有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 14:03
【資料】
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【項目】
171項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、グループの目指す姿として「経営理念」、「経営ビジョン」、「行動指針」を以下のとおり定めております。
<経営理念>グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます
<経営ビジョン>持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造します
<行動指針>お客さま第一 :わたしたちは、常にお客さまの安心と満足のために、行動します
誠実 :わたしたちは、あらゆる場面で、あらゆる人に、誠実、親切、公平・公正に接します
チームワーク :わたしたちは、お互いの個性と意見を尊重し、知識とアイデアを共有して、ともに成長します
革新 :わたしたちは、ステークホルダーの声に耳を傾け、絶えず自分の仕事を見直します
プロフェッショナリズム:わたしたちは、自らを磨き続け、常に高い品質のサービスを提供します
(2) 目標とする経営指標
ビジョン
当社グループは、中期経営計画「Vision 2021」において、グループ全体の業績を示す経営指標として「グループ修正利益」(注1)、「グループ修正ROE」(注2)及び「ESR(Economic Solvency Ratio)」(注3)等を掲げており、目標値は次のとおりであります。
なお、2019年度までの進捗や事業環境の変化を踏まえ、2021年度のグループ修正利益目標については見直しを行いました。また、新型コロナウイルスの影響が現時点で不透明な状況であることから、影響が明確になった段階で必要に応じ目標を改めて修正いたします。
(2019年度実績)(2021年度当初目標)2021年度修正目標
グループ修正利益(注4) (2,331億円)(3,500億円)3,000億円
国内損害保険事業(1,195億円)(1,820億円)1,770億円
国内生命保険事業(297億円)(450億円)410億円
海外事業(494億円)(1,170億円)750億円
金融サービス/リスク関連サービス事業(48億円)(60億円)70億円
グループ修正ROE(8.0%)(10.0%)10.0%
ESR(Economic Solvency Ratio)(186%)180%~220%180%~220%

(注)1 グループ修正利益 =連結当期利益+異常危険準備金等繰入・戻入額-その他特殊要因(のれん・その他無形固定資産償却額等)+非連結グループ会社持分利益
2 グループ修正ROE =グループ修正利益÷期初・期末平均連結修正純資産(注5)(除く新株予約権・非支配株主持分)
3 ESR(Economic Solvency Ratio)=時価純資産÷統合リスク量(信頼水準99.5%)
4 2019年度のグループ修正利益の合計には、三井住友海上火災保険株式会社の海外事業再編に伴う会計上の利益のうち、当年度の支払法人税等の減少額に相当する296億円を含む。
5 修正純資産=連結純資産+異常危険準備金等-のれん・その他無形固定資産
(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
今後のわが国を含む世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行と、その影響による人の往来の制限や物流網の混乱を受けさらに下振れすることが懸念され、各国政府による効果的な経済対策の実施が期待されます。
保険業界では、新型コロナウイルス感染症の流行に対し、契約手続及び保険金支払等の社会のインフラとしての機能を維持すること、並びに頻発化・甚大化する自然災害に対し、防災・減災に資する商品・サービスの開発・提供などに取り組むとともに、リスク管理を一層高度化し、持続可能な社会の実現に貢献していくことが求められております。
当社グループにおいても、このような国を挙げた緊急事態に際し、BCP(事業継続計画)を発動し、社内外への感染拡大の抑止と、お客さま及び従業員の安全確保を最優先に、お客さまへの保険金のお支払いが滞ることのないよう、グループ一丸となって業務を継続してまいります。
2020年度よりスタートした中期経営計画「Vision2021」ステージ2(2020・2021年度)においては、ステージ1に引き続き「グループ総合力の発揮」「デジタライゼーションの推進」「ポートフォリオ変革」の3つを重点戦略として取組みを進めます。ステージ1における取組みを進化させ、「世界トップ水準の保険・金融グループとして認められる存在感のあるスケールとクオリティ」、「社会構造の変化を見据え、迅速に対応できる態勢の構築」の実現に向け、グループの資源を最大限に活かし、持続的成長と企業価値向上を目指してまいります。
国内損害保険事業は、当社グループの強みである中核事業として、優位性を維持・拡大してまいります。グループ総合力の発揮により一層のシナジー発揮、品質向上、生産性向上を追求します。また、自動車保険のマーケットシェア・収益性の維持・向上、火災保険の収益性改善に取り組み、新種保険等の拡大によりポートフォリオを変革します。
国内生命保険事業では、健康寿命の延伸や社会構造の変化等を的確に捉えた、お客さまニーズに応える商品・サービスを開発・提供してまいります。国内最大損保グループの営業基盤や、業界リーディングポジションにある窓販チャネルを通じた販売力のさらなる強化を行うとともに、お客さま第一の業務運営・募集管理態勢を一層強化し、品質・お客さま満足を向上させます。
海外事業は、引き続きグループの成長ドライバーと位置づけます。経営資源(資本、人財等)を積極的に投入し、既存事業の強化と事業投資(M&Aと既存事業への追加投資)を行い、事業ポートフォリオの地理的・種目的な分散を実現してまいります。
さらに、当社グループは、社会的課題の解決に貢献し、2030年までに「レジリエントでサステナブルな社会」を実現すべく、SDGs(持続可能な開発目標)を道しるべとして、社会との共通価値の創造(CSV)に引き続き取り組んでまいります。