有価証券報告書-第93期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
有報資料
(1) 中長期的な経営戦略
当社グループを取り巻く事業環境は、首都圏を中心に経済活動、観光産業等が活発化し、オフィスやマンションの需要が順調に推移しているものの、中長期的には沿線の人口減少や動力費の高騰などにより、厳しくなることが予想されます。
このような事業環境においても当社グループが持続的に発展・成長するため、すべての事業において安全・安心を最優先にするとともに、経営資源の配分について一層の選択と集中を行い、利益の最大化と財務基盤の強化を図ってまいります。
特に、品川地区の開発を最重点課題とし、長期ビジョンを「品川・羽田を玄関口として、国内外の多くの人々が集う、豊かな沿線を目指す」と定め、当社グループの企業価値の最大化に向けて、グループの総力をあげて取り組んでまいります。
個別の課題への取り組みは、以下のとおりであります。
イ 安全・安心なサービス・商品の提供
当社グループは、引き続きすべての事業において安全・安心を最優先したサービス・商品の提供に全力を尽くしてまいります。
鉄道事業では、社員の安全意識の徹底を図るとともに、地震対策、法面防護など安全対策工事を推進するほか、車両の新造、更新等を行い、安全輸送の確保および旅客サービスの向上に努めてまいります。また、安全性の向上を図るため、引き続き大師線の地下化工事を推進してまいります。
このほか、バス、タクシー、不動産、レジャー、流通などお客様の日々の生活に密着した事業においても、施設の点検や食品等の商品管理を徹底するなど、鉄道事業と同様に安全・安心なサービス・商品の提供を最優先にしてまいります。
ロ 品川地区・羽田空港を中心とした事業展開
当社グループは、交通の要衝として新たな街づくりが期待されている品川地区を最重要戦略拠点と位置付け、重要性が一層高まる羽田空港とあわせて、沿線に広く相乗効果を波及させる事業展開を推進してまいります。
品川地区は、国際戦略総合特区に指定されているほか、リニア中央新幹線の始発駅に決定されるなど、新たな街づくりに向けた機運が高まり、さらなる発展が期待されています。今後、当社グループは、品川地区に経営資源を重点的に配分し、行政や関係者との連携を深め、駅や賃貸ビルをはじめとした資産を最大限に活かした街づくりの早期実現を目指してまいります。
羽田空港は、航空機の発着枠の拡大によって国内外の利用者がさらに増加しており、当社グループにとってビジネスチャンスが大幅に増大しています。当社グループは、お客様の動向にあわせ、鉄道、バスのダイヤの見直しやバス路線の拡充を検討するなど、羽田空港アクセスのさらなる向上を図ります。また、アジアを中心に当社線の乗車券を取り扱う現地旅行代理店を拡大するなど、海外における当社グループの認知度向上を図ってまいります。さらに、多言語に対応したご案内を充実させるほか、公衆無線LANサービスを拡充するなど、外国人向けサービスを強化し、訪日旅客の取り込みに努めてまいります。このほか、羽田空港へのアクセスが良いエリアの駅周辺等へビジネスホテルの出店を進めるほか、自治体等と連携を強化し、沿線の交流人口の増大に向けた取り組みを実施してまいります。また、東京での開催が決定した2020年夏季オリンピック・パラリンピックに向け、国内外から集まる様々な文化を持つお客様を迎えるべく、交通事業だけでなく、当社グループ全体で、サービスレベルの一段の向上を目指してまいります。これらの取り組みに邁進することにより、「羽田空港といえば京急」と言われるよう、グループ一丸となって努めてまいります。
ハ 沿線価値向上への取り組み
当社グループは、品川、羽田空港のほか、重要な戦略拠点である川崎、横浜、三浦半島の各地区においても、引き続き沿線価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
鉄道事業では、公共交通機関の使命である安全・安定輸送を継続しながら、利便性の向上に努めてまいります。また、自治体等と協力して沿線の交流人口を増やすための営業施策に取り組み、国内外のお客様を誘致し、沿線地域の活性化に貢献してまいります。
乗合・貸切自動車事業では、羽田空港アクセスの強化に加え、一般路線において、需要にあわせたダイヤの見直しや路線の再編に取り組んでまいります。また、沿線住民の足としてバスをご利用いただけるよう、自治体等と連携して定時運行を確保するための対策を引き続き検討してまいります。
不動産販売業では、引き続き鉄道会社の強みを活かした街づくりを推進し、付加価値の高い「住環境」を提供することで、定住人口の増大に努めてまいります。また、お客様のニーズにあわせた物件を販売することで競争力を高めるとともに、効率的な販売体制の構築に努めてまいります。
不動産賃貸業では、今後、大きな発展が望める品川、川崎、横浜の各地区に集中した事業展開を図ってまいります。特に、品川地区に経営資源を優先的に投入するほか、臨海部の発展が見込まれる川崎地区では、京急川崎駅の駅周辺開発を推進してまいります。さらに、高架化が完了した京急蒲田駅付近の高架下についても、地域の発展につなげるべく、有効活用してまいります。
レジャー・サービス事業では、海外の旅行ガイドで高い評価を獲得した三浦半島の貴重な観光資源の活用を図るため、国や自治体の観光施策と連携を図ってまいります。また、三浦半島が品川・羽田空港と直結している利便性を活かし、国内だけでなく訪日旅客向けの商品企画も強化してまいります。
流通事業では、百貨店、スーパーマーケット、ショッピングセンター、駅売店などそれぞれの特色を活かしながら連携して総合力を発揮することで、沿線地域の利便性を一層向上させてまいります。
その他の事業では、住みやすい沿線を目指し、引き続き保育園「京急キッズランド」の展開や生活支援サービス等の充実を図ってまいります。
ニ 企業の社会的責任に対する取り組み
当社グループは、今後もコンプライアンスを重視した経営、地域社会への貢献、環境対策などに取り組んでまいります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、法令に従い取締役が相互に職務執行を監督しているほか、高い独立性を有する社外取締役と社外監査役が経営を監視することを基本としております。また、グループ一体のコンプライアンス体制の強化を図ることで、業務の適正性の確保に一層努めてまいります。さらに、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への取り組みの強化により、財務報告の信頼性向上を図ってまいります。
また、市民社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力に対して毅然とした態度で臨み、不当要求には、断固として拒絶するという方針を定めており、引き続きグループ全社において対応を徹底してまいります。
地域社会への貢献としましては、バリアフリー化の推進、沿線観光資源への旅客誘致、CSR活動への積極的な取り組みなどに引き続き努めてまいります。
環境対策としましては、環境負荷の低い鉄道車両やバス車両の導入、駅および保有ビルの省エネ化のほか、皆様に電車、バスを積極的にご利用いただくことで環境負荷を軽減させるという取り組みを推進しております。今後も、様々な環境対策に取り組んでまいります。
これらの取り組みに加え、高齢者、障がい者など多様な人材の採用、積極的な女性管理職の登用など、人材活用体制の整備についても、より一層努めてまいります。
これらの課題への取り組みを通して、当社グループは、沿線の生活者を支える企業集団として安全・安心を最優先に確保するとともに、短期のみならず中長期的に、沿線価値の向上と企業価値の最大化に努めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
イ 基本方針の内容
近年、わが国の資本市場においては、対象となる会社の取締役会との十分な協議や合意などを経ることなく、突如として一方的に大量の株式買付を行うという現象が起きております。当社は、このような株式の大量買付行為であっても、安全性を最優先するとともに、沿線地域の発展のため、グループが連携して事業を行い、相乗効果を図るという当社のグループ経営を十分に理解し、企業価値・株主の皆様の共同の利益の向上または確保に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当然のことですが、株式会社の経営権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量買付行為のなかには、①企業価値・株主共同の利益に侵害をもたらすもの、②株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、③対象会社の株主や取締役会が、買付の条件等について検討するための、十分な時間や情報を提供しないもの、④対象会社の取締役会が、代替案を提案するための、十分な時間や情報を提供しないもの、⑤対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために、買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
したがって、当社株式の大量買付を行う者は、株主の皆様の判断のために、必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、かつ、一定の検討期間が経過した後にのみ当該大量買付行為を開始すべきである、と当社は考えております。
ロ 取り組みの具体的な内容
(イ) 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、「都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを経営理念として、鉄道、バスなどの交通事業を中心に、不動産、ホテル、レジャー、流通などの事業を展開し、安全・安心なサービス・商品の提供を行っております。これらの事業を通して、「地域密着・生活直結」型企業集団として当社線沿線を中心にグループ経営を発展・強化し、企業価値の最大化を目指してまいります。
当社グループは、安全の確保をすべての事業の根幹として位置づけており、基幹事業である交通事業はもちろん、グループすべてのサービスと商品を安心してご利用いただくための取り組みを、継続的に実施してまいります。
また、当社グループの最重要戦略拠点である品川、羽田空港が持つ高いポテンシャルを活用することを事業展開の基本とし、特に品川駅周辺の街づくりについては、沿線全域の活性化の牽引力となるよう積極的に取り組んでまいります。他の戦略拠点である川崎、横浜、三浦半島の各地区においても、街づくり、レジャー事業の改善等に取り組み、沿線の定住人口、交流人口の増大を図り、沿線価値のさらなる向上に努めてまいります。
さらに、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図るとともに、コンプライアンスの重視、地域社会への貢献、環境対策など、社会的課題につきましても積極的に取り組んでまいります。
(ロ) 基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成23年6月29日開催の定時株主総会において、株主の皆様にご承認をいただきました「当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を継続することについて、平成24年6月28日開催の定時株主総会にて、ご承認いただいております。
本プランは、①当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付、②当社が発行者である株式等について、公開買付けを行う者の株式等所有割合およびその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け、またはこれらに類似する行為(以下「買付等」といいます。)を対象とします。
本プランは、当社株式等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、買付等を行う者または提案する者(以下「買付者等」といいます。)との間で株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とするものであります。また、上記基本方針に反し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を毀損する買付等を阻止し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を向上または確保させることを目的としております。
当社の株式等について買付等が行われる場合、当該買付者等には、本プランに定める手続きを順守する旨の誓約文言等を記載した書面の提出および買付内容等の評価・検討等のために必要かつ十分な情報の提供を求めます。その後、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会は、買付者等から提供された情報や、当社取締役会が必要に応じて提出する意見や根拠資料、当該買付等に対する代替案について検討します。独立委員会は、必要に応じて外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉、代替案の検討、株主の皆様に対する情報開示等を行います。
独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を順守しなかった場合、または当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、当該買付等が当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等であるなど、本プランに定める要件のいずれかに該当し、新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。本新株予約権は、金1円を下限とし、当社株式1株の時価の50%相当額を上限とする金額の範囲内で、当社取締役会が本新株予約権無償割当決議において別途定める価額を払い込むことにより、原則として、当社普通株式1株を取得することができるものですが、買付者等による権利行使が認められないという行使条件が付されています。また、当社が買付者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されております。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施または不実施等の決議を行います。当社取締役会は、上記決議を行った場合、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、すみやかに情報開示を行います。
本プランの有効期間は、平成27年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時までですが、当該有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。
本プラン導入後であっても、新株予約権の無償割当てが実施されていない場合、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、新株予約権の無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権行使の手続を行わないと、その保有する当社株式の価値が希釈化することになります(ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得を行った場合、買付者等以外の株主の皆様は、その保有する当社株式の価値の希釈化は生じません。)。
ハ 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記ロに記載した様々な取り組みは、当社のグループ経営を具現化し、企業価値・沿線価値の向上に資する具体的施策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、①経済産業省および法務省が発表した買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること、②株主の皆様の共同の利益の向上または確保を目的としていること、③株主意思を重視するものであること、④独立性の高い社外者によって構成される独立委員会の判断を重視し、同委員会の判断概要については必要に応じて株主の皆様に情報開示をすること、⑤あらかじめ定められた合理的かつ客観的な要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、⑥独立委員会は、当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができること、⑦当社株主総会または取締役会により、いつでも廃止することができることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有しているため、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループを取り巻く事業環境は、首都圏を中心に経済活動、観光産業等が活発化し、オフィスやマンションの需要が順調に推移しているものの、中長期的には沿線の人口減少や動力費の高騰などにより、厳しくなることが予想されます。
このような事業環境においても当社グループが持続的に発展・成長するため、すべての事業において安全・安心を最優先にするとともに、経営資源の配分について一層の選択と集中を行い、利益の最大化と財務基盤の強化を図ってまいります。
特に、品川地区の開発を最重点課題とし、長期ビジョンを「品川・羽田を玄関口として、国内外の多くの人々が集う、豊かな沿線を目指す」と定め、当社グループの企業価値の最大化に向けて、グループの総力をあげて取り組んでまいります。
個別の課題への取り組みは、以下のとおりであります。
イ 安全・安心なサービス・商品の提供
当社グループは、引き続きすべての事業において安全・安心を最優先したサービス・商品の提供に全力を尽くしてまいります。
鉄道事業では、社員の安全意識の徹底を図るとともに、地震対策、法面防護など安全対策工事を推進するほか、車両の新造、更新等を行い、安全輸送の確保および旅客サービスの向上に努めてまいります。また、安全性の向上を図るため、引き続き大師線の地下化工事を推進してまいります。
このほか、バス、タクシー、不動産、レジャー、流通などお客様の日々の生活に密着した事業においても、施設の点検や食品等の商品管理を徹底するなど、鉄道事業と同様に安全・安心なサービス・商品の提供を最優先にしてまいります。
ロ 品川地区・羽田空港を中心とした事業展開
当社グループは、交通の要衝として新たな街づくりが期待されている品川地区を最重要戦略拠点と位置付け、重要性が一層高まる羽田空港とあわせて、沿線に広く相乗効果を波及させる事業展開を推進してまいります。
品川地区は、国際戦略総合特区に指定されているほか、リニア中央新幹線の始発駅に決定されるなど、新たな街づくりに向けた機運が高まり、さらなる発展が期待されています。今後、当社グループは、品川地区に経営資源を重点的に配分し、行政や関係者との連携を深め、駅や賃貸ビルをはじめとした資産を最大限に活かした街づくりの早期実現を目指してまいります。
羽田空港は、航空機の発着枠の拡大によって国内外の利用者がさらに増加しており、当社グループにとってビジネスチャンスが大幅に増大しています。当社グループは、お客様の動向にあわせ、鉄道、バスのダイヤの見直しやバス路線の拡充を検討するなど、羽田空港アクセスのさらなる向上を図ります。また、アジアを中心に当社線の乗車券を取り扱う現地旅行代理店を拡大するなど、海外における当社グループの認知度向上を図ってまいります。さらに、多言語に対応したご案内を充実させるほか、公衆無線LANサービスを拡充するなど、外国人向けサービスを強化し、訪日旅客の取り込みに努めてまいります。このほか、羽田空港へのアクセスが良いエリアの駅周辺等へビジネスホテルの出店を進めるほか、自治体等と連携を強化し、沿線の交流人口の増大に向けた取り組みを実施してまいります。また、東京での開催が決定した2020年夏季オリンピック・パラリンピックに向け、国内外から集まる様々な文化を持つお客様を迎えるべく、交通事業だけでなく、当社グループ全体で、サービスレベルの一段の向上を目指してまいります。これらの取り組みに邁進することにより、「羽田空港といえば京急」と言われるよう、グループ一丸となって努めてまいります。
ハ 沿線価値向上への取り組み
当社グループは、品川、羽田空港のほか、重要な戦略拠点である川崎、横浜、三浦半島の各地区においても、引き続き沿線価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
鉄道事業では、公共交通機関の使命である安全・安定輸送を継続しながら、利便性の向上に努めてまいります。また、自治体等と協力して沿線の交流人口を増やすための営業施策に取り組み、国内外のお客様を誘致し、沿線地域の活性化に貢献してまいります。
乗合・貸切自動車事業では、羽田空港アクセスの強化に加え、一般路線において、需要にあわせたダイヤの見直しや路線の再編に取り組んでまいります。また、沿線住民の足としてバスをご利用いただけるよう、自治体等と連携して定時運行を確保するための対策を引き続き検討してまいります。
不動産販売業では、引き続き鉄道会社の強みを活かした街づくりを推進し、付加価値の高い「住環境」を提供することで、定住人口の増大に努めてまいります。また、お客様のニーズにあわせた物件を販売することで競争力を高めるとともに、効率的な販売体制の構築に努めてまいります。
不動産賃貸業では、今後、大きな発展が望める品川、川崎、横浜の各地区に集中した事業展開を図ってまいります。特に、品川地区に経営資源を優先的に投入するほか、臨海部の発展が見込まれる川崎地区では、京急川崎駅の駅周辺開発を推進してまいります。さらに、高架化が完了した京急蒲田駅付近の高架下についても、地域の発展につなげるべく、有効活用してまいります。
レジャー・サービス事業では、海外の旅行ガイドで高い評価を獲得した三浦半島の貴重な観光資源の活用を図るため、国や自治体の観光施策と連携を図ってまいります。また、三浦半島が品川・羽田空港と直結している利便性を活かし、国内だけでなく訪日旅客向けの商品企画も強化してまいります。
流通事業では、百貨店、スーパーマーケット、ショッピングセンター、駅売店などそれぞれの特色を活かしながら連携して総合力を発揮することで、沿線地域の利便性を一層向上させてまいります。
その他の事業では、住みやすい沿線を目指し、引き続き保育園「京急キッズランド」の展開や生活支援サービス等の充実を図ってまいります。
ニ 企業の社会的責任に対する取り組み
当社グループは、今後もコンプライアンスを重視した経営、地域社会への貢献、環境対策などに取り組んでまいります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、法令に従い取締役が相互に職務執行を監督しているほか、高い独立性を有する社外取締役と社外監査役が経営を監視することを基本としております。また、グループ一体のコンプライアンス体制の強化を図ることで、業務の適正性の確保に一層努めてまいります。さらに、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への取り組みの強化により、財務報告の信頼性向上を図ってまいります。
また、市民社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力に対して毅然とした態度で臨み、不当要求には、断固として拒絶するという方針を定めており、引き続きグループ全社において対応を徹底してまいります。
地域社会への貢献としましては、バリアフリー化の推進、沿線観光資源への旅客誘致、CSR活動への積極的な取り組みなどに引き続き努めてまいります。
環境対策としましては、環境負荷の低い鉄道車両やバス車両の導入、駅および保有ビルの省エネ化のほか、皆様に電車、バスを積極的にご利用いただくことで環境負荷を軽減させるという取り組みを推進しております。今後も、様々な環境対策に取り組んでまいります。
これらの取り組みに加え、高齢者、障がい者など多様な人材の採用、積極的な女性管理職の登用など、人材活用体制の整備についても、より一層努めてまいります。
これらの課題への取り組みを通して、当社グループは、沿線の生活者を支える企業集団として安全・安心を最優先に確保するとともに、短期のみならず中長期的に、沿線価値の向上と企業価値の最大化に努めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
イ 基本方針の内容
近年、わが国の資本市場においては、対象となる会社の取締役会との十分な協議や合意などを経ることなく、突如として一方的に大量の株式買付を行うという現象が起きております。当社は、このような株式の大量買付行為であっても、安全性を最優先するとともに、沿線地域の発展のため、グループが連携して事業を行い、相乗効果を図るという当社のグループ経営を十分に理解し、企業価値・株主の皆様の共同の利益の向上または確保に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当然のことですが、株式会社の経営権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量買付行為のなかには、①企業価値・株主共同の利益に侵害をもたらすもの、②株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、③対象会社の株主や取締役会が、買付の条件等について検討するための、十分な時間や情報を提供しないもの、④対象会社の取締役会が、代替案を提案するための、十分な時間や情報を提供しないもの、⑤対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件を引き出すために、買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
したがって、当社株式の大量買付を行う者は、株主の皆様の判断のために、必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、かつ、一定の検討期間が経過した後にのみ当該大量買付行為を開始すべきである、と当社は考えております。
ロ 取り組みの具体的な内容
(イ) 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社グループは、「都市生活を支える事業を通して、新しい価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを経営理念として、鉄道、バスなどの交通事業を中心に、不動産、ホテル、レジャー、流通などの事業を展開し、安全・安心なサービス・商品の提供を行っております。これらの事業を通して、「地域密着・生活直結」型企業集団として当社線沿線を中心にグループ経営を発展・強化し、企業価値の最大化を目指してまいります。
当社グループは、安全の確保をすべての事業の根幹として位置づけており、基幹事業である交通事業はもちろん、グループすべてのサービスと商品を安心してご利用いただくための取り組みを、継続的に実施してまいります。
また、当社グループの最重要戦略拠点である品川、羽田空港が持つ高いポテンシャルを活用することを事業展開の基本とし、特に品川駅周辺の街づくりについては、沿線全域の活性化の牽引力となるよう積極的に取り組んでまいります。他の戦略拠点である川崎、横浜、三浦半島の各地区においても、街づくり、レジャー事業の改善等に取り組み、沿線の定住人口、交流人口の増大を図り、沿線価値のさらなる向上に努めてまいります。
さらに、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を図るとともに、コンプライアンスの重視、地域社会への貢献、環境対策など、社会的課題につきましても積極的に取り組んでまいります。
(ロ) 基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成23年6月29日開催の定時株主総会において、株主の皆様にご承認をいただきました「当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を継続することについて、平成24年6月28日開催の定時株主総会にて、ご承認いただいております。
本プランは、①当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付、②当社が発行者である株式等について、公開買付けを行う者の株式等所有割合およびその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け、またはこれらに類似する行為(以下「買付等」といいます。)を対象とします。
本プランは、当社株式等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、買付等を行う者または提案する者(以下「買付者等」といいます。)との間で株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とするものであります。また、上記基本方針に反し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を毀損する買付等を阻止し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を向上または確保させることを目的としております。
当社の株式等について買付等が行われる場合、当該買付者等には、本プランに定める手続きを順守する旨の誓約文言等を記載した書面の提出および買付内容等の評価・検討等のために必要かつ十分な情報の提供を求めます。その後、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会は、買付者等から提供された情報や、当社取締役会が必要に応じて提出する意見や根拠資料、当該買付等に対する代替案について検討します。独立委員会は、必要に応じて外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉、代替案の検討、株主の皆様に対する情報開示等を行います。
独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を順守しなかった場合、または当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉の結果、当該買付等が当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等であるなど、本プランに定める要件のいずれかに該当し、新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。本新株予約権は、金1円を下限とし、当社株式1株の時価の50%相当額を上限とする金額の範囲内で、当社取締役会が本新株予約権無償割当決議において別途定める価額を払い込むことにより、原則として、当社普通株式1株を取得することができるものですが、買付者等による権利行使が認められないという行使条件が付されています。また、当社が買付者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されております。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施または不実施等の決議を行います。当社取締役会は、上記決議を行った場合、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、すみやかに情報開示を行います。
本プランの有効期間は、平成27年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時までですが、当該有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。
本プラン導入後であっても、新株予約権の無償割当てが実施されていない場合、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、新株予約権の無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権行使の手続を行わないと、その保有する当社株式の価値が希釈化することになります(ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得を行った場合、買付者等以外の株主の皆様は、その保有する当社株式の価値の希釈化は生じません。)。
ハ 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記ロに記載した様々な取り組みは、当社のグループ経営を具現化し、企業価値・沿線価値の向上に資する具体的施策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、①経済産業省および法務省が発表した買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること、②株主の皆様の共同の利益の向上または確保を目的としていること、③株主意思を重視するものであること、④独立性の高い社外者によって構成される独立委員会の判断を重視し、同委員会の判断概要については必要に応じて株主の皆様に情報開示をすること、⑤あらかじめ定められた合理的かつ客観的な要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、⑥独立委員会は、当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができること、⑦当社株主総会または取締役会により、いつでも廃止することができることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有しているため、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。