有価証券報告書-第24期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営状態等の状況の概要
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費に持ち直しの動きがみられ、堅調な企業業績等を背景に、緩やかな回復基調が続いていましたが、年度末にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気が足元で大幅に下押しされる結果となりました。また、北海道経済においても、インバウンド需要を中心に堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が他都府県に比べ早期に発生したこと等により、厳しい状況となっています。
国内航空業界においては、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、インバウンドの増加を背景に旅客需要は堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による、運休・減便等を余儀なくされ、先行きは不透明な状況が続いております。原油価格については、世界的に大幅な需要減少となっていること等により急落しました。
このような状況の下、当社は2019年4月に「2019~2023年度 中期経営戦略」を策定し、『北海道の翼として、私たちAIRDOは変革に挑戦し、お客様の期待を超える感動を提供します。』をビジョンとして掲げました。また、当社にとって「転換期」と位置づけ「人財戦略」と「機材戦略」を最重要課題の2本柱として認識し、新たな事業構造への基盤構築に向けて取り組みました。
営業面においては、競争力のあるきめ細やかな運賃設定と需要予測に連動した精緻な座席管理を行ったことやゴールデンウィーク、夏休みを中心に臨時増便ならびに深夜便を機動的に展開し、利便性向上に努めつつ増収を図りました。
運航面においては、2019年度上期において、定時到着率93.0%と特定本邦航空運送事業者12社中1位を達成しました。また、2020年2月に、当社として初めてとなる「とかち帯広空港」発着の国際線チャーター便を運航し、道内のお客様の利便性の向上はもとより、就航先である台湾のお客様にも冬のひがし北海道の魅力を感じていただき、北海道観光の需要促進への貢献も目指しました。
また、地域貢献活動の一環として、北海道白老町に開設予定の民族共生象徴空間「ウポポイ」の一般公開を大いに盛り上げるため、機体へのロゴマークの掲出やPR動画の機内放映等、お客様へ向けてのPR活動を推進してきました。
サービス面においては、昨年度に引き続き、北海道の農業高校生とコラボレーション第2弾、“空飛ぶスープカレープロジェクト”にて開発した商品を機内販売としてお客様へご提供する等、北海道にこだわったサービスを展開してきました。
以上のことから、中間会計期間としては旅客数が過去最多となる等、2020年3月期業績予想の上方修正を行い堅調に推移しておりましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響による航空需要の低下を受け、当社においても業績予想を下回る結果となりました。
当事業年度における当社の運航実績は、就航率は99.1%(前年同期98.2%)、定時出発率は93.1%(前年同期90.8%)、提供座席数は2,969千席(前年同期比4.7%増)となり、旅客数は2,037千人(前年同期比4.3%減)となりました。座席利用率は、路線の平均で68.7%(前年同期75.1%)となりました。
営業収入は、運航便数の増加に伴いコードシェアによる座席販売分を含め、45,545百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
事業費については、整備費の増加、原油価格の上昇等を主因とした航空燃油費の増加により、38,988百万円(前年同期比4.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、消耗品費の減少等により4,281百万円(前年同期比4.4%減)となったことで、営業費用は43,269百万円(前年同期比3.4%増)となりました。この結果、営業利益は2,275百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
営業外損益において、営業外費用が増加したこと等により、経常利益は1,629百万円(前年同期比31.5%減)となり、当期純利益は424百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ380百万円の資金が減少(前年同期は1,900百万円の増加)し、当事業年度末には13,385百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は5,509百万円(前年同期7,376百万円)となりました。
これは、税引前当期純利益1,629百万円、減価償却費4,929百万円、航空機材整備引当金の減少額3,594百万円、営業債務の増加額3,298百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は4,598百万円(前年同期3,221百万円)となりました。
これは、定期預金の預入による支出2,202百万円、定期預金の払戻による収入2,927百万円、有価証券の償還による収入2,506百万円、有価証券の取得による支出2,627百万円、有形固定資産の取得による支出2,332百万円、投資有価証券の償還による収入1,035百万円、長期前払費用の取得による支出3,648百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は1,251百万円(前年同期2,268百万円)となりました。
これは、長期借入れによる収入2,500百万円、長期借入金の返済による支出312百万円、リース債務の返済による支出1,927百万円、担保に供した預金の増加額1,327百万円等を反映したものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
①営業実績
当事業年度の営業成績を収入項目別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 旅客収入には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めております。
2 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の営業収入合計に対する割合は次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②運航実績
当事業年度の運航実績は、次のとおりであります。
③輸送実績
当事業年度の輸送実績は、次のとおりであります。
(注) 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
なお、路線別の座席利用率は、次のとおりであります。
(注)座席利用率は当社販売分を表記しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成にあたって、経営者は、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績、現在の状況に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「重要な会計方針」に記載しております。
経営者が行った財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです。
・繰延税金資産の認識
将来減算一時差異及び繰越欠損金のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有する可能性が高い範囲内で繰延税金資産を認識しております。
・航空機材整備引当金
航空機及びエンジンの定例整備費用について、最新の実績および将来の整備計画を考慮し算定しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「追加情報」に記載しております。
②当事業年度の経営成績の分析
a. 営業収入、事業費及び営業総利益
総座席キロは、運航便数が増加したこと等により、コードシェアによる座席販売分を含め、4,266,408千席キロ(前年同期比3.9%増)となりました。
営業収入は、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、運航増便や需要に応じたきめ細やかな運賃設定により、45,545百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
航行費は、原油価格の上昇および燃油使用量の増加等により航空燃料費が増加し、17,308百万円(前年同期比6.1%増)となりました。
航空機材維持費は、ボーイング737-700型機1機を除却したこと等により減価償却費が減少し、2,476百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
整備費は、整備引当金繰入額が減少した一方、ボーイング767-300ER型機の追加導入により整備業務委託費が増加し、10,212百万円(前年同期比12.1%増)となりました。
運航費は、日常交通費の増加等により、1,464百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
運送費は、欠航便数の減少等により臨時旅客費が減少し、7,525百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
この結果、事業費総額は38,988百万円(前年同期比4.4%増)となり、営業総利益は6,557百万円(前年同期比12.9%減)となりました。
b. 販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費は、業務委託費が増加したものの、広告宣伝費が減少したこと等により、4,281百万円(前年同期比4.4%減)となり、営業利益は2,275百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
c. 営業外損益、経常損益
営業外収益として受取利息69百万円、受取手数料38百万円、有価証券利息36百万円、為替差益23百万円、営業外費用として支払利息676百万円、原油スワップ差損177百万円を計上したこと等により、経常利益は1,629百万円(前年同期比31.5%減)となりました。
d. 当期純損益
法人税、住民税及び事業税6百万円及び法人税等調整額1,198百万円を計上したことにより、当期純利益は424百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
③財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
資産の部
資産については、現金及び預金が1,875百万円増加した一方、有価証券が2,803百万円減少したこと等により、前事業年度末と比較して、流動資産が671百万円減少しました。
また、リース資産が3,388百万円、長期前払費用等を含む投資その他の資産が1,732百万円それぞれ減少した一方、新機材の取得に伴い航空機が998百万円増加したこと等により、前事業年度末と比較して、固定資産が4,061百万円減少しました。
この結果、資産総額は45,543百万円となりました。
負債の部
負債については、エンジン整備費用の未払等により営業未払金が1,392百万円増加したこと等により、前事業年度末と比較して、流動負債が1,523百万円増加しました。
また、航空機材整備引当金が3,594百万円、リース債務が3,304百万円減少したこと等により、前事業年度末と比較して、固定負債が5,255百万円減少しました。
この結果、負債総額は32,692百万円となりました。
純資産の部
株主資本合計は、前事業年度末と比較して、284百万円増加しました。この増加は当期純利益424百万円の計上及び配当金の支払139百万円によるものです。
評価・換算差額等は、原油スワップおよび金利スワップを活用したヘッジ取引に係るものであり、前事業年度末と比較して、1,285百万円減少しました。
この結果、純資産合計は12,851百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりです。
当社の運転資金需要のうち主なものは、日々の運航に必要な航空燃油費や、空港使用料など運航経費をはじめ、整備費や運送部門における業務委託費等の事業費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は航空機や航空機のエンジン等への設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と、資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は航空運送事業を中心とした収入金等の他、金融機関からの借入により調達を行っております。設備投資資金につきましてはキャッシュ・フローで賄いきれない分の調達を主とし、その調達手段は金融機関からの長期借入金やファイナンス・リースなど、市場動向や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、15,898百万円となっております。また当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は13,385百万円となっております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、事業等のリスクにおいて、為替レートや原油価格の変動による航行費の増加、航空法及び関連諸法令による規制、自然災害、人財確保等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため当社は、コストを安定させることを目的として、ヘッジ取引の実施、社内管理体制の確立、人財養成体制の見直しや採用の強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいる所存であります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善の経営戦略の立案及び施策の実施に努めております。
また、当社を取り巻く環境は、競合他社との激しい競争に加え、消費者ニーズの多様化や燃料市況等の外部環境が大きく変化する可能性もあることから、幅広い視点で俯瞰した経営戦略の重要性、必要性を認識しております。
加えて、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年2月には北海道知事による緊急事態が全国に先駆けて宣言され、2020年4月末には、北海道が特定警戒都道府県と位置づけられたこと等の影響により、それ以降の旅客数及び売上高が大幅に減少しております。収束に伴う従来の水準への回復時期については、現時点で見極めることが困難であるものの、新規感染者数が減少傾向となっていることや、緊急事態宣言の解除に伴う経済活動の再開も見られること等から、2021年の年初以降を想定しています。
このような状況に対応すべく、運航規模縮小による運航関連費用の抑制、従業員の一時帰休の活用による人件費の抑制等を実施しております。また、十分な手元資金を確保するため、取引金融機関からの資金調達を進めていることに加え、更なるコスト削減にも全社一丸となって取り組んでまいります。
以上の対応策を迅速かつ確実に遂行するとともに、事業の継続と従業員の雇用を守るため、前例にとらわれることのない様々な施策を講じてまいります。そして、感染収束の状況や景気動向等を慎重に注視しつつ、公共交通機関としての役割を全うすべく、事業の回復と更なる飛躍へ向けた体制の構築を進めてまいります。
①経営状態等の状況の概要
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費に持ち直しの動きがみられ、堅調な企業業績等を背景に、緩やかな回復基調が続いていましたが、年度末にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気が足元で大幅に下押しされる結果となりました。また、北海道経済においても、インバウンド需要を中心に堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が他都府県に比べ早期に発生したこと等により、厳しい状況となっています。
国内航空業界においては、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、インバウンドの増加を背景に旅客需要は堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による、運休・減便等を余儀なくされ、先行きは不透明な状況が続いております。原油価格については、世界的に大幅な需要減少となっていること等により急落しました。
このような状況の下、当社は2019年4月に「2019~2023年度 中期経営戦略」を策定し、『北海道の翼として、私たちAIRDOは変革に挑戦し、お客様の期待を超える感動を提供します。』をビジョンとして掲げました。また、当社にとって「転換期」と位置づけ「人財戦略」と「機材戦略」を最重要課題の2本柱として認識し、新たな事業構造への基盤構築に向けて取り組みました。
営業面においては、競争力のあるきめ細やかな運賃設定と需要予測に連動した精緻な座席管理を行ったことやゴールデンウィーク、夏休みを中心に臨時増便ならびに深夜便を機動的に展開し、利便性向上に努めつつ増収を図りました。
運航面においては、2019年度上期において、定時到着率93.0%と特定本邦航空運送事業者12社中1位を達成しました。また、2020年2月に、当社として初めてとなる「とかち帯広空港」発着の国際線チャーター便を運航し、道内のお客様の利便性の向上はもとより、就航先である台湾のお客様にも冬のひがし北海道の魅力を感じていただき、北海道観光の需要促進への貢献も目指しました。
また、地域貢献活動の一環として、北海道白老町に開設予定の民族共生象徴空間「ウポポイ」の一般公開を大いに盛り上げるため、機体へのロゴマークの掲出やPR動画の機内放映等、お客様へ向けてのPR活動を推進してきました。
サービス面においては、昨年度に引き続き、北海道の農業高校生とコラボレーション第2弾、“空飛ぶスープカレープロジェクト”にて開発した商品を機内販売としてお客様へご提供する等、北海道にこだわったサービスを展開してきました。
以上のことから、中間会計期間としては旅客数が過去最多となる等、2020年3月期業績予想の上方修正を行い堅調に推移しておりましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響による航空需要の低下を受け、当社においても業績予想を下回る結果となりました。
当事業年度における当社の運航実績は、就航率は99.1%(前年同期98.2%)、定時出発率は93.1%(前年同期90.8%)、提供座席数は2,969千席(前年同期比4.7%増)となり、旅客数は2,037千人(前年同期比4.3%減)となりました。座席利用率は、路線の平均で68.7%(前年同期75.1%)となりました。
営業収入は、運航便数の増加に伴いコードシェアによる座席販売分を含め、45,545百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
事業費については、整備費の増加、原油価格の上昇等を主因とした航空燃油費の増加により、38,988百万円(前年同期比4.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、消耗品費の減少等により4,281百万円(前年同期比4.4%減)となったことで、営業費用は43,269百万円(前年同期比3.4%増)となりました。この結果、営業利益は2,275百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
営業外損益において、営業外費用が増加したこと等により、経常利益は1,629百万円(前年同期比31.5%減)となり、当期純利益は424百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ380百万円の資金が減少(前年同期は1,900百万円の増加)し、当事業年度末には13,385百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は5,509百万円(前年同期7,376百万円)となりました。
これは、税引前当期純利益1,629百万円、減価償却費4,929百万円、航空機材整備引当金の減少額3,594百万円、営業債務の増加額3,298百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は4,598百万円(前年同期3,221百万円)となりました。
これは、定期預金の預入による支出2,202百万円、定期預金の払戻による収入2,927百万円、有価証券の償還による収入2,506百万円、有価証券の取得による支出2,627百万円、有形固定資産の取得による支出2,332百万円、投資有価証券の償還による収入1,035百万円、長期前払費用の取得による支出3,648百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は1,251百万円(前年同期2,268百万円)となりました。
これは、長期借入れによる収入2,500百万円、長期借入金の返済による支出312百万円、リース債務の返済による支出1,927百万円、担保に供した預金の増加額1,327百万円等を反映したものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
①営業実績
当事業年度の営業成績を収入項目別に示すと、次のとおりであります。
| 項目 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比 (%) |
| 旅客収入 | 44,207百万円 | 101.5 |
| 貨物収入 | 541百万円 | 102.4 |
| その他 | 795百万円 | 101.5 |
| 営業収入合計 | 45,545百万円 | 101.5 |
(注)1 旅客収入には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めております。
2 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の営業収入合計に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 全日本空輸株式会社 | 13,999 | 31.2 | 14,865 | 32.6 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②運航実績
当事業年度の運航実績は、次のとおりであります。
| 項目 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比 (%) |
| 運航便数 | 21,470便 | 101.8 |
| 飛行距離 | 20,565,223km | 101.7 |
| 飛行時間 | 34,124時間 | 101.6 |
③輸送実績
当事業年度の輸送実績は、次のとおりであります。
| 項目 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比 (%) |
| 旅客数 | 2,037,934人 | 95.7 |
| 旅客キロ | 1,912,774千人キロ | 95.5 |
| 座席キロ | 2,786,072千席キロ | 104.4 |
| 座席利用率 | 68.7% | 6.4ポイント減 |
(注) 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
なお、路線別の座席利用率は、次のとおりであります。
| 前事業年度 | 当事業年度 | 備考 | |
| 「札 幌-東 京」線 | 75.8% | 69.7% | |
| 「旭 川-東 京」線 | 74.7% | 69.1% | |
| 「女満別-東 京」線 | 73.5% | 68.8% | |
| 「釧 路-東 京」線 | 77.7% | 71.9% | |
| 「帯 広-東 京」線 | 73.4% | 64.0% | |
| 「函 館-東 京」線 | 73.9% | 66.4% | |
| 「札 幌-仙 台」線 | 71.5% | 59.6% | |
| 「札 幌-名古屋」線 | 76.9% | 72.1% | |
| 「札 幌-神 戸」線 | 72.0% | 62.7% | |
| 「函 館-名古屋」線 | 81.0% | 74.7% | |
| 路線の平均 | 75.1% | 68.7% |
(注)座席利用率は当社販売分を表記しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成にあたって、経営者は、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績、現在の状況に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「重要な会計方針」に記載しております。
経営者が行った財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです。
・繰延税金資産の認識
将来減算一時差異及び繰越欠損金のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有する可能性が高い範囲内で繰延税金資産を認識しております。
・航空機材整備引当金
航空機及びエンジンの定例整備費用について、最新の実績および将来の整備計画を考慮し算定しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「追加情報」に記載しております。
②当事業年度の経営成績の分析
a. 営業収入、事業費及び営業総利益
総座席キロは、運航便数が増加したこと等により、コードシェアによる座席販売分を含め、4,266,408千席キロ(前年同期比3.9%増)となりました。
営業収入は、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、運航増便や需要に応じたきめ細やかな運賃設定により、45,545百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
航行費は、原油価格の上昇および燃油使用量の増加等により航空燃料費が増加し、17,308百万円(前年同期比6.1%増)となりました。
航空機材維持費は、ボーイング737-700型機1機を除却したこと等により減価償却費が減少し、2,476百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
整備費は、整備引当金繰入額が減少した一方、ボーイング767-300ER型機の追加導入により整備業務委託費が増加し、10,212百万円(前年同期比12.1%増)となりました。
運航費は、日常交通費の増加等により、1,464百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
運送費は、欠航便数の減少等により臨時旅客費が減少し、7,525百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
この結果、事業費総額は38,988百万円(前年同期比4.4%増)となり、営業総利益は6,557百万円(前年同期比12.9%減)となりました。
b. 販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費は、業務委託費が増加したものの、広告宣伝費が減少したこと等により、4,281百万円(前年同期比4.4%減)となり、営業利益は2,275百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
c. 営業外損益、経常損益
営業外収益として受取利息69百万円、受取手数料38百万円、有価証券利息36百万円、為替差益23百万円、営業外費用として支払利息676百万円、原油スワップ差損177百万円を計上したこと等により、経常利益は1,629百万円(前年同期比31.5%減)となりました。
d. 当期純損益
法人税、住民税及び事業税6百万円及び法人税等調整額1,198百万円を計上したことにより、当期純利益は424百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
③財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
資産の部
資産については、現金及び預金が1,875百万円増加した一方、有価証券が2,803百万円減少したこと等により、前事業年度末と比較して、流動資産が671百万円減少しました。
また、リース資産が3,388百万円、長期前払費用等を含む投資その他の資産が1,732百万円それぞれ減少した一方、新機材の取得に伴い航空機が998百万円増加したこと等により、前事業年度末と比較して、固定資産が4,061百万円減少しました。
この結果、資産総額は45,543百万円となりました。
負債の部
負債については、エンジン整備費用の未払等により営業未払金が1,392百万円増加したこと等により、前事業年度末と比較して、流動負債が1,523百万円増加しました。
また、航空機材整備引当金が3,594百万円、リース債務が3,304百万円減少したこと等により、前事業年度末と比較して、固定負債が5,255百万円減少しました。
この結果、負債総額は32,692百万円となりました。
純資産の部
株主資本合計は、前事業年度末と比較して、284百万円増加しました。この増加は当期純利益424百万円の計上及び配当金の支払139百万円によるものです。
評価・換算差額等は、原油スワップおよび金利スワップを活用したヘッジ取引に係るものであり、前事業年度末と比較して、1,285百万円減少しました。
この結果、純資産合計は12,851百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりです。
当社の運転資金需要のうち主なものは、日々の運航に必要な航空燃油費や、空港使用料など運航経費をはじめ、整備費や運送部門における業務委託費等の事業費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は航空機や航空機のエンジン等への設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と、資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は航空運送事業を中心とした収入金等の他、金融機関からの借入により調達を行っております。設備投資資金につきましてはキャッシュ・フローで賄いきれない分の調達を主とし、その調達手段は金融機関からの長期借入金やファイナンス・リースなど、市場動向や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、15,898百万円となっております。また当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は13,385百万円となっております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、事業等のリスクにおいて、為替レートや原油価格の変動による航行費の増加、航空法及び関連諸法令による規制、自然災害、人財確保等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため当社は、コストを安定させることを目的として、ヘッジ取引の実施、社内管理体制の確立、人財養成体制の見直しや採用の強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいる所存であります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善の経営戦略の立案及び施策の実施に努めております。
また、当社を取り巻く環境は、競合他社との激しい競争に加え、消費者ニーズの多様化や燃料市況等の外部環境が大きく変化する可能性もあることから、幅広い視点で俯瞰した経営戦略の重要性、必要性を認識しております。
加えて、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年2月には北海道知事による緊急事態が全国に先駆けて宣言され、2020年4月末には、北海道が特定警戒都道府県と位置づけられたこと等の影響により、それ以降の旅客数及び売上高が大幅に減少しております。収束に伴う従来の水準への回復時期については、現時点で見極めることが困難であるものの、新規感染者数が減少傾向となっていることや、緊急事態宣言の解除に伴う経済活動の再開も見られること等から、2021年の年初以降を想定しています。
このような状況に対応すべく、運航規模縮小による運航関連費用の抑制、従業員の一時帰休の活用による人件費の抑制等を実施しております。また、十分な手元資金を確保するため、取引金融機関からの資金調達を進めていることに加え、更なるコスト削減にも全社一丸となって取り組んでまいります。
以上の対応策を迅速かつ確実に遂行するとともに、事業の継続と従業員の雇用を守るため、前例にとらわれることのない様々な施策を講じてまいります。そして、感染収束の状況や景気動向等を慎重に注視しつつ、公共交通機関としての役割を全うすべく、事業の回復と更なる飛躍へ向けた体制の構築を進めてまいります。