有価証券報告書-第79期(2022/04/01-2023/03/31)
(2)戦略
(サステナビリティ共通関連)
サステナビリティ中期計画を策定し(2023年5月公表)、以下の戦略を展開しています。
(詳細)https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/sustainability/medium_term_plan/
a)サステナビリティ基本方針の策定
顧客、株主、従業員、地域社会、パートナーなど、当社が関係するステークホルダーについて、経済社会の発展に貢献しながら持続可能な事業活動を推進するための方針を策定しています。
b)マテリアリティの特定
中期経営計画との整合性を図りつつ、8つのマテリアリティを特定しています。特定にあたっては、
①中長期的な視点で当社事業に影響を及ぼす可能性のある社会課題や事業環境について、業界団体(ACI)や
国際的なガイドライン(GRI、SASB等)の重要項目や事業戦略を踏まえリストアップした候補を、
②自社事業にとっての重要性(企業性)と社会にとっての重要性(公共性)の2軸での評価を実施、
③社外有識者とのダイアローグによる外部からの期待及び要請を反映しています。
c)取り組み及びKPIの策定
「指標及び目標」記載欄参照
(気候変動関連)
異常気象の頻発化など気候変動が当社グループに及ぼす影響は大きい一方、当社グループは、ターミナル運営における電力消費など多くの温室効果ガスを排出し環境に負荷を与えています。社会の持続可能性と両立する環境にやさしい空港を目指して事業を継続していく上で、気候変動への対策は重要な課題であると認識しており、マテリアリティとして「気候変動への対策」を掲げています。2022年9月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、2023年5月にはTCFD提言に基づき情報を開示しています。
(詳細)TCFD提言に基づく情報開示(https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/files/sustainability/tcfd.pdf)
当社グループの事業に気候変動が与える影響を評価するため、下記の2つのシナリオ(「1.5℃シナリオ」及び「4.0℃シナリオ」)を用いて分析を実施しました。シナリオの設定にあたっては、IEA(International Energy Agency, 国際エネルギー機関)やIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change, 気候変動に関する政府間パネル)が公表するシナリオを参照しています。
表1 シナリオ分析の概要
表2 気候変動に関わるリスク・機会及び影響度 ※一部抜粋
(注1) 時間軸について:短期:2025年まで、中期:2030年まで、長期:2050年まで
(注2) 影響度について:当社事業への影響を総合的に勘案し、大、中、小の3段階で評価
表3 対応策 ※一部抜粋
(人的資本・多様性関連)
長期ビジョン"To Be a World Best Airport"を実現し、空港のリーディングカンパニーを目指す中では、「人財」が最重要資本であると認識しており、中期経営計画においても、空港事業の成長と、その実現に向けた再成長土台の確立、収益基盤の拡大を、高度かつ効率的に推進するための経営基盤の強化として、「人財のプロ集団化・組織力の最大化」を掲げており、サステナビリティ中期計画でも、重要な経営課題として「人財育成」及び「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」をマテリアリティに掲げています。
当社グループでは、公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う企業グループとして、「公共性と企業性の調和」のとれた経営を目指し、空港ターミナルにおいて、施設管理運営業、物品販売業、飲食業など、多様な事業を展開しております。そのため、「人財育成」については、経営戦略の達成に向け、「自ら考え挑戦する人財」を人材育成方針として掲げ、これまでの幅広い専門知識や技術に加えて、ハード・ソフト両面における羽田空港の機能強化の実現に向け、進化を追求し続ける組織とそれを支える「人財」の育成に向けた研修体制と自律的な“学び”をサポートする制度を導入しています。また、多様なスキルを持つ中核人財の採用を進めることで、一層の組織力の強化を図ります。
「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」については、世界各国・日本全国から多くのお客さまを迎え入れる国際空港を運営する企業として、従業員に対して、多様な文化や考え方を受容する包摂性を涵養することは必要不可欠であり、「多様な人財が互いを高め合う企業風土」を社内環境整備方針として、ダイバーシティ&インクルージョンとワークライフバランスの推進を支える研修体制と制度、環境づくりに取り組んでいます。女性管理職比率の維持、外国人、障がい者採用の推進なども含め、多様な人財が能力を発揮し、活躍できる制度・環境を整備するとともに、働き方改革の推進など、従業員の生産性向上やエンゲージメントの向上にも取り組んでまいります。これら各方針に基づき人的資本への適切な投資を実行することで、長期ビジョン達成に向けた2030年のあるべき姿として「人財のプロ集団化・組織力の最大化」を目指してまいります。
(サステナビリティ共通関連)
サステナビリティ中期計画を策定し(2023年5月公表)、以下の戦略を展開しています。
(詳細)https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/sustainability/medium_term_plan/
a)サステナビリティ基本方針の策定
顧客、株主、従業員、地域社会、パートナーなど、当社が関係するステークホルダーについて、経済社会の発展に貢献しながら持続可能な事業活動を推進するための方針を策定しています。
b)マテリアリティの特定
中期経営計画との整合性を図りつつ、8つのマテリアリティを特定しています。特定にあたっては、
①中長期的な視点で当社事業に影響を及ぼす可能性のある社会課題や事業環境について、業界団体(ACI)や
国際的なガイドライン(GRI、SASB等)の重要項目や事業戦略を踏まえリストアップした候補を、
②自社事業にとっての重要性(企業性)と社会にとっての重要性(公共性)の2軸での評価を実施、
③社外有識者とのダイアローグによる外部からの期待及び要請を反映しています。
c)取り組み及びKPIの策定
「指標及び目標」記載欄参照
(気候変動関連)
異常気象の頻発化など気候変動が当社グループに及ぼす影響は大きい一方、当社グループは、ターミナル運営における電力消費など多くの温室効果ガスを排出し環境に負荷を与えています。社会の持続可能性と両立する環境にやさしい空港を目指して事業を継続していく上で、気候変動への対策は重要な課題であると認識しており、マテリアリティとして「気候変動への対策」を掲げています。2022年9月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、2023年5月にはTCFD提言に基づき情報を開示しています。
(詳細)TCFD提言に基づく情報開示(https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/files/sustainability/tcfd.pdf)
当社グループの事業に気候変動が与える影響を評価するため、下記の2つのシナリオ(「1.5℃シナリオ」及び「4.0℃シナリオ」)を用いて分析を実施しました。シナリオの設定にあたっては、IEA(International Energy Agency, 国際エネルギー機関)やIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change, 気候変動に関する政府間パネル)が公表するシナリオを参照しています。
表1 シナリオ分析の概要
| 名称 | 1.5℃シナリオ | 4.0℃シナリオ |
| シナリオの概要 | ・ 抜本的な施策が機能することにより脱炭素 社会が実現、産業革命時期比で気温上昇 が約1.5℃未満に留まる。 ・ 脱炭素社会移行に関するリスクが主に 顕在化。 | ・ 現状を上回る施策を取らないことにより地球温暖化が進展、産業革命時期比で気温が約4℃ 上昇。 ・ 気候変動による物理リスクが主に顕在化。 |
| 世界観 | ・ カーボンプライシングや航空事業者のSAF使用規制等により、空港・航空業界はカーボンオフセットや再エネ・省エネ投資等の対応が必須となる。 ・ 代替移動手段へのシフトも想定されるが、SAFの普及につれ、空港ではサプライチェーンを含めたGHG排出削減が着実に進む。 | ・ 低炭素化社会への移行のための政策や規制導入は限定的。 ・ 気候変動の進行に伴い、気候パターンの変化や海面上昇、異常気象の激甚化・頻発化等により空港運営への悪影響が生じる。サプライチェーンリスク管理やBCPの見直しの重要性が高まる。 |
表2 気候変動に関わるリスク・機会及び影響度 ※一部抜粋
| リスク・機会の種類 | 概要 | セグメント | 時間軸 | 主に 関連する シナリオ | 影響度 | ||
| 施設 | 物販 飲食 | ||||||
| 移行 リスク | GHG排出量 削減施策 (政策と法律/技術) | カーボンプライシング導入にともなう、ターミナル運営コストや原材料仕入・物流コストの増加 | ✓ | ✓ | 短期~中期 | 1.5℃ | 大 |
| 気候変動関連法規制によるコストの増加(環境関連規制にともなう建設コストの増加等) | ✓ | 短期~長期 | 1.5℃ | 大 | |||
| 気候変動関連法規制によるコストの増加(プラスチック等の資源循環や自然資本に配慮した調達等) | ✓ | 短期~中期 | 1.5℃ | 中 | |||
| 再生可能エネルギー及び新エネルギーの導入等による気候変動対策投資コストの増加 | ✓ | 短期~中期 | 1.5℃ /4.0℃ | 大 | |||
| その他 (市場/評判) | 航空需要にネガティブに影響する政策措置による、空港利用者数の伸びの鈍化 | ✓ | ✓ | 短期~長期 | 1.5℃ | 中 | |
| 環境対応の遅れによる、テナント・パートナー・顧客・取引先・従業員からの評判低下 | ✓ | ✓ | 短期~中期 | 1.5℃ /4.0℃ | 中 | ||
| 物理 リスク | 慢性 | 海面上昇による、空港アクセス交通への影響 | ✓ | ✓ | 中期~長期 | 4.0℃ | 中 |
| 気候パターンの変化にともなう、感染症発生等による影響 | ✓ | ✓ | 長期 | 4.0℃ | 大 | ||
| 急性 | 異常気象の激甚化・頻発化による利用者数への影響 | ✓ | ✓ | 短期~中期 | 4.0℃ | 大 | |
| 異常気象の激甚化・頻発化による設備損壊、浸水被害等 | ✓ | ✓ | 中期~長期 | 4.0℃ | 大 | ||
| 異常気象の激甚化・頻発化によるサプライチェーン分断 | ✓ | 短期~中期 | 4.0℃ | 大 | |||
| 機会 | GHG排出量削減施策(エネルギー源) | 高効率なエネルギー利用や新技術等の普及によるコストの低減 | ✓ | 長期 | 1.5℃ | 中 | |
| 脱炭素への貢献と新しい収益源の確保 | ✓ | 中期~長期 | 1.5℃ /4.0℃ | 大 | |||
| その他 (資源効率性/製品・サービス/市場) | 脱炭素取組を通じたブランド価値向上 | ✓ | ✓ | 中期~長期 | 1.5℃ | 大 | |
| 低炭素を実現する企業への政策支援の活用 | ✓ | 中期~長期 | 1.5℃ | 大 | |||
| 当社を中心とした循環型システムの構築 | ✓ | 短期~中期 | 1.5℃ /4.0℃ | 大 | |||
| 物理リスク | ステークホルダーや地域との連携によるレジリエンス強化 | ✓ | 中期 | 1.5℃ /4.0℃ | 中 | ||
(注1) 時間軸について:短期:2025年まで、中期:2030年まで、長期:2050年まで
(注2) 影響度について:当社事業への影響を総合的に勘案し、大、中、小の3段階で評価
表3 対応策 ※一部抜粋
| リスク・機会の種類 | 概要 | |
| 移行リスク 関連 | GHG排出量 削減施策 | 照明のLED化、空調機器更新、AI空調の導入を含めた省エネ施策 |
| メガソーラー等の再生可能エネルギー導入、調達電源構成の見直し及び熱源使用効率化の推進 | ||
| 施設のZEB化、建物の木造木質化、放射冷却素材「ラディクール」の使用等による環境配慮性能向上 | ||
| 新エネルギーの利活用に向けた調査及び検討 | ||
| その他 | 資源の有効活用(羽田空港の資材設備を地方空港や運営参画空港へ提供等)及び廃棄物抑制の事業化(廃油の回収とバイオ燃料への活用等) | |
| 物理リスク関連 | 東京国際空港A2-BCPへの対応強化、BCP体制構築と定期訓練の実施 | |
| 感染症対策の徹底、ロボットやデジタル技術を活用した非接触販売の実施 | ||
| サプライチェーンの冗長化等、調達生産物流の全体最適化 | ||
(人的資本・多様性関連)
長期ビジョン"To Be a World Best Airport"を実現し、空港のリーディングカンパニーを目指す中では、「人財」が最重要資本であると認識しており、中期経営計画においても、空港事業の成長と、その実現に向けた再成長土台の確立、収益基盤の拡大を、高度かつ効率的に推進するための経営基盤の強化として、「人財のプロ集団化・組織力の最大化」を掲げており、サステナビリティ中期計画でも、重要な経営課題として「人財育成」及び「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」をマテリアリティに掲げています。
当社グループでは、公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う企業グループとして、「公共性と企業性の調和」のとれた経営を目指し、空港ターミナルにおいて、施設管理運営業、物品販売業、飲食業など、多様な事業を展開しております。そのため、「人財育成」については、経営戦略の達成に向け、「自ら考え挑戦する人財」を人材育成方針として掲げ、これまでの幅広い専門知識や技術に加えて、ハード・ソフト両面における羽田空港の機能強化の実現に向け、進化を追求し続ける組織とそれを支える「人財」の育成に向けた研修体制と自律的な“学び”をサポートする制度を導入しています。また、多様なスキルを持つ中核人財の採用を進めることで、一層の組織力の強化を図ります。
「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」については、世界各国・日本全国から多くのお客さまを迎え入れる国際空港を運営する企業として、従業員に対して、多様な文化や考え方を受容する包摂性を涵養することは必要不可欠であり、「多様な人財が互いを高め合う企業風土」を社内環境整備方針として、ダイバーシティ&インクルージョンとワークライフバランスの推進を支える研修体制と制度、環境づくりに取り組んでいます。女性管理職比率の維持、外国人、障がい者採用の推進なども含め、多様な人財が能力を発揮し、活躍できる制度・環境を整備するとともに、働き方改革の推進など、従業員の生産性向上やエンゲージメントの向上にも取り組んでまいります。これら各方針に基づき人的資本への適切な投資を実行することで、長期ビジョン達成に向けた2030年のあるべき姿として「人財のプロ集団化・組織力の最大化」を目指してまいります。