有価証券報告書-第84期(2025/04/01-2026/03/31)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)の日本経済は、中東情勢の悪化による影響が警戒されましたが、緩やかな回復が続きました。個人消費は物価高の影響を受けながらも所得の改善から持ち直しがみられました。企業の生産活動は、一部に米関税の影響がありましたが、総じて回復が続き、設備投資は人工知能(AI)関連や建設投資などが堅調でした。海外経済は地域間で強弱がみられるものの、インフレ圧力が和らぎ、緩やかな成長が維持されました。
日本の株式市場は大幅上昇し、年明け後の2月下旬に日経平均株価は6万円に迫りました。米関税ショックで、日経平均株価は、4月に一時3万1,000円を割り込みましたが、7月下旬の日米関税合意などから安心感が広がり、10月には初めて5万円台に乗せました。さらに高市新政権による積極財政への期待から、11月4日には日経平均株価が5万2,636円まで上昇しました。その後はAI・半導体関連株の割高感が意識され弱含む場面もありましたが、年明け以降は財政拡張路線や成長投資への期待が高まる中、衆院選明けから海外勢の買いが盛り上がり、日経平均株価は2月26日の取引時間中に5万9,332円まで上昇しました。しかし、3月に入り、中東情勢の悪化による原油価格の高騰などを背景に、世界の株式市場が下落基調を強め、日経平均株価は5万1,063円で当期末を迎えました。
外国為替市場で、対ドルの円相場は期初1ドル=149円台でした。4月22日には139円台後半となりましたが、夏場以降は円安圧力が強まりました。年明け1月中旬に159円台を付けたことで、為替介入への警戒から反転し、一時は152円台まで円安が修正されましたが、中東情勢の悪化を背景としたドル買い需要もあり、当期末は158円台で終えました。
高い成長可能性を有する企業向けの市場である東証グロース市場で、東証グロース市場指数は期初820でした。4月7日には686まで急落し、8月19日には1,037まで回復しましたが、大台が定着せず、当期末は911で終えました。東証グロース市場250指数は期初636で始まり、4月7日に534まで下落しました。8月19日には800まで上昇しましたが、その後は調整と反発を経て699で当期末を迎えました。
当期における東証プライム市場の一日平均売買代金は6兆7,015億円、スタンダード市場の一日平均売買代金は2,090億円、グロース市場の一日平均売買代金は1,910億円となりました。
当社におきましては、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指し、中期経営計画「3・D」の目標である預り資産3兆円を達成すべく、引き続きファンドラップと投資信託によるストック型資産の増加に取り組んで参りました。
また、本年3月末をもちまして「3・D」の計画期間が終了したことに伴い、「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層加速させるべく、4月より新中期経営計画「ターゲット5」をスタートしております。
この「ストック型ビジネスモデル」への転換の進捗度合を計る最適指標であるコストカバー率(投資信託の信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の販管費に対する比率)は、84.3%(前期は71.4%)となりました。
また、安定収益の受入手数料全体に占める割合は、64.7%(同0.6ポイント増)となりました。
ストック型資産の中核となります いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、サービス開始から10周年を迎えました現在も、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズがますます拡がっており、当期末の残高は4,402億円(前期末比34.5%増)と順調に推移しました。
2024年よりサービス提供を開始しております、ドリコレをNISA口座の成長投資枠にてご利用いただける「ドリコレNISA」、毎月自動的に増額ができる「ドリコレ・ミニ」、運用資産を換金することなく資産承継ができる次世代承継サービス「ドリコレ・パス」と合わせまして、今後もお客様の世代を超えた中長期的な資産形成をサポートして参ります。
また、投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」、「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。
当期末の投資信託の残高は、8,646億円(前期末比13.4%増)となりました。
いちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高を順調に伸ばし、当期末の運用資産残高は7,443億円(前期末比27.8%増)となりました。
株式につきましては、インフレの下での安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みである いちよし経済研究所のリサーチ力を活かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、引き続きお客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。
以上の結果、当社グループの純営業収益は245億8百万円(前期比30.6%増)となりました。また、販売費・一般管理費は183億47百万円(同11.4%増)となり、差し引き営業利益は61億60百万円(同169.5%増)となりました。
なお、当期末の預り資産は、2兆6,475億円(前期末比20.1%増)となりました。
① 受入手数料
受入手数料の合計は239億2百万円(前期比30.3%増)となりました。
委託手数料:
株券の委託手数料は59億3百万円(前期比36.6%増)となりました。
このうち、中小型株式の委託手数料は6億62百万円(同41.4%増)となり、株券の委託手数料に占める中小型株式の割合は11.2%となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が17億55百万円(前期比9.5%増)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は17億65百万円(同9.3%増)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が59億48百万円(前期比31.1%増)、ファンドラップに係るフィー等が63億31百万円(同36.9%増)、これに いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬31億81百万円(同22.6%増)等を加え、合計161億31百万円(同31.0%増)となりました。
② トレーディング損益
株券等のトレーディング損益は、92百万円(前期比255.7%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、1億5百万円(同431.0%増)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は1億98百万円(同332.0%増)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、2億14百万円(前期比25.8%増)、金融費用は、71百万円(同70.6%増)となり、差し引き金融収支は1億42百万円(同11.1%増)となりました。
以上の結果、当期の純営業収益は245億8百万円(前期比30.6%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、183億47百万円(前期比11.4%増)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益が、投資事業組合運用益33百万円や受取保険金及び配当金21百万円等で99百万円となり、営業外費用の貸倒引当金繰入額21百万円等との差し引きで76百万円(前期比37.3%減)となりました。
以上の結果、当期の経常利益は62億36百万円(前期比159.1%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益33百万円等で34百万円、特別損失は、金融商品取引責任準備金繰入れ34百万円、減損損失27百万円等で62百万円となり、差し引きで28百万円(前期比6百万円の減少)の損失となりました。
これらにより、税金等調整前当期純利益は62億8百万円(前期比160.3%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税21億1百万円及び法人税等調整額2億85百万円を加減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は43億92百万円(同180.8%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産
132億10百万円(前期末比31.5%)増加し、551億10百万円となりました。これは、現金・預金が24億81百万円、信用取引資産が22億41百万円及び募集等払込金が47億37百万円増加したこと等によるものです。
② 負債
96億69百万円(前期末比67.0%)増加し、241億7百万円となりました。これは、信用取引負債が29億76百万円及び預り金が27億95百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産
35億41百万円(前期末比12.9%)増加し、310億3百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益43億92百万円を計上した一方で、配当金の支払い15億2百万円があったこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は56.2%(前期末は65.4%)となりました。
なお、当社の自己資本規制比率は448.4%(前期末は448.0%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益62億8百万円を計上、預り金及び受入保証金の増加による39億94百万円の増加、顧客分別金信託の増加による13億50百万円の減少、募集等払込金の増加による47億37百万円の減少等により、40億28百万円(前期比36億82百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出20億円等により、△22億43百万円(同19億46百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額14億97百万円、ストックオプションの行使による収入2億8百万円等により、△13億17百万円(同17億23百万円の増加)となりました。
以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、4億67百万円増加し、149億71百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の減損損失
減損の兆候があると認められた資産又は資産グループについては、事業計画を基礎として算出した営業収益及び営業費用の予測値に、過年度の実績等を勘案したストレスを加味した数値を用いて割引前将来キャッシュ・フローの見積りを行い、これが帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識すべきと判断しております。また、将来キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は、預り資産残高等の見込みに基づく受入手数料成長率、販管費率であります。
減損損失を認識すべきと判断された資産又は資産グループについては、正味売却価額又は使用価値まで減額し、減損損失を算出しております。
② 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、事業計画及び当連結会計年度末時点で策定された翌期の総合予算に基づく営業収益及び営業費用の予測値に、過年度の実績等を勘案したストレスを乗じた数値を用いて、1年以内の一時差異等加減算前将来課税所得の見積りを行い、一時差異等のスケジューリングに基づき繰延税金資産を算出しております。
③ 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前期比30.6%増の245億8百万円、経常利益は同159.1%増の62億36百万円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2030年3月末をターゲットとする新中期経営計画「ターゲット5」を策定し、数値目標は預り資産5兆円、ベース資産(ドリコレ)・準ベース資産(いちばん星&ミズナラ)等の預り資産全体に占める割合30%、コストカバー率100%、ROE(自己資本当期純利益率)15%と設定いたしました。
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置付け、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」、「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は前期比9.3%増の17億65百万円となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前期比31.0%増の161億31百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同31.1%増の59億48百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同36.9%増の63億31百万円、「運用に係る信託報酬」が同22.6%増の31億81百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、ストック型資産の中核となります いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、サービス開始から10周年を迎えました現在も、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズがますます拡がっており、当期末の残高は4,402億円(前期末比34.5%増)と順調に推移しました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投資信託委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金を業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)の日本経済は、中東情勢の悪化による影響が警戒されましたが、緩やかな回復が続きました。個人消費は物価高の影響を受けながらも所得の改善から持ち直しがみられました。企業の生産活動は、一部に米関税の影響がありましたが、総じて回復が続き、設備投資は人工知能(AI)関連や建設投資などが堅調でした。海外経済は地域間で強弱がみられるものの、インフレ圧力が和らぎ、緩やかな成長が維持されました。
日本の株式市場は大幅上昇し、年明け後の2月下旬に日経平均株価は6万円に迫りました。米関税ショックで、日経平均株価は、4月に一時3万1,000円を割り込みましたが、7月下旬の日米関税合意などから安心感が広がり、10月には初めて5万円台に乗せました。さらに高市新政権による積極財政への期待から、11月4日には日経平均株価が5万2,636円まで上昇しました。その後はAI・半導体関連株の割高感が意識され弱含む場面もありましたが、年明け以降は財政拡張路線や成長投資への期待が高まる中、衆院選明けから海外勢の買いが盛り上がり、日経平均株価は2月26日の取引時間中に5万9,332円まで上昇しました。しかし、3月に入り、中東情勢の悪化による原油価格の高騰などを背景に、世界の株式市場が下落基調を強め、日経平均株価は5万1,063円で当期末を迎えました。
外国為替市場で、対ドルの円相場は期初1ドル=149円台でした。4月22日には139円台後半となりましたが、夏場以降は円安圧力が強まりました。年明け1月中旬に159円台を付けたことで、為替介入への警戒から反転し、一時は152円台まで円安が修正されましたが、中東情勢の悪化を背景としたドル買い需要もあり、当期末は158円台で終えました。
高い成長可能性を有する企業向けの市場である東証グロース市場で、東証グロース市場指数は期初820でした。4月7日には686まで急落し、8月19日には1,037まで回復しましたが、大台が定着せず、当期末は911で終えました。東証グロース市場250指数は期初636で始まり、4月7日に534まで下落しました。8月19日には800まで上昇しましたが、その後は調整と反発を経て699で当期末を迎えました。
当期における東証プライム市場の一日平均売買代金は6兆7,015億円、スタンダード市場の一日平均売買代金は2,090億円、グロース市場の一日平均売買代金は1,910億円となりました。
当社におきましては、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指し、中期経営計画「3・D」の目標である預り資産3兆円を達成すべく、引き続きファンドラップと投資信託によるストック型資産の増加に取り組んで参りました。
また、本年3月末をもちまして「3・D」の計画期間が終了したことに伴い、「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層加速させるべく、4月より新中期経営計画「ターゲット5
この「ストック型ビジネスモデル」への転換の進捗度合を計る最適指標であるコストカバー率(投資信託の信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の販管費に対する比率)は、84.3%(前期は71.4%)となりました。
また、安定収益の受入手数料全体に占める割合は、64.7%(同0.6ポイント増)となりました。
ストック型資産の中核となります いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、サービス開始から10周年を迎えました現在も、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズがますます拡がっており、当期末の残高は4,402億円(前期末比34.5%増)と順調に推移しました。
2024年よりサービス提供を開始しております、ドリコレをNISA口座の成長投資枠にてご利用いただける「ドリコレNISA」、毎月自動的に増額ができる「ドリコレ・ミニ」、運用資産を換金することなく資産承継ができる次世代承継サービス「ドリコレ・パス」と合わせまして、今後もお客様の世代を超えた中長期的な資産形成をサポートして参ります。
また、投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」、「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。
当期末の投資信託の残高は、8,646億円(前期末比13.4%増)となりました。
いちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高を順調に伸ばし、当期末の運用資産残高は7,443億円(前期末比27.8%増)となりました。
株式につきましては、インフレの下での安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みである いちよし経済研究所のリサーチ力を活かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、引き続きお客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。
以上の結果、当社グループの純営業収益は245億8百万円(前期比30.6%増)となりました。また、販売費・一般管理費は183億47百万円(同11.4%増)となり、差し引き営業利益は61億60百万円(同169.5%増)となりました。
なお、当期末の預り資産は、2兆6,475億円(前期末比20.1%増)となりました。
① 受入手数料
受入手数料の合計は239億2百万円(前期比30.3%増)となりました。
| 2025年3月期(百万円) | 2026年3月期(百万円) | |
| 受入手数料 | 18,346 | 23,902 |
| 委託手数料 | 4,413 | 6,005 |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 | 1,615 | 1,765 |
| その他の受入手数料 | 12,317 | 16,131 |
委託手数料:
株券の委託手数料は59億3百万円(前期比36.6%増)となりました。
このうち、中小型株式の委託手数料は6億62百万円(同41.4%増)となり、株券の委託手数料に占める中小型株式の割合は11.2%となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が17億55百万円(前期比9.5%増)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は17億65百万円(同9.3%増)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が59億48百万円(前期比31.1%増)、ファンドラップに係るフィー等が63億31百万円(同36.9%増)、これに いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬31億81百万円(同22.6%増)等を加え、合計161億31百万円(同31.0%増)となりました。
② トレーディング損益
| 2025年3月期(百万円) | 2026年3月期(百万円) | |
| トレーディング損益 | 45 | 198 |
| 株券等トレーディング損益 | 25 | 92 |
| 債券等・その他の トレーディング損益 | 19 | 105 |
| (債券等トレーディング損益) | 1 | 1 |
| (その他のトレーディング損益) | 18 | 104 |
株券等のトレーディング損益は、92百万円(前期比255.7%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、1億5百万円(同431.0%増)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は1億98百万円(同332.0%増)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、2億14百万円(前期比25.8%増)、金融費用は、71百万円(同70.6%増)となり、差し引き金融収支は1億42百万円(同11.1%増)となりました。
以上の結果、当期の純営業収益は245億8百万円(前期比30.6%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、183億47百万円(前期比11.4%増)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益が、投資事業組合運用益33百万円や受取保険金及び配当金21百万円等で99百万円となり、営業外費用の貸倒引当金繰入額21百万円等との差し引きで76百万円(前期比37.3%減)となりました。
以上の結果、当期の経常利益は62億36百万円(前期比159.1%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益33百万円等で34百万円、特別損失は、金融商品取引責任準備金繰入れ34百万円、減損損失27百万円等で62百万円となり、差し引きで28百万円(前期比6百万円の減少)の損失となりました。
これらにより、税金等調整前当期純利益は62億8百万円(前期比160.3%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税21億1百万円及び法人税等調整額2億85百万円を加減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は43億92百万円(同180.8%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産
132億10百万円(前期末比31.5%)増加し、551億10百万円となりました。これは、現金・預金が24億81百万円、信用取引資産が22億41百万円及び募集等払込金が47億37百万円増加したこと等によるものです。
② 負債
96億69百万円(前期末比67.0%)増加し、241億7百万円となりました。これは、信用取引負債が29億76百万円及び預り金が27億95百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産
35億41百万円(前期末比12.9%)増加し、310億3百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益43億92百万円を計上した一方で、配当金の支払い15億2百万円があったこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は56.2%(前期末は65.4%)となりました。
なお、当社の自己資本規制比率は448.4%(前期末は448.0%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益62億8百万円を計上、預り金及び受入保証金の増加による39億94百万円の増加、顧客分別金信託の増加による13億50百万円の減少、募集等払込金の増加による47億37百万円の減少等により、40億28百万円(前期比36億82百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出20億円等により、△22億43百万円(同19億46百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額14億97百万円、ストックオプションの行使による収入2億8百万円等により、△13億17百万円(同17億23百万円の増加)となりました。
以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、4億67百万円増加し、149億71百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
| 2025年3月31日(百万円) | 2026年3月31日(百万円) | |
| 資産の部のトレーディング商品 | 0 | ― |
| 商品有価証券等 | ― | ― |
| 株券等 | ― | ― |
| 債券 | ― | ― |
| 受益証券等 | ― | ― |
| デリバティブ取引 | 0 | ― |
| オプション取引 | ― | ― |
| 為替予約取引 | 0 | ― |
| 負債の部のトレーディング商品 | ― | ― |
| 商品有価証券等 | ― | ― |
| 株券等 | ― | ― |
| 債券 | ― | ― |
| 受益証券等 | ― | ― |
| デリバティブ取引 | ― | ― |
| オプション取引 | ― | ― |
| 為替予約取引 | ― | ― |
トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の減損損失
減損の兆候があると認められた資産又は資産グループについては、事業計画を基礎として算出した営業収益及び営業費用の予測値に、過年度の実績等を勘案したストレスを加味した数値を用いて割引前将来キャッシュ・フローの見積りを行い、これが帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識すべきと判断しております。また、将来キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は、預り資産残高等の見込みに基づく受入手数料成長率、販管費率であります。
減損損失を認識すべきと判断された資産又は資産グループについては、正味売却価額又は使用価値まで減額し、減損損失を算出しております。
② 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、事業計画及び当連結会計年度末時点で策定された翌期の総合予算に基づく営業収益及び営業費用の予測値に、過年度の実績等を勘案したストレスを乗じた数値を用いて、1年以内の一時差異等加減算前将来課税所得の見積りを行い、一時差異等のスケジューリングに基づき繰延税金資産を算出しております。
③ 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前期比30.6%増の245億8百万円、経常利益は同159.1%増の62億36百万円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2030年3月末をターゲットとする新中期経営計画「ターゲット5
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置付け、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」、「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は前期比9.3%増の17億65百万円となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前期比31.0%増の161億31百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同31.1%増の59億48百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同36.9%増の63億31百万円、「運用に係る信託報酬」が同22.6%増の31億81百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、ストック型資産の中核となります いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、サービス開始から10周年を迎えました現在も、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズがますます拡がっており、当期末の残高は4,402億円(前期末比34.5%増)と順調に推移しました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投資信託委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金を業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。