有価証券報告書-第78期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初より大変厳しい状況が想定され、コロナ・ショック対応に終始した1年となりました。海外に目を向ければいち早く回復したとされる中国経済をはじめ、米国の景気が年末に向けて持ち直したことが転換期となりました。これに円安基調が相まって、期末には輸出需要を中心に景況感が上向くように見られましたが、設備投資も大きく後退し、雇用や家計環境も未だ閉塞感が漂っており、景気の実勢はコロナ禍以前のピークには遠く及ばない状況で推移いたしました。
このような状況下におきまして、当社グループの活動は公共の福祉たる運送事業であることを認識し、輸送を止めないことを使命として、各事業所や船舶において社内指針を設け、適切な防疫体制を敷き、「堅実な兵機」との信頼を得るべく、事業展開を進めてまいりました。
海運事業では、先の旅客船での集団感染を教訓に、運航に支障をきたさない様、全ての乗組員の安全と感染防止に徹底した衛生管理を実施し、停船休業させることなく運航が出来ました。一方で、太宗貨物やプラント設備の出荷状況が総じて低調となり、両事業の展開は厳しい結果となりました。
港運・倉庫事業では、生活がコロナ禍で変化したこともあり、物流需要にも大きな変化が見られました。折しも神戸地区の新倉庫を新たな営業の核として展開をした時期と重なり、両事業で時流のニーズを取り込むことができました。一方、米中の景気回復はコンテナ輸送の世界的な停滞を招き、輸出計画が見直しされるなど、港運事業では大変厳しいものとなりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ391百万円増加し、11,628百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ153百万円減少し、8,546百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ545百万円増加し、3,081百万円となりました。
b.経営成績
当期は取扱輸送量3,333千トン(前期比258千トン減 92.8%)と落ち込み、売上高も13,001百万円(前期比981百万円減 93.0%)と減収になりました。また、輸送ロットの縮小化などで収益性が落ちたこともあり、経常利益は209百万円(前期比109百万円減 65.8%)と厳しい展開となりました。一方で、新倉庫の稼働により旧倉庫となった設備資産を売却し特別利益を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は324百万円(前期比162百万円増 200.2%)と大幅な増益となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
1)海運事業
(イ)内航事業・・・・・内航事業の太宗貨物である鉄鋼は国際的な需給バランスの影響を受け、国内需要の回復も鈍いものとなり、総じて大変厳しい状況で推移しました。この対応として、係船措置等を講じる一方、運航効率化、安全運航を目指した船舶再編や新鋭社船の建造を行う等、将来に向けた船団の再構築を進めました。結果としまして、売上高は5,611百万円(前期比821百万円減 87.2%)と減収になりました。運航経費の見直しや管理経費の節減を図りましたが、取扱高減少の影響が大きく、営業利益は115百万円(前期比55百万円減 67.4%)と減益になりました。
(ロ)外航事業・・・・・コロナ禍による世界経済の停滞を受け、ロシア向け航路の輸送需要は足取りが重い中で推移しました。一方で、コスト軽減を目的に、社船を売却しリース運航に変更する等の対応を行いました。また期中より海外船社と業務提携を進め、相互に営業や配船を補完する体制を構築し、新たな商圏獲得に取り組みました。結果としまして、取扱量の減少や輸送ロットの縮小が影響し、売上高は1,195百万円(前期比501百万円減 70.5%)と減収になりました。社船コスト見直しや管理コスト節減に努めましたが、輸送量の減少が大きく響き、営業利益は15百万円(前期比22百万円減 40.7%)と減益になりました。
2)港運・倉庫事業
(イ)港運事業・・・・・コロナ禍で消費経済や生活習慣が一変し、物資の需給関係に大きな変化が見られました。一般製品から素材物資まで輸入貨物の流通全般に大きな影を落とす一方、巣ごもり生活や食品小売業に通じる輸入品等では大きな伸びが見られました。輸出は円安基調で追い風に乗るものの秋口からのコンテナ不足と海上運賃高騰が物流停滞を招き、総じて厳しい展開で推移いたしました。結果としまして、世界的な貿易縮小の影響を受け取扱量は落ちたものの、新規営業の効果が見られ、売上高は4,751百万円(前期比292百万円増 106.6%)と増収になりました。しかしながら、輸送原価の上昇や管理経費が増加し、営業損失は12百万円(前期営業利益45百万円)と利益貢献には至りませんでした。
(ロ)倉庫事業・・・・・新たな事業展開としてスタートした兵庫埠頭物流センターでは、消毒や衛生分野に通じる危険品や化成品を中心に取り扱い需要が高まり、業績拡大の原動力となりました。一方で、円安を追い風とする機械類等一般輸出貨物については、米中の景気急回復を背景に物流に急激な負荷が掛ったことから、コンテナ不足や海上運賃高騰を招き、景気回復に水を差すこととなりました。結果としまして、新倉庫の本格稼働が寄与しコロナ禍のマイナス要因を払拭したことで、売上高は1,442百万円(前期比50百万円増 103.6%)と増収になり、営業利益も67百万円(前期比50百万円増 404.8%)と大幅な増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ605百万円増加し、当連結会計年度末には、1,999百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は790百万円(前期は530百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益381百万円、減価償却費425百万円、未払消費税等の増加額137百万円等に対して、固定資産売却益274百万円、売上債権の増加89百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は416百万円(前期は2,149百万円の使用)となりました。
主な内訳は、固定資産の売却による収入1,075百万円、長期貸付金の回収による収入30百万円等に対して、固定資産の取得による支出680百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は605百万円(前期は1,428百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,612百万円、短期借入金の純減少額200百万円、配当金の支払額59百万円等に対して、長期借入れによる収入1,300百万円等によるものであります。
③事業部門別売上高、輸送品目別トン数及び売上高の実績
(1)事業部門別売上高明細
当連結会計年度における事業部門別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)輸送品目別トン数及び売上高明細
当連結会計年度における輸送品目トン数及び売上高を示すと、次のとおりであります。
(注)1.外航事業・内航事業・港運・倉庫事業を合算したものであります。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は11,628百万円となり、前連結会計年度末と比較して391百万円増加いたしました。
流動資産は3,753百万円となり、前連結会計年度末と比較して592百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加605百万円、受取手形及び売掛金の増加89百万円等に対して、未収消費税等の減少128百万円等によるものであります。
固定資産は7,874百万円となり、前連結会計年度末と比較して200百万円減少いたしました。これは主に、新船建造を始めとする有形固定資産の増加677百万円等、時価評価の上昇等による投資有価証券の増加413百万円に対して、固定資産の売却による減少800百万円、減価償却による固定資産の減少425百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は8,546百万円となり、前連結会計年度末と比較して153百万円減少いたしました。
流動負債は4,366百万円となり、前連結会計年度末と比較して42百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金の減少363百万円等に対して、未払消費税等の増加137百万円、未払金の増加87百万円、支払手形及び買掛金の増加59百万円等によるものであります。
固定負債は4,179百万円となり、前連結会計年度末と比較して111百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少149百万円等に対して、退職給付に係る負債の増加38百万円等によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は3,081百万円となり、前連結会計年度末と比較して545百万円増加いたしました。これは主に、時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加280百万円、利益剰余金の増加265百万円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比981百万円減の13,001百万円となりました。
セグメント別では、港運事業で4,751百万円(前期比292百万円増)、倉庫事業で1,442百万円(前期比50百万円増)と前期を上回りました。港運事業では、新規安定貨物の受注と、コロナ禍による内食需要の増大により運賃価格が高い欧州からの食品輸入が増加したことが売上増の主因となりました。倉庫事業では、2020年1月に営業を開始した兵庫埠頭物流センターが危険物倉庫を軸とした新たな収益基盤としてフル稼働したことが売上増の主因となりました。
これらの事業に対して、内航事業で5,611百万円(前期比821百万円減)、外航事業で1,195百万円(前期比501百万円減)と海運事業にて前期を下回りました。内航事業では、前期から続く鉄鋼需要の減少の影響が大きく、下期にかけて持ち直しの気配があるものの、年度を通じて、取扱トン数が1,471千トン(前期比272千トン減)と減少したことが売上減の主因となりました。外航事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により現地での需要が減少したことから、輸送機会も減少し、主要航路である日露間の輸送を始め、船積みロットが縮小され取扱トン数が318千トン(前期比57千トン減)と減少したことが売上減の主因となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前期比85百万円減の186百万円となりました。セグメント別では、内航事業で115百万円(前期比55百万円減)、外航事業で15百万円(前期比22百万円減)、倉庫事業で67百万円(前期比50百万円増)となりました。一方で、人件費の増大の影響が大きく、管理経費が前年度を55百万円上回った港運事業では12百万円の営業損失(前期は45百万円の営業利益)となりました。セグメント全体で管理経費を前期比12百万円削減しましたが、内航事業を始めとする売上の減少をカバーしきれず、兵庫埠頭物流センターのフル稼働で順調な倉庫事業で前年度を上回ったものの、セグメント全体での営業利益は前年度を下回りました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前期比22百万円減の80百万円となりました。主な増減は、受取保険金の減少9百万円、受取配当金の減少2百万円、持分法による投資利益の増加3百万円等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前期比0万円増の56百万円となりました。主な増減は、控除対象外消費税等の増加13百万円、支払利息の減少10百万円等によるものであります。
以上の結果、経常利益は前期比109百万円減の209百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に計上した特別利益は、固定資産売却益298百万円となっております。
当連結会計年度に計上した特別損失は、本社社屋(神戸物流センター)の修繕に伴う、特別修繕費103百万円、固定資産売却損23百万円、(前連結会計年度は投資有価証券評価損による79百万円を計上)となっております。
税金等調整前当期純利益381百万円から法人税等合計56百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は324百万円となり、前連結会計年度に比べ162百万円増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ)契約債務
2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、傭船船主・協力会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証額は、1,272百万円であります。
ハ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は銀行借入により資金調達することとしております。このうち、銀行借入による資金調達に関しましては、運転資金については借入時の金融情勢を考慮して短期借入金及び長期借入金にて調達し、船舶建造、倉庫建設などの設備資金については、一部を除き固定金利の長期借入金にて調達しております。変動金利での借入分は金利の変動リスクに晒されていますが、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジを行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初より大変厳しい状況が想定され、コロナ・ショック対応に終始した1年となりました。海外に目を向ければいち早く回復したとされる中国経済をはじめ、米国の景気が年末に向けて持ち直したことが転換期となりました。これに円安基調が相まって、期末には輸出需要を中心に景況感が上向くように見られましたが、設備投資も大きく後退し、雇用や家計環境も未だ閉塞感が漂っており、景気の実勢はコロナ禍以前のピークには遠く及ばない状況で推移いたしました。
このような状況下におきまして、当社グループの活動は公共の福祉たる運送事業であることを認識し、輸送を止めないことを使命として、各事業所や船舶において社内指針を設け、適切な防疫体制を敷き、「堅実な兵機」との信頼を得るべく、事業展開を進めてまいりました。
海運事業では、先の旅客船での集団感染を教訓に、運航に支障をきたさない様、全ての乗組員の安全と感染防止に徹底した衛生管理を実施し、停船休業させることなく運航が出来ました。一方で、太宗貨物やプラント設備の出荷状況が総じて低調となり、両事業の展開は厳しい結果となりました。
港運・倉庫事業では、生活がコロナ禍で変化したこともあり、物流需要にも大きな変化が見られました。折しも神戸地区の新倉庫を新たな営業の核として展開をした時期と重なり、両事業で時流のニーズを取り込むことができました。一方、米中の景気回復はコンテナ輸送の世界的な停滞を招き、輸出計画が見直しされるなど、港運事業では大変厳しいものとなりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ391百万円増加し、11,628百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ153百万円減少し、8,546百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ545百万円増加し、3,081百万円となりました。
b.経営成績
当期は取扱輸送量3,333千トン(前期比258千トン減 92.8%)と落ち込み、売上高も13,001百万円(前期比981百万円減 93.0%)と減収になりました。また、輸送ロットの縮小化などで収益性が落ちたこともあり、経常利益は209百万円(前期比109百万円減 65.8%)と厳しい展開となりました。一方で、新倉庫の稼働により旧倉庫となった設備資産を売却し特別利益を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は324百万円(前期比162百万円増 200.2%)と大幅な増益となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
1)海運事業
(イ)内航事業・・・・・内航事業の太宗貨物である鉄鋼は国際的な需給バランスの影響を受け、国内需要の回復も鈍いものとなり、総じて大変厳しい状況で推移しました。この対応として、係船措置等を講じる一方、運航効率化、安全運航を目指した船舶再編や新鋭社船の建造を行う等、将来に向けた船団の再構築を進めました。結果としまして、売上高は5,611百万円(前期比821百万円減 87.2%)と減収になりました。運航経費の見直しや管理経費の節減を図りましたが、取扱高減少の影響が大きく、営業利益は115百万円(前期比55百万円減 67.4%)と減益になりました。
(ロ)外航事業・・・・・コロナ禍による世界経済の停滞を受け、ロシア向け航路の輸送需要は足取りが重い中で推移しました。一方で、コスト軽減を目的に、社船を売却しリース運航に変更する等の対応を行いました。また期中より海外船社と業務提携を進め、相互に営業や配船を補完する体制を構築し、新たな商圏獲得に取り組みました。結果としまして、取扱量の減少や輸送ロットの縮小が影響し、売上高は1,195百万円(前期比501百万円減 70.5%)と減収になりました。社船コスト見直しや管理コスト節減に努めましたが、輸送量の減少が大きく響き、営業利益は15百万円(前期比22百万円減 40.7%)と減益になりました。
2)港運・倉庫事業
(イ)港運事業・・・・・コロナ禍で消費経済や生活習慣が一変し、物資の需給関係に大きな変化が見られました。一般製品から素材物資まで輸入貨物の流通全般に大きな影を落とす一方、巣ごもり生活や食品小売業に通じる輸入品等では大きな伸びが見られました。輸出は円安基調で追い風に乗るものの秋口からのコンテナ不足と海上運賃高騰が物流停滞を招き、総じて厳しい展開で推移いたしました。結果としまして、世界的な貿易縮小の影響を受け取扱量は落ちたものの、新規営業の効果が見られ、売上高は4,751百万円(前期比292百万円増 106.6%)と増収になりました。しかしながら、輸送原価の上昇や管理経費が増加し、営業損失は12百万円(前期営業利益45百万円)と利益貢献には至りませんでした。
(ロ)倉庫事業・・・・・新たな事業展開としてスタートした兵庫埠頭物流センターでは、消毒や衛生分野に通じる危険品や化成品を中心に取り扱い需要が高まり、業績拡大の原動力となりました。一方で、円安を追い風とする機械類等一般輸出貨物については、米中の景気急回復を背景に物流に急激な負荷が掛ったことから、コンテナ不足や海上運賃高騰を招き、景気回復に水を差すこととなりました。結果としまして、新倉庫の本格稼働が寄与しコロナ禍のマイナス要因を払拭したことで、売上高は1,442百万円(前期比50百万円増 103.6%)と増収になり、営業利益も67百万円(前期比50百万円増 404.8%)と大幅な増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ605百万円増加し、当連結会計年度末には、1,999百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は790百万円(前期は530百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益381百万円、減価償却費425百万円、未払消費税等の増加額137百万円等に対して、固定資産売却益274百万円、売上債権の増加89百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は416百万円(前期は2,149百万円の使用)となりました。
主な内訳は、固定資産の売却による収入1,075百万円、長期貸付金の回収による収入30百万円等に対して、固定資産の取得による支出680百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は605百万円(前期は1,428百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,612百万円、短期借入金の純減少額200百万円、配当金の支払額59百万円等に対して、長期借入れによる収入1,300百万円等によるものであります。
③事業部門別売上高、輸送品目別トン数及び売上高の実績
(1)事業部門別売上高明細
当連結会計年度における事業部門別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 数量 (千トン) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| (海運事業) | |||
| 内航事業 | 1,471 | 5,611 | 87.2 |
| 外航事業 | 318 | 1,195 | 70.5 |
| (港運・倉庫事業) | |||
| 港運事業 | 1,228 | 4,751 | 106.6 |
| 倉庫事業 | 314 | 1,442 | 103.6 |
| (その他事業) | |||
| 商事・賃貸事業 | |||
| 合計 | 3,333 | 13,001 | 93.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)輸送品目別トン数及び売上高明細
当連結会計年度における輸送品目トン数及び売上高を示すと、次のとおりであります。
| 輸送品目別 | 数量 (千トン) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 鉄鋼 | 1,596 | 5,722 | 87.2 |
| 飼料 | 7 | 38 | 138.7 |
| 農水産品 | 276 | 929 | 146.9 |
| 油糧 | 100 | 139 | 94.1 |
| 鉱石類 | 56 | 70 | 108.5 |
| 機械類 | 91 | 652 | 72.9 |
| 紙・パルプ | 35 | 8 | 61.2 |
| 自動車 | 1 | 1 | 0.9 |
| その他貨物 | 1,172 | 5,436 | 99.9 |
| 合計 | 3,333 | 13,001 | 93.0 |
(注)1.外航事業・内航事業・港運・倉庫事業を合算したものであります。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 大和工業株式会社グループ | 3,825 | 27.3 | 3,525 | 27.1 |
| JFE物流株式会社グループ | 1,274 | 9.1 | 968 | 7.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は11,628百万円となり、前連結会計年度末と比較して391百万円増加いたしました。
流動資産は3,753百万円となり、前連結会計年度末と比較して592百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加605百万円、受取手形及び売掛金の増加89百万円等に対して、未収消費税等の減少128百万円等によるものであります。
固定資産は7,874百万円となり、前連結会計年度末と比較して200百万円減少いたしました。これは主に、新船建造を始めとする有形固定資産の増加677百万円等、時価評価の上昇等による投資有価証券の増加413百万円に対して、固定資産の売却による減少800百万円、減価償却による固定資産の減少425百万円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は8,546百万円となり、前連結会計年度末と比較して153百万円減少いたしました。
流動負債は4,366百万円となり、前連結会計年度末と比較して42百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金の減少363百万円等に対して、未払消費税等の増加137百万円、未払金の増加87百万円、支払手形及び買掛金の増加59百万円等によるものであります。
固定負債は4,179百万円となり、前連結会計年度末と比較して111百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少149百万円等に対して、退職給付に係る負債の増加38百万円等によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は3,081百万円となり、前連結会計年度末と比較して545百万円増加いたしました。これは主に、時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加280百万円、利益剰余金の増加265百万円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比981百万円減の13,001百万円となりました。
セグメント別では、港運事業で4,751百万円(前期比292百万円増)、倉庫事業で1,442百万円(前期比50百万円増)と前期を上回りました。港運事業では、新規安定貨物の受注と、コロナ禍による内食需要の増大により運賃価格が高い欧州からの食品輸入が増加したことが売上増の主因となりました。倉庫事業では、2020年1月に営業を開始した兵庫埠頭物流センターが危険物倉庫を軸とした新たな収益基盤としてフル稼働したことが売上増の主因となりました。
これらの事業に対して、内航事業で5,611百万円(前期比821百万円減)、外航事業で1,195百万円(前期比501百万円減)と海運事業にて前期を下回りました。内航事業では、前期から続く鉄鋼需要の減少の影響が大きく、下期にかけて持ち直しの気配があるものの、年度を通じて、取扱トン数が1,471千トン(前期比272千トン減)と減少したことが売上減の主因となりました。外航事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により現地での需要が減少したことから、輸送機会も減少し、主要航路である日露間の輸送を始め、船積みロットが縮小され取扱トン数が318千トン(前期比57千トン減)と減少したことが売上減の主因となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前期比85百万円減の186百万円となりました。セグメント別では、内航事業で115百万円(前期比55百万円減)、外航事業で15百万円(前期比22百万円減)、倉庫事業で67百万円(前期比50百万円増)となりました。一方で、人件費の増大の影響が大きく、管理経費が前年度を55百万円上回った港運事業では12百万円の営業損失(前期は45百万円の営業利益)となりました。セグメント全体で管理経費を前期比12百万円削減しましたが、内航事業を始めとする売上の減少をカバーしきれず、兵庫埠頭物流センターのフル稼働で順調な倉庫事業で前年度を上回ったものの、セグメント全体での営業利益は前年度を下回りました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前期比22百万円減の80百万円となりました。主な増減は、受取保険金の減少9百万円、受取配当金の減少2百万円、持分法による投資利益の増加3百万円等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前期比0万円増の56百万円となりました。主な増減は、控除対象外消費税等の増加13百万円、支払利息の減少10百万円等によるものであります。
以上の結果、経常利益は前期比109百万円減の209百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に計上した特別利益は、固定資産売却益298百万円となっております。
当連結会計年度に計上した特別損失は、本社社屋(神戸物流センター)の修繕に伴う、特別修繕費103百万円、固定資産売却損23百万円、(前連結会計年度は投資有価証券評価損による79百万円を計上)となっております。
税金等調整前当期純利益381百万円から法人税等合計56百万円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は324百万円となり、前連結会計年度に比べ162百万円増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ)契約債務
2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 1,800 | 1,800 | - | - | - |
| 長期借入金 | 4,611 | 1,033 | 1,222 | 683 | 1,671 |
| リース債務 | 80 | 32 | 47 | - | - |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、傭船船主・協力会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証額は、1,272百万円であります。
ハ)財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は銀行借入により資金調達することとしております。このうち、銀行借入による資金調達に関しましては、運転資金については借入時の金融情勢を考慮して短期借入金及び長期借入金にて調達し、船舶建造、倉庫建設などの設備資金については、一部を除き固定金利の長期借入金にて調達しております。変動金利での借入分は金利の変動リスクに晒されていますが、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジを行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。