有価証券報告書-第79期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響からの持ち直しの動きがみられました。個人消費はやや弱含んでいるものの、企業の設備投資や生産活動には明るい兆しもあり当連結会計年度末に向けて景気も緩やかな持ち直しとなりました。世界経済も新型コロナウイルス感染症の世界的大流行で厳しい状況でしたが、各国の政策対応により、総じて回復傾向にあります。
日本の株式市場は、新型コロナウイルスワクチンの普及による世界経済の回復期待を背景に年度後半から騰勢が強まりました。世界各国の政府による大規模な経済対策や日米欧の主要中央銀行による金融緩和の下で、国内においては5月下旬にかけて段階的に緊急事態宣言が解除されたことにより経済活動再開への期待が高まり、日経平均株価は6月9日には2万3,185 円まで上昇しました。その後は、新型コロナウイルスの感染再拡大などから一進一退の動きとなりました。11月上旬以降は米大統領選挙が通過したことによる米国政治の不透明感の後退に加えて、新型コロナウイルスワクチン開発に関する発表が相次いだことを受けて世界経済の正常化への期待が高まり、日経平均株価は再び上昇傾向が強まりました。年明け以降は、政府により緊急事態宣言が再発令されたものの、新型コロナウイルスワクチン普及や米国のバイデン政権による大型の経済対策への期待などから30年半ぶりに日経平均株価は3万円台を回復しましたが、米長期金利の上昇への警戒もあり、2万9,178円で当連結会計年度末を迎えました。
外国為替市場では、株高の流れを受け6月5日に1ドル=109.84 円を付けました。その後は、米連邦準備理事会(FRB)によるゼロ金利政策の長期化観測が強まる中、円高ドル安が進み、年明けの1月6日には1ドル=102.57円を付けました。しかし、米長期金利の上昇から円安ドル高が進み当連結会計年度末は1ドル=110円後半となりました。
一方、日本の新興株式市場では、日経ジャスダック平均株価は上昇を継続しましたが、東証マザーズ指数は10月中旬に昨年来高値を付け、その後は上値の重さが意識されました。日経ジャスダック平均株価は 3,938円、東証マザーズ指数は1,203で当連結会計年度末を迎えました。
当連結会計年度における東証一部市場の一日平均売買代金は前連結会計年度比7.6%増の2兆8,090億円、マザーズ市場の一日平均売買代金は同126.6%増の2,103億円、ジャスダック市場の一日平均売買代金は同35.1%増の661億円となりました。
当社は、このような環境下、中期経営計画「アタック3」を達成すべく、株式につきましては、低金利環境の下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、お客様1人1人のニーズにお応えする施策を引き続き実行して参りました。
いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当連結会計年度末の残高は1,560億円(前連結会計年度末比45.1%増)となりました。
投資信託につきましては、注目度の高いSDGs関連ファンドや世界の好配当利回り株に投資するファンド、国内の中長期的な成長が見込める株式に投資するファンドやREIT(不動産投資信託)に投資するファンド、地域金融機関向けの私募投資信託など、お客様の多様なニーズに細やかにお応えするご提案を行って参りました。
グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、投資信託の基準価額が回復基調となり、当連結会計年度末の運用資産残高は3,724億円(前連結会計年度末比36.9%増)となりました。
以上の結果、当社グループの営業収益は197億47百万円(前連結会計年度比4.8%増、9億1百万円増)、純営業収益は182億円(同5.6%増、9億58百万円増)となりました。また、取引関係費及び不動産関係費(本社移転の一時費用)等の減少により販売費・一般管理費は169億35百万円(同4.8%減、8億50百万円減)となり、差し引き営業利益は12億64百万円(同18億9百万円増)となりました。
販売費・一般管理費に対する投資信託の信託報酬とファンドラップに係るフィー等の比率(コストカバー率)は39.4%となりました。
なお、当連結会計年度末の預り資産は、1兆9,895億円(前連結会計年度末比29.5%増)となりました。
① 受入手数料
受入手数料の合計は176億8百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
委託手数料:
株券の委託手数料は60億26百万円(前連結会計年度比27.0%増)となりました。
このうち、中小型株式(東証二部市場、ジャスダック、マザーズ)の委託手数料は14億38百万円(同58.4%増)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は23.9%となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料:
発行市場では、主幹事4社を含む新規公開企業は31社(前期は主幹事3社を含む新規公開企業32社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。また、既公開企業に係る公募・売出しは6社(前連結会計年度は6社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。
この結果、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は4億96百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
当連結会計年度末における累計引受社数は、1,151社(うち主幹事60社)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が34億42百万円(前連結会計年度比11.2%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は35億54百万円(同10.7%減)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が36億25百万円(前連結会計年度比6.1%減)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が13億16百万円(同5.6%減)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等17億38百万円(同17.8%増)、アンバンドリング手数料、保険取扱手数料及び公開支援に伴う手数料等を加え、合計73億74百万円(同0.3%減)となりました。
② トレーディング損益
株券等のトレーディング損益は、1億71百万円(前連結会計年度比355.4%増)の利益となりました。
債券・為替等のトレーディング損益は、1億38百万円(前連結会計年度比165.9%増)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は3億10百万円(同245.3%増)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、信用取引貸付金の期中平均残高の減少により2億6百万円(前連結会計年度比26.0%減)、金融費用は70百万円(同39.2%減)となり、差し引き金融収支は1億36百万円(同16.7%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の純営業収益は182億円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費及び不動産関係費(本社移転の一時費用)等の減少により169億35百万円(前連結会計年度比4.8%減)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取保険金及び配当金23百万円、投資有価証券配当金17百万円等で62百万円、営業外費用は、投資事業組合運用損22百万円等で26百万円となり、差し引き36百万円(前連結会計年度比52.2%減)の利益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は13億円(前連結会計年度比17億70百万円の増加)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等で1億34百万円、特別損失は減損損失等で1億21百万円となり、差し引き13百万円(前連結会計年度比36.3%減)の利益となりました。
これらにより、税金等調整前当期純利益は13億13百万円となりました。これに法人税、住民税及び事業税2億80百万円及び法人税等調整額32百万円を減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10億1百万円となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産
前連結会計年度末に比べて56億80百万円(13.1%)増加し、492億11百万円となりました。これは、信用取引資産が34億10百万円、現金・預金が26億97百万円増加したこと等によるものです。
② 負債
前連結会計年度末に比べて53億45百万円(36.2%)増加し、201億3百万円となりました。これは、信用取引負債が33億5百万円、預り金が21億76百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産
前連結会計年度末に比べて3億35百万円(1.2%)増加し、291億8百万円となりました。これは、配当金の支払い11億15百万円により減少したものの、退職給付に係る調整累計額が2億74百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益10億1百万円を計上したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は59.0%となりました。また、当社の自己資本規制比率は、450.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益13億13百万円を計上、預り金及び受入保証金18億55百万円増加、募集等払込金13億3百万円減少等により増加し、48億60百万円(前期比1億7百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の売却による収入等により、△44百万円(同13億50百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額11億12百万円等により、△11億23百万円(同39億27百万円の増加)となりました。
以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、36億97百万円増加し、163億45百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の減損損失
翌連結会計年度の将来キャッシュ・フローの算定にあたり、市場動向や経済情勢の変化により翌連結会計年度の営業損益が悪化した場合、その影響により翌連結会計年度の営業損益が減少する可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、当社グループの課税所得を見積り、短期に回収が可能なものを判断し繰延税金資産を算出しております。
③ 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前連結会計年度比5.6%増の182億円、経常利益は13億円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2023年3月末をターゲットとする中期経営計画「アタック3」を策定し、数値目標は預り資産3兆円、ROE15%程度、主幹事会社数80社、コストカバー率60%と設定いたしました。
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置づけ、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託につきましては、注目度の高いSDGs関連ファンドや世界の好配当利回り株に投資するファンド、国内の中長期的な成長が見込める株式に投資するファンドやREIT(不動産投資信託)に投資するファンド、地域金融機関向けの私募投資信託など、お客様の多様なニーズに細やかにお応えするご提案を行って参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は35億54百万円(同10.7%減)となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前連結会計年度比0.3%減の73億74百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同6.1%減の36億25百万円、「運用に係る信託報酬」が同5.6%減の13億16百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同17.8%増の17億38百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、「投信のベース資産」として位置付けているいちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当連結会計年度末の残高は1,560億円(前連結会計年度末比45.1%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投信委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金の業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響からの持ち直しの動きがみられました。個人消費はやや弱含んでいるものの、企業の設備投資や生産活動には明るい兆しもあり当連結会計年度末に向けて景気も緩やかな持ち直しとなりました。世界経済も新型コロナウイルス感染症の世界的大流行で厳しい状況でしたが、各国の政策対応により、総じて回復傾向にあります。
日本の株式市場は、新型コロナウイルスワクチンの普及による世界経済の回復期待を背景に年度後半から騰勢が強まりました。世界各国の政府による大規模な経済対策や日米欧の主要中央銀行による金融緩和の下で、国内においては5月下旬にかけて段階的に緊急事態宣言が解除されたことにより経済活動再開への期待が高まり、日経平均株価は6月9日には2万3,185 円まで上昇しました。その後は、新型コロナウイルスの感染再拡大などから一進一退の動きとなりました。11月上旬以降は米大統領選挙が通過したことによる米国政治の不透明感の後退に加えて、新型コロナウイルスワクチン開発に関する発表が相次いだことを受けて世界経済の正常化への期待が高まり、日経平均株価は再び上昇傾向が強まりました。年明け以降は、政府により緊急事態宣言が再発令されたものの、新型コロナウイルスワクチン普及や米国のバイデン政権による大型の経済対策への期待などから30年半ぶりに日経平均株価は3万円台を回復しましたが、米長期金利の上昇への警戒もあり、2万9,178円で当連結会計年度末を迎えました。
外国為替市場では、株高の流れを受け6月5日に1ドル=109.84 円を付けました。その後は、米連邦準備理事会(FRB)によるゼロ金利政策の長期化観測が強まる中、円高ドル安が進み、年明けの1月6日には1ドル=102.57円を付けました。しかし、米長期金利の上昇から円安ドル高が進み当連結会計年度末は1ドル=110円後半となりました。
一方、日本の新興株式市場では、日経ジャスダック平均株価は上昇を継続しましたが、東証マザーズ指数は10月中旬に昨年来高値を付け、その後は上値の重さが意識されました。日経ジャスダック平均株価は 3,938円、東証マザーズ指数は1,203で当連結会計年度末を迎えました。
当連結会計年度における東証一部市場の一日平均売買代金は前連結会計年度比7.6%増の2兆8,090億円、マザーズ市場の一日平均売買代金は同126.6%増の2,103億円、ジャスダック市場の一日平均売買代金は同35.1%増の661億円となりました。
当社は、このような環境下、中期経営計画「アタック3」を達成すべく、株式につきましては、低金利環境の下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、お客様1人1人のニーズにお応えする施策を引き続き実行して参りました。
いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当連結会計年度末の残高は1,560億円(前連結会計年度末比45.1%増)となりました。
投資信託につきましては、注目度の高いSDGs関連ファンドや世界の好配当利回り株に投資するファンド、国内の中長期的な成長が見込める株式に投資するファンドやREIT(不動産投資信託)に投資するファンド、地域金融機関向けの私募投資信託など、お客様の多様なニーズに細やかにお応えするご提案を行って参りました。
グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、投資信託の基準価額が回復基調となり、当連結会計年度末の運用資産残高は3,724億円(前連結会計年度末比36.9%増)となりました。
以上の結果、当社グループの営業収益は197億47百万円(前連結会計年度比4.8%増、9億1百万円増)、純営業収益は182億円(同5.6%増、9億58百万円増)となりました。また、取引関係費及び不動産関係費(本社移転の一時費用)等の減少により販売費・一般管理費は169億35百万円(同4.8%減、8億50百万円減)となり、差し引き営業利益は12億64百万円(同18億9百万円増)となりました。
販売費・一般管理費に対する投資信託の信託報酬とファンドラップに係るフィー等の比率(コストカバー率)は39.4%となりました。
なお、当連結会計年度末の預り資産は、1兆9,895億円(前連結会計年度末比29.5%増)となりました。
① 受入手数料
受入手数料の合計は176億8百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
| 2020年3月期(百万円) | 2021年3月期(百万円) | |
| 受入手数料 | 16,845 | 17,608 |
| 委託手数料 | 4,913 | 6,182 |
| 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 | 557 | 496 |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 | 3,980 | 3,554 |
| その他の受入手数料 | 7,394 | 7,374 |
委託手数料:
株券の委託手数料は60億26百万円(前連結会計年度比27.0%増)となりました。
このうち、中小型株式(東証二部市場、ジャスダック、マザーズ)の委託手数料は14億38百万円(同58.4%増)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は23.9%となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料:
発行市場では、主幹事4社を含む新規公開企業は31社(前期は主幹事3社を含む新規公開企業32社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。また、既公開企業に係る公募・売出しは6社(前連結会計年度は6社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。
この結果、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は4億96百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
当連結会計年度末における累計引受社数は、1,151社(うち主幹事60社)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が34億42百万円(前連結会計年度比11.2%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は35億54百万円(同10.7%減)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が36億25百万円(前連結会計年度比6.1%減)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が13億16百万円(同5.6%減)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等17億38百万円(同17.8%増)、アンバンドリング手数料、保険取扱手数料及び公開支援に伴う手数料等を加え、合計73億74百万円(同0.3%減)となりました。
② トレーディング損益
| 2020年3月期(百万円) | 2021年3月期(百万円) | |
| トレーディング損益 | 89 | 310 |
| 株券等トレーディング損益 | 37 | 171 |
| 債券等・その他の トレーディング損益 | 52 | 138 |
| (債券等トレーディング損益) | 27 | 24 |
| (その他のトレーディング損益) | 25 | 114 |
株券等のトレーディング損益は、1億71百万円(前連結会計年度比355.4%増)の利益となりました。
債券・為替等のトレーディング損益は、1億38百万円(前連結会計年度比165.9%増)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は3億10百万円(同245.3%増)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、信用取引貸付金の期中平均残高の減少により2億6百万円(前連結会計年度比26.0%減)、金融費用は70百万円(同39.2%減)となり、差し引き金融収支は1億36百万円(同16.7%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の純営業収益は182億円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費及び不動産関係費(本社移転の一時費用)等の減少により169億35百万円(前連結会計年度比4.8%減)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取保険金及び配当金23百万円、投資有価証券配当金17百万円等で62百万円、営業外費用は、投資事業組合運用損22百万円等で26百万円となり、差し引き36百万円(前連結会計年度比52.2%減)の利益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は13億円(前連結会計年度比17億70百万円の増加)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等で1億34百万円、特別損失は減損損失等で1億21百万円となり、差し引き13百万円(前連結会計年度比36.3%減)の利益となりました。
これらにより、税金等調整前当期純利益は13億13百万円となりました。これに法人税、住民税及び事業税2億80百万円及び法人税等調整額32百万円を減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10億1百万円となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産
前連結会計年度末に比べて56億80百万円(13.1%)増加し、492億11百万円となりました。これは、信用取引資産が34億10百万円、現金・預金が26億97百万円増加したこと等によるものです。
② 負債
前連結会計年度末に比べて53億45百万円(36.2%)増加し、201億3百万円となりました。これは、信用取引負債が33億5百万円、預り金が21億76百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産
前連結会計年度末に比べて3億35百万円(1.2%)増加し、291億8百万円となりました。これは、配当金の支払い11億15百万円により減少したものの、退職給付に係る調整累計額が2億74百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益10億1百万円を計上したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は59.0%となりました。また、当社の自己資本規制比率は、450.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益13億13百万円を計上、預り金及び受入保証金18億55百万円増加、募集等払込金13億3百万円減少等により増加し、48億60百万円(前期比1億7百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の売却による収入等により、△44百万円(同13億50百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額11億12百万円等により、△11億23百万円(同39億27百万円の増加)となりました。
以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、36億97百万円増加し、163億45百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
| 2020年3月31日(百万円) | 2021年3月31日(百万円) | |
| 資産の部のトレーディング商品 | 158 | 112 |
| 商品有価証券等 | 158 | 112 |
| 株券 | ― | 26 |
| 債券 | 157 | 86 |
| 受益証券等 | 0 | ― |
| デリバティブ取引 | ― | ― |
| オプション取引 | ― | ― |
| 為替予約取引 | ― | ― |
| 負債の部のトレーディング商品 | 0 | 0 |
| 商品有価証券等 | ― | ― |
| 株券 | ― | ― |
| 債券 | ― | ― |
| 受益証券等 | ― | ― |
| デリバティブ取引 | 0 | 0 |
| オプション取引 | ― | ― |
| 為替予約取引 | 0 | 0 |
トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の減損損失
翌連結会計年度の将来キャッシュ・フローの算定にあたり、市場動向や経済情勢の変化により翌連結会計年度の営業損益が悪化した場合、その影響により翌連結会計年度の営業損益が減少する可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、当社グループの課税所得を見積り、短期に回収が可能なものを判断し繰延税金資産を算出しております。
③ 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前連結会計年度比5.6%増の182億円、経常利益は13億円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2023年3月末をターゲットとする中期経営計画「アタック3」を策定し、数値目標は預り資産3兆円、ROE15%程度、主幹事会社数80社、コストカバー率60%と設定いたしました。
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置づけ、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託につきましては、注目度の高いSDGs関連ファンドや世界の好配当利回り株に投資するファンド、国内の中長期的な成長が見込める株式に投資するファンドやREIT(不動産投資信託)に投資するファンド、地域金融機関向けの私募投資信託など、お客様の多様なニーズに細やかにお応えするご提案を行って参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は35億54百万円(同10.7%減)となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前連結会計年度比0.3%減の73億74百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同6.1%減の36億25百万円、「運用に係る信託報酬」が同5.6%減の13億16百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同17.8%増の17億38百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、「投信のベース資産」として位置付けているいちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当連結会計年度末の残高は1,560億円(前連結会計年度末比45.1%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投信委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金の業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。