有価証券報告書-第77期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調に推移した上期に対し、第3四半期は消費税率の引き上げや米中貿易摩擦を背景とする中国経済減速などによる影響が出始めました。更には大型台風による災害も重なり、景気に足踏み感がみられました。第4四半期にあっては、中国を発端とする新型コロナウイルス感染症による影響が一気に広まり、経済活動が急激に落ち込みました。生産や物流のサプライチェーンも寸断され、先行きが見えない厳しい状況で期末を迎えることとなりました。
このような状況下におきまして、当社グループは「安全・迅速・信頼」をモットーに、より「堅実な兵機」との信頼を得るべく事業展開を進めてまいりました。
内航事業では、鉄鋼の輸送需要に閉塞感がみられ収益力を下押しする状況で推移しました。更には新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、鉄鋼メーカーの減産による輸送計画が縮小変更されるなど、売上と利益ともに減少しました。
外航事業では、基盤のロシア航路は引続き好調に推移しました。そうしたなか、更なる安定収益の活路を探るべくフィリピンへの新規航路への展開を推進しましたが、鋼材需要の低迷期と景気後退とが重なり、さらには新規航路のコスト先行が響き、前期に比して売上は伸びたものの、利益拡大には至りませんでした。
港運事業では、下期より景気の停滞感が現れ始め、折からの新型コロナウイルス感染症蔓延が業績をさらに低迷させました。しかし、堅調に推移した上期実績がこれをカバーしたことと、期末での一部顧客の大幅な取扱量の増加が、利益の伸長に結び付きました。
倉庫事業では、折からの景気低迷による取扱貨物の減少に加えて、コスト先行となる新倉庫設備が収益性を圧迫しました。前期より新規取り組みとしてスタートした危険品等の取扱事業が収益の底支えに寄与したことで、新倉庫の利益面への影響を最小限に抑え込み、一定の利益を確保することができました。
このように、新型コロナウイルス感染症の影響は各事業に及び、経済活動の基盤である物流事業者である当社の経営成績にも深刻な状況を引き起こしております。特に、内航事業を除く事業においては、相手国の輸出入貨物の停滞を主要因とした取扱量の減少が続いておリます。これらの環境下では、新型コロナウイルス感染症の収束の時期はいまだ不透明であると認識しております。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,337百万円増加し、11,236百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,368百万円増加し、8,700百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ31百万円減少し、2,535百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の取扱量が3,592千トン(前期比205千トン減 94.6%)と落ち込んだこともあり、売上高は13,982百万円(前期比396百万円減 97.2%)と減収になりました。
一方、人手不足を背景とする輸送コストの上昇傾向は収益性を悪化させ、経常利益は318百万円(前期比171百万円減 65.1%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も161百万円(前期比199百万円減 44.8%)と減益になりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
1)海運事業
(イ)内航事業・・・・・当期は建物建設や公共工事等による鉄鋼需要が一段落する中、輸送需要も第2四半期から緩みが見え始め、総じて厳しさが増す状況で推移しました。また、2020年1月より環境負荷の少ない新燃料使用が義務化され、割高となる燃料コストの転嫁問題を抱える中、折からの新型コロナウイルス感染症の影響で輸送計画が停滞するなど、運航効率と収益性を大きく落とす状況で期末を迎えることとなりました。結果としまして、取扱量は前期比較で85%に留まり、売上高は6,432百万円(前期比401百万円減 94.1%)と減収になりました。コスト部分については費用圧縮に努めたものの収益力自体に厳しいものが見られ、営業利益170百万円(前期比96百万円減64.0%)と減益になりました
(ロ)外航事業・・・・・事業の柱であるロシア航路と台湾航路では底堅い実績を確保することができました。一方で前期から続いた一連のプロジェクト輸送が第1四半期に計画通り終了し、収益の上押し力が弱まる状況で推移いたしました。下期よりフィリピン航路への新規参入を試みましたが、基礎貨物とする鋼材需要の低迷期と重なり、厳しい展開となりました。結果としまして、新航路による輸送量の増加効果もあり、売上高は1,697百万円(前期比87百万円増 105.4%)と増収になりましたが、折からの景気後退や新航路がコスト先行になったこともあり、営業利益は38百万円(前期比74百万円減 34.0%)と減益になりました。
2)港運・倉庫事業
(イ)港運事業・・・・・米中貿易摩擦を背景とする中国経済の減速の影響で、景気は期央より徐々に足取りが重いものになりましたが、取扱量の増加が見られたこともあり業績は総じて堅調に推移しました。しかしながら、第4四半期には世界中に広まった新型コロナウイルス感染症の影響で一変し、物流も各所で停滞するなど、先が見えない厳しい状況下で期末を迎えました。結果としまして、上半期の伸展を受けて取扱量は8%近い増量となりましたが、農産品や機械類の取扱いに厳しいものがあり、売上高は4,459百万円(前期比147百万円減 96.8%)と減収になりました。一方で輸送効率を追求すると共に管理経費の圧縮も寄与し、営業利益は45百万円(前期比7百万円増 120.2%)と増益になりました。
(ロ)倉庫事業・・・・・新事業として取り組んだ姫路地区の危険品倉庫が引き続き好調な実績をあげました。方や一般コンテナ貨物を取扱う阪神地区の倉庫については、総じて厳しい展開で推移しました。2020年1月に神戸地区の新倉庫が稼働し、移転コストや償却負担などの先行コストが収益を圧迫する中、折からの新型コロナウイルス感染症の蔓延もあり、事業運営のダメージは大きなものとなりました。結果としまして、姫路地区倉庫が好調なことで売上高は1,391百万円(前期比65百万円増 105.0%)と増収になりました。一方で、神戸地区の新倉庫関連でコスト先行となりましたので、営業利益16百万円(前期比11百万円減 59.8%)と減益になりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ189百万円減少し、当連結会計年度末には、1,394百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は530百万円(前期は677百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益238百万円、減価償却費356百万円等、売上債権の減少額133百万円等に対して、未収消費税等の増加額128百万円、仕入債務の減少額105百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は2,149百万円(前期は237百万円の使用)となりました。
主な内訳は、固定資産の取得による支出2,186百万円等に対して、長期貸付金の回収による収入38百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,428百万円(前期は407百万円の使用)となりました。
主な内訳は、長期借入れによる収入2,900百万円、短期借入金の純増加額200百万円等に対して、長期借入金の返済による支出1,599百万円、配当金の支払額58百万円等によるものであります。
③事業部門別売上高、輸送品目別トン数及び売上高の実績
(1)事業部門別売上高明細
当連結会計年度における事業部門別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)輸送品目別トン数及び売上高明細
当連結会計年度における輸送品目トン数及び売上高を示すと、次のとおりであります。
(注)1.外航事業・内航事業・港運・倉庫事業を合算したものであります。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は11,236百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,337百万円増加いたしました。
流動資産は3,161百万円となり、前連結会計年度末と比較して270百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の減少189百万円、受取手形及び売掛金の減少133百万円等に対して、その他に含まれる未収消費税等の増加128百万円等によるものであります。
固定資産は8,074百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,608百万円増加いたしました。これは主に、兵庫埠頭物流センター建設を始めとする固定資産の増加2,189百万円等に対して、減価償却による固定資産の減少356百万円、時価評価及び評価損計上による投資有価証券の減少259百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は8,700百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,368百万円増加いたしました。
流動負債は4,408百万円となり、前連結会計年度末と比較して284百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等の減少110百万円、買掛金の減少92百万円等によるものであります。
固定負債は4,291百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,653百万円増加いたしました。これは主に、兵庫埠頭物流センター建設用資金を始めとする長期借入金の増加1,521百万円、リース債務の増加62百万円等によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は2,535百万円となり、前連結会計年度末と比較して31百万円減少いたしました。これは主に、時価評価によるその他有価証券評価差額金の減少125百万円等に対して、利益剰余金の増加103百万円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比396百万円減の13,982百万円となりました。
セグメント別では、外航事業で1,697百万円(前期比87百万円増)、倉庫事業で1,391百万円(前期比65百万円増)と前期を上回りました。外航事業では、ロシア航路が年度を通じて順調に推移したことに加え、下期に新規参入を試みたフィリピン航路での売上が売上増の主因となりました。倉庫事業では、前年度より稼働した姫路地区の危険品倉庫が当期は期初より順調に稼働したことが売上増の主因となりました。
これらの事業に対して、内航事業で6,432百万円(前期比401百万円減)、港運事業で4,459百万円(前期比147百万円減)と前期を下回りました。内航事業では、鉄鋼需要の減少に伴い、取扱トン数が1,743千トン(前期比325千トン減)と減少したことが売上減の主因となりました。港運事業では、取扱トン数が1,334千トン(前期比96千トン増)と増加し堅調に推移しておりましたが、第4四半期に世界中に広まった新型コロナウイルス感染症の影響により物流が停滞し、最終的に売上減となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前期比174百万円減の272百万円となりました。セグメント別では、内航事業で170百万円(前期比96百万円減)、外航事業で38百万円(前期比74百万円減)、港運事業で45百万円(前期比7百万円増)、倉庫事業で16百万円(前期比11百万円減)となりました。セグメント全体で管理経費を前期比31百万円削減しましたが、内航事業を始めとする売上の減少をカバーしきれず、外航事業で新規参入したフィリピン航路でのコスト過多や、倉庫事業で兵庫埠頭物流センター稼働の際のコスト先行等もあり、管理経費の削減幅が大きかった港運事業で前年度を上回ったものの、セグメント全体での営業利益は前年度を下回りました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前期比6百万円増の102百万円となりました。主な増減は、台風被害による受取保険金の増加7百万円、受取配当金の増加4百万円、持分法による投資利益の減少5百万円等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前期比3百万円増の56百万円となりました。個々の費用において多大な増減はありませんが、新規調達金利の低下により支払利息は1百万円減少しました。
以上の結果、経常利益は前期比171百万円減の318百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に計上した特別利益はありません。
当連結会計年度に計上した特別損失は、投資有価証券評価損による79百万円(前連結会計年度は関係会社清算損1百万円を計上)となっております。
税金等調整前当期純利益238百万円から法人税等合計76百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は161百万円となり、前連結会計年度に比べ199百万円減少いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、傭船船主・協力会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2020年3月31日現在の債務保証額は、1,333百万円であります。
ハ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は銀行借入により資金調達することとしております。このうち、銀行借入による資金調達に関しましては、運転資金については借入時の金融情勢を考慮して短期借入金及び長期借入金にて調達し、船舶建造、倉庫建設などの設備資金については、一部を除き固定金利の長期借入金にて調達しております。変動金利での借入分は金利の変動リスクに晒されていますが、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジを行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、保有する固定資産のうち、減損の兆候があると認められる資産または資産グループについて将来にわたって得られるキャッシュ・フローを見積り、見積られた将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を認識しております。減損損失を認識した資産または資産グループは、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識および回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローおよび割引率について判断および見積りを行っており、減損処理適用に係る判断の結果によっては、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調に推移した上期に対し、第3四半期は消費税率の引き上げや米中貿易摩擦を背景とする中国経済減速などによる影響が出始めました。更には大型台風による災害も重なり、景気に足踏み感がみられました。第4四半期にあっては、中国を発端とする新型コロナウイルス感染症による影響が一気に広まり、経済活動が急激に落ち込みました。生産や物流のサプライチェーンも寸断され、先行きが見えない厳しい状況で期末を迎えることとなりました。
このような状況下におきまして、当社グループは「安全・迅速・信頼」をモットーに、より「堅実な兵機」との信頼を得るべく事業展開を進めてまいりました。
内航事業では、鉄鋼の輸送需要に閉塞感がみられ収益力を下押しする状況で推移しました。更には新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、鉄鋼メーカーの減産による輸送計画が縮小変更されるなど、売上と利益ともに減少しました。
外航事業では、基盤のロシア航路は引続き好調に推移しました。そうしたなか、更なる安定収益の活路を探るべくフィリピンへの新規航路への展開を推進しましたが、鋼材需要の低迷期と景気後退とが重なり、さらには新規航路のコスト先行が響き、前期に比して売上は伸びたものの、利益拡大には至りませんでした。
港運事業では、下期より景気の停滞感が現れ始め、折からの新型コロナウイルス感染症蔓延が業績をさらに低迷させました。しかし、堅調に推移した上期実績がこれをカバーしたことと、期末での一部顧客の大幅な取扱量の増加が、利益の伸長に結び付きました。
倉庫事業では、折からの景気低迷による取扱貨物の減少に加えて、コスト先行となる新倉庫設備が収益性を圧迫しました。前期より新規取り組みとしてスタートした危険品等の取扱事業が収益の底支えに寄与したことで、新倉庫の利益面への影響を最小限に抑え込み、一定の利益を確保することができました。
このように、新型コロナウイルス感染症の影響は各事業に及び、経済活動の基盤である物流事業者である当社の経営成績にも深刻な状況を引き起こしております。特に、内航事業を除く事業においては、相手国の輸出入貨物の停滞を主要因とした取扱量の減少が続いておリます。これらの環境下では、新型コロナウイルス感染症の収束の時期はいまだ不透明であると認識しております。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,337百万円増加し、11,236百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,368百万円増加し、8,700百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ31百万円減少し、2,535百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の取扱量が3,592千トン(前期比205千トン減 94.6%)と落ち込んだこともあり、売上高は13,982百万円(前期比396百万円減 97.2%)と減収になりました。
一方、人手不足を背景とする輸送コストの上昇傾向は収益性を悪化させ、経常利益は318百万円(前期比171百万円減 65.1%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も161百万円(前期比199百万円減 44.8%)と減益になりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
1)海運事業
(イ)内航事業・・・・・当期は建物建設や公共工事等による鉄鋼需要が一段落する中、輸送需要も第2四半期から緩みが見え始め、総じて厳しさが増す状況で推移しました。また、2020年1月より環境負荷の少ない新燃料使用が義務化され、割高となる燃料コストの転嫁問題を抱える中、折からの新型コロナウイルス感染症の影響で輸送計画が停滞するなど、運航効率と収益性を大きく落とす状況で期末を迎えることとなりました。結果としまして、取扱量は前期比較で85%に留まり、売上高は6,432百万円(前期比401百万円減 94.1%)と減収になりました。コスト部分については費用圧縮に努めたものの収益力自体に厳しいものが見られ、営業利益170百万円(前期比96百万円減64.0%)と減益になりました
(ロ)外航事業・・・・・事業の柱であるロシア航路と台湾航路では底堅い実績を確保することができました。一方で前期から続いた一連のプロジェクト輸送が第1四半期に計画通り終了し、収益の上押し力が弱まる状況で推移いたしました。下期よりフィリピン航路への新規参入を試みましたが、基礎貨物とする鋼材需要の低迷期と重なり、厳しい展開となりました。結果としまして、新航路による輸送量の増加効果もあり、売上高は1,697百万円(前期比87百万円増 105.4%)と増収になりましたが、折からの景気後退や新航路がコスト先行になったこともあり、営業利益は38百万円(前期比74百万円減 34.0%)と減益になりました。
2)港運・倉庫事業
(イ)港運事業・・・・・米中貿易摩擦を背景とする中国経済の減速の影響で、景気は期央より徐々に足取りが重いものになりましたが、取扱量の増加が見られたこともあり業績は総じて堅調に推移しました。しかしながら、第4四半期には世界中に広まった新型コロナウイルス感染症の影響で一変し、物流も各所で停滞するなど、先が見えない厳しい状況下で期末を迎えました。結果としまして、上半期の伸展を受けて取扱量は8%近い増量となりましたが、農産品や機械類の取扱いに厳しいものがあり、売上高は4,459百万円(前期比147百万円減 96.8%)と減収になりました。一方で輸送効率を追求すると共に管理経費の圧縮も寄与し、営業利益は45百万円(前期比7百万円増 120.2%)と増益になりました。
(ロ)倉庫事業・・・・・新事業として取り組んだ姫路地区の危険品倉庫が引き続き好調な実績をあげました。方や一般コンテナ貨物を取扱う阪神地区の倉庫については、総じて厳しい展開で推移しました。2020年1月に神戸地区の新倉庫が稼働し、移転コストや償却負担などの先行コストが収益を圧迫する中、折からの新型コロナウイルス感染症の蔓延もあり、事業運営のダメージは大きなものとなりました。結果としまして、姫路地区倉庫が好調なことで売上高は1,391百万円(前期比65百万円増 105.0%)と増収になりました。一方で、神戸地区の新倉庫関連でコスト先行となりましたので、営業利益16百万円(前期比11百万円減 59.8%)と減益になりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ189百万円減少し、当連結会計年度末には、1,394百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は530百万円(前期は677百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益238百万円、減価償却費356百万円等、売上債権の減少額133百万円等に対して、未収消費税等の増加額128百万円、仕入債務の減少額105百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は2,149百万円(前期は237百万円の使用)となりました。
主な内訳は、固定資産の取得による支出2,186百万円等に対して、長期貸付金の回収による収入38百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,428百万円(前期は407百万円の使用)となりました。
主な内訳は、長期借入れによる収入2,900百万円、短期借入金の純増加額200百万円等に対して、長期借入金の返済による支出1,599百万円、配当金の支払額58百万円等によるものであります。
③事業部門別売上高、輸送品目別トン数及び売上高の実績
(1)事業部門別売上高明細
当連結会計年度における事業部門別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 数量 (千トン) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| (海運事業) | |||
| 内航事業 | 1,743 | 6,432 | 94.1 |
| 外航事業 | 375 | 1,697 | 105.4 |
| (港運・倉庫事業) | |||
| 港運事業 | 1,334 | 4,459 | 96.8 |
| 倉庫事業 | 137 | 1,391 | 104.9 |
| (その他事業) | |||
| 商事・賃貸事業 | - | 0 | 100.0 |
| 合計 | 3,592 | 13,982 | 97.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)輸送品目別トン数及び売上高明細
当連結会計年度における輸送品目トン数及び売上高を示すと、次のとおりであります。
| 輸送品目別 | 数量 (千トン) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 鉄鋼 | 1,691 | 6,563 | 93.4 |
| 飼料 | 7 | 28 | 100.6 |
| 農水産品 | 232 | 632 | 87.8 |
| 油糧 | 104 | 148 | 102.3 |
| 鉱石類 | 46 | 65 | 182.5 |
| 機械類 | 129 | 895 | 92.7 |
| 紙・パルプ | 129 | 14 | 117.5 |
| 自動車 | 56 | 194 | 21,390.9 |
| その他貨物 | 1,198 | 5,440 | 100.0 |
| 合計 | 3,592 | 13,981 | 97.2 |
(注)1.外航事業・内航事業・港運・倉庫事業を合算したものであります。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 大和工業株式会社グループ | 4,046 | 28.1 | 3,825 | 27.3 |
| JFE物流株式会社グループ | 1,315 | 9.2 | 1,274 | 9.1 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は11,236百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,337百万円増加いたしました。
流動資産は3,161百万円となり、前連結会計年度末と比較して270百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の減少189百万円、受取手形及び売掛金の減少133百万円等に対して、その他に含まれる未収消費税等の増加128百万円等によるものであります。
固定資産は8,074百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,608百万円増加いたしました。これは主に、兵庫埠頭物流センター建設を始めとする固定資産の増加2,189百万円等に対して、減価償却による固定資産の減少356百万円、時価評価及び評価損計上による投資有価証券の減少259百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は8,700百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,368百万円増加いたしました。
流動負債は4,408百万円となり、前連結会計年度末と比較して284百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等の減少110百万円、買掛金の減少92百万円等によるものであります。
固定負債は4,291百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,653百万円増加いたしました。これは主に、兵庫埠頭物流センター建設用資金を始めとする長期借入金の増加1,521百万円、リース債務の増加62百万円等によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は2,535百万円となり、前連結会計年度末と比較して31百万円減少いたしました。これは主に、時価評価によるその他有価証券評価差額金の減少125百万円等に対して、利益剰余金の増加103百万円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比396百万円減の13,982百万円となりました。
セグメント別では、外航事業で1,697百万円(前期比87百万円増)、倉庫事業で1,391百万円(前期比65百万円増)と前期を上回りました。外航事業では、ロシア航路が年度を通じて順調に推移したことに加え、下期に新規参入を試みたフィリピン航路での売上が売上増の主因となりました。倉庫事業では、前年度より稼働した姫路地区の危険品倉庫が当期は期初より順調に稼働したことが売上増の主因となりました。
これらの事業に対して、内航事業で6,432百万円(前期比401百万円減)、港運事業で4,459百万円(前期比147百万円減)と前期を下回りました。内航事業では、鉄鋼需要の減少に伴い、取扱トン数が1,743千トン(前期比325千トン減)と減少したことが売上減の主因となりました。港運事業では、取扱トン数が1,334千トン(前期比96千トン増)と増加し堅調に推移しておりましたが、第4四半期に世界中に広まった新型コロナウイルス感染症の影響により物流が停滞し、最終的に売上減となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前期比174百万円減の272百万円となりました。セグメント別では、内航事業で170百万円(前期比96百万円減)、外航事業で38百万円(前期比74百万円減)、港運事業で45百万円(前期比7百万円増)、倉庫事業で16百万円(前期比11百万円減)となりました。セグメント全体で管理経費を前期比31百万円削減しましたが、内航事業を始めとする売上の減少をカバーしきれず、外航事業で新規参入したフィリピン航路でのコスト過多や、倉庫事業で兵庫埠頭物流センター稼働の際のコスト先行等もあり、管理経費の削減幅が大きかった港運事業で前年度を上回ったものの、セグメント全体での営業利益は前年度を下回りました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前期比6百万円増の102百万円となりました。主な増減は、台風被害による受取保険金の増加7百万円、受取配当金の増加4百万円、持分法による投資利益の減少5百万円等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前期比3百万円増の56百万円となりました。個々の費用において多大な増減はありませんが、新規調達金利の低下により支払利息は1百万円減少しました。
以上の結果、経常利益は前期比171百万円減の318百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に計上した特別利益はありません。
当連結会計年度に計上した特別損失は、投資有価証券評価損による79百万円(前連結会計年度は関係会社清算損1百万円を計上)となっております。
税金等調整前当期純利益238百万円から法人税等合計76百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は161百万円となり、前連結会計年度に比べ199百万円減少いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 2,000 | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 4,923 | 1,197 | 1,419 | 726 | 1,581 |
| リース債務 | 112 | 32 | 61 | 19 | - |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、傭船船主・協力会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2020年3月31日現在の債務保証額は、1,333百万円であります。
ハ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は銀行借入により資金調達することとしております。このうち、銀行借入による資金調達に関しましては、運転資金については借入時の金融情勢を考慮して短期借入金及び長期借入金にて調達し、船舶建造、倉庫建設などの設備資金については、一部を除き固定金利の長期借入金にて調達しております。変動金利での借入分は金利の変動リスクに晒されていますが、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジを行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、保有する固定資産のうち、減損の兆候があると認められる資産または資産グループについて将来にわたって得られるキャッシュ・フローを見積り、見積られた将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を認識しております。減損損失を認識した資産または資産グループは、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識および回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローおよび割引率について判断および見積りを行っており、減損処理適用に係る判断の結果によっては、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。