有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、輸出や生産の持ち直しが続き、雇用・所得環境等が改善するなど、緩やかな回復傾向が続きました。また、個人消費や民間企業設備投資等国内需要も持ち直しており、好循環が進展しておりましたが、米国と中国を発端とした世界的な貿易摩擦に対する懸念や国内政治不安の高まり等、先行きは依然として不透明な状況となりました。
一方、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重くなっています。
このような中、当社グループは、少子高齢化や、人口減少、社会インフラの老朽化、情報通信技術(ICT技術)の高度化等、今後の社会環境の大きな変化を見据え、民営化20年に向けて進むべき方向性を示した「経営計画チャレンジV(ファイブ)2016-2020」の2年目を迎え、4つの経営方針「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」、「安全・快適を高める技術開発の推進」、「社会・経済の変化も見据えた地域活性化への貢献」、「社会の要請に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを着実に進めてまいりました。
高速道路の安全性向上については、2012年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル上り線天井板落下事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた今後の取組み方針「安全性向上への5つの取組み方針」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「道路構造物の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでまいりました。
技術開発については、道路構造物の点検の高度化に資する高速画像処理を用いたトンネル内点検技術や、橋梁の鉄筋等の金属腐食の抑制を目的とした新たな凍結防止剤の開発をグループ一体となって進めてまいりました。
地域活性化への貢献については、高速道路と観光施設等の利用等をセットとしたドライブプランの販売を行い、高速道路ネットワークを活かした交流人口増加の取組みを実施してまいりました。また、地域連携の新たな仕組みとして地域のパートナーと協働したクラウドファンディングを活用した取組みが、社会価値を生み出す持続的な経営・組織づくりの取組みを表彰する「KAIKA Awards 2017」(一般社団法人日本能率協会主催)において大賞を受賞し、社会的にも高い評価を受けています。
経営基盤の強化については、業務プロセスを見直すことによる業務効率化や、「育ち」活動を通じた人財育成を通して、グループ全体の生産性向上に取り組んでまいりました。
引き続き、お客さまに安心して高速道路をご利用いただけるよう、4つの経営方針に基づく取組みを着実に実施していくとともに、中央自動車道笹子トンネル(上り線)天井板落下事故を決して忘れることなく、事故のご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
こうした中、当連結会計年度の営業収益は972,076百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は7,181百万円(同12.3%増)、経常利益は8,593百万円(同9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,813百万円(同76.5%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、平成29年10月22日に東海環状自動車道 養老ジャンクション~養老インターチェンジ間3.1㎞を、平成30年1月28日に新東名高速道路 海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジ間2kmを、それぞれ開通させました。
また、新東名高速道路(厚木南インターチェンジ~御殿場ジャンクション間)、新名神高速道路(新四日市
ジャンクション~亀山西ジャンクション(仮称)間)、中部横断自動車道(新清水ジャンクション~富沢インターチェンジ間)、東京外かく環状道路(中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間)、名古屋第二環状自動車道(名古屋西ジャンクション~飛島ジャンクション(仮称)間)の新設事業及び東海北陸自動車道(白鳥インターチェンジ~飛騨清見インターチェンジ間)の4車線化の改築事業について、着実に事業を推進しました。
なお、新東名高速道路(伊勢原ジャンクション~伊勢原北インターチェンジ間)については、埋蔵文化財調査の拡大等から全体工程を精査し、開通予定時期を平成31年度と見直しました。また、名古屋第二環状自動車道(名古屋西ジャンクション~飛島ジャンクション(仮称)間)については、工事の進捗状況を踏まえ、開通予定時期を平成32年度と発表しました。
高速道路の有効利用や地域の活性化を推進するため、6箇所のスマートインターチェンジ(中央自動車道小黒川スマートインターチェンジ(長野県伊那市)、同道駒ヶ岳スマートインターチェンジ(長野県駒ヶ根市)、東名高速道路守山スマートインターチェンジ(愛知県名古屋市)、名神高速道路安八スマートインターチェンジ(岐阜県安八郡安八町)、舞鶴若狭自動車道三方五湖スマートインターチェンジ(福井県三方上中郡若狭町)、北陸自動車道能美根上スマートインターチェンジ(石川県能美市))を開通させました。
保全・サービス事業については、日々の構造物の点検や損傷の補修、高機能舗装の施工などの走行環境の改善、橋梁の耐震補強による大規模地震への備えなど、最新の技術を導入しながら高速道路の維持管理に努めてきました。
平成26年度に改正した「保全点検要領(構造物編)」に基づき、定期的な点検と点検結果を踏まえた早期の維持・補修を行いました。
構造物の大規模な取替えや補強などの「高速道路リニューアルプロジェクト」については、中央自動車道天竜川橋(上り線)や同道辰野トンネル(下り線)等で大規模交通規制を行いながら劣化した橋梁床版の取替工事やトンネル覆工の補強工事を実施しました。
また、道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、取締りを強化し、悪質な違反者に対する警察への告発、高速道路6会社連携による大口多頻度割引停止措置等の強化、自動計測装置の整備による常時取締りの実施等、違反車両の撲滅に取り組みました。
渋滞対策については、東名阪自動車道 四日市インターチェンジ~鈴鹿インターチェンジ間(上り線)の3車線(暫定)運用区間の延伸や、首都圏中央連絡自動車道 八王子ジャンクションの2車線化により渋滞の緩和に努めました。
交通事故の防止については、暫定二車線の一部区間に正面衝突事故防止対策としてこれまで上下線を区分するために設置していたラバーポールに代えてワイヤロープを試行設置しました。また、重大事故につながる可能性の高い高速道路での逆走による事故をなくすため、インターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア及びパーキングエリアの全箇所に大型矢印標示等による視覚的な対策や、Uターン防止ラバーポール等による物理的な対策を行いました。
地震など大規模災害時の対応力強化の取組みについては、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」や「首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画」などに対応し、防災機能強化や関係機関との連携強化を図るため、迅速な緊急輸送ルートの確保のための資機材の備蓄に努めました。
また、防災訓練やお客さまの安全確保を目的とした避難誘導訓練を実施し、訓練により顕在化した課題への対応や関係機関との連携強化に努めました。
さらに、大雪など荒天時における通行確保の取組みとして、大雪による通行止めを極力回避するため、除雪体制の強化や立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、大雪が予想される場合の事前広報、関係機関との連携強化などを行い、高速道路ネットワークの機能確保に努めました。
こうした中、営業収益は896,479百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は2,110百万円(同46.9%増)となりました。
営業収益の増加は、大型車を中心に交通量が増加したことに伴い料金収入が増加したことや、新東名高速道路 海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジ間の開通などに伴い道路資産完成高を計上したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は678,696百万円(前年同期比2.1%増)でした。
(注)上記のうち、工事中のインターチェンジ等の名称は仮称のものを含みます。
(休憩所事業)
休憩所事業については、各サービスエリアで、地域の特色を活かした個性豊かで魅力的なサービスエリアづくりを展開しました。
平成29年4月に新設オープンした東名高速道路 駒門パーキングエリア(下り線)では、交通量の多い国道246号に接するという特徴を活かし、地域の皆さまが日常使いとしてもご利用いただけるよう、国道側に大規模な駐車場を整備し、品ぞろえを工夫し、魅力を感じていただけるエリアづくりに取り組みました。
また、中央自動車道 談合坂サービスエリア(上り線)、東名高速道路 富士川サービスエリア(下り線)等、既存サービスエリアでは、お客さまニーズをとらえた店舗の配置の見直しやフードコートの拡大、キッズコーナーの新設等、各種サービスを充実させることによるリニューアルを進め、利便性を向上させました。
このほか、地元企業の誘致や地域特産品コーナーの充実に加え、店舗と地元事業者による商談会、地元大学と連携した新商品の開発やNEXCO中日本のオリジナルお土産ブランド「プレみや」の拡大など、メニュー、お土産品の拡充に取り組みました。また、外国からのお客さまに対するサービスの更なる充実を図るため、海外発行カードに対応したATMや決済端末の設置、各種案内の多言語表示等を行いました。
近隣住民の方々にも魅力を感じていただけるエリアづくりとして、一般道からサービスエリアが利用できる「ぷらっとパーク」の整備や、地元農産物の販売、地域食材を使用した地産地消メニューの充実、地域住民参加型のイベントの開催等、地域活性化や地域社会との連携強化に努めました。
こうした中、営業収益は31,591百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は4,852百万円(同4.1%減)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、観光振興事業、地域開発事業、海外事業等の事業を営んでおります。
観光振興事業については、地方自治体と連携した高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)や旅行会社と連携し、企画割引と宿泊のセット商品の販売を拡充しました。また、観光施設等と連携し、企画割引と施設の入園等がセットになった商品を平成29年6月から本格的に開始し、43プランを販売しました。さらに、フォトロゲイニングなどの地域の魅力をPRするイベントや地域誘客キャンペーン開催などに取り組むとともに、高速道路の建設現場や管理施設等の見学を組み込んだ旅行ツアー商品を募集販売しました。
地域開発事業については、東海環状自動車道 土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」で、店舗内のリニューアルやお客さま感謝イベント、キャンペーンの実施など誘客に努めました。これにより温浴施設「よりみち温泉」は開業から3年で累計入浴者数100万人を突破いたしました。また、社宅跡地を活用した宅地開発分譲事業を、ハウスメーカーや不動産会社と共同で実施しました。
海外事業については、日本高速道路インターナショナル㈱(持分法適用関連会社)等と協力して、アジア・欧米等の高速道路事業に係る現地調査や事業参画に向けた関係機関との協議を行いました。ベトナム国においては、有料道路「フーリーバイパス」の運営会社FCC Infrastructure Investment Joint Stock Companyの株式をFECON社より取得し、日本の高速道路会社として初となる同国の有料道路事業への参入を果たしました。同時に、同国への技術移転や道路整備における相互協力を目的として、FECON社及び同社のグループ会社と戦略的パートナーシップ協定を締結しました。
また、昨年度に引き続き、ベトナム、キルギスなどにおいて6件のコンサルティング業務を実施し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。このほか、海外からの視察団の受入れ等の積極的な国際交流を通じて、幅広い情報交換ネットワークの構築を進めるとともに、国が実施する海外協力事業への社員の派遣、海外の道路関係会議において日本の高速道路技術を紹介するなど、国際貢献にも努めました。
また、平成27年2月25日に東海旅客鉄道㈱と締結した協定に基づき、リニア中央新幹線事業に係る用地取得の支援業務を行っております。
こうした中、営業収益は44,086百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益は211百万円(前年同期は営業損失111百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益29,711百万円に加え、減価償却費20,837百万円、仕入債務の増加額11,930百万円などによる増加があった一方、たな卸資産の増加額が128,906百万円、退職給付に係る資産又は負債の増減額21,189百万円などによる減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、42,047百万円の資金支出(前年同期比83.7%減)となりました。
なお、上記たな卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出23,225百万円などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは、23,339百万円の資金支出(前年同期比14.3%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
道路建設関係社債発行による収入342,708百万円などによる増加があった一方、道路建設関係社債償還による支出223,551百万円(機構法第15条第1項による債務引受額)などによる減少があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは99,980百万円の資金収入(前年同期比68.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ34,592百万円増加し、142,848百万円(前年同期比32.0%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営に備えるため、配当などの社外流出を控え、可能な限り自己資本の充実に努めていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィークなどを含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事などの影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を概ね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、財政投融資を活用した東海環状自動車道の整備促進事業の追加等に伴い、平成30年度に当社が負担した一部の借入金債務及び債券債務については、債務の引受けにあたり調達時期が古い債務に先んじて選定される可能性があります。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要なものであると考えております。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。また、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しております。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因 ② 機構による債務引受け等」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借り受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高及び完成工事原価の計上基準
道路資産完成高及び道路資産完成原価の計上には、「高速道路事業等会計規則」により工事完成基準を適用しております。
また、受託業務収入に係る工事契約については、当連結会計年度末までの進捗部分についての成果の確実性が認められる工事契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事契約については工事完成基準を適用しております。
なお、平成21年3月31日以前に着手した工事については、請負金額が50億円以上の長期工事(工期2年超)については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
③ ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しておりますが、実際に発生した費用が見積りと異なる場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 役員退職慰労引当金
役員及び執行役員の退職慰労金の支出に備えるため、内規に基づく当連結会計年度末要支給額を計上しております。
⑥ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しております。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しております。
(3)資本の源泉及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関からの長期借入れを通じて実施いたしました。
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における全事業の営業収益は972,076百万円(前年同期比7.1%増)、営業費用は964,894百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は7,181百万円(前年同期比12.3%増)となり、前連結会計年度と比較し、増収・増益となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は896,479百万円(前年同期比6.5%増)となりました。これは、景気の緩やかな回復基調が継続したことを背景として、大型車を中心に交通量が増加したことに伴い料金収入が増加したことや、新東名高速道路 海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジ間の開通など、機構への道路資産の帰属規模が前連結会計年度に比べ大きかったことによるものです。一方、営業費用は、協定に基づく機構への賃借料の増加、道路資産完成原価の増加などにより、894,368百万円(前年同期比6.5%増)となり、営業利益は2,110百万円(前年同期比46.9%増)となりました。これは料金収入の増加額が賃借料の増加額を上回ったことにより増益となったものです。なお、管理費用等は着実な業務執行により前連結会計年度とほぼ同額となっております。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は31,591百万円(前年同期比0.8%減)となりました。これは、一部の直営店舗をテナント運営に変更したことによるものです。営業費用は、テナント運営への変更により商品仕入れなどの費用が減少した一方、商業施設の維持管理費用の増加などがあり、前連結会計年度とほぼ同額の26,739百万円(前年同期比0.1%減)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は4,852百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は44,086百万円(前年同期比28.3%増)、営業費用は43,874百万円(前年同期比27.3%増)となりました。これは、国・地方公共団体から受託した工事出来高の増加や社宅跡地を活用した不動産開発事業によるものです。その結果、営業利益は211百万円(前年同期は営業損失111百万円)となりました。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、輸出や生産の持ち直しが続き、雇用・所得環境等が改善するなど、緩やかな回復傾向が続きました。また、個人消費や民間企業設備投資等国内需要も持ち直しており、好循環が進展しておりましたが、米国と中国を発端とした世界的な貿易摩擦に対する懸念や国内政治不安の高まり等、先行きは依然として不透明な状況となりました。
一方、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重くなっています。
このような中、当社グループは、少子高齢化や、人口減少、社会インフラの老朽化、情報通信技術(ICT技術)の高度化等、今後の社会環境の大きな変化を見据え、民営化20年に向けて進むべき方向性を示した「経営計画チャレンジV(ファイブ)2016-2020」の2年目を迎え、4つの経営方針「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」、「安全・快適を高める技術開発の推進」、「社会・経済の変化も見据えた地域活性化への貢献」、「社会の要請に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを着実に進めてまいりました。
高速道路の安全性向上については、2012年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル上り線天井板落下事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた今後の取組み方針「安全性向上への5つの取組み方針」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「道路構造物の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでまいりました。
技術開発については、道路構造物の点検の高度化に資する高速画像処理を用いたトンネル内点検技術や、橋梁の鉄筋等の金属腐食の抑制を目的とした新たな凍結防止剤の開発をグループ一体となって進めてまいりました。
地域活性化への貢献については、高速道路と観光施設等の利用等をセットとしたドライブプランの販売を行い、高速道路ネットワークを活かした交流人口増加の取組みを実施してまいりました。また、地域連携の新たな仕組みとして地域のパートナーと協働したクラウドファンディングを活用した取組みが、社会価値を生み出す持続的な経営・組織づくりの取組みを表彰する「KAIKA Awards 2017」(一般社団法人日本能率協会主催)において大賞を受賞し、社会的にも高い評価を受けています。
経営基盤の強化については、業務プロセスを見直すことによる業務効率化や、「育ち」活動を通じた人財育成を通して、グループ全体の生産性向上に取り組んでまいりました。
引き続き、お客さまに安心して高速道路をご利用いただけるよう、4つの経営方針に基づく取組みを着実に実施していくとともに、中央自動車道笹子トンネル(上り線)天井板落下事故を決して忘れることなく、事故のご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
こうした中、当連結会計年度の営業収益は972,076百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は7,181百万円(同12.3%増)、経常利益は8,593百万円(同9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,813百万円(同76.5%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、平成29年10月22日に東海環状自動車道 養老ジャンクション~養老インターチェンジ間3.1㎞を、平成30年1月28日に新東名高速道路 海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジ間2kmを、それぞれ開通させました。
また、新東名高速道路(厚木南インターチェンジ~御殿場ジャンクション間)、新名神高速道路(新四日市
ジャンクション~亀山西ジャンクション(仮称)間)、中部横断自動車道(新清水ジャンクション~富沢インターチェンジ間)、東京外かく環状道路(中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間)、名古屋第二環状自動車道(名古屋西ジャンクション~飛島ジャンクション(仮称)間)の新設事業及び東海北陸自動車道(白鳥インターチェンジ~飛騨清見インターチェンジ間)の4車線化の改築事業について、着実に事業を推進しました。
なお、新東名高速道路(伊勢原ジャンクション~伊勢原北インターチェンジ間)については、埋蔵文化財調査の拡大等から全体工程を精査し、開通予定時期を平成31年度と見直しました。また、名古屋第二環状自動車道(名古屋西ジャンクション~飛島ジャンクション(仮称)間)については、工事の進捗状況を踏まえ、開通予定時期を平成32年度と発表しました。
高速道路の有効利用や地域の活性化を推進するため、6箇所のスマートインターチェンジ(中央自動車道小黒川スマートインターチェンジ(長野県伊那市)、同道駒ヶ岳スマートインターチェンジ(長野県駒ヶ根市)、東名高速道路守山スマートインターチェンジ(愛知県名古屋市)、名神高速道路安八スマートインターチェンジ(岐阜県安八郡安八町)、舞鶴若狭自動車道三方五湖スマートインターチェンジ(福井県三方上中郡若狭町)、北陸自動車道能美根上スマートインターチェンジ(石川県能美市))を開通させました。
保全・サービス事業については、日々の構造物の点検や損傷の補修、高機能舗装の施工などの走行環境の改善、橋梁の耐震補強による大規模地震への備えなど、最新の技術を導入しながら高速道路の維持管理に努めてきました。
平成26年度に改正した「保全点検要領(構造物編)」に基づき、定期的な点検と点検結果を踏まえた早期の維持・補修を行いました。
構造物の大規模な取替えや補強などの「高速道路リニューアルプロジェクト」については、中央自動車道天竜川橋(上り線)や同道辰野トンネル(下り線)等で大規模交通規制を行いながら劣化した橋梁床版の取替工事やトンネル覆工の補強工事を実施しました。
また、道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、取締りを強化し、悪質な違反者に対する警察への告発、高速道路6会社連携による大口多頻度割引停止措置等の強化、自動計測装置の整備による常時取締りの実施等、違反車両の撲滅に取り組みました。
渋滞対策については、東名阪自動車道 四日市インターチェンジ~鈴鹿インターチェンジ間(上り線)の3車線(暫定)運用区間の延伸や、首都圏中央連絡自動車道 八王子ジャンクションの2車線化により渋滞の緩和に努めました。
交通事故の防止については、暫定二車線の一部区間に正面衝突事故防止対策としてこれまで上下線を区分するために設置していたラバーポールに代えてワイヤロープを試行設置しました。また、重大事故につながる可能性の高い高速道路での逆走による事故をなくすため、インターチェンジ、ジャンクション、サービスエリア及びパーキングエリアの全箇所に大型矢印標示等による視覚的な対策や、Uターン防止ラバーポール等による物理的な対策を行いました。
地震など大規模災害時の対応力強化の取組みについては、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」や「首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画」などに対応し、防災機能強化や関係機関との連携強化を図るため、迅速な緊急輸送ルートの確保のための資機材の備蓄に努めました。
また、防災訓練やお客さまの安全確保を目的とした避難誘導訓練を実施し、訓練により顕在化した課題への対応や関係機関との連携強化に努めました。
さらに、大雪など荒天時における通行確保の取組みとして、大雪による通行止めを極力回避するため、除雪体制の強化や立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、大雪が予想される場合の事前広報、関係機関との連携強化などを行い、高速道路ネットワークの機能確保に努めました。
こうした中、営業収益は896,479百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は2,110百万円(同46.9%増)となりました。
営業収益の増加は、大型車を中心に交通量が増加したことに伴い料金収入が増加したことや、新東名高速道路 海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジ間の開通などに伴い道路資産完成高を計上したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は678,696百万円(前年同期比2.1%増)でした。
(注)上記のうち、工事中のインターチェンジ等の名称は仮称のものを含みます。
(休憩所事業)
休憩所事業については、各サービスエリアで、地域の特色を活かした個性豊かで魅力的なサービスエリアづくりを展開しました。
平成29年4月に新設オープンした東名高速道路 駒門パーキングエリア(下り線)では、交通量の多い国道246号に接するという特徴を活かし、地域の皆さまが日常使いとしてもご利用いただけるよう、国道側に大規模な駐車場を整備し、品ぞろえを工夫し、魅力を感じていただけるエリアづくりに取り組みました。
また、中央自動車道 談合坂サービスエリア(上り線)、東名高速道路 富士川サービスエリア(下り線)等、既存サービスエリアでは、お客さまニーズをとらえた店舗の配置の見直しやフードコートの拡大、キッズコーナーの新設等、各種サービスを充実させることによるリニューアルを進め、利便性を向上させました。
このほか、地元企業の誘致や地域特産品コーナーの充実に加え、店舗と地元事業者による商談会、地元大学と連携した新商品の開発やNEXCO中日本のオリジナルお土産ブランド「プレみや」の拡大など、メニュー、お土産品の拡充に取り組みました。また、外国からのお客さまに対するサービスの更なる充実を図るため、海外発行カードに対応したATMや決済端末の設置、各種案内の多言語表示等を行いました。
近隣住民の方々にも魅力を感じていただけるエリアづくりとして、一般道からサービスエリアが利用できる「ぷらっとパーク」の整備や、地元農産物の販売、地域食材を使用した地産地消メニューの充実、地域住民参加型のイベントの開催等、地域活性化や地域社会との連携強化に努めました。
こうした中、営業収益は31,591百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は4,852百万円(同4.1%減)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、観光振興事業、地域開発事業、海外事業等の事業を営んでおります。
観光振興事業については、地方自治体と連携した高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)や旅行会社と連携し、企画割引と宿泊のセット商品の販売を拡充しました。また、観光施設等と連携し、企画割引と施設の入園等がセットになった商品を平成29年6月から本格的に開始し、43プランを販売しました。さらに、フォトロゲイニングなどの地域の魅力をPRするイベントや地域誘客キャンペーン開催などに取り組むとともに、高速道路の建設現場や管理施設等の見学を組み込んだ旅行ツアー商品を募集販売しました。
地域開発事業については、東海環状自動車道 土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」で、店舗内のリニューアルやお客さま感謝イベント、キャンペーンの実施など誘客に努めました。これにより温浴施設「よりみち温泉」は開業から3年で累計入浴者数100万人を突破いたしました。また、社宅跡地を活用した宅地開発分譲事業を、ハウスメーカーや不動産会社と共同で実施しました。
海外事業については、日本高速道路インターナショナル㈱(持分法適用関連会社)等と協力して、アジア・欧米等の高速道路事業に係る現地調査や事業参画に向けた関係機関との協議を行いました。ベトナム国においては、有料道路「フーリーバイパス」の運営会社FCC Infrastructure Investment Joint Stock Companyの株式をFECON社より取得し、日本の高速道路会社として初となる同国の有料道路事業への参入を果たしました。同時に、同国への技術移転や道路整備における相互協力を目的として、FECON社及び同社のグループ会社と戦略的パートナーシップ協定を締結しました。
また、昨年度に引き続き、ベトナム、キルギスなどにおいて6件のコンサルティング業務を実施し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。このほか、海外からの視察団の受入れ等の積極的な国際交流を通じて、幅広い情報交換ネットワークの構築を進めるとともに、国が実施する海外協力事業への社員の派遣、海外の道路関係会議において日本の高速道路技術を紹介するなど、国際貢献にも努めました。
また、平成27年2月25日に東海旅客鉄道㈱と締結した協定に基づき、リニア中央新幹線事業に係る用地取得の支援業務を行っております。
こうした中、営業収益は44,086百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益は211百万円(前年同期は営業損失111百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益29,711百万円に加え、減価償却費20,837百万円、仕入債務の増加額11,930百万円などによる増加があった一方、たな卸資産の増加額が128,906百万円、退職給付に係る資産又は負債の増減額21,189百万円などによる減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、42,047百万円の資金支出(前年同期比83.7%減)となりました。
なお、上記たな卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出23,225百万円などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは、23,339百万円の資金支出(前年同期比14.3%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
道路建設関係社債発行による収入342,708百万円などによる増加があった一方、道路建設関係社債償還による支出223,551百万円(機構法第15条第1項による債務引受額)などによる減少があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは99,980百万円の資金収入(前年同期比68.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ34,592百万円増加し、142,848百万円(前年同期比32.0%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
| 平成29年4月1日から平成30年3月31日まで |
| (単位:百万円) | |||||
| 1. | 営業収益 | ||||
| 料金収入 | 678,715 | ||||
| 道路資産完成高 | 216,869 | ||||
| 受託業務収入 | 1 | ||||
| その他の売上高 | 734 | 896,321 | |||
| 2. | 営業外収益 | ||||
| 受取配当金 | 3,708 | ||||
| 土地物件貸付料 | 16 | ||||
| 雑収入 | 227 | 3,953 | |||
| 3. | 特別利益 | ||||
| 固定資産売却益 | 59 | ||||
| 厚生年金基金代行返上益 | 21,008 | 21,068 | |||
| 高速道路事業営業収益等合計 | 921,342 |
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営に備えるため、配当などの社外流出を控え、可能な限り自己資本の充実に努めていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィークなどを含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事などの影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を概ね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、財政投融資を活用した東海環状自動車道の整備促進事業の追加等に伴い、平成30年度に当社が負担した一部の借入金債務及び債券債務については、債務の引受けにあたり調達時期が古い債務に先んじて選定される可能性があります。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要なものであると考えております。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費等のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。また、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しております。
なお、上記「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因 ② 機構による債務引受け等」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借り受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。
② 完成工事高及び完成工事原価の計上基準
道路資産完成高及び道路資産完成原価の計上には、「高速道路事業等会計規則」により工事完成基準を適用しております。
また、受託業務収入に係る工事契約については、当連結会計年度末までの進捗部分についての成果の確実性が認められる工事契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事契約については工事完成基準を適用しております。
なお、平成21年3月31日以前に着手した工事については、請負金額が50億円以上の長期工事(工期2年超)については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
③ ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しておりますが、実際に発生した費用が見積りと異なる場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
⑤ 役員退職慰労引当金
役員及び執行役員の退職慰労金の支出に備えるため、内規に基づく当連結会計年度末要支給額を計上しております。
⑥ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しております。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しております。
(3)資本の源泉及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関からの長期借入れを通じて実施いたしました。
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における全事業の営業収益は972,076百万円(前年同期比7.1%増)、営業費用は964,894百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は7,181百万円(前年同期比12.3%増)となり、前連結会計年度と比較し、増収・増益となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は896,479百万円(前年同期比6.5%増)となりました。これは、景気の緩やかな回復基調が継続したことを背景として、大型車を中心に交通量が増加したことに伴い料金収入が増加したことや、新東名高速道路 海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジ間の開通など、機構への道路資産の帰属規模が前連結会計年度に比べ大きかったことによるものです。一方、営業費用は、協定に基づく機構への賃借料の増加、道路資産完成原価の増加などにより、894,368百万円(前年同期比6.5%増)となり、営業利益は2,110百万円(前年同期比46.9%増)となりました。これは料金収入の増加額が賃借料の増加額を上回ったことにより増益となったものです。なお、管理費用等は着実な業務執行により前連結会計年度とほぼ同額となっております。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は31,591百万円(前年同期比0.8%減)となりました。これは、一部の直営店舗をテナント運営に変更したことによるものです。営業費用は、テナント運営への変更により商品仕入れなどの費用が減少した一方、商業施設の維持管理費用の増加などがあり、前連結会計年度とほぼ同額の26,739百万円(前年同期比0.1%減)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は4,852百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は44,086百万円(前年同期比28.3%増)、営業費用は43,874百万円(前年同期比27.3%増)となりました。これは、国・地方公共団体から受託した工事出来高の増加や社宅跡地を活用した不動産開発事業によるものです。その結果、営業利益は211百万円(前年同期は営業損失111百万円)となりました。