%増加しました。また、延滞債権残高は17.7%増加、不良債権残高は18.9%増加となりました。
このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、法人向け融資や個人向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。モンゴル経済が好調であることから法人向け融資や個人向け融資が増加し、融資金利上昇の影響もあり資金運用収益が増加しました。一方で、国際金融機関からの借入増加や預金金利の上昇により資金調達費用も増加しておりますが、融資が継続して増加していることが影響し増収増益となっております。
結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期末比で9.9%増加、融資残高は20.9%増加、資金運用収益は15.0%増加、当期純利益は8.8%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期末比で25.6%増加、個人向け融資は25.2%増加、農牧業向け融資は30.6%減少いたしました。
キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)
キルギス経済につきましては、建設業やサービス業を中心に好調を維持しており、2025年度の実質GDP(1-12月)は前期比で11.1%増加と高成長を維持しております。また、インフレ率は食品価格や公共料金の値上げなどにより、前期末比で8.2%上昇となっております。キルギス中央銀行は、足元でインフレが再び加速し、目標とするインフレ率5~7%の範囲を上回っていることを受け、2025年11月に政策金利を11%へ引き上げ、さらに2026年2月には12%へ引き上げました。今後も景気動向やインフレ率の推移次第では、政策金利の引き上げを検討する可能性があります。
キルギスコメルツ銀行は現在、金利変動やロシアに対する制裁強化の影響を受け、リスク管理を強化しつつも、中小企業および個人顧客向けの信用ポートフォリオの拡大に努めています。預金業務においては、金利を慎重にコントロールすることで、預金ポートフォリオを適切な水準に維持しています。また、トレジャリー部門やカード部門の業務を見直し、手数料収入の拡大を目指しています。一方で、ITシステムおよびIT人材への投資が増加しており、特にVISAおよびMastercardとの提携維持やシステム対応に係る費用を中心に経費が拡大しました。また、キルギス中央銀行の指示により引当金等の追加計上を行った結果、現地通貨ベースでの最終損益は大幅な赤字となっております。ただし、連結決算上では、これら引当金等の追加計上の一部は2025年3月期決算に取り込んでおります。
今後につきましては、中東情勢およびロシア・ウクライナ情勢を背景に、キルギス経済の先行きは依然として不透明な状況となっておりますが、このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は引き続きリスク管理およびコンプライアンス体制の強化に取り組み、特にリテール(個人向け)融資やカード、オンライン決済に重点を置き、収益基盤の強化に努めてまいります。
ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)
ロシア経済は、依然としてウクライナ侵攻に伴う幅広い経済制裁を受けており、2025年の実質GDPは前期比で1.0%増加と低成長にとどまりました。インフレ率はコスト増による物価上昇が続くものの、前期末比5.6%と減速傾向となりました。インフレの減速を受け、ロシア中央銀行は政策金利を断続的に引き下げ、2026年3月には15.0%としましたが、一方で依然として物価上昇への警戒感は強く、今後も金融引き締めの方針が継続される見込みです。
このような経済環境の中、ソリッド銀行は預金残高を堅調に伸ばしておりますが、クレジットリスクの抑制もあり、融資残高は預金残高に比べてわずかな増加にとどまりました。加えて、クレジットリスクの高まりを背景に貸倒引当金が前期比で増加し、収益の下押し要因となりました。融資ビジネスの低迷を防ぐため、ファクタリング等の新たな融資商品の導入も行っています。一方、ロシアの金融システムに対する制裁が強化される中、ソリッド銀行は継続的に国際業務を見直し、特に外為取引などを通じて非金利収入が大きく増加しました。
非金利ビジネスが好調な市場環境に支えられ、ソリッド銀行の業績は大幅に改善していますが、今後の見通しについては、ロシア・ウクライナ情勢の展開が依然として不透明な要因となっております。ルーブルの為替レート、原油価格の変動、経済制裁の影響、そして国際情勢の緊迫化が、今後のソリッド銀行の業績に大きな影響を与える可能性があります。このような状況下において、ソリッド銀行は引き続き貸出残高と預金残高の増加や不良債権の徹底管理、預金コストの効率的な管理に注力するとともに、変化するビジネス環境に対応し、リスク管理体制を強化する取り組みを継続して行ってまいります。
b) リユース事業
リユース市場は、環境意識やサステナビリティ志向の高まりを背景に長期的には堅調に推移し、2024年のリユース市場規模は前期比4.5%増の3兆2,628億円となりました。また、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれています。一方で、短期的には気候要因や国際情勢、関税の影響など外部要因による変動が続いております。
株式会社STAYGOLDは、このような外部環境の変化を踏まえ、在庫効率の最大化と収益構造の安定化を重点テーマとして事業を運営いたしました。当連結会計年度におきましては、上半期は滞留在庫の解消及び在庫構成の見直しを優先したことにより一時的に利益が抑えられました。一方で、2025年8月のPD社との合併を機に、グループ一体となった在庫情報の可視化とモニタリング体制を構築し、在庫効率の最適化を推進いたしました。加えて、販管費の期中コントロールの徹底や、アフィリエイト広告の構成比向上による集客効率の改善を図るなど、合併による効果をいち早く引き出し、収益の安定化を最優先に事業を運営いたしました。
オークション販売については、全カテゴリにおいて売上総利益率が向上しており、PD社とのシナジーが着実に発現したことで、グループ全体の収益性向上に寄与しております。卸販売については、下半期の貴金属相場高騰が追い風となり、特に金商材の取引が好調に推移しました。小売販売(店舗・EC)については、今期より本格化した小売部門の強化策が奏功し、売上高は大幅な増収を記録しました。店舗展開ではBRING屋号を中心に計5店舗を新規出店いたしました。海外戦略では、タイでの中低単価商材のテストセールに着手するなど、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。
結果として、リユース事業の当連結会計年度の売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。なお、連結セグメント上では、のれんや無形固定資産の償却費が計上されております。また、持分法適用関連会社である日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。
c) その他事業
当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社は、その他事業に分類しております。
当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金で構成されます。当連結会計年度は、関係会社からの配当金の増加により増収増益となっております。なお、関係会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績に影響を与えません。
結果として、その他事業の当連結会計年度の営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。
d) 持分法による投資損益
持分法適用関連会社であるハーン銀行、ソリッド銀行、日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。
持分法による投資損益は、主にハーン銀行及びソリッド銀行にかかる投資利益によって占められますが、前述のとおり両行の業績は好調で増収増益となっております。
結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計につきましては、1,319億96百万円となり、前期比166億61百万円増加しました。
これは主に、「現金及び預金」が10億5百万円、「貸出金」が11億92百万円、「棚卸資産」が26億77百万円、「関係会社株式」が96億59百万円増加したことによるものであります。
主な増減要因は、「現金及び預金」は当社及びSG社と合併したPD社分の預金の増加、「貸出金」はキルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、「棚卸資産」はSG社と合併したPD社分の増加やSG社における仕入の増加によるもの、「関係会社株式」はハーン銀行およびソリッド銀行にかかる持分法投資利益によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計につきましては、313億60百万円となり、前期比27億27百万円増加しました。
これは主に、「流動負債 その他」が14億2百万円、「繰延税金負債」が16億95百万円増加したことによるものであります。
主な増減要因は、「流動負債 その他」はSG社における買掛金及び未払金の増加、SG社と合併したPD社分の未払金の増加、キルギスコメルツ銀行における売現先取引により発生した金銭債務の増加など、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に関する税効果会計の変動によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、1,006億35百万円となり、前期比139億34百万円増加しました。
これは主に、「利益剰余金」が143億87百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、185億36百万円(前期比13億98百万円増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、21億76百万円の資金増加(前期は45億32百万円の資金増加)となりました。
これは主に、「利息及び配当金の受取額」80億33百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」12億41百万円、「棚卸資産の増減額(△は増加)」15億11百万円、「法人税等の支払額」26億59百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、当社におけるハーン銀行からの配当金の受取、キルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、SG社における棚卸資産の増加、当社及び連結子会社における法人税等の支払いによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2億69百万円の資金減少(前期は60億54百万円の資金減少)となりました。
これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」23億98百万円の資金が増加した一方、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」29億34百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、当社における投資有価証券の売却、当社におけるPD社株式の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2億45百万円の資金減少(前期は2億87百万円の資金減少)となりました。
これは主に、「長期借入れによる収入」5億59百万円の資金が増加した一方、「短期借入金の純増減額(△は減少)」3億10百万円、「長期借入金の返済による支出」2億96百万円、「配当金の支払額」3億0百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、キルギスコメルツ銀行における長期借入金の借入及び返済、連結子会社であったPD社分の短期借入金の返済、当社における配当金の支払によるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度におけるリユース事業の仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
b.販売実績
当連結会計年度におけるリユース事業の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。
当連結会計年度においては、リユース事業が業績好調で増収増益となっております。また、ハーン銀行及びソリッド銀行の業績も好調で持分法による投資利益も増加しております。一方で、今後、モンゴル国の銀行法等の規制により、当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。
また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向や同業他社との競争激化などに影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては15.8%となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a) 銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。
ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は引き続き前期比で増収増益となり、融資残高や預金残高も前期末比で増加しました。
ハーン銀行の業績は、モンゴルの好調な経済成長(前期比6.8%増加)に支えられ増収増益を維持しております。融資の増加は、好調なモンゴル経済を背景に法人向けの事業融資が伸びておりますが、個人向けにおいてもサラリーローンや住宅ローンの伸びが堅調であります。一方で、インフレ率の上昇による政策金利の引き上げ、大手行の間での預金獲得競争の激化の影響から預金金利が大きく上昇しており、資金調達費用も増加しております。結果として、融資残高増加による資金運用収益増加やデジタルバンキング推進による手数料収入増加の影響が大きく、増収増益を達成しております。
モンゴル国内においては、中国向け輸出がわずかに減少しておりますが、国内消費・投資が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、中国経済の減速、財政の悪化やインフレ率の高止まりによる金利の上昇など不安要素も存在します。また、ハーン銀行はコロナ禍における国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しました。このため、今後、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与える可能性があります。
今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも引き続き注力いたします。
キルギスコメルツ銀行においては、融資残高は前期末比で増加しておりますが、年間を通しての平均融資残高は前期比で減少しているため、金利収入は前年並みとなりました。一方で、預金残高が減少しているため、今後の預金の収集が課題となっております。非金利収入については、政府による外為取引の規制などの影響で減少しております。また、中央銀行の指摘により追加の引当金や費用を計上することとなりました。以上の結果、今期は大幅な最終赤字となりました。キルギス国内における金融業界は大手行である国営銀行が強い競争力を保持しており、中小規模の銀行であるキルギスコメルツ銀行 は、近年のロシア・ウクライナ情勢の影響もあり、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでおり、今後、どのように融資を増加させていくかが課題となっております。
キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向け融資の増加とともに、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。
ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により引き続き増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、大手行が金融制裁を受けているためソリッド銀行で扱う外為取引が増加し外為取引収支が大幅に増加、また、預金残高・融資残高も増加しているため増収増益を続けております。しかし、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化や金融制裁対象の拡大などがソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。近年、ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。
そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。
b) リユース事業
リユース事業の当連結会計年度における売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。
近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。
今期のリユース事業の業績は、販売や買取を順調に増加させており、事業拡大に伴い人件費を中心に販管費が増加しておりますが、STAYGOLD単体では営業利益を15億円弱計上し、増収増益となっております。特に、販売では戦略的に小売(BtoC)を強化しており、PD社との合併の影響もあり、前期比+50%と大きく増加しました。今後も小売を継続的に強化することにより利益率の上昇を計画しております。また、PD社との合併を機に海外戦略にも着手しており、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。
連結セグメントとしては、のれんや無形固定資産の償却費が多額に計上されておりますが、足元の業績は引き続き好調を維持しており、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに小売や買取の強化など様々な営業施策を実施してまいります。一方で、リユース事業は、市場の成長性の高さから競争が激化しているため、ブランド力の強化や他社との差別化、より一層の規模の拡大などが課題となっております。
c) その他事業
その他事業の当連結会計年度における営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。
当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、関係会社からの配当金の増加により増収増益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。
d) 持分法による投資損益
当連結会計年度における持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。
持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績が好調で増収増益となっており、そのため持分法による投資利益は引き続き増加しております。なお、ハーン銀行およびソリッド銀行の状況は前述のとおりです。今期より新たに持分法適用関連会社となった日本オークション協会、World Watch Auction Limitedは比較的小規模企業であるため、説明を省略いたします。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、リユース品の買取、新規店舗への設備投資、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費の支払いによるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、STAYGOLDにおける新規店舗開設によるものであります。
また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、顧客からの預り金である預金94億75百万円、金融機関からの長期借入金(1年内含む)22億14百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は185億36百万円となっております。
主な借入先として、キルギスコメルツ銀行において、Ministry of Finance of the Kyrgyz Republicから4億98百万円、Russian-KyrgyzDevelopmentFundから3億38百万円、Mamakeev Kanat Mambetovichから2億58百万円、STAYGOLDにおいて、株式会社日本政策金融公庫から6億14百万円、株式会社高知銀行から1億48百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要が好調に推移し、企業業績が堅調に推移するとともに雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。世界経済においても、米国トランプ政権による関税政策の影響の顕在化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の減速など景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。
当社グループは、当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社4社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。
銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)
リユース事業 株式会社STAYGOLD、株式会社PRICING DATA ※1
Happy Price Company Limited ※2、株式会社日本オークション協会 ※2
World Watch Auction Limited ※2
その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、HS FINANCIAL Pte. Ltd.(※1)
※1 株式会社PRICING DATA(以下「PD社」)は、第1四半期連結会計期間期末より当社の連結子会社となり、2025年8月1日を効力発生日として、株式会社STAYGOLD(以下「SG社」)を存続会社とし、PD社を消滅会社とする吸収合併を行いました。
※2 PD社の株式取得及びSG社との合併に伴い、PD社の連結子会社であったHappy Price Company Limited、持分法適用関連会社であった株式会社日本オークション協会、 World Watch Auction Limitedは、それぞれSG社の連結子会社、持分法適用関連会社となり、当社グループに含まれることとなりました。
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a) 銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。
ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)
モンゴル経済につきましては、国内消費の増加や銅精鉱の輸出増加が寄与し、実質GDP(1-12月)は前期比で6.8%増加と高成長が続いております。インフレ率は、モンゴル経済の好景気、原材料費の高騰による食料品等の価格上昇の影響を受け、前期末比7.5%と高止まりしています。また、貿易収支(1-12月)は黒字を維持しており、前期末比で6.7%増加、外貨準備高は貿易収支の黒字が継続していることから70億ドル台(前期末比27.1%増)となっております。為替市場では、前期末比で米ドルに対して4.0%下落(ドル高)、日本円に対して3.8%下落(円高)しました。モンゴル経済は引き続き好調を維持していますが、主要な輸出先である中国経済の失速から中国向け輸出が減少に転じており、今後の景気減速が懸念されます。
モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル経済が高成長を続けていることから、金融セクターの融資残高は前期末比で18.9%増加しました。また、延滞債権残高は17.7%増加、不良債権残高は18.9%増加となりました。
このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、法人向け融資や個人向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。モンゴル経済が好調であることから法人向け融資や個人向け融資が増加し、融資金利上昇の影響もあり資金運用収益が増加しました。一方で、国際金融機関からの借入増加や預金金利の上昇により資金調達費用も増加しておりますが、融資が継続して増加していることが影響し増収増益となっております。
結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期末比で9.9%増加、融資残高は20.9%増加、資金運用収益は15.0%増加、当期純利益は8.8%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期末比で25.6%増加、個人向け融資は25.2%増加、農牧業向け融資は30.6%減少いたしました。
キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)
キルギス経済につきましては、建設業やサービス業を中心に好調を維持しており、2025年度の実質GDP(1-12月)は前期比で11.1%増加と高成長を維持しております。また、インフレ率は食品価格や公共料金の値上げなどにより、前期末比で8.2%上昇となっております。キルギス中央銀行は、足元でインフレが再び加速し、目標とするインフレ率5~7%の範囲を上回っていることを受け、2025年11月に政策金利を11%へ引き上げ、さらに2026年2月には12%へ引き上げました。今後も景気動向やインフレ率の推移次第では、政策金利の引き上げを検討する可能性があります。
キルギスコメルツ銀行は現在、金利変動やロシアに対する制裁強化の影響を受け、リスク管理を強化しつつも、中小企業および個人顧客向けの信用ポートフォリオの拡大に努めています。預金業務においては、金利を慎重にコントロールすることで、預金ポートフォリオを適切な水準に維持しています。また、トレジャリー部門やカード部門の業務を見直し、手数料収入の拡大を目指しています。一方で、ITシステムおよびIT人材への投資が増加しており、特にVISAおよびMastercardとの提携維持やシステム対応に係る費用を中心に経費が拡大しました。また、キルギス中央銀行の指示により引当金等の追加計上を行った結果、現地通貨ベースでの最終損益は大幅な赤字となっております。ただし、連結決算上では、これら引当金等の追加計上の一部は2025年3月期決算に取り込んでおります。
今後につきましては、中東情勢およびロシア・ウクライナ情勢を背景に、キルギス経済の先行きは依然として不透明な状況となっておりますが、このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は引き続きリスク管理およびコンプライアンス体制の強化に取り組み、特にリテール(個人向け)融資やカード、オンライン決済に重点を置き、収益基盤の強化に努めてまいります。
ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)
ロシア経済は、依然としてウクライナ侵攻に伴う幅広い経済制裁を受けており、2025年の実質GDPは前期比で1.0%増加と低成長にとどまりました。インフレ率はコスト増による物価上昇が続くものの、前期末比5.6%と減速傾向となりました。インフレの減速を受け、ロシア中央銀行は政策金利を断続的に引き下げ、2026年3月には15.0%としましたが、一方で依然として物価上昇への警戒感は強く、今後も金融引き締めの方針が継続される見込みです。
このような経済環境の中、ソリッド銀行は預金残高を堅調に伸ばしておりますが、クレジットリスクの抑制もあり、融資残高は預金残高に比べてわずかな増加にとどまりました。加えて、クレジットリスクの高まりを背景に貸倒引当金が前期比で増加し、収益の下押し要因となりました。融資ビジネスの低迷を防ぐため、ファクタリング等の新たな融資商品の導入も行っています。一方、ロシアの金融システムに対する制裁が強化される中、ソリッド銀行は継続的に国際業務を見直し、特に外為取引などを通じて非金利収入が大きく増加しました。
非金利ビジネスが好調な市場環境に支えられ、ソリッド銀行の業績は大幅に改善していますが、今後の見通しについては、ロシア・ウクライナ情勢の展開が依然として不透明な要因となっております。ルーブルの為替レート、原油価格の変動、経済制裁の影響、そして国際情勢の緊迫化が、今後のソリッド銀行の業績に大きな影響を与える可能性があります。このような状況下において、ソリッド銀行は引き続き貸出残高と預金残高の増加や不良債権の徹底管理、預金コストの効率的な管理に注力するとともに、変化するビジネス環境に対応し、リスク管理体制を強化する取り組みを継続して行ってまいります。
b) リユース事業
リユース市場は、環境意識やサステナビリティ志向の高まりを背景に長期的には堅調に推移し、2024年のリユース市場規模は前期比4.5%増の3兆2,628億円となりました。また、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれています。一方で、短期的には気候要因や国際情勢、関税の影響など外部要因による変動が続いております。
株式会社STAYGOLDは、このような外部環境の変化を踏まえ、在庫効率の最大化と収益構造の安定化を重点テーマとして事業を運営いたしました。当連結会計年度におきましては、上半期は滞留在庫の解消及び在庫構成の見直しを優先したことにより一時的に利益が抑えられました。一方で、2025年8月のPD社との合併を機に、グループ一体となった在庫情報の可視化とモニタリング体制を構築し、在庫効率の最適化を推進いたしました。加えて、販管費の期中コントロールの徹底や、アフィリエイト広告の構成比向上による集客効率の改善を図るなど、合併による効果をいち早く引き出し、収益の安定化を最優先に事業を運営いたしました。
オークション販売については、全カテゴリにおいて売上総利益率が向上しており、PD社とのシナジーが着実に発現したことで、グループ全体の収益性向上に寄与しております。卸販売については、下半期の貴金属相場高騰が追い風となり、特に金商材の取引が好調に推移しました。小売販売(店舗・EC)については、今期より本格化した小売部門の強化策が奏功し、売上高は大幅な増収を記録しました。店舗展開ではBRING屋号を中心に計5店舗を新規出店いたしました。海外戦略では、タイでの中低単価商材のテストセールに着手するなど、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。
結果として、リユース事業の当連結会計年度の売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。なお、連結セグメント上では、のれんや無形固定資産の償却費が計上されております。また、持分法適用関連会社である日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。
c) その他事業
当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社は、その他事業に分類しております。
当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金で構成されます。当連結会計年度は、関係会社からの配当金の増加により増収増益となっております。なお、関係会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績に影響を与えません。
結果として、その他事業の当連結会計年度の営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。
d) 持分法による投資損益
持分法適用関連会社であるハーン銀行、ソリッド銀行、日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。
持分法による投資損益は、主にハーン銀行及びソリッド銀行にかかる投資利益によって占められますが、前述のとおり両行の業績は好調で増収増益となっております。
結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計につきましては、1,319億96百万円となり、前期比166億61百万円増加しました。
これは主に、「現金及び預金」が10億5百万円、「貸出金」が11億92百万円、「棚卸資産」が26億77百万円、「関係会社株式」が96億59百万円増加したことによるものであります。
主な増減要因は、「現金及び預金」は当社及びSG社と合併したPD社分の預金の増加、「貸出金」はキルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、「棚卸資産」はSG社と合併したPD社分の増加やSG社における仕入の増加によるもの、「関係会社株式」はハーン銀行およびソリッド銀行にかかる持分法投資利益によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計につきましては、313億60百万円となり、前期比27億27百万円増加しました。
これは主に、「流動負債 その他」が14億2百万円、「繰延税金負債」が16億95百万円増加したことによるものであります。
主な増減要因は、「流動負債 その他」はSG社における買掛金及び未払金の増加、SG社と合併したPD社分の未払金の増加、キルギスコメルツ銀行における売現先取引により発生した金銭債務の増加など、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に関する税効果会計の変動によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、1,006億35百万円となり、前期比139億34百万円増加しました。
これは主に、「利益剰余金」が143億87百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、185億36百万円(前期比13億98百万円増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、21億76百万円の資金増加(前期は45億32百万円の資金増加)となりました。
これは主に、「利息及び配当金の受取額」80億33百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」12億41百万円、「棚卸資産の増減額(△は増加)」15億11百万円、「法人税等の支払額」26億59百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、当社におけるハーン銀行からの配当金の受取、キルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、SG社における棚卸資産の増加、当社及び連結子会社における法人税等の支払いによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2億69百万円の資金減少(前期は60億54百万円の資金減少)となりました。
これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」23億98百万円の資金が増加した一方、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」29億34百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、当社における投資有価証券の売却、当社におけるPD社株式の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2億45百万円の資金減少(前期は2億87百万円の資金減少)となりました。
これは主に、「長期借入れによる収入」5億59百万円の資金が増加した一方、「短期借入金の純増減額(△は減少)」3億10百万円、「長期借入金の返済による支出」2億96百万円、「配当金の支払額」3億0百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、キルギスコメルツ銀行における長期借入金の借入及び返済、連結子会社であったPD社分の短期借入金の返済、当社における配当金の支払によるものであります。
④ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度におけるリユース事業の仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門名 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| BRING | 6,862 | 26.7 |
| BRAND REVALUE | 26,789 | 22.5 |
| PRICING DATA | 9,118 | - |
| 小計 | 42,771 | - |
| 内部仕入 | △203 | - |
| 合計 | 42,567 | 56.0 |
b.販売実績
当連結会計年度におけるリユース事業の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門名 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| BRING | 11,470 | 39.2 |
| BRAND REVALUE | 30,177 | 13.4 |
| PRICING DATA | 10,062 | - |
| 小計 | 51,710 | - |
| 手数料収入 | 3,742 | - |
| 内部売上 | △203 | - |
| 合計 | 55,249 | 58.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。
当連結会計年度においては、リユース事業が業績好調で増収増益となっております。また、ハーン銀行及びソリッド銀行の業績も好調で持分法による投資利益も増加しております。一方で、今後、モンゴル国の銀行法等の規制により、当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。
また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向や同業他社との競争激化などに影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては15.8%となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a) 銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。
ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は引き続き前期比で増収増益となり、融資残高や預金残高も前期末比で増加しました。
ハーン銀行の業績は、モンゴルの好調な経済成長(前期比6.8%増加)に支えられ増収増益を維持しております。融資の増加は、好調なモンゴル経済を背景に法人向けの事業融資が伸びておりますが、個人向けにおいてもサラリーローンや住宅ローンの伸びが堅調であります。一方で、インフレ率の上昇による政策金利の引き上げ、大手行の間での預金獲得競争の激化の影響から預金金利が大きく上昇しており、資金調達費用も増加しております。結果として、融資残高増加による資金運用収益増加やデジタルバンキング推進による手数料収入増加の影響が大きく、増収増益を達成しております。
モンゴル国内においては、中国向け輸出がわずかに減少しておりますが、国内消費・投資が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、中国経済の減速、財政の悪化やインフレ率の高止まりによる金利の上昇など不安要素も存在します。また、ハーン銀行はコロナ禍における国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しました。このため、今後、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与える可能性があります。
今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも引き続き注力いたします。
キルギスコメルツ銀行においては、融資残高は前期末比で増加しておりますが、年間を通しての平均融資残高は前期比で減少しているため、金利収入は前年並みとなりました。一方で、預金残高が減少しているため、今後の預金の収集が課題となっております。非金利収入については、政府による外為取引の規制などの影響で減少しております。また、中央銀行の指摘により追加の引当金や費用を計上することとなりました。以上の結果、今期は大幅な最終赤字となりました。キルギス国内における金融業界は大手行である国営銀行が強い競争力を保持しており、中小規模の銀行であるキルギスコメルツ銀行 は、近年のロシア・ウクライナ情勢の影響もあり、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでおり、今後、どのように融資を増加させていくかが課題となっております。
キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向け融資の増加とともに、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。
ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により引き続き増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、大手行が金融制裁を受けているためソリッド銀行で扱う外為取引が増加し外為取引収支が大幅に増加、また、預金残高・融資残高も増加しているため増収増益を続けております。しかし、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化や金融制裁対象の拡大などがソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。近年、ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。
そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。
b) リユース事業
リユース事業の当連結会計年度における売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。
近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。
今期のリユース事業の業績は、販売や買取を順調に増加させており、事業拡大に伴い人件費を中心に販管費が増加しておりますが、STAYGOLD単体では営業利益を15億円弱計上し、増収増益となっております。特に、販売では戦略的に小売(BtoC)を強化しており、PD社との合併の影響もあり、前期比+50%と大きく増加しました。今後も小売を継続的に強化することにより利益率の上昇を計画しております。また、PD社との合併を機に海外戦略にも着手しており、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。
連結セグメントとしては、のれんや無形固定資産の償却費が多額に計上されておりますが、足元の業績は引き続き好調を維持しており、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに小売や買取の強化など様々な営業施策を実施してまいります。一方で、リユース事業は、市場の成長性の高さから競争が激化しているため、ブランド力の強化や他社との差別化、より一層の規模の拡大などが課題となっております。
c) その他事業
その他事業の当連結会計年度における営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。
当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、関係会社からの配当金の増加により増収増益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。
d) 持分法による投資損益
当連結会計年度における持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。
持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績が好調で増収増益となっており、そのため持分法による投資利益は引き続き増加しております。なお、ハーン銀行およびソリッド銀行の状況は前述のとおりです。今期より新たに持分法適用関連会社となった日本オークション協会、World Watch Auction Limitedは比較的小規模企業であるため、説明を省略いたします。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、リユース品の買取、新規店舗への設備投資、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費の支払いによるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、STAYGOLDにおける新規店舗開設によるものであります。
また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、顧客からの預り金である預金94億75百万円、金融機関からの長期借入金(1年内含む)22億14百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は185億36百万円となっております。
主な借入先として、キルギスコメルツ銀行において、Ministry of Finance of the Kyrgyz Republicから4億98百万円、Russian-KyrgyzDevelopmentFundから3億38百万円、Mamakeev Kanat Mambetovichから2億58百万円、STAYGOLDにおいて、株式会社日本政策金融公庫から6億14百万円、株式会社高知銀行から1億48百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。