有価証券報告書-第27期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/24 13:42
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128項目

事業等のリスク

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 事業に係る法律関連事項
① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
鉄道事業者は、本法の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、鉄道事業を休廃止しようとするときは、事前に国土交通大臣に届け出なければならないこととされています(第28条、第28条の2)。また、旅客の運賃及び料金の設定・変更については、原則としてその上限額について国土交通大臣の認可を受けなければならないこととされています(第16条)。
② 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)
東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社(以下「本州旅客会社」という。)をJR会社法の適用対象から除外するための措置等を講じたJR会社法改正法が平成13年12月1日から施行され、本州旅客会社はJR会社法の適用対象から除外されました。
なお本法附則において、国土交通大臣は、国鉄改革の経緯を踏まえ、利用者の利便の確保等を図るため、本州旅客会社及び本州旅客会社の鉄道事業の全部又は一部を譲受・合併・分割・相続により施行日以後経営する者のうち国土交通大臣が指定する者(以下「新会社」という。)がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針(以下「指針」という。)を公表するものとされ(附則第2条)、当該指針は平成13年12月1日より適用となりました(平成13年国土交通省告示第1622号)。その主な内容は以下のとおりです。
○会社間(新会社の間又は新会社と北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社との間をいう。以下同じ。)における旅客の運賃及び料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項
○国鉄改革実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持及び駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項
○新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害又はその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項
国土交通大臣は、指針を踏まえた事業経営を確保するため必要があると認めるときは新会社に対して指導及び助言をすることができ(附則第3条)、さらに、新会社が正当な理由なく指針に沿った事業経営を行っていないと認めるときなどには必要な措置をとるべき旨を勧告及び命令することができるものとされています(附則第4条)。
そのほか、JR会社法改正法の施行日前に本州旅客会社が発行した社債について、JR会社法第4条の一般担保の規定が施行日以後も効力を有する(附則第7条)とするなど、一定の経過措置が定められています。
(2) 運賃及び料金の設定又は変更
① 運賃及び料金の認可の仕組みと手続き
鉄道運送事業者が旅客の運賃及び新幹線特急料金(以下「運賃等」という。)の上限を定め、又は変更しようとする場合、国土交通大臣の認可を受けなければならないことが法定されています(鉄道事業法第16条第1項)。
また、上限の範囲内での運賃等の設定・変更並びに在来線特急料金等その他の料金の設定・変更については、事前の届出で実施できることとなっています(鉄道事業法第16条第3項及び第4項)。
鉄道運送事業者の申請を受けて国土交通大臣が認可するまでの手続きは、大手民営鉄道事業者における近年の例によれば次のようになっています。
0102010_001.png(注) 1 鉄道事業法第64条の2に基づく手続きです。また、国土交通省設置法第23条では、運輸審議会が審議の過程で必要があると認めるとき又は国土交通大臣の指示等があったときに公聴会が開かれることが定められています。
2 鉄道営業法第3条第2項で、運賃その他の運送条件の加重をなす場合に7日以上の公告をしなければならないことが定められています。
なお、各旅客会社における独自の運賃改定の実施の妨げとなるものではありませんが、国鉄改革の実施に際し利用者の利便の確保等を図るため、旅客会社では、現在、2社以上の旅客会社間をまたがって利用する旅客及び荷物に対する運賃及び料金に関し、旅客会社間の契約により通算できる制度とし、また、旅客運賃について、遠距離逓減制を加味したものとしています。
② 運賃改定に対する当社の考え方
a 当社では、昭和62年4月の会社発足以降、消費税等を転嫁するための運賃改定(平成元年4月、平成9年4月及び平成26年4月)を除くと、これまで運賃改定を実施していません。
大手民営鉄道事業者の場合、兼業部門も含めた総合的な経営判断に立って鉄道事業部門の税引後当期純利益に先行き赤字が見込まれる場合に運賃改定の申請が行われ、上記の手続きを経て改定が実施されている例が多いと見受けられます。当社の場合、兼業部門収入の全収入に占める割合が著しく小さいことなどを踏まえた上で、適正利潤を確保し得るような運賃改定を適時実施する必要があるものと考えています。
b 事業経営に当たっては、まず収入の確保と合理化努力を進め能率的な経営に努めますが、適正利潤についてはこのような努力を前提とした上で、株主に対する利益配当に加え、将来の設備投資や財務体質の強化等を可能なものとする水準にあることが是非とも必要であると考えています。
③ 国土交通省の考え方
当社の運賃改定に関し、国土交通省からは、次のような考え方が示されています。
a 東海旅客鉄道株式会社を含む鉄道事業の運賃の上限の改定に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの(以下「総括原価」という。)を超えないものであるかどうかを審査して認可することとなっている(鉄道事業法第16条第2項)。なお、原価計算期間は3年間とする。
b 総括原価を算定するに当たっては、他の事業を兼業している場合であっても鉄道事業部門のみを対象として、所要の株主配当を含めた適正な利潤を含む適正な原価を算定することとなっている。また、通勤・通学輸送の混雑等を改善するための輸送力の増強、旅客サービス向上等に関する設備投資計画の提出を求め、これについて審査を行い、必要な資本費用については原価算入を認めているところである。
c 総括原価を算定する方法としては、当該事業に投下される資本に対して、機会費用の考え方による公正・妥当な報酬を与えることにより資本費用(支払利息、配当等)額を推定するレートベース方式を用いる方針であり、総括原価の具体的な算定は以下によることとしている。
総括原価=営業費等(注1)+事業報酬
・事業報酬=事業報酬対象資産(レートベース)×事業報酬率
・事業報酬対象資産=鉄道事業固定資産+建設仮勘定+繰延資産+運転資本(注2)
・事業報酬率=自己資本比率(注3)×自己資本報酬率(注4)+他人資本比率(注3)
×他人資本報酬率(注4)
(注) 1 鉄道事業者間で比較可能な費用について、経営効率化を推進するため各事業者間の間接的な競争を促す方式(ヤードスティック方式)により、比較結果を毎事業年度終了後に公表するとともに、原価の算定はこれを基に行うこととしている。
2 運転資本=営業費及び貯蔵品の一部
3 自己資本比率は30%、他人資本比率は70%
4 自己資本報酬率は、公社債応募者利回り、全産業平均自己資本利益率及び配当所要率の平均、他人資本報酬率は、借入金等の実績平均レート
d なお、認可した上限の範囲内での運賃等の設定・変更、又はその他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっているが、国土交通大臣は、届出された運賃又は料金が、次のア又はイに該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命じることができるとされている(鉄道事業法第16条第5項)。
ア 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき
イ 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき
(3) 競合等
当社グループは、鉄道事業において、航空会社及び他の鉄道会社、自動車、バス等の対抗輸送機関と競合しているほか、鉄道以外の事業においても、既存及び新規の事業者と競合しています。加えて、これらの事業は、日本経済の情勢とりわけ主な営業エリアである首都圏、中京圏、近畿圏における景気動向の影響を受けていることから、既存及び新規の事業者との競合状況や今後の経済情勢等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
特に、当社グループの主力事業であり、当社グループの営業収益の約7割の運輸収入をあげる東海道新幹線においては、航空会社との間で、航空運賃の著しい引下げ、空港の発着枠の拡大、さらには空港と都市中心部とのアクセス改善など航空機による移動の利便性向上等に起因した競争に直面しています。
(4) 長期債務の縮減
昭和62年の会社設立に際し、当社は、日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)に基づき、国鉄の長期債務のうち3,191億円を承継しました。さらに、当社は、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律(平成3年法律第45号)に基づき、東海道新幹線に係る鉄道施設(車両を除く。)を平成3年10月1日、新幹線鉄道保有機構(以下「保有機構」という。)より5兆956億円で譲り受け、このうち4兆4,944億円については25.5年、6,011億円については60年の元利均等半年賦により鉄道整備基金に支払うことに関して、保有機構との間に契約を締結し、その譲渡価額を鉄道施設購入長期未払金として計上しました。
(注) 保有機構は平成3年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は鉄道整備基金に承継されました。さらに鉄道整備基金は平成9年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は運輸施設整備事業団に承継され、運輸施設整備事業団は平成15年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は法律により国が承継する資産を除き、鉄道・運輸機構に承継されました。
当社グループは、キャッシュ・フローの相当部分を活用してこれら長期債務の縮減に努めてきました。その結果、連結長期債務残高は、当期末現在、2兆3,708億円となっています。また、当期の支払利息は803億円であり、これは営業利益の16.2%に相当します。
当社グループでは、今後も東海道新幹線をはじめとする諸事業の経営基盤の強化並びに中央新幹線の建設に向けた取組みを強力かつ着実に推進していく中で、長期債務の早期縮減に努めます。なお、長期債務の縮減額は資金需給の状況により変動する可能性があります。
(5) 自然災害等
当社グループの事業、特に東海道新幹線をはじめとする鉄道事業については、地震・台風等の自然災害やテロ等により大きな影響が生じる可能性があります。
なお、鉄道インフラについて当社は、安全・安定輸送の確保は最優先の課題であるとの認識の下、会社発足以来、自然災害等に対する設備強化に積極的に取り組んでいます。具体的には、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災などにおける他社線の被災状況等を踏まえて、東海道新幹線高架橋柱の耐震補強を開発案件等と関係する一部を除き完了したほか、盛土・橋脚の耐震補強や脱線・逸脱防止対策をはじめとする設備の強化など、より一層安定した輸送を確保するための設備強化を積極的に進めています。また在来線においても、輸送の安全確保のため、高架橋柱等の耐震補強や盛土補強、落石対策等を継続的に実施するなど、自然災害等による鉄道事業への影響を最小限のものとするための取組みを進めています。
(6) 安全対策
当社グループの事業、特に東海道新幹線をはじめとする鉄道事業については、仮に列車の運行により事故が発生した場合、大きな損害が出る可能性があります。
当社は、安全・安定輸送の確保は最優先の課題であるとの認識の下、ソフト・ハード両面にわたり、会社発足当初から安全に関する取組みを積極的に進めています。
ソフト面の取組みとしては、規程・マニュアル類を常に整備するとともに教育訓練を徹底し、社員自らが能力を高める職場風土の構築に努めることにより、社員一人ひとりが知識・技能を身につけ、規律と使命感をしっかり持って業務を遂行するように取り組んでいます。また、平成23年9月には研修センターを統合・新設し、グループ一体として、安全に主眼を置いた社員教育の一層の充実に取り組んでいます。
一方、ハード面においては、保安・防災対策を一層進めているほか、車両・軌道・電気設備の維持・更新等を積極的に推進しています。新幹線では、新ATC(自動列車制御装置)システムや新型車両を導入するなど、安全・安定輸送の確保のため、必要な設備投資を積極的に行っています。また、在来線においても、平成23年度末には全線でATS-PT(パターン照査式自動列車停止装置)の導入を行うなど、より一層の安全性向上に努めてきました。
これらの結果、当期の鉄道運転事故件数(12件)は会社発足初年度である昭和62年度(60件)と比較して半数以下に減少しました。
(7) コンピュータシステム・顧客個人情報保護
当社グループは、現在、鉄道事業や鉄道以外の事業における様々な業務分野で、多くのコンピュータシステムを用いています。また、当社グループと密接な取引関係にある他の旅行会社や鉄道情報システム㈱等においても、コンピュータシステムが重要な役割を果たしています。したがって、自然災害や人為的ミス等によってこれらのコンピュータシステムの機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与える可能性があります。また、コンピュータウイルスへの感染や人為的不正操作等によりコンピュータシステム上の顧客個人情報が外部に流出した場合、当社グループが提供する様々なサービスへの影響を通じて、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、障害対策として、日常より自社システムの機能向上や関係する社員の教育等の障害防止策を講じるとともに、万一障害が発生した場合においても、その影響を最小限のものとするよう、速やかな初動体制及び復旧体制の構築等に努めています。
また、個人情報保護対策として、社内の管理体制を整えるとともに、社内規程やマニュアルを整備し、社員に周知徹底をしています。さらに、顧客個人情報へのアクセス権限を限定し、システムセキュリティを強化するなど、個人情報の厳正な管理・保護に努めています。
(8) 超電導リニアによる中央新幹線
当社は、自らの使命であり経営の生命線である首都圏~中京圏~近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため、超電導リニアによる中央新幹線計画を進めています。
現在この役割を担う東海道新幹線は、平成26年10月に開業50年を迎えることから、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えを考えなければならない時期にきています。このため、その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提として、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。
このプロジェクトの推進に当たっては、安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに安定配当を継続する健全経営を確保します。その上で、まずは東京都・名古屋市間を実現し、さらに、経営体力を回復させた上で、速やかに大阪市まで実現することとしています。
当社は、平成19年12月に第一局面としての名古屋市までの推進を、さらには、平成22年4月に大阪市までの営業主体等の指名に同意する意思があることを表明するにあたり、それぞれの時点で考えられる前提条件を置いて検討を行い、路線建設を自己負担で推進しても、健全経営の確保が十分に可能であると判断し、必要な対応を進めることを決定しました。
また、平成19年12月には、全幹法の適用により設備投資の自主性や経営の自由など民間企業としての原則が阻害されることがないことを確認するため、法律の適用にかかる基本的な事項を国土交通省に照会し、翌年1月にその旨の回答を得ました。
その後、全幹法の手続きが進み、平成23年5月、国土交通大臣の諮問にかかる審議を行ってきた交通政策審議会が、中央新幹線(東京都・大阪市間)の営業主体等として当社を指名することが適当であること及び整備計画について下表のとおりとすることが適当であることを答申しました。国土交通大臣は、これを踏まえ、同5月、当社の同意を得た上で、当社を東京都・大阪市間の営業主体等に指名しました。続いて、当社の同意を得て、下表の整備計画を決定し、当社に建設の指示を行いました。
建設線中央新幹線
区間東京都・大阪市
走行方式超電導磁気浮上方式
最高設計速度505キロメートル/時
建設に要する費用の概算額
(車両費を含む。)
90,300億円
その他必要な事項主要な経過地甲府市附近、赤石山脈(南アルプス)
中南部、名古屋市附近、奈良市附近

(注) 建設に要する費用の概算額には、利子を含みません。
これを受けて当社は、第一局面として進める東京都・名古屋市間において、環境アセスメントの手続きを進め、平成23年6月及び8月に計画段階環境配慮書を公表し、同9月に環境影響評価方法書を、平成25年9月に準備書を公告しました。その後、沿線各地で準備書に関する説明会を開催するとともに、沿線7都県において、準備書に対する知事意見の取りまとめを目的に開催された環境審査会等において、委員の専門的なご質問に対し、資料の提供や回答を行うなど、誠実かつ的確な対応に努めました。また、環境審査会等における議論を踏まえ、並行して評価書作成の準備を進めました。その上で、平成26年3月に受け取った知事意見の一つひとつに十分な検討を行い、これを勘案して、同4月、評価書を作成し、国土交通大臣に送付しました。
また、平成23年11月には、環境アセスメントの手続きを着実に進めながら計画の早期実現に向けての諸準備を迅速に進めていく段階に入ったことを踏まえ、中間駅について、地元負担を前提とした従来の考え方を転換し、当社の負担により建設することを決定しました。一方、地方自治体には、中央新幹線計画の推進のため、用地取得の斡旋をはじめ、行政側からの工事促進に関わる様々な協力をいただくとともに、中央新幹線の効果を県全体の発展につなげる地域行政としての自治体本来の役割を果たしていただくという役割分担の中で、相互に協力して中央新幹線の早期実現という目標に邁進していく考えを示しました。
この中間駅の建設費は、当社にとって大きな負担となることから、引き続き中央新幹線の工事費全般について、社内に設置した「中央新幹線工事費削減委員会」で検証し、安全を確保した上で徹底的にコストダウンを図るとともに、開業後の運営費の圧縮に取り組みます。また、中間駅についても、効率性と機能性を徹底して追求したコンパクトな駅を目指します。
さらに、毎年の経営努力を積み重ね、経営状況に応じた資源配分の最適化を図るなど柔軟に対応することにより、健全経営を維持し、安定配当を継続しながら、計画を完遂していきます。
≪参考≫ 中央新幹線(東京都・名古屋市間)の路線
0102010_002.png(注) 中央新幹線(東京都・名古屋市間)の路線は、東京都内の東海道新幹線品川駅付近を起点とし、山梨リニア実験線(全体で42.8km)、甲府市付近、赤石山脈(南アルプス)中南部を経て、名古屋市内の東海道新幹線名古屋駅付近に至る、延長約286km(地上部約40km、トンネル約246km)の区間です。駅については、品川駅付近、名古屋駅付近のほか、神奈川県内、山梨県内、長野県内、岐阜県内に一駅ずつ設置する計画です。
(9) JRゲートタワー計画
JRゲートタワー計画については、名古屋ターミナルビル跡地に、立地を活かした利便性の高い高層複合ビルを建設する計画です。
・開発主体 当社、ジェイアールセントラルビル㈱
・建物規模 延床面積 約26万㎡
高さ 約220m
階数 地上46階、地下6階
・主要用途 オフィス、商業施設、ホテル、駐車場、バスターミナル、駅施設
・総事業費 約1,200億円
・工事着手 平成22年5月
・開業予定 平成28年11月 オフィス入居開始
平成29年4月 名古屋JRゲートタワーホテル、㈱ジェイアール東海髙島屋が運営する商業施設
当計画においては、JRセントラルタワーズと一体で利便性の高い魅力ある都市空間を創造し、名古屋駅周辺地区にさらなる賑わいを創出するとともに、オフィス集積地にふさわしい都市機能を補強し、同地区における多様なワーキングスタイルに対応し、また、自然エネルギーの活用等により環境への負荷軽減に配慮したゆとりある都市空間を形成することとしています。これにより、当社グループの鉄道事業、流通業、不動産業等に寄与するものと考えています。
しかし、事業を取り巻く環境の変化等により計画どおり進捗できない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。