有価証券報告書-第83期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/17 12:58
【資料】
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【項目】
142項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまからの信頼を事業活動の原点に据え、お客さまに愛される会社であり続けることを目指して、他社グループにはない旅行事業のビジネスモデルを構築し、リスク管理を含めた内部統制の強化、CSR活動の充実を図ることにより、当社グループ全体の企業価値を高めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社では、令和2年度を最終年度とする中期経営計画を策定し、同年開催の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の増収効果を織り込んだ経営指標を目標としてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、前提としていた経営環境が根底から覆りました。旅行事業は新型感染症の影響が最も大きい事業の一つであり、感染拡大の収束時期が見えない状況のもと新しい経営指標目標を合理的に設定することは困難でありますが、今後も新型コロナウイルスの影響が相当期間残ることを前提に、現在事業の見直しを進めており、新しい経営環境に即した経営指標目標を策定中であります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
①新型コロナウイルスの感染拡大の影響について
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和2年2月から個人旅行および団体旅行のキャンセルが相次ぎ、新規の旅行予約が大幅に減少いたしました。当社グループでは、店舗の時短営業を進め、緊急事態宣言後は関係地域の店舗を順次休業、6月1日以降徐々に再開いたしましたが、現在もなお国内旅行需要は大幅な減退が続き、海外旅行需要は消失しています。この状況は、当社グループのサプライチェーンに当たる宿泊機関、輸送機関等の協力会社の経営にも厳しい影響を及ぼしています。
これまで旅行業は、可能な限り多くのお客さまを集客し、交通機関、宿泊機関のスペースを有効活用することで、収益性を高めてまいりましたが、新型コロナウイルス禍のもとではこのビジネスモデルを見直さざるを得ず、今後当社グループは、感染リスクの少ない、より安全・安心な旅行の提供に注力してまいります。商品面ではさらに信頼性の高い交通機関・宿泊機関を選別して「密」の生じない旅程を組み、販売面ではWeb販売の拡大、「旅のコンシェルジュ」などオンラインを利用した接客、来店予約制度を活用するなど対策を講じてまいります。併せて、取締役会の審議に基づき、新しい経営環境に即したコスト構造の見直しを進めてまいります。
一方で当社グループは、このような旅行の安全性が重視される状況は、大手旅行会社のオペレーションが優位に働く機会と捉えており、社内外の安全ガイドラインを整備・遵守し、協力会社と連携して、新常態の旅行市場が求める旅行を提供していくこととしております。
②その他の対処すべき課題
今後につきましては、新型コロナウイルスの世界経済、国内経済への影響は際限が見えず、当面非常に厳しい状況が続くと予想されます。
旅行業界におきましては、現在もなお旅行の自粛や出控えが収まらず、回復の見通しも見えませんが、長期的には訪日外国人の増加が見込まれ、コト消費の拡大、令和7年の大阪・関西万博もあり、旅行市場は次第に回復していくものと予想されます。
このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の緊急経済対策として官民一体で実施される「Go To Travelキャンペーン(仮称)」に呼応し、感染症の収束後大幅な拡大が期待される旅行需要を確実に捉えられるよう、関係協力機関とともに態勢整備を進めてまいります。また、安全と健康に留意した旅行商品をさらに充実し、総合旅行会社として、観光で国内外の「人の流れとにぎわい」を取り戻し地域の活性化に貢献できるよう努めてまいります。
なお、当社グループがオフィシャルパートナー(旅行業)を務める、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が延期となったことにつきましては、すでに販売・受注した観戦ツアーやホスピタリティプログラムの再契約等様々な課題が生じていますが、当社といたしましては改めて大会の成功に向け万全を尽くす所存であります。
このほか、中長期的な課題といたしまして、令和2年度においてもWeb販売の拡大を中心に、以下の施策を進めてまいります。
まず、輸送機関や宿泊機関から受けたデータをそのまま活用して、Web商品を造成するシステムを本年3月から、さらに旅行パンフレットの作成まで自動化するシステムを5月から本格稼働し、Web商品の造成、旅行パンフレットの制作スピードを大幅に向上いたします。4月には近畿日本ツーリストのWebサイトでキャンペーン商品等の割引クーポンを発行するシステムを稼働し、Webを通じた販売促進の拡充を図ってまいります。また、5月には、近畿日本ツーリストの国内旅行商品「メイト」とクラブツーリズムの国内旅行商品を一度に検索表示できるシステムを稼働し、両サイトの実質的な一体化を完結いたします。さらに10月には、国内航空2社の新IIT運賃(新個人包括旅行運賃)ならびにJR各社の旅行会社向け割引運賃制度に関わる変更に対応するため、新たに「国内旅行ダイナミック・パッケージシステム」を稼働いたします。これにより、国内航空2社の航空機、JR列車とお好みの宿泊施設を自由に組み合わせて予約できる新しいダイナミック・パッケージ商品の販売を開始いたします。
次に、このWeb販売の拡大に合わせて、店頭販売の改革を進めてまいります。従来店頭では、旅行パンフレットでの販売を中心に営業を行ってまいりましたが、本年3月からグループ全店の店頭係員にタブレット端末を配布し、Webに馴染みのないお客さまにも安心してWeb商品をお買い求めいただける態勢を築いています。当社グループでは、今後さらにこのノウハウを積み重ね、接客を活用したWeb商品の販売を拡大してまいります。
令和2年度は、新型コロナウイルスの影響が残り、なお非常に厳しい経営環境が続きますが、当社といたしましてはこれらの経営課題を達成し、事業構造の強靭化を図ってまいります。加えて、SDGs(Sustainable Development Goals<持続可能な開発目標>)をはじめとするCSRの推進、リスク管理の強化、コーポレートガバナンスの充実を図り、企業価値の向上に努めてまいります。

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