有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/23 9:01
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、前半は概ね回復過程にありましたが、昨年秋の自然災害や消費税率の引き上げの影響が年末にかけて色濃くなりました。こうしたなか、年明け以降に表面化した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、国内景気は大幅に下押しされることになりました。
日本の株式市場は、年末に向けて上昇基調となったものの年明け以降は大幅な下落となりました。年度初めは米中貿易協議の進展期待や中国の経済指標の改善を背景に日経平均株価が4月24日に2万2,362円まで上昇し、その後、リスク回避の円高や米政権による対中制裁関税第4弾の発動表明から日経平均株価は8月に一時2万110円まで軟化しましたが、世界的な半導体市場の底入れや米中協議の部分合意への期待感、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱が回避される見込みとなったことを好感し年末に向けて上昇しました。年明け後の1月17日に日経平均株価は2万4,115円の高値を付けましたが、その後は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済活動の停止・停滞への懸念が強まり、世界の株式市場が急落するなか、日経平均株価は3月に1万6,358円まで急落し、2016年11月以来3年4カ月ぶりの安値を付けました。そのため、欧米の中央銀行は世界的な金融市場の混乱回避を目指して流動性リスクに対応した金融緩和に動きました。日銀も3月の金融政策決定会合を前倒して開催し、潤沢な資金供給と企業金融支援のための措置を決定、ETFの買い入れを12兆円に倍増することも決めました。こうした3年半ぶりの追加の金融緩和や政府による大型の景気対策への期待から当連結会計年度末の日経平均株価は1万8,917円となりました。
外国為替市場では、4月に1ドル=112円台だった円相場が米中対立の長期化観測などによるリスク回避の円買いで8月には104円台半ばまで円高ドル安が進みました。その後は緩やかな円安傾向で推移しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大からリスク回避の動きが急速に強まり、3月前半に一時3年4カ月ぶりとなる1ドル=101円台を付けました。しかし、その後は再び円安傾向となり当連結会計年度末は107円台後半となりました。
一方、日本の新興株式市場は、2月中旬以降に急落し、当連結会計年度末の日経ジャスダック平均株価は2,952円、東証マザーズ指数は620となりました。
当連結会計年度における東証一部市場の一日平均売買代金は前連結会計年度比8.6%減の2兆6,097億円、東証二部市場の一日平均売買代金は同10.0%減の320億円、マザーズ市場の一日平均売買代金は同9.1%減の928億円、ジャスダック市場の一日平均売買代金は同16.3%減の489億円となりました。
当社は、このような環境下、株式につきましては、安定性と配当に注目した資産株での中長期投資のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を活かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、お客様のニーズにお応えする施策を引き続き実行して参りました。
いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが着実に拡がっておりますが、年度末にかけては主に世界的な資産価格下落の影響から当連結会計年度の残高は1,075億円(前連結会計年度末比9.0%減)となりました。
投資信託につきましては、国内の複数の資産に分散投資するファンドや世界の好配当利回り株に投資するファンド、REIT(不動産投資信託)や国内外の中小型株式ファンド、地域金融機関向けの私募投資信託など、お客様のニーズに即したご提案を行って参りました。
グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、投資信託の基準価額下落の影響等により、当連結会計年度末の運用資産残高は2,720億円(前連結会計年度末比26.3%減)となりました。
以上の結果、マーケット環境等の悪化に伴い株券の委託手数料及び受益証券の募集手数料が減少したことにより、当社グループの営業収益が減少となり、純営業収益は172億41百万円(前連結会計年度比12.8%減、25億28百万円減)となりました。また、本社移転費用等の一時費用の発生等により販売費・一般管理費は177億86百万円(同0.4%増、73百万円増)となり、差し引き営業損失は5億45百万円(同26億1百万円減)となりました。
販売費・一般管理費に対する投資信託の信託報酬とファンドラップに係るフィー等の比率(コストカバー率)は37.9%となりました。
内訳につきましては以下のとおりであります。
① 受入手数料
受入手数料の合計は168億45百万円(前連結会計年度比12.3%減)となりました。
2019年3月期(百万円)2020年3月期(百万円)
受入手数料19,20516,845
委託手数料7,2264,913
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料266557
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料4,0263,980
その他の受入手数料7,6867,394

委託手数料:
株券の委託手数料は47億45百万円(前連結会計年度比32.4%減)となりました。
このうち、中小型株式(東証二部市場、ジャスダック、マザーズ)の委託手数料は9億8百万円(同39.4%減)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は19.1%となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料:
発行市場では、主幹事3社を含む新規公開企業は32社(前連結会計年度は主幹事1社を含む新規公開企業は37社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。また、既公開企業に係る公募・売出しは6社(前連結会計年度は6社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。
この結果、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は5億57百万円(前連結会計年度比108.9%増)となりました。
当連結会計年度末における累計引受社数は、1,117社(うち主幹事56社)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が38億76百万円(前連結会計年度比0.1%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は39億80百万円(同1.1%減)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が38億62百万円(前連結会計年度比6.7%減)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が13億95百万円(同8.7%減)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等14億75百万円(同21.1%増)、アンバンドリング手数料、保険取扱手数料及び公開支援に伴う手数料等を加え、合計73億94百万円(同3.8%減)となりました。
② トレーディング損益
2019年3月期(百万円)2020年3月期(百万円)
トレーディング損益12589
株券等トレーディング損益1937
債券等・その他の
トレーディング損益
10652
(債券等トレーディング損益)4927
(その他のトレーディング損益)5725

株券等のトレーディング損益は、37百万円(前連結会計年度比96.2%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、52百万円(同51.0%減)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は89百万円(同28.6%減)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、信用取引貸付金の減少により2億79百万円(前連結会計年度比17.0%減)、金融費用は、1億15百万円(同131.2%増)となり、差し引き金融収支は1億63百万円(同42.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の純営業収益は172億41百万円(前連結会計年度比12.8%減)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費等が減少した一方で、本社及び支店等の店舗移転にかかる一時費用等の不動産関係費が発生・増加したために177億86百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。
⑤ 営業外損益及び特別損益
営業外収益は、受取保険金及び配当金51百万円、投資事業組合運用益37百万円等で1億63百万円、営業外費用は、貸倒引当金繰入額70百万円等で88百万円となり、差し引き75百万円(前連結会計年度比58.5%減)の利益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損失は4億69百万円となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益等で85百万円、特別損失は減損損失等で64百万円となり、差し引き20百万円(前連結会計年度比92.1%減)の利益となりました。
これらにより、税金等調整前当期純損失は4億48百万円となりました。これに法人税、住民税及び事業税2億79百万円及び法人税等調整額14百万円等を加減算した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は7億24百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の預り資産は、1兆5,360億円(前連結会計年度末比14.3%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産
前連結会計年度末に比べて50億13百万円(10.3%)減少し、435億30百万円となりました。これは、信用取引資産が59億42百万円、現金・預金が15億72百万円減少したこと等によるものです。
② 負債
前連結会計年度末に比べて9億31百万円(6.7%)増加し、147億57百万円となりました。これは預り金が14億円、受入保証金が3億19百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産
前連結会計年度末に比べて59億45百万円(17.1%)減少し、287億72百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失7億24百万円及び配当金の支払い13億71百万円、自己株式の取得35億65百万円による支出により減少したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は65.9%となりました。また、当社の自己資本規制比率は、446.8%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引資産及び信用取引負債58億97万円減少、募集等払込金14億30百万円増加等により、49億68百万円(前連結会計年度比4億2百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、△13億95百万円(同12億64百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額13億67百万円、自己株式の取得による支出35億65百万円等により、△50億51百万円(同18億62百万円の減少)となりました。
以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末残高に比べ、15億72百万円減少し、126億47百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
2019年3月31日(百万円)2020年3月31日(百万円)
資産の部のトレーディング商品166158
商品有価証券等166158
株券8
債券158157
受益証券等0
デリバティブ取引
オプション取引
為替予約取引
負債の部のトレーディング商品00
商品有価証券等
株券
債券
受益証券等
デリバティブ取引00
オプション取引
為替予約取引00


トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積もりの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、当社グループの課税所得を見積り、短期に回収が可能なものを判断し繰延税金資産を算出しております。
② 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前連結会計年度比12.8%減の172億41百万円、経常損失は4億69百万円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、新たに2023年3月末をターゲットとする新中期経営計画「アタック3」を策定し、数値目標は預り資産3兆円、ROE15%程度、主幹事会社数80社、コストカバー率60%と設定いたしました。
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置づけ、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託につきましては、国内の複数の資産に分散投資するファンドや世界の好配当利回り株に投資するファンド、REIT(不動産投資信託)や国内外の中小型株式ファンド、地域金融機関向けの私募投資信託など、お客様のニーズに即したご提案を行って参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料合計は、前連結会計年度比1.1%減の39億80百万円となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前連結会計年度比3.8%減の73億94百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同6.7%減の38億62百万円、「運用に係る信託報酬」が同8.7%減の13億95百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同21.1%増の14億75百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、「投信のベース資産」として位置付けているいちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが着実に拡がっておりますが、年度末にかけては主に世界的な資産価格下落の影響から当連結会計年度末の残高は1,075億円(前連結会計年度末比9.0%減)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投信委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金の業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。

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