有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、輸出や生産の持ち直しが続き、雇用・所得環境等が改善する等、緩やかな回復傾向が続きました。また、個人消費や民間企業設備投資等国内需要も持ち直しており、好循環が進展しておりました。しかしながら、令和2年2月以降は、新型コロナウイルス感染拡大による消費の落ち込みや株価の下落等が発生しており、景気動向の先行きについては厳しい状況が続くと見込まれております。
一方、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重くなっています。
このような中、当社グループは、少子高齢化や、人口減少、社会インフラの老朽化、ICTの高度化等、今後の社会環境の大きな変化を見据え、民営化20年に向けて進むべき方向性を示した「経営計画チャレンジV(ファイブ)2016-2020」の4年目を迎え、4つの経営方針「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」、「安全・快適を高める技術開発の推進」、「社会・経済の変化も見据えた地域活性化への貢献」、「社会の要請に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを着実に進めてまいりました。さらに、これらの経営方針を実現するため、高速道路の機能強化、車の自動運転等のイノベーションに対応した高速道路の進化等を定めた「高速道路における安全・安心実施計画」を策定し、高速道路の安全性、信頼性や使いやすさの向上に取り組んでいきます。
高速道路の安全性向上と機能強化については、平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた今後の取組み方針「安全性向上への5つの取組み方針」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「道路構造物の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでまいりました。引き続き「安全性向上への5つの取組み方針」を着実に進めていくとともに、新たに事業化された暫定2車線区間の4車線化や中京圏の新たな高速道路料金の導入による交通流動の最適化等を推進し、道路ネットワーク全体としてその機能を時間的・空間的に最大限に発揮する取組みも進めてまいります。
技術開発については、高速道路の安全性向上と機能強化の取組みをさらに高度化・効率化していくため、点検の高度化、老朽化した高速道路を健全にするための技術や、路上作業における安全性向上につながる技術開発及びICTやAI(Artificial Intelligence:人工知能)の導入にグループ一体となって取り組んでまいりました。また、車の自動運転の実現と普及に向け、道路と車の通信により交通規制や落下物等の道路情報をより早くより正確に提供する新たなITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の開発に官民協働で取り組むとともに、運転制御、操作支援技術の開発や、維持管理車両の自動運転化の研究開発を進めています。
地域の活性化や課題解決への貢献については、高速道路の利用増を地域の観光消費に直結させるドライブプラン(高速道路周遊パスと観光施設の利用券等をセットにした旅行商品)の販売等の地域観光振興、複合商業施設の運営や農地所有適格法人の設立による耕作放棄地を活用した農業事業の展開等の地域活性化、災害時の協力体制の構築や地域見守り活動への参画等の地域防災等に取り組んでまいりました。また、訪日外国人旅行者に安心して便利に高速道路をご利用いただけるよう、案内表示の多言語化や、標識に路線番号を用いて案内するナンバリング等の整備を進めています。
経営基盤の強化については、業務プロセスの見直しや業務システムの構築、改修による業務効率化や、自律的に考え行動する人財の育成等を通して、グループ全体の生産性向上に取り組んでいます。
5カ年計画の最終年度となる令和2年度は、目標達成に向けて、「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」をはじめ、技術開発、地域活性化、経営基盤強化の取組みをグループ一丸となってより一層加速させていくとともに、「高速道路における安全・安心実施計画」に基づく施策を着実に進め、高速道路のさらなる安全性向上に努めていきます。また、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を決して忘れることなく、事故のご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
こうした中、当連結会計年度の営業収益は1,031,407百万円(前年同期比29.1%減)、営業利益は14,345百万円(同4.0%減)、経常利益は16,323百万円(同1.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,167百万円(同10.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、経営方針の最上位である「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」のもと、高速道路ネットワークの整備を着実かつ効率的に進め、地域の期待に応えるため、ミッシングリンクの解消や機能強化を行いました。令和元年12月14日に東海環状自動車道大野神戸インターチェンジ~大垣西インターチェンジ間8㎞、令和2年3月7日に新東名高速道路伊勢原ジャンクション~伊勢原大山インターチェンジ間2km、同年3月20日に東海環状自動車道関広見インターチェンジ~山県インターチェンジ間9kmをそれぞれ開通させ、令和元年12月21日には新名神高速道路亀山西ジャンクション(名古屋・伊勢ランプウェイ)を完成させました。
また、新東名高速道路伊勢原大山インターチェンジ~御殿場ジャンクション間、東京外かく環状道路中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間、名古屋第二環状自動車道名古屋西ジャンクション~飛島ジャンクション(仮称)間、東海環状自動車道山県インターチェンジ~大野神戸インターチェンジ間及び養老インターチェンジ~大安インターチェンジ間の新設事業並びに新東名高速道路御殿場ジャンクション~浜松いなさジャンクション間及び新名神高速道路亀山西ジャンクション~甲賀土山インターチェンジ間の6車線化事業について、着実に推進しました。
令和2年3月31日に東海北陸自動車道白川郷インターチェンジ~五箇山インターチェンジ間及び五箇山インターチェンジ~福光インターチェンジ間、東海環状自動車道土岐ジャンクション~可児御嵩インターチェンジ間、紀勢自動車道大宮大台インターチェンジ~紀勢大内山インターチェンジ間の4車線化の改築事業について、国土交通大臣から許可を受けました。
お客さまの利便性の向上と地域の活性化のため、3箇所のスマートインターチェンジ(東名高速道路日本平久能山スマートインターチェンジ(静岡市)、同駒門スマートインターチェンジ(静岡県御殿場市)及び東海環状自動車道岐阜三輪スマートインターチェンジ(岐阜県岐阜市))を開通させました。
令和元年9月27日に4箇所のスマートインターチェンジ(中央自動車道諏訪湖スマートインターチェンジ(仮称)(長野県諏訪市及び長野県岡谷市)、東名高速道路岡崎阿知和スマートインターチェンジ(仮称)(愛知県岡崎市)、同東郷スマートインターチェンジ(仮称)(愛知県日進市)、東海北陸自動車道城端SAスマートインターチェンジ(仮称)(富山県南砺市))の整備について、国土交通大臣から許可を受けました。
保全・サービス事業については、近年、頻発化・激甚化する自然災害、少子高齢化や労働人口の急速な減少、ICT分野における急速な技術革新等、目まぐるしく変化する社会環境に対応するため、「安全を何よりも優先」を経営理念とし、「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」を経営方針の最上位に掲げ、様々な取組みを行っております。高速道路は、人々の生活に深く根ざし、永く将来にわたりわが国の文化・産業の発展に寄与する重要な社会基盤です。安全を最優先に、信頼性の高い高速道路ネットワークとお客さまに満足いただけるサービスを24時間365日提供するため、高速道路の点検や、維持・補修・修繕等、次のような取組みを行いました。
道路構造物等の点検に関しては、日々の高速道路の巡回による点検を行っているほか、橋梁やトンネルについては、平成26年度に改正された道路法施行令を踏まえた「保全点検要領(構造物編)」に則り、5年に1度、近接目視等による詳細点検を行っています。また、変状が確認された構造物は、計画的に補修を進めています。
高速道路ネットワークを健全な状態で次世代に引き継ぐため、高速道路リニューアルプロジェクトにおいて、構造物を最新の技術で再施工又は補修・補強し、建設当初と同等以上の性能・機能へ回復させることによって、高速道路ネットワークの機能を長く健全に保つよう取り組んでいます。
平成28年4月に発生した熊本地震における橋梁の被災状況を踏まえ、緊急輸送道路としての機能を速やかに回復し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、橋梁の耐震補強を計画的に進めています。
道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、取締りを強化し、悪質な違反者に対する刑事告発、大口・多頻度割引停止措置等の強化、自動計測装置の整備による常時取締りの実施等、違反車両の撲滅に取り組みました。
交通事故対策として、暫定2車線区間における正面衝突事故防止のため、これまでのラバーポールに代えて一部区間で設置したワイヤーロープについて、検証結果を踏まえ、土工区間への本格整備を進めています。
また、逆走事故ゼロを実現するため、民間から公募した技術等の現地展開を進めるとともに、交通安全啓発にも取り組みました。
渋滞対策として、東名高速道路(大和トンネル付近)、中央自動車道(小仏トンネル付近及び相模湖バスストップ付近)、暫定2車線区間の機能強化として、東海北陸自動車道五箇山インターチェンジ~小矢部砺波ジャンクション間及び白川郷インターチェンジ~五箇山インターチェンジ間、東海環状自動車道美濃加茂インターチェンジ~土岐ジャンクション間における付加車線の設置事業を着実に推進しました。
令和2年3月31日に名神高速道路(一宮ジャンクション付近)、東名高速道路(東名三好インターチェンジ付近)、中央自動車道(三鷹バスストップ付近)の渋滞対策事業、東海環状自動車道養老インターチェンジ~北勢インターチェンジ(仮称)間の有料道路事業費の変更について、国土交通大臣から許可を受けました。
また、休憩施設における駐車場の混雑対策として、平成31年4月12日に東名高速道路豊橋パーキングエリア(下り線)を整備する等、駐車マスの拡充や混雑情報提供の充実にも取り組みました。
大規模災害時の対応力強化については、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」等に則り、高速道路ネットワークを活用した迅速な緊急輸送ルートを確保するため、関係機関との参集拠点等に大規模災害時に備えた資機材の備蓄を行っています。また、防災訓練やお客さまの安全確保を目的に避難誘導訓練を実施し、訓練により顕在化した課題への対応、関係機関との連携強化等に努めています。
大雪等荒天時の通行確保として、大雪による通行止めを回避するため、除雪体制の強化、立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、救援車両の配備、大雪事前広報や関係機関との連携強化に取り組みました。
新型コロナウイルス感染症への対応として、お客さまの感染防止対策として、休憩施設等への感染予防備品の配備を行いました。
さらに、人口減少、社会インフラの老朽化の進行等、社会環境の劇的な変化に対応するため、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やビッグデータ、AI等の次世代技術を活用した革新的な高速道路の保全マネジメント「アイムーブメント(i-MOVEMENT)」を令和元年6月に発表しました。このi-MOVEMENTの実現に向け、オープンイノベーションを推進する「イノベーション交流会」を設立し、3つの重点テーマに沿って、道路事業者、国内メーカー等80を超える企業・団体が参加して活動しています。そのうち「移動体監視による路面状況等把握の効率化」と「変状データ分析・維持修繕計画策定の高度化」において、それぞれ提案された技術に関する高速道路の保全マネジメントへの適用性の実証試験を開始しました。
こうした中、営業収益は954,736百万円(前年同期比30.7%減)、営業利益は10,054百万円(同3.6%増)となりました。
営業収益の減少は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴う料金収入の減少や、新東名高速道路伊勢原ジャンクション~伊勢原大山インターチェンジ間の開通等があったものの前連結会計年度の機構への道路資産の帰属規模が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は689,778百万円(前年同期比0.5%減)でした。
(休憩所事業)
休憩所事業については、各サービスエリアで、地域の特色を活かした店舗づくり、魅力ある商品の販売、様々なニーズに応えるサービスの導入を進めるとともに、地域活性化や地域社会との連携強化にも取り組む等、特徴と魅力あるサービスエリアづくりを展開しました。
東名高速道路浜名湖サービスエリアは、「EXPASA浜名湖」としてグランドオープンしました。コンビニを新設し、フードコートの座席数を大幅に増やすことで利便性を向上させるとともに、浜名湖産うなぎを使用した鰻重や、浜松餃子等、地元の食が楽しめるメニューを充実させました。
東名高速道路海老名サービスエリア(下り線)は、第一期リニューアルオープンとして、フードコートの一部改良と併せて、商業施設を増築し、ショッピングコーナーやカフェ、スイーツコーナーを新設しました。令和2年度には「EXPASA海老名(下り線)」としてグランドオープンする予定です。
様々なニーズへの対応としては、外国からのお客さまへのさらなるサービスの充実のため、各種案内表示の多言語化対応や海外発行カードに対応したATMの設置等を行いました。
このほか、商業施設において、地元農産物の販売、地域食材を使用した地産地消メニューの充実、産学連携による新商品の開発・販売を行い、また、近隣住民の方々が一般道からサービスエリアを利用できる「ぷらっとパーク」を整備して地域住民参加型のイベントや発表会の場として活用してもらう等、地域活性化や地域社会との連携強化にも取り組みました。
また、当社が持つサービスエリアづくりのノウハウを活かし、日本の高速道路会社として、初めて、台湾のフォルモサ高速公路にある清水サービスエリアの運営に参入しました。参入にあたり、当社の子会社である中日本エクシス㈱は台湾に現地法人「艾客思國際股份有限公司」を設立しました。
こうした中、営業収益は31,751百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は3,855百万円(同24.5%減)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、観光振興事業、地域開発事業、海外事業等の事業を営んでおります。様々な事業の展開により、経営基盤の強化を進めるとともに、社会・経済の変化を見据えた地域活性化や、海外での国際交流・国際貢献等に取り組んでおります。
観光振興事業については、地方自治体と連携した高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)の販売を拡充しました。また、68の観光施設及び55の宿泊施設と連携し、高速道路と観光施設及び宿泊施設の利用券やサービスエリア・パーキングエリアのお買物券をセットにした商品を販売しました。このほか、高速道路の建設現場や管理施設等の見学を組み込んだ旅行ツアーを旅行会社と協働して実施しました。
地域開発事業については、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」で、店舗内のリニューアルや車中泊スポットの開設、地元企業や自治体主催イベント等を実施し誘客に努めました。また、社宅の跡地を活用して横浜市、浜松市、東京都町田市、三重県津市及び桑名市で宅地分譲事業を行いました。
海外事業については、持分法適用関連会社である日本高速道路インターナショナル㈱と共同で、アジア、欧米等の高速道路事業に係る現地調査や、事業参画に向けた関係機関との協議を行いました。ベトナム国では、フーリーバイパス事業や、同国の建設会社と締結した戦略的パートナーシップ協定を起点として、同国への技術移転や新規高速道路整備に向けた共同検討を実施しました。
また、平成31年4月25日にフィリピン国メトロパシフィック・トールウェイズとの技術協力覚書の締結を行い、今後の技術協力とフィリピン国における事業展開のための情報交換を開始しました。このほか、当社の海外事業のさらなる発展及びインフラシステムの海外展開の推進のため、米国現地法人NEXCO Highway Solutions of America Inc.を、フィリピン国現地法人NEXCO-CENTRAL Philippines Inc.をそれぞれ設立し、事業を開始しました。
このほか、昨年度に引き続き、タジキスタン国、ザンビア国等において3件のコンサルティング業務を実施するとともに、フィリピン国及びベトナム国において2件の新規事業を受注し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。このほか、海外からの視察団の受入れ等の積極的な国際交流を通じて、幅広い情報交換ネットワークの構築を進めるとともに、国が実施する海外協力事業への社員の派遣、海外の道路関係会議において日本の高速道路技術を紹介する等、国際貢献にも努めました。
また、平成27年2月25日に東海旅客鉄道㈱と締結した協定に基づき、中央新幹線事業に係る用地取得の支援業務を行っております。
このほか、持分法適用関連会社である中日本ファームすずなり㈱では、耕作放棄地の増加等の地域が抱える課題の解決及び地域活性化への貢献を目的に、浜松市内において、野菜(レタス及び枝豆等)の栽培を行いました。また、長距離トラックドライバーの労働環境改善を支援する取組みとして、新東名高速道路浜松サービスエリア(下り線)敷地内で中継物流拠点「コネクトエリア浜松」を遠州トラック㈱と共同で運営しております。
こうした中、営業収益は44,966百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は423百万円(同222.0%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益15,921百万円に加え、減価償却費22,795百万円、退職給付に係る資産又は負債の増減額1,057百万円等による増加があった一方、たな卸資産の増加額215,375百万円、未払又は未収消費税等の増減額58,124百万円等による減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、253,993百万円の資金支出(前年同期は307,354百万円の資金収入)となりました。
なお、上記たな卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出32,589百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、32,661百万円の資金支出(前年同期比22.8%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
道路建設関係社債発行による収入568,616百万円等による増加があった一方、道路建設関係社債償還による支出280,239百万円(機構法第15条第1項による債務引受額)等による減少があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは316,935百万円の資金収入(前年同期は318,177百万円の資金支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ30,283百万円増加し、135,784百万円(前年同期比28.7%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営に備えるため、配当等の社外流出を控え、可能な限り自己資本の充実に努めていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィーク等を含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事等の影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として概ね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、高速道路の更新事業にかかる財政融資資金借入債務については、前述に関わらず、概ね令和6年度ないし令和7年度を目途に債務引受けを予定しております。また、特定の目的で調達した債務は、前述に関わらず、対象資産が機構に資産帰属する時に、債務引受けを行います。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において特に以下の会計上の見積りが、重要なものであると考えております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
① 繰延税金資産
当社グループは、一定期間において見込まれる将来の課税所得の範囲内で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は、入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っておりますが、算出時に用いた前提条件が変化したことにより、結果として繰延税金資産の回収可能性が見込めず、損益に悪影響を与える可能性があります。
② ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しておりますが、実際に発生した費用が見積りと異なる場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
③ 退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率等が含まれます。当社グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しております。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しております。当社グループは、判定に用いた前提条件は妥当なものと判断しておりますが、将来において前提条件が変化したことにより、結果として将来において固定資産の減損損失を認識する可能性があります。
(3) 資本の源泉及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況等
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関からの長期借入れを通じて実施いたしました。
②資金調達の基本方針
資金調達の基本的な考え方は、低利安定的な調達を目指し、社債の発行による調達を優先し、補完的に金融機関からの借入金による調達を行います。ただし、金融市場の環境等により社債発行が困難な場合は、借入金の比率を高めることがあります。
③資金需要の主な内容
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(収益及び損益の状況)
当連結会計年度における全事業の営業収益は1,031,407百万円(前年同期比29.1%減)、営業費用は1,017,062百万円(同29.4%減)、営業利益は14,345百万円(同4.0%減)、経常利益は16,323百万円(同1.8%減)、親会社に帰属する当期純利益は11,167百万円(同10.6%増)となり、前連結会計年度と比較すると減収・増益となりました。
② 財政状況の分析
(「資産の部」の状況)
当連結会計年度末における資産合計は1,633,772百万円(前年同期比22.2%増)となり、296,574百万円増加しました。流動資産は、「仕掛道路資産」が増加したこと等により、1,324,548百万円(同27.2%増)となりました。固定資産は、減価償却による減少がある一方、ETC設備の更新による増加があったこと等により、307,983百万円(同4.3%増)となりました。繰延資産は1,240百万円(同40.9%増)となりました。
(「負債の部」の状況)
当連結会計年度末における負債合計は1,378,279百万円(前年同期比26.2%増)となり、285,820百万円増加しました。流動負債は、「1年以内償還予定社債」が増加したこと等により、342,487百万円(同19.4%増)となりました。固定負債は、「道路建設関係社債」が増加したこと等により、1,035,791百万円(同28.6%増)となりました。
(「純資産の部」の状況)
当連結会計年度末における純資産合計は、「利益剰余金」が増加したこと等により、255,493百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
③ セグメントごとの分析
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は954,736百万円(前年同期比30.7%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い料金収入が減少したことや、新東名高速道路伊勢原ジャンクション~伊勢原大山インターチェンジ間の開通等があったものの前連結会計年度の機構への道路資産の帰属規模が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。一方、営業費用は、協定に基づく機構への賃借料の減少、道路資産完成原価の減少等により、944,682百万円(同30.9%減)となり、営業利益は10,054百万円(同3.6%増)となりました。なお、管理費用等は、高速道路施設の点検や維持修繕などの業務を着実に執行したことから、前連結会計年度より微増となっております。
当連結会計年度末における高速道路事業のセグメント資産は1,246,723百万円(同24.8%増)、セグメント負債は1,023,358百万円(同45.4%増)となりました。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は31,751百万円(前年同期比2.6%減)となりました。これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により店舗売上が減少したことによるものです。営業費用は、商業施設の修繕費の増加等により、前連結会計年度より微増の27,896百万円(同1.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は3,855百万円(同24.5%減)となりました。
当連結会計年度末における休憩所事業のセグメント資産は176,755百万円(同0.6%増)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は44,966百万円(前年同期比1.5%減)、営業費用は44,543百万円(同2.2%減)となりました。これらは、国・地方公共団体から受託した工事出来高の減少したこと等によるものです。その結果、営業利益は423百万円(同222.0%増)となりました。
当連結会計年度末におけるその他(関連)事業のセグメント資産は23,987百万円(同21.1%増)、セグメント負債は525百万円(同16.0%減)となりました。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、輸出や生産の持ち直しが続き、雇用・所得環境等が改善する等、緩やかな回復傾向が続きました。また、個人消費や民間企業設備投資等国内需要も持ち直しており、好循環が進展しておりました。しかしながら、令和2年2月以降は、新型コロナウイルス感染拡大による消費の落ち込みや株価の下落等が発生しており、景気動向の先行きについては厳しい状況が続くと見込まれております。
一方、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重くなっています。
このような中、当社グループは、少子高齢化や、人口減少、社会インフラの老朽化、ICTの高度化等、今後の社会環境の大きな変化を見据え、民営化20年に向けて進むべき方向性を示した「経営計画チャレンジV(ファイブ)2016-2020」の4年目を迎え、4つの経営方針「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」、「安全・快適を高める技術開発の推進」、「社会・経済の変化も見据えた地域活性化への貢献」、「社会の要請に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを着実に進めてまいりました。さらに、これらの経営方針を実現するため、高速道路の機能強化、車の自動運転等のイノベーションに対応した高速道路の進化等を定めた「高速道路における安全・安心実施計画」を策定し、高速道路の安全性、信頼性や使いやすさの向上に取り組んでいきます。
高速道路の安全性向上と機能強化については、平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受けて策定した「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた今後の取組み方針「安全性向上への5つの取組み方針」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「道路構造物の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでまいりました。引き続き「安全性向上への5つの取組み方針」を着実に進めていくとともに、新たに事業化された暫定2車線区間の4車線化や中京圏の新たな高速道路料金の導入による交通流動の最適化等を推進し、道路ネットワーク全体としてその機能を時間的・空間的に最大限に発揮する取組みも進めてまいります。
技術開発については、高速道路の安全性向上と機能強化の取組みをさらに高度化・効率化していくため、点検の高度化、老朽化した高速道路を健全にするための技術や、路上作業における安全性向上につながる技術開発及びICTやAI(Artificial Intelligence:人工知能)の導入にグループ一体となって取り組んでまいりました。また、車の自動運転の実現と普及に向け、道路と車の通信により交通規制や落下物等の道路情報をより早くより正確に提供する新たなITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の開発に官民協働で取り組むとともに、運転制御、操作支援技術の開発や、維持管理車両の自動運転化の研究開発を進めています。
地域の活性化や課題解決への貢献については、高速道路の利用増を地域の観光消費に直結させるドライブプラン(高速道路周遊パスと観光施設の利用券等をセットにした旅行商品)の販売等の地域観光振興、複合商業施設の運営や農地所有適格法人の設立による耕作放棄地を活用した農業事業の展開等の地域活性化、災害時の協力体制の構築や地域見守り活動への参画等の地域防災等に取り組んでまいりました。また、訪日外国人旅行者に安心して便利に高速道路をご利用いただけるよう、案内表示の多言語化や、標識に路線番号を用いて案内するナンバリング等の整備を進めています。
経営基盤の強化については、業務プロセスの見直しや業務システムの構築、改修による業務効率化や、自律的に考え行動する人財の育成等を通して、グループ全体の生産性向上に取り組んでいます。
5カ年計画の最終年度となる令和2年度は、目標達成に向けて、「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」をはじめ、技術開発、地域活性化、経営基盤強化の取組みをグループ一丸となってより一層加速させていくとともに、「高速道路における安全・安心実施計画」に基づく施策を着実に進め、高速道路のさらなる安全性向上に努めていきます。また、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を決して忘れることなく、事故のご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
こうした中、当連結会計年度の営業収益は1,031,407百万円(前年同期比29.1%減)、営業利益は14,345百万円(同4.0%減)、経常利益は16,323百万円(同1.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,167百万円(同10.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、経営方針の最上位である「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」のもと、高速道路ネットワークの整備を着実かつ効率的に進め、地域の期待に応えるため、ミッシングリンクの解消や機能強化を行いました。令和元年12月14日に東海環状自動車道大野神戸インターチェンジ~大垣西インターチェンジ間8㎞、令和2年3月7日に新東名高速道路伊勢原ジャンクション~伊勢原大山インターチェンジ間2km、同年3月20日に東海環状自動車道関広見インターチェンジ~山県インターチェンジ間9kmをそれぞれ開通させ、令和元年12月21日には新名神高速道路亀山西ジャンクション(名古屋・伊勢ランプウェイ)を完成させました。
また、新東名高速道路伊勢原大山インターチェンジ~御殿場ジャンクション間、東京外かく環状道路中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間、名古屋第二環状自動車道名古屋西ジャンクション~飛島ジャンクション(仮称)間、東海環状自動車道山県インターチェンジ~大野神戸インターチェンジ間及び養老インターチェンジ~大安インターチェンジ間の新設事業並びに新東名高速道路御殿場ジャンクション~浜松いなさジャンクション間及び新名神高速道路亀山西ジャンクション~甲賀土山インターチェンジ間の6車線化事業について、着実に推進しました。
令和2年3月31日に東海北陸自動車道白川郷インターチェンジ~五箇山インターチェンジ間及び五箇山インターチェンジ~福光インターチェンジ間、東海環状自動車道土岐ジャンクション~可児御嵩インターチェンジ間、紀勢自動車道大宮大台インターチェンジ~紀勢大内山インターチェンジ間の4車線化の改築事業について、国土交通大臣から許可を受けました。
お客さまの利便性の向上と地域の活性化のため、3箇所のスマートインターチェンジ(東名高速道路日本平久能山スマートインターチェンジ(静岡市)、同駒門スマートインターチェンジ(静岡県御殿場市)及び東海環状自動車道岐阜三輪スマートインターチェンジ(岐阜県岐阜市))を開通させました。
令和元年9月27日に4箇所のスマートインターチェンジ(中央自動車道諏訪湖スマートインターチェンジ(仮称)(長野県諏訪市及び長野県岡谷市)、東名高速道路岡崎阿知和スマートインターチェンジ(仮称)(愛知県岡崎市)、同東郷スマートインターチェンジ(仮称)(愛知県日進市)、東海北陸自動車道城端SAスマートインターチェンジ(仮称)(富山県南砺市))の整備について、国土交通大臣から許可を受けました。
保全・サービス事業については、近年、頻発化・激甚化する自然災害、少子高齢化や労働人口の急速な減少、ICT分野における急速な技術革新等、目まぐるしく変化する社会環境に対応するため、「安全を何よりも優先」を経営理念とし、「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」を経営方針の最上位に掲げ、様々な取組みを行っております。高速道路は、人々の生活に深く根ざし、永く将来にわたりわが国の文化・産業の発展に寄与する重要な社会基盤です。安全を最優先に、信頼性の高い高速道路ネットワークとお客さまに満足いただけるサービスを24時間365日提供するため、高速道路の点検や、維持・補修・修繕等、次のような取組みを行いました。
道路構造物等の点検に関しては、日々の高速道路の巡回による点検を行っているほか、橋梁やトンネルについては、平成26年度に改正された道路法施行令を踏まえた「保全点検要領(構造物編)」に則り、5年に1度、近接目視等による詳細点検を行っています。また、変状が確認された構造物は、計画的に補修を進めています。
高速道路ネットワークを健全な状態で次世代に引き継ぐため、高速道路リニューアルプロジェクトにおいて、構造物を最新の技術で再施工又は補修・補強し、建設当初と同等以上の性能・機能へ回復させることによって、高速道路ネットワークの機能を長く健全に保つよう取り組んでいます。
平成28年4月に発生した熊本地震における橋梁の被災状況を踏まえ、緊急輸送道路としての機能を速やかに回復し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、橋梁の耐震補強を計画的に進めています。
道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、取締りを強化し、悪質な違反者に対する刑事告発、大口・多頻度割引停止措置等の強化、自動計測装置の整備による常時取締りの実施等、違反車両の撲滅に取り組みました。
交通事故対策として、暫定2車線区間における正面衝突事故防止のため、これまでのラバーポールに代えて一部区間で設置したワイヤーロープについて、検証結果を踏まえ、土工区間への本格整備を進めています。
また、逆走事故ゼロを実現するため、民間から公募した技術等の現地展開を進めるとともに、交通安全啓発にも取り組みました。
渋滞対策として、東名高速道路(大和トンネル付近)、中央自動車道(小仏トンネル付近及び相模湖バスストップ付近)、暫定2車線区間の機能強化として、東海北陸自動車道五箇山インターチェンジ~小矢部砺波ジャンクション間及び白川郷インターチェンジ~五箇山インターチェンジ間、東海環状自動車道美濃加茂インターチェンジ~土岐ジャンクション間における付加車線の設置事業を着実に推進しました。
令和2年3月31日に名神高速道路(一宮ジャンクション付近)、東名高速道路(東名三好インターチェンジ付近)、中央自動車道(三鷹バスストップ付近)の渋滞対策事業、東海環状自動車道養老インターチェンジ~北勢インターチェンジ(仮称)間の有料道路事業費の変更について、国土交通大臣から許可を受けました。
また、休憩施設における駐車場の混雑対策として、平成31年4月12日に東名高速道路豊橋パーキングエリア(下り線)を整備する等、駐車マスの拡充や混雑情報提供の充実にも取り組みました。
大規模災害時の対応力強化については、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」等に則り、高速道路ネットワークを活用した迅速な緊急輸送ルートを確保するため、関係機関との参集拠点等に大規模災害時に備えた資機材の備蓄を行っています。また、防災訓練やお客さまの安全確保を目的に避難誘導訓練を実施し、訓練により顕在化した課題への対応、関係機関との連携強化等に努めています。
大雪等荒天時の通行確保として、大雪による通行止めを回避するため、除雪体制の強化、立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、救援車両の配備、大雪事前広報や関係機関との連携強化に取り組みました。
新型コロナウイルス感染症への対応として、お客さまの感染防止対策として、休憩施設等への感染予防備品の配備を行いました。
さらに、人口減少、社会インフラの老朽化の進行等、社会環境の劇的な変化に対応するため、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やビッグデータ、AI等の次世代技術を活用した革新的な高速道路の保全マネジメント「アイムーブメント(i-MOVEMENT)」を令和元年6月に発表しました。このi-MOVEMENTの実現に向け、オープンイノベーションを推進する「イノベーション交流会」を設立し、3つの重点テーマに沿って、道路事業者、国内メーカー等80を超える企業・団体が参加して活動しています。そのうち「移動体監視による路面状況等把握の効率化」と「変状データ分析・維持修繕計画策定の高度化」において、それぞれ提案された技術に関する高速道路の保全マネジメントへの適用性の実証試験を開始しました。
こうした中、営業収益は954,736百万円(前年同期比30.7%減)、営業利益は10,054百万円(同3.6%増)となりました。
営業収益の減少は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴う料金収入の減少や、新東名高速道路伊勢原ジャンクション~伊勢原大山インターチェンジ間の開通等があったものの前連結会計年度の機構への道路資産の帰属規模が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は689,778百万円(前年同期比0.5%減)でした。
(休憩所事業)
休憩所事業については、各サービスエリアで、地域の特色を活かした店舗づくり、魅力ある商品の販売、様々なニーズに応えるサービスの導入を進めるとともに、地域活性化や地域社会との連携強化にも取り組む等、特徴と魅力あるサービスエリアづくりを展開しました。
東名高速道路浜名湖サービスエリアは、「EXPASA浜名湖」としてグランドオープンしました。コンビニを新設し、フードコートの座席数を大幅に増やすことで利便性を向上させるとともに、浜名湖産うなぎを使用した鰻重や、浜松餃子等、地元の食が楽しめるメニューを充実させました。
東名高速道路海老名サービスエリア(下り線)は、第一期リニューアルオープンとして、フードコートの一部改良と併せて、商業施設を増築し、ショッピングコーナーやカフェ、スイーツコーナーを新設しました。令和2年度には「EXPASA海老名(下り線)」としてグランドオープンする予定です。
様々なニーズへの対応としては、外国からのお客さまへのさらなるサービスの充実のため、各種案内表示の多言語化対応や海外発行カードに対応したATMの設置等を行いました。
このほか、商業施設において、地元農産物の販売、地域食材を使用した地産地消メニューの充実、産学連携による新商品の開発・販売を行い、また、近隣住民の方々が一般道からサービスエリアを利用できる「ぷらっとパーク」を整備して地域住民参加型のイベントや発表会の場として活用してもらう等、地域活性化や地域社会との連携強化にも取り組みました。
また、当社が持つサービスエリアづくりのノウハウを活かし、日本の高速道路会社として、初めて、台湾のフォルモサ高速公路にある清水サービスエリアの運営に参入しました。参入にあたり、当社の子会社である中日本エクシス㈱は台湾に現地法人「艾客思國際股份有限公司」を設立しました。
こうした中、営業収益は31,751百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は3,855百万円(同24.5%減)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、観光振興事業、地域開発事業、海外事業等の事業を営んでおります。様々な事業の展開により、経営基盤の強化を進めるとともに、社会・経済の変化を見据えた地域活性化や、海外での国際交流・国際貢献等に取り組んでおります。
観光振興事業については、地方自治体と連携した高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)の販売を拡充しました。また、68の観光施設及び55の宿泊施設と連携し、高速道路と観光施設及び宿泊施設の利用券やサービスエリア・パーキングエリアのお買物券をセットにした商品を販売しました。このほか、高速道路の建設現場や管理施設等の見学を組み込んだ旅行ツアーを旅行会社と協働して実施しました。
地域開発事業については、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」で、店舗内のリニューアルや車中泊スポットの開設、地元企業や自治体主催イベント等を実施し誘客に努めました。また、社宅の跡地を活用して横浜市、浜松市、東京都町田市、三重県津市及び桑名市で宅地分譲事業を行いました。
海外事業については、持分法適用関連会社である日本高速道路インターナショナル㈱と共同で、アジア、欧米等の高速道路事業に係る現地調査や、事業参画に向けた関係機関との協議を行いました。ベトナム国では、フーリーバイパス事業や、同国の建設会社と締結した戦略的パートナーシップ協定を起点として、同国への技術移転や新規高速道路整備に向けた共同検討を実施しました。
また、平成31年4月25日にフィリピン国メトロパシフィック・トールウェイズとの技術協力覚書の締結を行い、今後の技術協力とフィリピン国における事業展開のための情報交換を開始しました。このほか、当社の海外事業のさらなる発展及びインフラシステムの海外展開の推進のため、米国現地法人NEXCO Highway Solutions of America Inc.を、フィリピン国現地法人NEXCO-CENTRAL Philippines Inc.をそれぞれ設立し、事業を開始しました。
このほか、昨年度に引き続き、タジキスタン国、ザンビア国等において3件のコンサルティング業務を実施するとともに、フィリピン国及びベトナム国において2件の新規事業を受注し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。このほか、海外からの視察団の受入れ等の積極的な国際交流を通じて、幅広い情報交換ネットワークの構築を進めるとともに、国が実施する海外協力事業への社員の派遣、海外の道路関係会議において日本の高速道路技術を紹介する等、国際貢献にも努めました。
また、平成27年2月25日に東海旅客鉄道㈱と締結した協定に基づき、中央新幹線事業に係る用地取得の支援業務を行っております。
このほか、持分法適用関連会社である中日本ファームすずなり㈱では、耕作放棄地の増加等の地域が抱える課題の解決及び地域活性化への貢献を目的に、浜松市内において、野菜(レタス及び枝豆等)の栽培を行いました。また、長距離トラックドライバーの労働環境改善を支援する取組みとして、新東名高速道路浜松サービスエリア(下り線)敷地内で中継物流拠点「コネクトエリア浜松」を遠州トラック㈱と共同で運営しております。
こうした中、営業収益は44,966百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は423百万円(同222.0%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益15,921百万円に加え、減価償却費22,795百万円、退職給付に係る資産又は負債の増減額1,057百万円等による増加があった一方、たな卸資産の増加額215,375百万円、未払又は未収消費税等の増減額58,124百万円等による減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、253,993百万円の資金支出(前年同期は307,354百万円の資金収入)となりました。
なお、上記たな卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出32,589百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、32,661百万円の資金支出(前年同期比22.8%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
道路建設関係社債発行による収入568,616百万円等による増加があった一方、道路建設関係社債償還による支出280,239百万円(機構法第15条第1項による債務引受額)等による減少があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは316,935百万円の資金収入(前年同期は318,177百万円の資金支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ30,283百万円増加し、135,784百万円(前年同期比28.7%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
| 平成31年4月1日から令和2年3月31日まで |
| (単位:百万円) | |||||
| 1. | 営業収益 | ||||
| 料金収入 | 689,797 | ||||
| 道路資産完成高 | 264,038 | ||||
| 受託業務収入 | 1 | ||||
| その他の売上高 | 746 | 954,583 | |||
| 2. | 営業外収益 | ||||
| 受取利息 | 0 | ||||
| 受取配当金 | 886 | ||||
| 物品売却益 | 0 | ||||
| 土地物件貸付料 | 159 | ||||
| 固定資産受贈益 | 567 | ||||
| 雑収入 | 244 | 1,858 | |||
| 3. | 特別利益 | ||||
| 固定資産売却益 | 81 | 81 | |||
| 高速道路事業営業収益等合計 | 956,523 |
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営に備えるため、配当等の社外流出を控え、可能な限り自己資本の充実に努めていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィーク等を含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事等の影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として概ね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、高速道路の更新事業にかかる財政融資資金借入債務については、前述に関わらず、概ね令和6年度ないし令和7年度を目途に債務引受けを予定しております。また、特定の目的で調達した債務は、前述に関わらず、対象資産が機構に資産帰属する時に、債務引受けを行います。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において特に以下の会計上の見積りが、重要なものであると考えております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
① 繰延税金資産
当社グループは、一定期間において見込まれる将来の課税所得の範囲内で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は、入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っておりますが、算出時に用いた前提条件が変化したことにより、結果として繰延税金資産の回収可能性が見込めず、損益に悪影響を与える可能性があります。
② ETCマイレージサービス引当金
当社グループは、ETCマイレージサービス制度による無料走行に備えるため、当連結会計年度末におけるポイント発行残高に対する将来の使用見込額を計上しておりますが、実際に発生した費用が見積りと異なる場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
③ 退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率等が含まれます。当社グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しております。これら固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出し、減損の要否を検討しております。当社グループは、判定に用いた前提条件は妥当なものと判断しておりますが、将来において前提条件が変化したことにより、結果として将来において固定資産の減損損失を認識する可能性があります。
(3) 資本の源泉及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況等
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関からの長期借入れを通じて実施いたしました。
②資金調達の基本方針
資金調達の基本的な考え方は、低利安定的な調達を目指し、社債の発行による調達を優先し、補完的に金融機関からの借入金による調達を行います。ただし、金融市場の環境等により社債発行が困難な場合は、借入金の比率を高めることがあります。
③資金需要の主な内容
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(収益及び損益の状況)
当連結会計年度における全事業の営業収益は1,031,407百万円(前年同期比29.1%減)、営業費用は1,017,062百万円(同29.4%減)、営業利益は14,345百万円(同4.0%減)、経常利益は16,323百万円(同1.8%減)、親会社に帰属する当期純利益は11,167百万円(同10.6%増)となり、前連結会計年度と比較すると減収・増益となりました。
② 財政状況の分析
(「資産の部」の状況)
当連結会計年度末における資産合計は1,633,772百万円(前年同期比22.2%増)となり、296,574百万円増加しました。流動資産は、「仕掛道路資産」が増加したこと等により、1,324,548百万円(同27.2%増)となりました。固定資産は、減価償却による減少がある一方、ETC設備の更新による増加があったこと等により、307,983百万円(同4.3%増)となりました。繰延資産は1,240百万円(同40.9%増)となりました。
(「負債の部」の状況)
当連結会計年度末における負債合計は1,378,279百万円(前年同期比26.2%増)となり、285,820百万円増加しました。流動負債は、「1年以内償還予定社債」が増加したこと等により、342,487百万円(同19.4%増)となりました。固定負債は、「道路建設関係社債」が増加したこと等により、1,035,791百万円(同28.6%増)となりました。
(「純資産の部」の状況)
当連結会計年度末における純資産合計は、「利益剰余金」が増加したこと等により、255,493百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
③ セグメントごとの分析
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は954,736百万円(前年同期比30.7%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い料金収入が減少したことや、新東名高速道路伊勢原ジャンクション~伊勢原大山インターチェンジ間の開通等があったものの前連結会計年度の機構への道路資産の帰属規模が大きかったことにより道路資産完成高が減少したことによるものです。一方、営業費用は、協定に基づく機構への賃借料の減少、道路資産完成原価の減少等により、944,682百万円(同30.9%減)となり、営業利益は10,054百万円(同3.6%増)となりました。なお、管理費用等は、高速道路施設の点検や維持修繕などの業務を着実に執行したことから、前連結会計年度より微増となっております。
当連結会計年度末における高速道路事業のセグメント資産は1,246,723百万円(同24.8%増)、セグメント負債は1,023,358百万円(同45.4%増)となりました。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は31,751百万円(前年同期比2.6%減)となりました。これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により店舗売上が減少したことによるものです。営業費用は、商業施設の修繕費の増加等により、前連結会計年度より微増の27,896百万円(同1.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は3,855百万円(同24.5%減)となりました。
当連結会計年度末における休憩所事業のセグメント資産は176,755百万円(同0.6%増)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は44,966百万円(前年同期比1.5%減)、営業費用は44,543百万円(同2.2%減)となりました。これらは、国・地方公共団体から受託した工事出来高の減少したこと等によるものです。その結果、営業利益は423百万円(同222.0%増)となりました。
当連結会計年度末におけるその他(関連)事業のセグメント資産は23,987百万円(同21.1%増)、セグメント負債は525百万円(同16.0%減)となりました。