有価証券報告書-第159期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 9:16
【資料】
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【項目】
175項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2005年に「名鉄グループ経営ビジョン」を制定しました。この経営ビジョンでは、地域価値の向上に努め、永く社会に貢献することを使命とし、豊かな生活を実現する事業を通じて地域から愛される「信頼のトップブランド」を目指すことを経営理念としております。この経営理念のもと「お客さま満足を高める全社体制の確立」、「競争に打ち勝つ経営力強化と新しい事業への挑戦」、「一人ひとりの資質向上とチャレンジできる風土づくり」及び「社会的責任の完遂」の4つを経営方針としております。
(2) 目標とする経営指標・中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループでは、人口減少・少子高齢社会においても、持続的に成長するため、2030年までの間に当社グループが目指す方向性と戦略として、名鉄グループ長期ビジョン「VISION2030~未来への挑戦~」及び「長期経営戦略」を2018年に策定いたしました。
また、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた事業の変革・再生と、次の成長に繋がる基盤の構築を図るため、2021年度からの3ヵ年計画として、名鉄グループ中期経営計画「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」を策定いたしました。
「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」では、新型コロナウイルス感染症がもたらした事業環境の変化によって浮き彫りになった当社グループの経営課題を踏まえて、「事業構造改革」と「成長基盤構築」の視点から基本方針と重点テーマを掲げています。
計画2年目となる2022年度は、鉄軌道事業の構造改革の深度化やバス事業の再編などの「事業構造改革」に加え、不動産事業・運送事業において他社との協業を進めるなど、「成長基盤構築」に向けた取組みを積極的に進めてまいりました。今後も、沿線・地域の活性化のさらなる推進とともに、不動産事業をはじめとした成長が見込まれる分野の収益力強化など「成長基盤構築」を一層進めるための取組みに注力し、次の成長に繋がる基盤を構築してまいります。
■長期ビジョン「VISION2030~未来への挑戦~」
―当社グループは、地域と共に生きる企業として、モビリティの提供やまちづくりを通じて、新たな魅力や価値を 創造し続ける企業グループとなります。
―変化する社会のニーズを積極的に取込み、新たなライフスタイル・豊かな生活の実現をサポートすることにより、持続的な成長を図ります。
■長期経営戦略
―日本一住みやすいまち、訪れたいエリアを創り上げ、定住人口と交流人口の拡大を図ります。
―積極的な投資や新たなビジネス領域への果敢なチャレンジにより、収益力の向上を図ります。
―人口減少、少子高齢社会においても持続的に成長するために、先端技術の活用などによる生産性の向上やイノベーションの創出に積極的に取組みます。
■中期経営計画「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」/基本方針・重点テーマ
基本方針
地域価値の向上に努め、永く社会に貢献し続けるため、コロナ後の新たな社会経済情勢に対応して事業を変革し、強靭な企業グループに再生を図ることにより、次の成長に繋がる基盤を構築する。
重点テーマ
<事業構造改革>① 交通事業の構造改革
当社グループの基盤である交通事業について、新たな生活様式の定着に伴って需要がコロナ前には完全に戻らないことを想定し、また、人口減少社会の到来を見据え、安全・安心を確保しつつ、公共交通サービスを安定的・持続的に提供するため、事業構造改革を行い、長期的な安定経営を実現します。
② 旅行事業・観光バス事業・ホテル事業の構造改革
新型コロナウイルスの感染拡大により需要が低迷し、大きな影響を受けている旅行・観光バス・ホテル事業について、需要構造等の変化に対応して事業構造改革を行い、いずれ回復する国内レジャー・インバウンド需要に応え収益を生み出すことができるよう再生します。
<成長基盤構築>③ グループ一体となった沿線・地域の活性化
グループ一体となって沿線・地域を活性化するため、都心部、沿線拠点駅および駅周辺における開発事業をバランス良く展開するとともに、生活と観光の両面から事業活動を展開し、需要創出と保有資産の価値向上を図ります。
④ 名駅再開発の事業着手に向けたプロジェクトの推進
名駅再開発の事業着手に向けて、コロナ後の事業環境の変化に対応して交通施設整備計画および再開発施設計画の見直しを行うとともに、再開発エリアの価値最大化に向けた取組みを推進します。
⑤ 今後成長が見込まれる分野の収益力強化による収益構成の見直し
交通事業が過半を占めている収益構造を見直すため、今後グループとして成長が見込まれる分野である不動産事業や運送・航空など競争力のある事業、マーケティングの強化・高付加価値化および新たな事業領域の開拓に重点的に取組むことにより、鉄道以外の事業の収益力を強化します。
⑥ DXの推進
DXの推進により、お客さまへ新たなサービスを提供することを目的としたビジネスモデルの変革やコスト削減・業務高度化などを目的としたビジネス環境の変革を目指します。
⑦ 経営課題に対応した体制づくり
経営課題に対応した体制づくりを進めるとともに、様々な社会的要請に対応していくための取組みを行います。
また、目標とする経営指標につきましては、中期経営計画最終年度にあたる2023年度の連結経営数値目標として営業利益を設定するとともに、参考指標として、ROE(純利益/自己資本)、ROA(営業利益/総資産)、純有利子負債(※)/EBITDA倍率、及び株主資本比率をそれぞれ設定しております。
※純有利子負債:有利子負債-現預金・短期有価証券