有価証券報告書-第110期(2023/04/01-2024/03/31)
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、半導体の供給制約の緩和による自動車生産の増加やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな回復傾向となりました。一方で、エネルギーや原材料などの価格高騰による物価上昇、円安の継続などにより、個人消費や設備投資などの内需は停滞するなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。
こうした経済環境下におきまして、物流業界では、物価上昇による個人消費低迷や、製造業における生産調整などが影響し、荷動きは鈍化しました。加えて燃料価格や資材費などの高騰が影響し厳しい状況が続きました。
このような事業環境のなか、当社グループにおきましては、「中期経営計画」で掲げた経営戦略に基づき、様々な施策を実施いたしました。
具体的には、
1.収益基盤の拡充によるトップライン向上[重点(産業)分野への取組み]といたしまして、化学品物流への取組み強化として、輸出入におけるコンテナラウンドユースのサービス実用化に向けトライアルを実施いたしました。また、自動車産業関連物流の国内およびグローバルでの更なる拡大として、昨年8月に三重朝日物流センターを竣工、安定稼働させるとともに、半導体関連材料および高機能素材の取扱い拡大として、昨年7月に亀山低温危険品倉庫を竣工、安定稼働させました。更には、新分野における物流取扱いの創出として、スマイルケア食分野への積極的な営業展開に取り組んでまいりました。
2.TRANCYグループ経営基盤の強化[事業基盤の強化・拡大]といたしまして、持続可能な輸送スキームの再構築として、取引先との協業により、半導体の製造過程で使用される特殊化学品のトラックによる輸送手段に鉄道輸送を組み込むなどのモーダルコンビネーションの運用を本稼働するとともに、化学品物流では拠点間輸送におけるRORO船、鉄道の本格的な活用も開始いたしました。グローバル物流事業の強化・拡大として、タイ現地法人における自社倉庫の拡充について検討を重ねてまいりました。基盤とする四日市港の物流機能の更なる拡充として、四日市港におけるコンテナ用耐震岸壁の拡張ならびに港湾機能の最適化に向けて行政と連携して取り組んでまいりました。DXを活用したBPR(Business Process Re-engineering)の推進として、ペーパーレスピッキングシステムおよび車両の受付システムを導入するとともに、継続的に新技術の研究・検討などに取り組んでまいりました。また、財務体質の強化として、グリーンローンの実行、グリーンボンドの発行など資金調達の多様化を図りました。更には、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、資本・財務戦略について検討を重ねてまいりました。
3.ESG経営/サステナビリティの取組み推進における[物流事業を通じた環境への取組み(E=Environment)]といたしまして、TCFD提言に基づく情報開示に向けてSCOPE1・2・3の算出を進めるとともに、複数の大型物流センターに太陽光発電システムを敷設し、発電電力を当社グループの他拠点においても再生可能エネルギーとして利用できるスキームを導入するなど、環境に配慮した事業の推進に取り組んでまいりました。
[会社の財産である“ヒト”の確保・育成(S=Social)]として、グローバル人財を育成するために、若手社員全員を対象とした短期海外出張研修を導入するとともに、多様な人財が活躍できるよう新たな職群を新設する人事諸制度の整備を実施しました。
[ガバナンスの強化および地域社会への貢献(G=Governance)]として、地域住民等の安心・安全に寄与するため、当社施設を災害発生時の避難施設として開放する協定を自治体と締結するなど、地域社会への貢献に取り組んでまいりました。また、企業風土の醸成を図るため、従業員全員が参加型のサステナビリティ活動に取り組んでまいりました。
当期の事業の概況は、総合物流事業におきましては、倉庫業では、取扱いが全般的には低調に推移したものの自動車部品関連商材の回復により、入出庫にかかる取扱量が増加し、期中平均保管残高は前期に比べ減少しました。港湾運送業では、四日市港における海上コンテナおよび完成自動車の取扱量は輸出・国内ともに増加したものの、石炭・オイルコークスおよび原料関係の取扱量は前期に比べ減少しました。陸上運送業では、鉄道輸送の取扱量は増加したものの、主力のトラック輸送およびバルクコンテナ輸送の取扱量は前期に比べ減少しました。国際複合輸送業では、海上輸送および航空輸送の取扱量は前期に比べ増加したものの、海外現地法人における取扱量は減少しました。このような状況により、総合物流事業全体の売上高は、前年同期比8.8%減の1,205億3千9百万円となりました。
その他の事業におきましては、依然として厳しい環境下ではありましたが、業務の効率化や収支改善に努めました。
以上の結果、当期の連結売上高は、倉庫業は自動車部品関連商材の取扱増加ならびに連結子会社の本格稼働が寄与したことにより好調に推移し、港湾運送業は業務の一部を倉庫業へ区分変更した影響により減少したものの順調に推移しました。一方で国際複合輸送業においては、海上運賃の正常化に伴い、極めて低調に推移したことにより、前年同期比8.6%減の1,225億5千5百万円となりました。連結経常利益は、大型新拠点の稼働に伴う一時費用の増加、販売費及び一般管理費の増加、持分法による投資利益ならびに為替差益の減少などにより、前年同期比18.3%減の73億5千2百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、自社利用のソフトウェア開発にかかる固定資産の減損もあり、前年同期比24.7%減の46億3千3百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 総合物流事業
総合物流事業全般の外部顧客への売上高は、1,205億3千9百万円と前年同期に比べ115億9千5百万円(△8.8%)の減収、セグメント利益(営業利益)は56億8千万円と前年同期に比べ10億1千7百万円(△15.2%)の減益となりました。
<倉庫業>当部門におきましては、期中平均保管残高は前年同期比6.3%減の56万3千トンとなりました。期中貨物入出庫トン数につきましては、前年同期比3.8%増の864万3千トンとなり、保管貨物回転率は63.0%(前期58.4%)となりました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比10.9%増の484億4千5百万円の計上となりました。
<港湾運送業>当部門におきましては、四日市港における海上コンテナの取扱量は、前年同期比3.9%増の20万3千本(20フィート換算)と増加しました。また完成自動車の取扱量も輸出・国内ともに増加したものの、石炭・オイルコークスおよび原料関係の取扱量は前年同期に比べ減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比6.4%減の212億4千5百万円の計上となりました。
<陸上運送業>当部門におきましては、主力のトラック輸送の取扱量は、前年同期比2.0%減の629万4千トン、鉄道輸送の取扱量は前年同期比0.9%増の15万トン、バルクコンテナ輸送の取扱量は前年同期比1.0%減の21万2千トンとなりました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比0.7%増の183億6千6百万円の計上となりました。
<国際複合輸送業>当部門におきましては、海上輸送における輸出入の取扱量は前年同期比6.3%増の182万4千トンとなり、航空輸送における輸出入の取扱量は前年同期比0.9%増の1,537トンとなりました。一方、海上運賃の正常化や為替の影響を受けました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比32.7%減の308億1千万円の計上となりました。
<その他>当部門におきましては、場内作業の取扱量が減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比4.5%減の16億7千万円の計上となりました。
② その他の事業
その他の事業では、自動車整備業における車検取扱台数は前年同期比4.6%の減少、ゴルフ場の入場者数は前年同期比6.2%の減少、不動産事業の完成工事件数は前年同期比17.1%の増加となりました。
以上の結果、当部門の外部顧客への売上高は、20億1千6百万円と、前年同期に比べ8千6百万円(4.5%)の増収、セグメント利益(営業利益)は6億8千2百万円と前年同期に比べ9千万円(15.3%)の増益となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ231億5千6百万円増加し、1,603億2千3百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加21億7千9百万円を主な要因として24億2千8百万円増加し、固定資産は、有形固定資産の増加128億3千8百万円を主な要因として207億2千8百万円増加しました。
負債は、社債の発行および長期借入金の増加を主な要因として136億9千3百万円増加し、711億1千7百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ94億6千3百万円増加し、892億5百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の55.9%から53.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、有形及び無形固定資産の取得による支出180億9百万円などがあったものの、長期借入れによる収入113億円および社債の発行による収入79億5千6百万円などによる増加により、前連結会計年度末に比べ19億9千2百万円増加し、当連結会計年度末には215億7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果増加した資金は、72億8千2百万円(前年同期比43億1千2百万円の収入減)となりました。これは主に、法人税等の支払額29億5千3百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益70億1千8百万円、減価償却費50億9千7百万円の資金留保等による増加の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果減少した資金は、180億3千5百万円(前年同期比150億6千9百万円の支出増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出180億9百万円等による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果増加した資金は、122億3百万円(前年同期比154億6千2百万円の収入増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入113億円および社債の発行による収入79億5千6百万円による増加の結果であります。
(4)生産、受注および販売の実績
セグメント別営業概況
① 総合物流事業
最近における倉庫保管貨物入出庫高ならびに期末保管残高を示せば次のとおりであります。
保管貨物残高を品目別に示せば次のとおりであります。
港湾運送業の最近の貨物取扱高を示せば次のとおりであります。
貨物自動車運送業および鉄道利用運送業の最近の貨物取扱高を示せば次のとおりであります。
② その他の事業
保険代理店の契約実績を示せば次のとおりであります。
ゴルフ場の入場者数を示せば次のとおりであります。
自動車整備台数を示せば次のとおりであります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示せば次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)今期の経営成績の分析
(営業収益)
当期の事業全体およびセグメント別の分析につきましては、「経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価)
売上高が減少したことなどから、1,090億5千7百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
WEB会議システム等のIT技術の利用促進など、継続的な業務改善により、一般管理費の増加抑制に努めたものの、物価上昇や営業活動などの活発化等により費用が増加したことなどから、72億5千6百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
(営業利益)
継続してコスト管理の徹底や、業務の効率化、収支改善、働き方改革へ取り組んでおりますが、売上高が減少したことなどから、62億4千1百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(経常利益)
大型新拠点の稼働に伴う一時費用の増加、販売費および一般管理費の増加、持分法による投資利益ならびに為替差益の縮小などから、73億5千2百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
自社利用のソフトウェア開発にかかる固定資産の減損などにより、46億3千3百万円(前年同期比24.7%減)となりました。
上記のとおり、当期の当社グループの経営成績につきましては、営業収益は3期振りの減収、営業利益は4期振りの減益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は6期振りの減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資金調達は、安定的な資金調達と調達コストの抑制を両立させ、自己資本比率や資産構成ならびに営業キャッシュ・フローの各種指標に配慮して、財務リスクを最小化することを基本方針としております。この基本方針に則り、資金調達の手段はその時々の市場環境を考慮したうえで、当社グループにとって最善の手段を選択しております。
当社は長年にわたり、主要な取引先金融機関と良好な関係を維持しており、経常的な資金調達の他、当座貸越契約により、緊急時の流動性を確保しております。さらに、多様な調達手段を確保するため、直接金融による資金調達も見据え、格付投資情報センターの格付けを取得、維持しており、現時点において、Aマイナス(安定的)となっております。
当連結会計年度においては、社債(グリーン・ボンド)発行により80億円、シンジケート・ローン(グリーン・ローン)により30億円、相対取引の銀行借入れにより83億円を調達し、主に事業用資産の新規投資や維持更新に充当いたしました。
この他、流動性マネジメントの一環として、キャッシュ・マネジメント・システムを国内で導入し、グループ内の企業相互間の余剰資金を当社が集中管理することで資金の効率化を推進しております。また、海外においては、各拠点の資金需要に対応するため、当社を起点にしたグループ内金融により必要な資金を供給する一方、余剰資金を当社へ還流させる体制を構築しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金等を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当連結会計年度末の有利子負債残高は422億6千7百万円となりました。借入金の計画返済を進めておりますが、前連結会計年度末に比べて社債が80億円、借入金が60億3千8百万円増加したこと等により、有利子負債残高は138億3千1百万円の増加となっております。
(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社においては、従業員の退職給付に備えるため、確定給付型の退職給付制度を設けておりますが、将来の退職給付見込額は、割引率や予想される昇給及び従業員の退職率、死亡率など、さまざまな変動要因を加味して見積られております。これらのうち、昇給及び退職率や死亡率は経済情勢による大きな変動は予想されませんが、割引率については、退職給付の支払見込期間を反映した国債の利回りに基づき決定しておりますので、外部の経済環境により大きく変動する要素だと考えております。
割引率の変動による感応度は次のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、半導体の供給制約の緩和による自動車生産の増加やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな回復傾向となりました。一方で、エネルギーや原材料などの価格高騰による物価上昇、円安の継続などにより、個人消費や設備投資などの内需は停滞するなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。
こうした経済環境下におきまして、物流業界では、物価上昇による個人消費低迷や、製造業における生産調整などが影響し、荷動きは鈍化しました。加えて燃料価格や資材費などの高騰が影響し厳しい状況が続きました。
このような事業環境のなか、当社グループにおきましては、「中期経営計画」で掲げた経営戦略に基づき、様々な施策を実施いたしました。
具体的には、
1.収益基盤の拡充によるトップライン向上[重点(産業)分野への取組み]といたしまして、化学品物流への取組み強化として、輸出入におけるコンテナラウンドユースのサービス実用化に向けトライアルを実施いたしました。また、自動車産業関連物流の国内およびグローバルでの更なる拡大として、昨年8月に三重朝日物流センターを竣工、安定稼働させるとともに、半導体関連材料および高機能素材の取扱い拡大として、昨年7月に亀山低温危険品倉庫を竣工、安定稼働させました。更には、新分野における物流取扱いの創出として、スマイルケア食分野への積極的な営業展開に取り組んでまいりました。
2.TRANCYグループ経営基盤の強化[事業基盤の強化・拡大]といたしまして、持続可能な輸送スキームの再構築として、取引先との協業により、半導体の製造過程で使用される特殊化学品のトラックによる輸送手段に鉄道輸送を組み込むなどのモーダルコンビネーションの運用を本稼働するとともに、化学品物流では拠点間輸送におけるRORO船、鉄道の本格的な活用も開始いたしました。グローバル物流事業の強化・拡大として、タイ現地法人における自社倉庫の拡充について検討を重ねてまいりました。基盤とする四日市港の物流機能の更なる拡充として、四日市港におけるコンテナ用耐震岸壁の拡張ならびに港湾機能の最適化に向けて行政と連携して取り組んでまいりました。DXを活用したBPR(Business Process Re-engineering)の推進として、ペーパーレスピッキングシステムおよび車両の受付システムを導入するとともに、継続的に新技術の研究・検討などに取り組んでまいりました。また、財務体質の強化として、グリーンローンの実行、グリーンボンドの発行など資金調達の多様化を図りました。更には、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、資本・財務戦略について検討を重ねてまいりました。
3.ESG経営/サステナビリティの取組み推進における[物流事業を通じた環境への取組み(E=Environment)]といたしまして、TCFD提言に基づく情報開示に向けてSCOPE1・2・3の算出を進めるとともに、複数の大型物流センターに太陽光発電システムを敷設し、発電電力を当社グループの他拠点においても再生可能エネルギーとして利用できるスキームを導入するなど、環境に配慮した事業の推進に取り組んでまいりました。
[会社の財産である“ヒト”の確保・育成(S=Social)]として、グローバル人財を育成するために、若手社員全員を対象とした短期海外出張研修を導入するとともに、多様な人財が活躍できるよう新たな職群を新設する人事諸制度の整備を実施しました。
[ガバナンスの強化および地域社会への貢献(G=Governance)]として、地域住民等の安心・安全に寄与するため、当社施設を災害発生時の避難施設として開放する協定を自治体と締結するなど、地域社会への貢献に取り組んでまいりました。また、企業風土の醸成を図るため、従業員全員が参加型のサステナビリティ活動に取り組んでまいりました。
当期の事業の概況は、総合物流事業におきましては、倉庫業では、取扱いが全般的には低調に推移したものの自動車部品関連商材の回復により、入出庫にかかる取扱量が増加し、期中平均保管残高は前期に比べ減少しました。港湾運送業では、四日市港における海上コンテナおよび完成自動車の取扱量は輸出・国内ともに増加したものの、石炭・オイルコークスおよび原料関係の取扱量は前期に比べ減少しました。陸上運送業では、鉄道輸送の取扱量は増加したものの、主力のトラック輸送およびバルクコンテナ輸送の取扱量は前期に比べ減少しました。国際複合輸送業では、海上輸送および航空輸送の取扱量は前期に比べ増加したものの、海外現地法人における取扱量は減少しました。このような状況により、総合物流事業全体の売上高は、前年同期比8.8%減の1,205億3千9百万円となりました。
その他の事業におきましては、依然として厳しい環境下ではありましたが、業務の効率化や収支改善に努めました。
以上の結果、当期の連結売上高は、倉庫業は自動車部品関連商材の取扱増加ならびに連結子会社の本格稼働が寄与したことにより好調に推移し、港湾運送業は業務の一部を倉庫業へ区分変更した影響により減少したものの順調に推移しました。一方で国際複合輸送業においては、海上運賃の正常化に伴い、極めて低調に推移したことにより、前年同期比8.6%減の1,225億5千5百万円となりました。連結経常利益は、大型新拠点の稼働に伴う一時費用の増加、販売費及び一般管理費の増加、持分法による投資利益ならびに為替差益の減少などにより、前年同期比18.3%減の73億5千2百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、自社利用のソフトウェア開発にかかる固定資産の減損もあり、前年同期比24.7%減の46億3千3百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 総合物流事業
総合物流事業全般の外部顧客への売上高は、1,205億3千9百万円と前年同期に比べ115億9千5百万円(△8.8%)の減収、セグメント利益(営業利益)は56億8千万円と前年同期に比べ10億1千7百万円(△15.2%)の減益となりました。
<倉庫業>当部門におきましては、期中平均保管残高は前年同期比6.3%減の56万3千トンとなりました。期中貨物入出庫トン数につきましては、前年同期比3.8%増の864万3千トンとなり、保管貨物回転率は63.0%(前期58.4%)となりました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比10.9%増の484億4千5百万円の計上となりました。
<港湾運送業>当部門におきましては、四日市港における海上コンテナの取扱量は、前年同期比3.9%増の20万3千本(20フィート換算)と増加しました。また完成自動車の取扱量も輸出・国内ともに増加したものの、石炭・オイルコークスおよび原料関係の取扱量は前年同期に比べ減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比6.4%減の212億4千5百万円の計上となりました。
<陸上運送業>当部門におきましては、主力のトラック輸送の取扱量は、前年同期比2.0%減の629万4千トン、鉄道輸送の取扱量は前年同期比0.9%増の15万トン、バルクコンテナ輸送の取扱量は前年同期比1.0%減の21万2千トンとなりました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比0.7%増の183億6千6百万円の計上となりました。
<国際複合輸送業>当部門におきましては、海上輸送における輸出入の取扱量は前年同期比6.3%増の182万4千トンとなり、航空輸送における輸出入の取扱量は前年同期比0.9%増の1,537トンとなりました。一方、海上運賃の正常化や為替の影響を受けました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比32.7%減の308億1千万円の計上となりました。
<その他>当部門におきましては、場内作業の取扱量が減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比4.5%減の16億7千万円の計上となりました。
② その他の事業
その他の事業では、自動車整備業における車検取扱台数は前年同期比4.6%の減少、ゴルフ場の入場者数は前年同期比6.2%の減少、不動産事業の完成工事件数は前年同期比17.1%の増加となりました。
以上の結果、当部門の外部顧客への売上高は、20億1千6百万円と、前年同期に比べ8千6百万円(4.5%)の増収、セグメント利益(営業利益)は6億8千2百万円と前年同期に比べ9千万円(15.3%)の増益となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ231億5千6百万円増加し、1,603億2千3百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加21億7千9百万円を主な要因として24億2千8百万円増加し、固定資産は、有形固定資産の増加128億3千8百万円を主な要因として207億2千8百万円増加しました。
負債は、社債の発行および長期借入金の増加を主な要因として136億9千3百万円増加し、711億1千7百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ94億6千3百万円増加し、892億5百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の55.9%から53.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、有形及び無形固定資産の取得による支出180億9百万円などがあったものの、長期借入れによる収入113億円および社債の発行による収入79億5千6百万円などによる増加により、前連結会計年度末に比べ19億9千2百万円増加し、当連結会計年度末には215億7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果増加した資金は、72億8千2百万円(前年同期比43億1千2百万円の収入減)となりました。これは主に、法人税等の支払額29億5千3百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益70億1千8百万円、減価償却費50億9千7百万円の資金留保等による増加の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果減少した資金は、180億3千5百万円(前年同期比150億6千9百万円の支出増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出180億9百万円等による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果増加した資金は、122億3百万円(前年同期比154億6千2百万円の収入増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入113億円および社債の発行による収入79億5千6百万円による増加の結果であります。
(4)生産、受注および販売の実績
セグメント別営業概況
① 総合物流事業
最近における倉庫保管貨物入出庫高ならびに期末保管残高を示せば次のとおりであります。
| 期間 | 入庫高 | 出庫高 | 期末保管残高 | |||
| 屯数(屯) | 金額 (百万円) | 屯数(屯) | 金額 (百万円) | 屯数(屯) | 金額 (百万円) | |
| 2023年4月1日から 2024年3月31日まで | 4,297,982 | 1,129,398 | 4,345,965 | 1,119,490 | 542,868 | 188,570 |
| 前年同期比増減(%) | 2.4 | 3.7 | 5.1 | 5.4 | △9.5 | 3.2 |
保管貨物残高を品目別に示せば次のとおりであります。
| 品目 | 2024年3月31日現在 | |||
| 屯数(屯) | 前年同期比増減 (%) | 金額(百万円) | 前年同期比増減 (%) | |
| 農水産品 | 21,359 | △46.7 | 6,979 | △34.0 |
| 金属 | 5,851 | △23.2 | 2,690 | △28.3 |
| 金属製品・機械 | 126,148 | 43.7 | 46,685 | 48.3 |
| 窯業品 | 114 | △11.6 | 17 | △78.5 |
| 化学工業品 | 208,451 | △9.0 | 78,332 | △11.9 |
| 紙・パルプ | 11,299 | △13.0 | 4,149 | △21.9 |
| 繊維工業品 | 516 | △65.2 | 165 | △64.6 |
| 食料工業品 | 25,243 | △34.0 | 8,489 | △28.9 |
| 雑工業品 | 58,124 | △12.4 | 22,685 | 24.4 |
| 雑品 | 85,763 | △26.1 | 18,374 | 54.7 |
| 合計 | 542,868 | △9.5 | 188,570 | 3.2 |
港湾運送業の最近の貨物取扱高を示せば次のとおりであります。
| 期間 | 船内荷役(屯) | 前年同期比増減 (%) | 沿岸荷役 (内 輸出貨物) (屯) | 前年同期比増減 (%) |
| 2023年4月1日から 2024年3月31日まで | 12,430,536 | 2.5 | 4,173,221 (1,034,551) | 0.2 (1.0) |
貨物自動車運送業および鉄道利用運送業の最近の貨物取扱高を示せば次のとおりであります。
| 期間 | 貨物自動車運送業 (屯) | 前年同期比増減 (%) | 鉄道利用運送業 (屯) | 前年同期比増減 (%) |
| 2023年4月1日から 2024年3月31日まで | 6,294,077 | △2.0 | 150,893 | 0.9 |
② その他の事業
保険代理店の契約実績を示せば次のとおりであります。
| 期間 | 契約件数(件) | 前年同期比増減 (%) | 契約保険金額 (千円) | 前年同期比増減 (%) |
| 2023年4月1日から 2024年3月31日まで | 3,509 | 10.7 | 501,696 | △11.7 |
ゴルフ場の入場者数を示せば次のとおりであります。
| 期間 | メンバー(人) | 前年同期比増減 (%) | ビジター(人) | 前年同期比増減 (%) |
| 2023年4月1日から 2024年3月31日まで | 6,801 | △5.6 | 30,462 | △6.3 |
自動車整備台数を示せば次のとおりであります。
| 期間 | 車検台数(件) | 前年同期比増減 (%) |
| 2023年4月1日から 2024年3月31日まで | 1,288 | △4.6 |
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示せば次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 売上高(百万円) | 前年同期比増減(%) | |
| 総合物流事業 | 倉庫業 | 48,445 | 10.9 |
| 港湾運送業 | 21,245 | △6.4 | |
| 陸上運送業 | 18,366 | 0.7 | |
| 国際複合輸送業 | 30,810 | △32.7 | |
| その他 | 1,670 | △4.5 | |
| その他の事業 | 2,016 | 4.5 | |
| 合計 | 122,555 | △8.6 | |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高 (百万円) | 割合(%) | 売上高 (百万円) | 割合(%) | |
| 住友電装株式会社 | - | - | 13,501 | 11.0 |
(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)今期の経営成績の分析
(営業収益)
当期の事業全体およびセグメント別の分析につきましては、「経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価)
売上高が減少したことなどから、1,090億5千7百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
WEB会議システム等のIT技術の利用促進など、継続的な業務改善により、一般管理費の増加抑制に努めたものの、物価上昇や営業活動などの活発化等により費用が増加したことなどから、72億5千6百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
(営業利益)
継続してコスト管理の徹底や、業務の効率化、収支改善、働き方改革へ取り組んでおりますが、売上高が減少したことなどから、62億4千1百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(経常利益)
大型新拠点の稼働に伴う一時費用の増加、販売費および一般管理費の増加、持分法による投資利益ならびに為替差益の縮小などから、73億5千2百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
自社利用のソフトウェア開発にかかる固定資産の減損などにより、46億3千3百万円(前年同期比24.7%減)となりました。
上記のとおり、当期の当社グループの経営成績につきましては、営業収益は3期振りの減収、営業利益は4期振りの減益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は6期振りの減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資金調達は、安定的な資金調達と調達コストの抑制を両立させ、自己資本比率や資産構成ならびに営業キャッシュ・フローの各種指標に配慮して、財務リスクを最小化することを基本方針としております。この基本方針に則り、資金調達の手段はその時々の市場環境を考慮したうえで、当社グループにとって最善の手段を選択しております。
当社は長年にわたり、主要な取引先金融機関と良好な関係を維持しており、経常的な資金調達の他、当座貸越契約により、緊急時の流動性を確保しております。さらに、多様な調達手段を確保するため、直接金融による資金調達も見据え、格付投資情報センターの格付けを取得、維持しており、現時点において、Aマイナス(安定的)となっております。
当連結会計年度においては、社債(グリーン・ボンド)発行により80億円、シンジケート・ローン(グリーン・ローン)により30億円、相対取引の銀行借入れにより83億円を調達し、主に事業用資産の新規投資や維持更新に充当いたしました。
この他、流動性マネジメントの一環として、キャッシュ・マネジメント・システムを国内で導入し、グループ内の企業相互間の余剰資金を当社が集中管理することで資金の効率化を推進しております。また、海外においては、各拠点の資金需要に対応するため、当社を起点にしたグループ内金融により必要な資金を供給する一方、余剰資金を当社へ還流させる体制を構築しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | ||
| 自己資本比率 | (%) | 48.5 | 51.5 | 54.1 | 55.9 | 53.3 |
| 時価ベースの自己資本比率 | (%) | 24.7 | 28.7 | 30.0 | 28.6 | 26.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | (年) | 5.0 | 3.8 | 4.2 | 2.5 | 5.8 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | (倍) | 44.0 | 60.8 | 62.2 | 104.6 | 50.2 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金等を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当連結会計年度末の有利子負債残高は422億6千7百万円となりました。借入金の計画返済を進めておりますが、前連結会計年度末に比べて社債が80億円、借入金が60億3千8百万円増加したこと等により、有利子負債残高は138億3千1百万円の増加となっております。
(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社においては、従業員の退職給付に備えるため、確定給付型の退職給付制度を設けておりますが、将来の退職給付見込額は、割引率や予想される昇給及び従業員の退職率、死亡率など、さまざまな変動要因を加味して見積られております。これらのうち、昇給及び退職率や死亡率は経済情勢による大きな変動は予想されませんが、割引率については、退職給付の支払見込期間を反映した国債の利回りに基づき決定しておりますので、外部の経済環境により大きく変動する要素だと考えております。
割引率の変動による感応度は次のとおりです。
| 当連結会計年度末における退職給付債務への影響額 | |
| 割引率が0.5%上昇した場合 | 377百万円の減少 |
| 割引率が0.5%下降した場合 | 411百万円の増加 |