有価証券報告書-第19期(2023/04/01-2024/03/31)
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用の関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中で、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、世界的なエネルギー・食料価格の高騰等により、依然として先行きが不透明な状況となりました。
その一方で、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重要なものとなっています。
このような中、「経営計画チャレンジV 2021-2025」の3年目となる令和5年度は、経営方針に掲げる「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」、「高速道路の機能強化と広くお客さまに利用される高速道路空間への進化」、「デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦」、「お客さまをはじめとするステークホルダーの期待に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを進めました。更に、高速道路の機能強化や自動運転等のイノベーションに対応した高速道路の進化等を定めた「高速道路における安全・安心実施計画」に基づき、高速道路の安全性や信頼性、使いやすさの向上に取り組みました。
「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」については、平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた「安全性向上への「5つの取組み方針」」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「道路構造物等の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでいます。
「高速道路の機能強化と広くお客さまに利用される高速道路空間への進化」については、新東名高速道路等のネットワーク整備やスマートインターチェンジの整備、渋滞対策、高速道路リニューアルプロジェクトによる老朽化対策、耐震補強対策、豪雨や豪雪等激甚化かつ頻発化する自然災害への対応強化等の取組みを計画的に進めています。加えて、東海北陸自動車道をはじめとする暫定2車線区間の4車線化、新名神高速道路の6車線化、ダブル連結トラック等高速トラック輸送の効率化に向けた駐車マスや中継輸送拠点等の環境整備に取り組み、高速道路の更なる機能強化を図るとともに、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を進めています。また、駐車マスの拡充、計画的なリニューアル、多様なニーズにお応えするサービスの提供等による休憩施設の快適性と利便性の向上、地域間交流の促進や地域活性化が期待される企画割引の充実等に取り組み、より広くお客さまに利用される高速道路空間へ進化させていきます。
「デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦」については、次世代技術を活用した革新的な高速道路保全マネジメント「i-MOVEMENT(アイムーブメント)」や建設現場の生産性を向上させる「i-Construction(アイコンストラクション)」、完全自動運転(レベル4)の実現のための路車間協調設備の構築等、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくとともに、その実現に向けた革新的な技術開発や高度な専門性を有する人財育成にも積極的に取り組んでいます。加えて、高速道路ネットワークの整備をはじめとする当社グループのあらゆる事業活動を通じて、地球温暖化の抑制に寄与するCO2排出量の削減等に着実に取り組むとともに、脱炭素社会はもとより、持続可能な開発目標(SDGs)がめざす持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。
「お客さまをはじめとするステークホルダーの期待に応え続けるための経営基盤の強化」については、環境変化への感度が高く強い現場力を持つ人財の育成やリモートワーク環境等のデジタル技術の一層の活用、在宅勤務をはじめとする多様で柔軟な働き方が可能となる制度や職場環境の整備、健康経営の推進等、生産性向上や働き方改革に資する取組みを進めています。加えて、効率的な事業運営のもと、将来に向けた効果的な投資を行うことで、新たなサービスの提供や質の向上に努め、当社グループの競争力を高めていきます。
引き続き、お客さまに安心して高速道路をご利用いただけるよう、上記の経営方針に基づく取組みを着実に実施していくとともに、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を決して忘れることなく、ご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
そのほか、橋梁の耐震補強工事で鉄筋が不足する施工不良事案については、令和2年11月16日に事案の原因究明のための調査と再発防止のあり方の提言を行うための外部有識者による「E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会」を設置しました。また、当該調査委員会からの「報告書」を受け、令和3年7月29日に「再発防止策」を策定しました。当該再発防止策が実効性あるものとするため、社内に「中央道の耐震補強工事施工不良事案に対する再発防止策のフォローアップ委員会」を設置し、その実施状況や効果等を検証しながら、全社を挙げて再発防止に取り組んでいます。
こうした中、当連結会計年度の営業収益は983,955百万円(前年同期比14.8%減)、営業利益は10,935百万円(同193.4%増)、経常利益は12,377百万円(同132.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,575百万円(同204.1%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、経営方針の最上位である「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」のもと、高速道路ネットワークの整備を着実かつ効率的に進め、地域の期待に応えるため、ミッシングリンクの解消や機能強化を行いました。
当連結会計年度において推進した建設事業としては、新東名高速道路新秦野インターチェンジ~新御殿場インターチェンジ間、東京外かく環状道路中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間、東海環状自動車道山県インターチェンジ~大野神戸インターチェンジ間及び養老インターチェンジ~大安インターチェンジ間の新設事業、新名神高速道路亀山西ジャンクション~甲賀土山インターチェンジ間の6車線化事業並びに東海北陸自動車道白川郷インターチェンジ~南砺スマートインターチェンジ間、東海環状自動車道土岐ジャンクション~美濃加茂インターチェンジ間及び紀勢自動車道勢和多気ジャンクション~紀勢大内山インターチェンジ間の4車線化事業が挙げられます。
お客さまの利便性の向上と地域の活性化のため、2箇所のスマートインターチェンジ(名神高速道路多賀スマートインターチェンジ(下り)(滋賀県犬上郡多賀町)、東海北陸自動車道城端スマートインターチェンジ(富山県南砺市))を開通させました。そのほか12箇所のスマートインターチェンジについて、自治体と連携して事業を着実に推進しています。
また、建設現場の生産性を向上させる「i-Construction」を推進しており、モデル事務所においてICTや3次元データを活用した工事や調査・測量・設計を試行し、各プロセスにおける省力化や効率化、自動化、高度化に取り組む等、令和7年度までに調査・設計、工事においてICTを全面的に導入し、建設現場の生産性を高めることを目指しています。
保全・サービス事業については、「安全を何よりも優先」とする企業理念に基づき、経営方針の最上位に掲げられた「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」を目指して、安全を最優先に、信頼性の高い高速道路ネットワークとお客さまに満足いただけるサービスを24時間365日提供するため、高速道路の点検や、維持・補修・修繕等を行いました。
道路構造物等の点検に関しては、日々の高速道路の巡回による点検を行っているほか、橋梁やトンネル等については、法令に基づき、5年に1度、近接目視等による詳細点検を行っています。また、変状が確認された構造物は、計画的な補修を進めています。
高速道路ネットワークを健全な状態で次世代に引き継ぐため、橋梁やトンネル等の構造物を最新の技術を用いて補修・補強し、建設当初と同等又はそれ以上の性能や機能を回復することで、高速道路をこれからも長く健全に保つ「高速道路リニューアルプロジェクト」に取り組むとともに、令和5年1月には新たな知見に基づく「更新計画(概略)」を当社、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱の3社連名で公表し、令和6年1月には「東・中・西日本高速道路の更新計画」を策定及び公表し、同年3月27日に国土交通大臣から事業許可を受けました。
また、平成28年4月に発生した熊本地震における橋梁の被災状況を踏まえ、緊急輸送道路としての機能を速やかに回復し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、橋梁の耐震補強及び支承逸脱対策に取り組んでいます。令和6年1月には当社、東日本高速道路㈱、西日本高速道路㈱及び本州四国連絡道路㈱の4社で「高速道路の耐震補強実施計画(概要)」を公表しました。
道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、車両重量計等を活用した取締り、自動計測装置の整備による常時取締りに取り組んでおり、違反の度合いに応じて点数を付与し、累積点数が一定に達した場合に大口・多頻度割引停止措置等を講ずるとともに、悪質な違反者に対する告発を実施しています。
大規模災害時の対応力強化については、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」等に則り、発災後の人命救助に重要な72時間を意識しつつ、24時間で広域移動ルートとすべく、高速道路ネットワークを活用した迅速な緊急交通路を確保するとともに、「救助・救急、消火等」、「医療」、「物資」、「燃料」の各分野の活動のための広域進出拠点として、休憩施設が活用できるように取り組んでいます。
令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、北陸自動車道では朝日インターチェンジ~丸岡インターチェンジ間、東海北陸自動車道では白川郷インターチェンジ~小矢部砺波ジャンクション間の通行止めを実施しましたが、地震発生から約5時間後の21時には緊急交通路の機能を確保するとともに、点検により確認された18箇所の損傷の応急復旧を速やかに完了させ、翌日2日の21時には全区間の通行止めを解除しました。その後の余震により、新たに12箇所の損傷が発見され、計30箇所の損傷の本復旧作業を進め、3月31日現在20箇所の本復旧作業が完了し、残り10箇所の本復旧作業を鋭意進めています。
また、地震により大きな被害を受けた珠洲市、輪島市、志賀町、中能登町の被災地支援として、NEXCO東日本及び西日本と連携し、1月7日からトイレカーや給水車の派遣を実施しており、3月31日現在で13箇所27台を継続派遣しています。
大雪時の道路交通確保として、除雪体制の強化、立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、救援車両の配備、大雪事前広報、関係機関との連携強化等の取組みに加えて、短期間の集中的な大雪時には、人命を最優先に大規模な車両滞留を回避することを基本的な考え方と捉え、国による大雪に関する緊急発表や除雪能力を超過する降雪に対しては、予防的通行止めを前提に取り組み、高速道路と国道が並行する区間については、一方が通行止めとなった場合、他方の道路への交通集中による大規模滞留を回避するため、高速道路と国道を同時に通行止めにする「同時通行止め」を実施しました。大雪が予測される3日前からテレビCM、公式WEBサイトを中心にSNS等多様な広報媒体を活用して、徹底した出控え要請を行い、躊躇なく通行止めを実施するとともに、集中除雪による早期の通行止め解除に取り組みました。
一方で、予測を大幅に超える気象急変によるスタック車両、大規模な車両滞留が発生する可能性に備えて、モニター監視員の専任配置、雪氷巡回の増隊に加え、スタック車両の救出やお客さま支援を早期に実施するため、現地支援人員の拡充やトラクターショベルやレッカーの増車、可能な限り近傍への前進配置等の対策強化を図ることとしました。
交通事故対策として、事故多発地点の集中的な対策とともに、逆走防止対策や一般道からの誤進入対策、交通安全の啓発活動に取り組みました。
また、暫定2車線区間における正面衝突事故防止対策として、土工区間や長さ50m未満の橋梁区間でワイヤロープの設置を進め、令和4年度に概成しています。更に、長さ50m以上の橋梁区間とトンネル区間では、センターブロックやセンターパイプの試行に取り組んでいます。
渋滞対策として、東名高速道路(大和トンネル付近、東名三好インターチェンジ付近)、中央自動車道(小仏トンネル付近、相模湖インターチェンジ付近、三鷹バスストップ付近)及び名神高速道路(一宮ジャンクション付近)の付加車線設置事業について着実に推進しています。
ETC利用率の拡大等の社会情勢の変化を踏まえ、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を進めており、令和6年3月末までに15箇所(下表参照)でETC専用化の運用を開始しました。
更に、最先端のICT・ロボティクス技術の導入等により、少子高齢化やデジタル技術の進展等による社会環境の変化、お客さまニーズの多様化を踏まえた情報提供の高度化等、当社グループを取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化に貢献する革新的なプロジェクト「i-MOVEMENT」を推進しています。また、当プロジェクトの実現に向けて、コンソーシアム方式によりオープンイノベーションを推進する組織として設立した「イノベーション交流会」では、「交通サービスの進化・高度化」、「高速道路保全マネジメントの高度化」のそれぞれのテーマに関して、会員の企業・団体から提案された技術の高速道路保全現場への適用性の実証に取り組んでいます。
こうした中、営業収益は903,524百万円(前年同期比17.1%減)、営業利益は4,936百万円(前年同期は営業損失413百万円)となりました。
営業収益の減少は、料金収入が増加した一方、前連結会計年度の機構への道路資産引渡額が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は672,113百万円(前年同期比2.5%増)でした。
(休憩所事業)
休憩所事業については、地域の特色を活かした店舗づくり、魅力ある商品の販売、様々なニーズに応えるサービスの導入を進めるとともに、地域と連携した各種イベントやキャンペーンを積極的に開催する等、お客さまサービスの質の向上や地域社会との連携・交流を推進しました。
サービスエリアの快適性と利便性の向上への取組みとして、計7箇所において、リニューアルを行いました。特に、中央自動車道境川パーキングエリア(上り線)では、建替えにあわせて、フードコートとショッピングコーナーを拡充するとともに、ベビーコーナーを新設する等、より快適にお過ごしいただけるサービスエリアに全面リニューアルしました。加えて、プロドライバーのお客さまをサポートするため、中央自動車道恵那峡サービスエリア(下り線)、双葉サービスエリア(上り線)、東海北陸自動車道関サービスエリア(上り線)の計3箇所において、コインシャワーとコインランドリーを新設しました。
また、地域貢献の取組みとして、令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震を受け、サービスエリアにおいて、能登や石川県をはじめ北陸地方の産品を集めたフェアを開催し、北陸地方の応援を行いました。加えて、現在整備を進めている新東名高速道路秦野丹沢サービスエリア(上り線)建設予定地の一部を活用し、周辺地域の観光誘客を支援するため、期間限定で有料駐車場を開設しました。
このほか、脱炭素社会の実現に向けた取組みとして、東名高速道路足柄サービスエリア(下り線)において、水素ステーションを令和5年9月に全国の高速道路で初めて開業しました。
こうした中、営業収益は32,706百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は5,199百万円(同51.4%増)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、受託事業、観光振興事業、不動産事業、海外事業及び技術外販事業等を営んでいます。様々な事業の展開により、経営基盤の強化を進めるとともに、社会・経済の変化を見据えた地域活性化や、海外での国際交流・国際貢献等に取り組みました。
受託事業については、国、地方公共団体等との協議の結果、当社において一体的に実施することが適当と認められた工事等について当該国、地方公共団体等から受託し、着実に実施しました。
観光振興事業については、地方自治体と連携した高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)の販売を拡充しました。また、観光施設及び宿泊施設と連携し、政府による北陸地方の観光復興支援「北陸応援割」の対象となる宿泊商品にも利用可能な宿泊商品券付きドライブプラン等、高速道路と観光施設及び宿泊施設の利用券等をセットにした126の商品を販売しました。
不動産事業については、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」にある「土岐よりみち温泉」のレストランテナントを入替えし、地域の活性化や誘客に努めました。また、社宅跡地の活用では、名古屋市緑区、長野県松本市及び神奈川県小田原市において宅地分譲事業を行いました。加えて、愛知県豊川市及び知立市で賃貸住宅を運営しています。
海外事業については、フィリピン国現地法人NEXCO-CENTRAL Philippines Inc.では、令和2年12月から継続して、ダバオ市バイパス建設事業のトンネル設備工事等に参画しています。また、米国現地法人NEXCO Highway Solutions of America Inc.では、令和4年度に引き続き、舗装点検ソリューション等、道路管理に関するコンサルティング業務の受注に向け営業活動を行い、13件の有償契約に至っています。このほか、令和4年度に引き続き、JICAから受注したフィリピン国やタイ国等における5件のコンサルティング業務等を実施し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。
国内の技術外販事業については、ETC多目的利用サービスとして「ETCX」を提供するETCソリューションズ㈱と業務提携契約を締結し、同サービスの情報処理事業を受注しています。
また、東海旅客鉄道㈱と締結した協定に基づき、中央新幹線(リニア)事業に係る用地取得の支援業務を行いました。
このほか、持分法適用関連会社である中日本ファームすずなり㈱では、農業従事者の高齢化、次世代の担い手不足及び耕作放棄地の増加等地域が抱える課題の解決や地域活性化への貢献を目的に、浜松市内において耕作放棄地等を活用し、約20haの農地で野菜(レタス及び枝豆等)を栽培しました。
また、長距離トラックドライバーの労働環境改善を支援する取組みとして、新東名高速道路浜松サービスエリア(下り線)隣接地で中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を遠州トラック㈱と共同で運営しており、年間約13千台(前年同期比23.8%増)の利用がありました。
こうした中、営業収益は47,912百万円(前年同期比31.2%増)、営業利益は793百万円(同13.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益11,796百万円に加え、減価償却費27,947百万円等による増加があった一方、売上債権の増加額71,971百万円、棚卸資産の増加額219,975百万円等による減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、273,407百万円の資金支出(前年同期は18,258百万円の資金収入)となりました。
なお、上記棚卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出21,293百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、21,291百万円の資金支出(前年同期比7.4%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の減少額97,956百万円、道路建設関係社債償還による支出188,402百万円による減少があった一方、長期借入れによる収入31,694百万円、道路建設関係社債発行による収入684,587百万円による増加があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは、396,354百万円の資金収入(前年同期は321,382百万円の資金支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ101,693百万円増加し、226,969百万円(前年同期比81.2%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各事業年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営への備えとして積み立てていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィーク等を含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事等の影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則としておおむね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、高速道路の更新事業にかかる財政融資資金借入債務については、前述に関わらず、おおむね令和6年度ないし令和7年度を目途に債務引受けを予定しております。また、特定の目的で調達した債務は、前述に関わらず、対象資産に資金充当後、債務引受けを行う場合があります。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(3) 資本の源泉及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況等
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、社債の発行等を通じて実施しました。
② 資金調達の基本方針
資金調達の基本的な考え方は、低利安定的な調達を目指し、社債の発行による調達を優先し、補完的に金融機関からの借入金による調達を行います。ただし、金融市場の環境等により社債発行が困難な場合は、借入金の比率を高めることがあります。
③ 資金需要の主な内容
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(収益及び損益の状況)
当連結会計年度における全事業の営業収益は983,955百万円(前年同期比14.8%減)、営業費用は973,020百万円(同15.5%減)、営業利益は10,935百万円(同193.4%増)、経常利益は12,377百万円(同132.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,575百万円(同204.1%増)となり、前連結会計年度と比較すると減収・増益となりました。
なお、原則として損益に影響を及ぼさず、かつ完成した高速道路資産の規模により増減する道路資産完成高を除いた営業収益は、交通需要の回復等により増加し、753,879百万円(同4.3%増)となりました。
② 財政状況の分析
(「資産の部」の状況)
当連結会計年度末における流動資産は、仕掛道路資産が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ、420,276百万円増加し、2,143,708百万円となりました。固定資産は、ETC設備の更新等による増加があった一方、減価償却による減少があること等により、前連結会計年度末と比べ8,649百万円減少し、302,107百万円となりました。繰延資産は前連結会計年度末と比べ429百万円増加し、2,004百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末と比べ412,055百万円増加し、
2,447,820百万円となりました。
(「負債の部」の状況)
当連結会計年度末における流動負債は、1年以内償還予定社債が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ3,944百万円増加し、365,651百万円となりました。固定負債は、道路建設関係社債が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ391,097百万円増加し、1,807,932百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ395,042百万円増加し、
2,173,583百万円となりました。
(「純資産の部」の状況)
当連結会計年度末における純資産合計は、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ17,013百万円増加し、274,236百万円となりました。
③ セグメントごとの分析
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は903,524百万円(前年同期比17.1%減)となりました。これは、交通需要の回復等により料金収入が増加した一方、前連結会計年度の機構への道路資産引渡額が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。営業費用は、道路資産完成原価の減少等により、898,587百万円(同17.6%減)となり、営業利益は4,936百万円(前年同期は営業損失413百万円)となりました。
当連結会計年度末における高速道路事業のセグメント資産は1,949,010百万円(前年同期比18.5%増)、セグメント負債は1,784,645百万円(同28.8%増)となりました。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は32,706百万円(前年同期比13.2%増)となりました。これは、客数及び客単価の上昇に伴い店舗総売上高が増加したことによるものです。営業費用は、店舗総売上高の増加に係る売上原価の増加等により、27,507百万円(同8.0%増)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は5,199百万円(同51.4%増)となりました。
当連結会計年度末における休憩所事業のセグメント資産は175,975百万円(前年同期比2.6%増)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は47,912百万円(前年同期比31.2%増)、営業費用は47,118百万円(同31.6%増)となりました。これらは、国・地方公共団体から受託した工事の出来高の増加により収益及び費用が増加したこと等によるものです。その結果、営業利益は793百万円(同13.2%増)となりました。
当連結会計年度末におけるその他(関連)事業のセグメント資産は21,561百万円(同12.5%増)、セグメント負債は50,521百万円(同0.2%減)となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用の関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中で、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、世界的なエネルギー・食料価格の高騰等により、依然として先行きが不透明な状況となりました。
その一方で、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重要なものとなっています。
このような中、「経営計画チャレンジV 2021-2025」の3年目となる令和5年度は、経営方針に掲げる「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」、「高速道路の機能強化と広くお客さまに利用される高速道路空間への進化」、「デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦」、「お客さまをはじめとするステークホルダーの期待に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを進めました。更に、高速道路の機能強化や自動運転等のイノベーションに対応した高速道路の進化等を定めた「高速道路における安全・安心実施計画」に基づき、高速道路の安全性や信頼性、使いやすさの向上に取り組みました。
「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」については、平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた「安全性向上への「5つの取組み方針」」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「道路構造物等の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでいます。
「高速道路の機能強化と広くお客さまに利用される高速道路空間への進化」については、新東名高速道路等のネットワーク整備やスマートインターチェンジの整備、渋滞対策、高速道路リニューアルプロジェクトによる老朽化対策、耐震補強対策、豪雨や豪雪等激甚化かつ頻発化する自然災害への対応強化等の取組みを計画的に進めています。加えて、東海北陸自動車道をはじめとする暫定2車線区間の4車線化、新名神高速道路の6車線化、ダブル連結トラック等高速トラック輸送の効率化に向けた駐車マスや中継輸送拠点等の環境整備に取り組み、高速道路の更なる機能強化を図るとともに、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を進めています。また、駐車マスの拡充、計画的なリニューアル、多様なニーズにお応えするサービスの提供等による休憩施設の快適性と利便性の向上、地域間交流の促進や地域活性化が期待される企画割引の充実等に取り組み、より広くお客さまに利用される高速道路空間へ進化させていきます。
「デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦」については、次世代技術を活用した革新的な高速道路保全マネジメント「i-MOVEMENT(アイムーブメント)」や建設現場の生産性を向上させる「i-Construction(アイコンストラクション)」、完全自動運転(レベル4)の実現のための路車間協調設備の構築等、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくとともに、その実現に向けた革新的な技術開発や高度な専門性を有する人財育成にも積極的に取り組んでいます。加えて、高速道路ネットワークの整備をはじめとする当社グループのあらゆる事業活動を通じて、地球温暖化の抑制に寄与するCO2排出量の削減等に着実に取り組むとともに、脱炭素社会はもとより、持続可能な開発目標(SDGs)がめざす持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。
「お客さまをはじめとするステークホルダーの期待に応え続けるための経営基盤の強化」については、環境変化への感度が高く強い現場力を持つ人財の育成やリモートワーク環境等のデジタル技術の一層の活用、在宅勤務をはじめとする多様で柔軟な働き方が可能となる制度や職場環境の整備、健康経営の推進等、生産性向上や働き方改革に資する取組みを進めています。加えて、効率的な事業運営のもと、将来に向けた効果的な投資を行うことで、新たなサービスの提供や質の向上に努め、当社グループの競争力を高めていきます。
引き続き、お客さまに安心して高速道路をご利用いただけるよう、上記の経営方針に基づく取組みを着実に実施していくとともに、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を決して忘れることなく、ご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
そのほか、橋梁の耐震補強工事で鉄筋が不足する施工不良事案については、令和2年11月16日に事案の原因究明のための調査と再発防止のあり方の提言を行うための外部有識者による「E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会」を設置しました。また、当該調査委員会からの「報告書」を受け、令和3年7月29日に「再発防止策」を策定しました。当該再発防止策が実効性あるものとするため、社内に「中央道の耐震補強工事施工不良事案に対する再発防止策のフォローアップ委員会」を設置し、その実施状況や効果等を検証しながら、全社を挙げて再発防止に取り組んでいます。
こうした中、当連結会計年度の営業収益は983,955百万円(前年同期比14.8%減)、営業利益は10,935百万円(同193.4%増)、経常利益は12,377百万円(同132.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,575百万円(同204.1%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、経営方針の最上位である「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」のもと、高速道路ネットワークの整備を着実かつ効率的に進め、地域の期待に応えるため、ミッシングリンクの解消や機能強化を行いました。
当連結会計年度において推進した建設事業としては、新東名高速道路新秦野インターチェンジ~新御殿場インターチェンジ間、東京外かく環状道路中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間、東海環状自動車道山県インターチェンジ~大野神戸インターチェンジ間及び養老インターチェンジ~大安インターチェンジ間の新設事業、新名神高速道路亀山西ジャンクション~甲賀土山インターチェンジ間の6車線化事業並びに東海北陸自動車道白川郷インターチェンジ~南砺スマートインターチェンジ間、東海環状自動車道土岐ジャンクション~美濃加茂インターチェンジ間及び紀勢自動車道勢和多気ジャンクション~紀勢大内山インターチェンジ間の4車線化事業が挙げられます。
お客さまの利便性の向上と地域の活性化のため、2箇所のスマートインターチェンジ(名神高速道路多賀スマートインターチェンジ(下り)(滋賀県犬上郡多賀町)、東海北陸自動車道城端スマートインターチェンジ(富山県南砺市))を開通させました。そのほか12箇所のスマートインターチェンジについて、自治体と連携して事業を着実に推進しています。
また、建設現場の生産性を向上させる「i-Construction」を推進しており、モデル事務所においてICTや3次元データを活用した工事や調査・測量・設計を試行し、各プロセスにおける省力化や効率化、自動化、高度化に取り組む等、令和7年度までに調査・設計、工事においてICTを全面的に導入し、建設現場の生産性を高めることを目指しています。
保全・サービス事業については、「安全を何よりも優先」とする企業理念に基づき、経営方針の最上位に掲げられた「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」を目指して、安全を最優先に、信頼性の高い高速道路ネットワークとお客さまに満足いただけるサービスを24時間365日提供するため、高速道路の点検や、維持・補修・修繕等を行いました。
道路構造物等の点検に関しては、日々の高速道路の巡回による点検を行っているほか、橋梁やトンネル等については、法令に基づき、5年に1度、近接目視等による詳細点検を行っています。また、変状が確認された構造物は、計画的な補修を進めています。
高速道路ネットワークを健全な状態で次世代に引き継ぐため、橋梁やトンネル等の構造物を最新の技術を用いて補修・補強し、建設当初と同等又はそれ以上の性能や機能を回復することで、高速道路をこれからも長く健全に保つ「高速道路リニューアルプロジェクト」に取り組むとともに、令和5年1月には新たな知見に基づく「更新計画(概略)」を当社、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱の3社連名で公表し、令和6年1月には「東・中・西日本高速道路の更新計画」を策定及び公表し、同年3月27日に国土交通大臣から事業許可を受けました。
また、平成28年4月に発生した熊本地震における橋梁の被災状況を踏まえ、緊急輸送道路としての機能を速やかに回復し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、橋梁の耐震補強及び支承逸脱対策に取り組んでいます。令和6年1月には当社、東日本高速道路㈱、西日本高速道路㈱及び本州四国連絡道路㈱の4社で「高速道路の耐震補強実施計画(概要)」を公表しました。
道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、車両重量計等を活用した取締り、自動計測装置の整備による常時取締りに取り組んでおり、違反の度合いに応じて点数を付与し、累積点数が一定に達した場合に大口・多頻度割引停止措置等を講ずるとともに、悪質な違反者に対する告発を実施しています。
大規模災害時の対応力強化については、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」等に則り、発災後の人命救助に重要な72時間を意識しつつ、24時間で広域移動ルートとすべく、高速道路ネットワークを活用した迅速な緊急交通路を確保するとともに、「救助・救急、消火等」、「医療」、「物資」、「燃料」の各分野の活動のための広域進出拠点として、休憩施設が活用できるように取り組んでいます。
令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、北陸自動車道では朝日インターチェンジ~丸岡インターチェンジ間、東海北陸自動車道では白川郷インターチェンジ~小矢部砺波ジャンクション間の通行止めを実施しましたが、地震発生から約5時間後の21時には緊急交通路の機能を確保するとともに、点検により確認された18箇所の損傷の応急復旧を速やかに完了させ、翌日2日の21時には全区間の通行止めを解除しました。その後の余震により、新たに12箇所の損傷が発見され、計30箇所の損傷の本復旧作業を進め、3月31日現在20箇所の本復旧作業が完了し、残り10箇所の本復旧作業を鋭意進めています。
また、地震により大きな被害を受けた珠洲市、輪島市、志賀町、中能登町の被災地支援として、NEXCO東日本及び西日本と連携し、1月7日からトイレカーや給水車の派遣を実施しており、3月31日現在で13箇所27台を継続派遣しています。
大雪時の道路交通確保として、除雪体制の強化、立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、救援車両の配備、大雪事前広報、関係機関との連携強化等の取組みに加えて、短期間の集中的な大雪時には、人命を最優先に大規模な車両滞留を回避することを基本的な考え方と捉え、国による大雪に関する緊急発表や除雪能力を超過する降雪に対しては、予防的通行止めを前提に取り組み、高速道路と国道が並行する区間については、一方が通行止めとなった場合、他方の道路への交通集中による大規模滞留を回避するため、高速道路と国道を同時に通行止めにする「同時通行止め」を実施しました。大雪が予測される3日前からテレビCM、公式WEBサイトを中心にSNS等多様な広報媒体を活用して、徹底した出控え要請を行い、躊躇なく通行止めを実施するとともに、集中除雪による早期の通行止め解除に取り組みました。
一方で、予測を大幅に超える気象急変によるスタック車両、大規模な車両滞留が発生する可能性に備えて、モニター監視員の専任配置、雪氷巡回の増隊に加え、スタック車両の救出やお客さま支援を早期に実施するため、現地支援人員の拡充やトラクターショベルやレッカーの増車、可能な限り近傍への前進配置等の対策強化を図ることとしました。
交通事故対策として、事故多発地点の集中的な対策とともに、逆走防止対策や一般道からの誤進入対策、交通安全の啓発活動に取り組みました。
また、暫定2車線区間における正面衝突事故防止対策として、土工区間や長さ50m未満の橋梁区間でワイヤロープの設置を進め、令和4年度に概成しています。更に、長さ50m以上の橋梁区間とトンネル区間では、センターブロックやセンターパイプの試行に取り組んでいます。
渋滞対策として、東名高速道路(大和トンネル付近、東名三好インターチェンジ付近)、中央自動車道(小仏トンネル付近、相模湖インターチェンジ付近、三鷹バスストップ付近)及び名神高速道路(一宮ジャンクション付近)の付加車線設置事業について着実に推進しています。
ETC利用率の拡大等の社会情勢の変化を踏まえ、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を進めており、令和6年3月末までに15箇所(下表参照)でETC専用化の運用を開始しました。
| 運用開始年月日 | 運用開始インターチェンジ名 |
| 令和4年4月1日 | 中央自動車道 稲城インターチェンジ |
| 首都圏中央連絡自動車道 八王子西インターチェンジ | |
| 令和4年6月30日 | 首都圏中央連絡自動車道 相模原インターチェンジ |
| 令和5年4月18日 | 東海環状自動車道 山県インターチェンジ |
| 東海環状自動車道 大野神戸インターチェンジ | |
| 名古屋第二環状自動車道 有松インターチェンジ(外回り) | |
| 名古屋第二環状自動車道 鳴海インターチェンジ(外回り) | |
| 令和5年8月31日 | 北陸自動車道 丸岡インターチェンジ |
| 北陸自動車道 美川インターチェンジ | |
| 北陸自動車道 立山インターチェンジ | |
| 令和6年3月13日 | 中央自動車道 韮崎インターチェンジ |
| 中部横断自動車道 増穂インターチェンジ | |
| 令和6年3月22日 | 中央自動車道 国立府中インターチェンジ |
| 首都圏中央連絡自動車道 高尾山インターチェンジ | |
| 首都圏中央連絡自動車道 寒川北インターチェンジ |
更に、最先端のICT・ロボティクス技術の導入等により、少子高齢化やデジタル技術の進展等による社会環境の変化、お客さまニーズの多様化を踏まえた情報提供の高度化等、当社グループを取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化に貢献する革新的なプロジェクト「i-MOVEMENT」を推進しています。また、当プロジェクトの実現に向けて、コンソーシアム方式によりオープンイノベーションを推進する組織として設立した「イノベーション交流会」では、「交通サービスの進化・高度化」、「高速道路保全マネジメントの高度化」のそれぞれのテーマに関して、会員の企業・団体から提案された技術の高速道路保全現場への適用性の実証に取り組んでいます。
こうした中、営業収益は903,524百万円(前年同期比17.1%減)、営業利益は4,936百万円(前年同期は営業損失413百万円)となりました。
営業収益の減少は、料金収入が増加した一方、前連結会計年度の機構への道路資産引渡額が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は672,113百万円(前年同期比2.5%増)でした。
(休憩所事業)
休憩所事業については、地域の特色を活かした店舗づくり、魅力ある商品の販売、様々なニーズに応えるサービスの導入を進めるとともに、地域と連携した各種イベントやキャンペーンを積極的に開催する等、お客さまサービスの質の向上や地域社会との連携・交流を推進しました。
サービスエリアの快適性と利便性の向上への取組みとして、計7箇所において、リニューアルを行いました。特に、中央自動車道境川パーキングエリア(上り線)では、建替えにあわせて、フードコートとショッピングコーナーを拡充するとともに、ベビーコーナーを新設する等、より快適にお過ごしいただけるサービスエリアに全面リニューアルしました。加えて、プロドライバーのお客さまをサポートするため、中央自動車道恵那峡サービスエリア(下り線)、双葉サービスエリア(上り線)、東海北陸自動車道関サービスエリア(上り線)の計3箇所において、コインシャワーとコインランドリーを新設しました。
また、地域貢献の取組みとして、令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震を受け、サービスエリアにおいて、能登や石川県をはじめ北陸地方の産品を集めたフェアを開催し、北陸地方の応援を行いました。加えて、現在整備を進めている新東名高速道路秦野丹沢サービスエリア(上り線)建設予定地の一部を活用し、周辺地域の観光誘客を支援するため、期間限定で有料駐車場を開設しました。
このほか、脱炭素社会の実現に向けた取組みとして、東名高速道路足柄サービスエリア(下り線)において、水素ステーションを令和5年9月に全国の高速道路で初めて開業しました。
こうした中、営業収益は32,706百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は5,199百万円(同51.4%増)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、受託事業、観光振興事業、不動産事業、海外事業及び技術外販事業等を営んでいます。様々な事業の展開により、経営基盤の強化を進めるとともに、社会・経済の変化を見据えた地域活性化や、海外での国際交流・国際貢献等に取り組みました。
受託事業については、国、地方公共団体等との協議の結果、当社において一体的に実施することが適当と認められた工事等について当該国、地方公共団体等から受託し、着実に実施しました。
観光振興事業については、地方自治体と連携した高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)の販売を拡充しました。また、観光施設及び宿泊施設と連携し、政府による北陸地方の観光復興支援「北陸応援割」の対象となる宿泊商品にも利用可能な宿泊商品券付きドライブプラン等、高速道路と観光施設及び宿泊施設の利用券等をセットにした126の商品を販売しました。
不動産事業については、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」にある「土岐よりみち温泉」のレストランテナントを入替えし、地域の活性化や誘客に努めました。また、社宅跡地の活用では、名古屋市緑区、長野県松本市及び神奈川県小田原市において宅地分譲事業を行いました。加えて、愛知県豊川市及び知立市で賃貸住宅を運営しています。
海外事業については、フィリピン国現地法人NEXCO-CENTRAL Philippines Inc.では、令和2年12月から継続して、ダバオ市バイパス建設事業のトンネル設備工事等に参画しています。また、米国現地法人NEXCO Highway Solutions of America Inc.では、令和4年度に引き続き、舗装点検ソリューション等、道路管理に関するコンサルティング業務の受注に向け営業活動を行い、13件の有償契約に至っています。このほか、令和4年度に引き続き、JICAから受注したフィリピン国やタイ国等における5件のコンサルティング業務等を実施し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。
国内の技術外販事業については、ETC多目的利用サービスとして「ETCX」を提供するETCソリューションズ㈱と業務提携契約を締結し、同サービスの情報処理事業を受注しています。
また、東海旅客鉄道㈱と締結した協定に基づき、中央新幹線(リニア)事業に係る用地取得の支援業務を行いました。
このほか、持分法適用関連会社である中日本ファームすずなり㈱では、農業従事者の高齢化、次世代の担い手不足及び耕作放棄地の増加等地域が抱える課題の解決や地域活性化への貢献を目的に、浜松市内において耕作放棄地等を活用し、約20haの農地で野菜(レタス及び枝豆等)を栽培しました。
また、長距離トラックドライバーの労働環境改善を支援する取組みとして、新東名高速道路浜松サービスエリア(下り線)隣接地で中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を遠州トラック㈱と共同で運営しており、年間約13千台(前年同期比23.8%増)の利用がありました。
こうした中、営業収益は47,912百万円(前年同期比31.2%増)、営業利益は793百万円(同13.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益11,796百万円に加え、減価償却費27,947百万円等による増加があった一方、売上債権の増加額71,971百万円、棚卸資産の増加額219,975百万円等による減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、273,407百万円の資金支出(前年同期は18,258百万円の資金収入)となりました。
なお、上記棚卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出21,293百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、21,291百万円の資金支出(前年同期比7.4%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の減少額97,956百万円、道路建設関係社債償還による支出188,402百万円による減少があった一方、長期借入れによる収入31,694百万円、道路建設関係社債発行による収入684,587百万円による増加があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは、396,354百万円の資金収入(前年同期は321,382百万円の資金支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ101,693百万円増加し、226,969百万円(前年同期比81.2%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
| 令和5年4月1日から令和6年3月31日まで |
| (単位:百万円) | |||||
| 1. | 営業収益 | ||||
| 料金収入 | 672,128 | ||||
| 道路資産完成高 | 230,075 | ||||
| 受託業務収入 | 1 | ||||
| その他の売上高 | 1,120 | 903,325 | |||
| 2. | 営業外収益 | ||||
| 受取利息 | 5 | ||||
| 受取配当金 | 774 | ||||
| 物品売却益 | 0 | ||||
| 土地物件貸付料 | 105 | ||||
| 原因者負担収入 | 263 | ||||
| 雑収入 | 121 | 1,268 | |||
| 3. | 特別利益 | ||||
| 固定資産売却益 | 4 | 4 | |||
| 高速道路事業営業収益等合計 | 904,599 |
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各事業年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営への備えとして積み立てていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィーク等を含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事等の影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則としておおむね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、高速道路の更新事業にかかる財政融資資金借入債務については、前述に関わらず、おおむね令和6年度ないし令和7年度を目途に債務引受けを予定しております。また、特定の目的で調達した債務は、前述に関わらず、対象資産に資金充当後、債務引受けを行う場合があります。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(3) 資本の源泉及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況等
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、社債の発行等を通じて実施しました。
② 資金調達の基本方針
資金調達の基本的な考え方は、低利安定的な調達を目指し、社債の発行による調達を優先し、補完的に金融機関からの借入金による調達を行います。ただし、金融市場の環境等により社債発行が困難な場合は、借入金の比率を高めることがあります。
③ 資金需要の主な内容
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(収益及び損益の状況)
当連結会計年度における全事業の営業収益は983,955百万円(前年同期比14.8%減)、営業費用は973,020百万円(同15.5%減)、営業利益は10,935百万円(同193.4%増)、経常利益は12,377百万円(同132.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,575百万円(同204.1%増)となり、前連結会計年度と比較すると減収・増益となりました。
なお、原則として損益に影響を及ぼさず、かつ完成した高速道路資産の規模により増減する道路資産完成高を除いた営業収益は、交通需要の回復等により増加し、753,879百万円(同4.3%増)となりました。
② 財政状況の分析
(「資産の部」の状況)
当連結会計年度末における流動資産は、仕掛道路資産が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ、420,276百万円増加し、2,143,708百万円となりました。固定資産は、ETC設備の更新等による増加があった一方、減価償却による減少があること等により、前連結会計年度末と比べ8,649百万円減少し、302,107百万円となりました。繰延資産は前連結会計年度末と比べ429百万円増加し、2,004百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末と比べ412,055百万円増加し、
2,447,820百万円となりました。
(「負債の部」の状況)
当連結会計年度末における流動負債は、1年以内償還予定社債が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ3,944百万円増加し、365,651百万円となりました。固定負債は、道路建設関係社債が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ391,097百万円増加し、1,807,932百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ395,042百万円増加し、
2,173,583百万円となりました。
(「純資産の部」の状況)
当連結会計年度末における純資産合計は、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ17,013百万円増加し、274,236百万円となりました。
③ セグメントごとの分析
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は903,524百万円(前年同期比17.1%減)となりました。これは、交通需要の回復等により料金収入が増加した一方、前連結会計年度の機構への道路資産引渡額が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。営業費用は、道路資産完成原価の減少等により、898,587百万円(同17.6%減)となり、営業利益は4,936百万円(前年同期は営業損失413百万円)となりました。
当連結会計年度末における高速道路事業のセグメント資産は1,949,010百万円(前年同期比18.5%増)、セグメント負債は1,784,645百万円(同28.8%増)となりました。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は32,706百万円(前年同期比13.2%増)となりました。これは、客数及び客単価の上昇に伴い店舗総売上高が増加したことによるものです。営業費用は、店舗総売上高の増加に係る売上原価の増加等により、27,507百万円(同8.0%増)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は5,199百万円(同51.4%増)となりました。
当連結会計年度末における休憩所事業のセグメント資産は175,975百万円(前年同期比2.6%増)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は47,912百万円(前年同期比31.2%増)、営業費用は47,118百万円(同31.6%増)となりました。これらは、国・地方公共団体から受託した工事の出来高の増加により収益及び費用が増加したこと等によるものです。その結果、営業利益は793百万円(同13.2%増)となりました。
当連結会計年度末におけるその他(関連)事業のセグメント資産は21,561百万円(同12.5%増)、セグメント負債は50,521百万円(同0.2%減)となりました。