有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:47
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1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用の関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復傾向が続きました。また、個人消費や民間企業設備投資等国内需要も持ち直しています。しかしながら、中東情勢の影響や金融資本市場の変動、通商政策など米国の政策動向等、景気の下振れリスクに留意する必要があります。
その一方で、高速道路ネットワークの早期整備や、計画的な老朽化対策の推進、災害に対する強靭性・対応力の強化、地域振興の核となるサービスエリアの展開等、当社グループが果たすべき社会的使命は、一層重要なものとなっています。
このような中、「経営計画チャレンジV 2021-2025」の最終年度となる令和7年度は、経営方針に掲げた「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」、「高速道路の機能強化と広くお客さまに利用される高速道路空間への進化」、「デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦」、「お客さまをはじめとするステークホルダーの期待に応え続けるための経営基盤の強化」に基づく取組みを進めました。さらに、高速道路の機能強化や自動運転等のイノベーションに対応した高速道路の進化等を定めた「高速道路における安全・安心実施計画」に基づき、高速道路の安全性や信頼性、使いやすさの向上に取り組んでまいりました。
「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」については、平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受けて策定した「安全性向上に向けた取組み」、「安全性向上3カ年計画」の成果を踏まえた「安全性向上への「5つの取組み方針」」に基づき、当社グループ一体となって「安全を最優先とする企業文化の醸成」、「安全活動の推進」、「安全を支える人財の育成」、「道路構造物等の経年劣化や潜在的リスクに対応した業務プロセスの継続的改善」、「安全性向上に向けた着実かつ効率的な事業の推進」に取り組んでまいりました。
「高速道路の機能強化と広くお客さまに利用される高速道路空間への進化」については、新東名高速道路等のネットワーク整備やスマートインターチェンジの整備、渋滞対策、高速道路リニューアルプロジェクトによる老朽化対策、耐震補強対策、豪雨や豪雪等激甚化かつ頻発化する自然災害への対応強化等の取組みを計画的に進めてまいりました。加えて、東海北陸自動車道をはじめとする暫定2車線区間の4車線化、新名神高速道路の6車線化、ダブル連結トラック等高速トラック輸送の効率化に向けた駐車マスや中継輸送拠点等の環境整備に取り組み、高速道路の更なる機能強化を図るとともに、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を引き続き進めてまいります。また、駐車マスの拡充、計画的なリニューアル、多様なニーズにお応えするサービスの提供等による休憩施設の快適性と利便性の向上、地域間交流の促進や地域活性化が期待される企画割引の充実等に取り組み、より広くお客さまに利用される高速道路空間への進化に努めてまいりました。
「デジタル化や脱炭素化などの環境変化に適応した新たな価値創造への挑戦」については、次世代技術を活用した革新的な高速道路保全マネジメント「i-MOVEMENT(アイムーブメント)」や建設現場の生産性を向上させる「i-Construction(アイコンストラクション)」、完全自動運転(レベル4)の実現のための路車間協調設備の構築等、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するとともに、その実現に向けた革新的な技術開発や高度な専門性を有する人財育成にも積極的に取り組んでまいりました。引き続き、高速道路ネットワークの整備をはじめとする当社グループのあらゆる事業活動を通じて、地球温暖化の抑制に寄与するCO2排出量の削減等に着実に取り組んでまいります。
「お客さまをはじめとするステークホルダーの期待に応え続けるための経営基盤の強化」については、環境変化への感度が高く強い現場力を持つ人財の育成やリモートワーク環境等のデジタル技術の一層の活用、在宅勤務をはじめとする多様で柔軟な働き方が可能となる制度や職場環境の整備、健康経営の推進等、生産性向上や働き方改革に資する取組みを進めてまいりました。引き続き、効率的な事業運営のもと、将来に向けた効果的な投資を行うことで、新たなサービスの提供や質の向上に努めてまいります。
また、令和8年度からの次期5カ年に向けて、令和7年度までの取組みや今後の当社グループを取り巻く環境変化も踏まえ、「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」、「安全・安心で利便性・快適性の高い高速道路空間の提供」、「お客さまや地域、社会の課題に応える新たな価値創造」、「脱炭素化をはじめとする環境保全への貢献」、「エンゲージメントの向上」、「持続的成長を支える経営基盤の強化」を経営方針に掲げた「経営計画チャレンジⅤ 2026-2030」を策定しました。引き続き、お客さまに安心して高速道路をご利用いただけるよう、「経営計画チャレンジⅤ 2026-2030」に基づく施策を着実に実施していくとともに、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を決して忘れることなく、ご遺族の皆さまや被害に遭われた皆さまに真摯に対応してまいります。
そのほか、橋梁の耐震補強工事で鉄筋が不足する施工不良事案については、令和2年11月16日に事案の原因究明のための調査と再発防止のあり方の提言を行うための外部有識者による「E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会」を設置しました。当該調査委員会からの「報告書」を受け、令和3年7月29日に「再発防止策」を策定しました。当該再発防止策が実効性あるものとするため、社内に「中央道の耐震補強工事施工不良事案に対する再発防止策のフォローアップ委員会」を設置し、その実施状況や効果等を検証しながら、全社を挙げて再発防止に取り組んでまいりました。
また、令和7年4月6日に管内で発生した広域的なETCシステム障害では、最大17路線106箇所の料金所においてETCレーンの通行が不可となり、料金所周辺の渋滞及び課金処理の不具合が発生しました。4月18日に外部有識者による「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」を設置し、6月23日に「再発防止策」を策定し、「広域的ETCシステム障害発生時の危機対応マニュアル」を制定しました。なお、今回のETCシステム障害において、障害が発生した料金所を利用されたお客さまには料金を還元する等の措置を講じました。今後は、制定したマニュアル等に基づき、広域的なETCシステム障害が発生し、円滑な料金の徴収が困難となった場合には料金を徴収しないなど、お客さまにご不便をおかけしない対応を行ってまいります。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
建設事業については、経営方針の最上位である「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」のもと、高速道路ネットワークの整備を着実かつ効率的に進め、地域の期待に応えるため、ミッシングリンクの解消や機能強化を行いました。当連結会計年度においては、東海環状自動車道山県インターチェンジ~本巣インターチェンジ間の約12㎞を令和7年4月6日に、東海環状自動車道本巣インターチェンジ~大野神戸インターチェンジ間の約7㎞を令和7年8月30日に開通させました。
当連結会計年度において推進したその他の建設事業としては、新東名高速道路新秦野インターチェンジ~新御殿場インターチェンジ間、東京外かく環状道路中央ジャンクション(仮称)~東名ジャンクション(仮称)間、東海環状自動車道養老インターチェンジ~いなべインターチェンジ間の新設事業、新名神高速道路亀山西ジャンクション~甲賀土山インターチェンジ間の6車線化事業並びに東海北陸自動車道飛驒清見インターチェンジ~南砺スマートインターチェンジ間、東海環状自動車道土岐ジャンクション~美濃加茂インターチェンジ間及び紀勢自動車道勢和多気ジャンクション~紀勢大内山インターチェンジ間の4車線化事業が挙げられます。
お客さまの利便性の向上と地域の活性化のため、3箇所のスマートインターチェンジ(中央自動車道諏訪湖スマートインターチェンジ(長野県諏訪市及び岡谷市)、中央自動車道神坂スマートインターチェンジ(岐阜県中津川市)、及び名神高速道路多賀(上り)スマートインターチェンジ(滋賀県多賀町))を開通させました。また、1箇所のスマートインターチェンジ(名神高速道路尾張一宮PAスマートインターチェンジ(愛知県一宮市及び岩倉市))を新規事業化しました。そのほか11箇所のスマートインターチェンジについて、自治体と連携して事業を着実に推進しています。
また、工事現場の生産性を向上させる「i-Construction(アイコンストラクション)」を推進しており、モデル事務所を指定し、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)施工やBIM/CIMなどを、調査、測量、設計及び工事において試行し、各プロセスにおける省力化や効率化、自動化、高度化などに取り組んできました。これらを踏まえ令和7年7月から全事務所において、対象となる調査、測量、設計及び工事において、BIM/CIMを全面適用とするなど、工事現場の生産性を高めることを目指しています。
保全・サービス事業については、「安全を何よりも優先」とする企業理念に基づき、経営方針の最上位に掲げられた「安全性向上に向けた不断の取組みの深化」を目指して、安全を最優先に、信頼性の高い高速道路ネットワークとお客さまに満足いただけるサービスを24時間365日提供するため、高速道路の点検や補修・補強を行いました。
道路構造物等の点検に関しては、日々の高速道路の巡回による点検を行っているほか、橋梁やトンネル等については、法令に基づき、5年に1度、近接目視等による詳細点検を行っています。また、変状が確認された構造物は、計画的な補修を進めています。
高速道路ネットワークを健全な状態で次世代に引き継ぐため、橋梁やトンネル等の構造物を最新の技術を用いて補修・補強し、建設当初と同等又はそれ以上の性能や機能を回復することで、高速道路をこれからも長く健全に保つ「高速道路リニューアルプロジェクト」に取り組んでいます。
平成28年4月に発生した熊本地震における橋梁の被災状況を踏まえ、緊急輸送道路としての機能を速やかに回復し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、橋梁の耐震補強及び支承逸脱対策に取り組んでいます。
工事の実施では、建設事業と同様に、令和7年7月から全事務所において、BIM/CIMを適用するなど、工事現場の生産性を向上させる「i-Construction(アイコンストラクション)」を推進しています。
道路構造物の劣化に多大な影響を与え、重大な交通事故に繋がるおそれのある重量超過等の車両制限令に違反する車両に対して、車両重量計等を活用した取締り、自動計測装置の整備による常時取締りに取り組んでおり、違反の度合いに応じて点数を付与し、累積点数が一定に達した場合に大口・多頻度割引停止措置等を講ずるとともに、悪質な違反者に対する告発を実施しています。
大規模災害時の対応力強化については、国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」等に則り、発災後の人命救助に重要な72時間を意識しつつ、24時間で広域移動ルートとすべく、高速道路ネットワークを活用した迅速な緊急交通路を確保するとともに、「救助・救急、消火等」、「医療」、「物資」、「燃料」の各分野の活動のための広域進出拠点として、休憩施設が活用できるように取り組んでいます。
大雪時の道路交通確保として、除雪体制の強化、立ち往生車両を早期に発見するための監視カメラの増設、救援車両の配備、大雪事前広報、関係機関との連携強化等の取組みに加えて、短期間の集中的な大雪時には、人命を最優先に大規模な車両滞留を回避することを基本的な考え方と捉え、国による大雪に関する緊急発表や除雪能力を超過する降雪に対しては、予防的通行止めを実施するとともに、高速道路と国道が並行する区間については、一方が通行止めとなった場合の他方への道路への交通集中による大規模滞留を回避するため、高速道路と国道を同時に通行止めにする「同時通行止め」を実施しました。大雪が予測される3日前からテレビCM、公式WEBサイトを中心にSNS等多様な広報媒体を活用するとともに、関係機関との合同記者会見や1日前からはすべてのテレビCMやラジオCM、インターネット広告などを緊急広告に差し替えるなど徹底した出控え要請を行い、躊躇なく通行止めを実施するとともに、解除見込み広報や集中除雪による早期の通行止め解除に取り組みました。
予防的通行止めの一方で、気象予測を大幅に超える気象急変によるスタック車両、大規模な車両滞留が発生する可能性に備え、雪氷巡回の増隊に加え、スタック車両の救出やお客さま支援を早期に実現するため、現地支援人員の拡充やトラクターショベルやレッカーの増車、可能な限り近傍への前進配置等の対策強化に取り組みました。
交通事故対策として、事故多発区間を対象に、注意喚起のための路面標示、薄層舗装や看板等を集中的に施工するとともに、逆走対策や一般道からの誤進入及び人の立入対策のほか、交通安全の啓発活動に取り組みました。
また、暫定2車線区間における正面衝突事故防止対策として、土工区間や長さ50m未満の橋梁区間でワイヤロープの設置を進め、令和5年度に完了しました。更に、長さ50m以上の橋梁区間とトンネル区間では、センターブロックやセンターパイプを試行的に設置しその拡大を進めています。
渋滞対策として、名神高速道路(一宮ジャンクション付近下り線)の3車線運用を開始しました。東名高速道路(大和トンネル付近、東名三好インターチェンジ付近)、及び中央自動車道(小仏トンネル付近、相模湖インターチェンジ付近、三鷹バスストップ付近、日野バスストップ付近)の付加車線設置事業について着実に推進しています。そのほか、東名高速道路の横浜町田インターチェンジ下り線の加減速車線の延伸を新規事業化しました。
また、休憩施設における大型車マスの夜間時間帯を中心とした混雑緩和に向けて、駐車マスの増設を行うとともに、大型車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」として整備し運用する実証実験に取り組んでいます。
ETC利用率の拡大等の社会情勢の変化を踏まえ、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を進めており、令和7年度に新たに34箇所(令和8年3月末までに延べ75箇所)でETC専用化の運用を開始しました。
運用開始年月日運用開始インターチェンジ名
令和7年4月6日東海環状自動車道 岐阜インターチェンジ
東海環状自動車道 本巣インターチェンジ
令和7年4月8日中央自動車道 多治見インターチェンジ
中央自動車道 小牧東インターチェンジ
東海環状自動車道 富加関インターチェンジ
東海環状自動車道 土岐南多治見インターチェンジ
東海環状自動車道 関広見インターチェンジ
令和7年4月15日東海環状自動車道 せと赤津インターチェンジ
東海環状自動車道 豊田松平インターチェンジ
東海環状自動車道 豊田勘八インターチェンジ
新東名高速道路 岡崎東インターチェンジ
伊勢湾岸自動車道 豊田東インターチェンジ
令和7年4月16日新東名高速道路 新城インターチェンジ
令和7年10月14日北陸自動車道 滑川インターチェンジ


運用開始年月日運用開始インターチェンジ名
令和7年10月14日東海北陸自動車道 福光インターチェンジ
令和7年10月15日北陸自動車道 武生インターチェンジ
令和7年10月15日北陸自動車道 小松インターチェンジ
令和8年3月9日東名高速道路 東名川崎インターチェンジ
令和8年3月16日首都圏中央連絡自動車道 海老名インターチェンジ
東名高速道路 秦野中井インターチェンジ
中部横断自動車道 白根インターチェンジ
令和8年3月23日首都圏中央連絡自動車道 相模原愛川インターチェンジ
新東名高速道路 森掛川インターチェンジ
東名高速道路 菊川インターチェンジ
東名高速道路 磐田インターチェンジ
中央自動車道 相模湖東インターチェンジ
中央自動車道 勝沼インターチェンジ
中央自動車道 諏訪南インターチェンジ
令和8年3月25日新東名高速道路 藤枝岡部インターチェンジ
令和8年3月30日新東名高速道路 新秦野インターチェンジ
新東名高速道路 清水いはらインターチェンジ
中部横断自動車道 南アルプスインターチェンジ
長野自動車道 塩尻インターチェンジ
令和8年3月31日中央自動車道 甲府南インターチェンジ

更に、最先端のICT・ロボティクス技術の導入等により、少子高齢化やデジタル技術の進展等による社会環境の変化、お客さまニーズの多様化を踏まえた情報提供の高度化等、当社グループを取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化に貢献する革新的なプロジェクト「i-MOVEMENT」を推進しています。これにより、作業の迅速化・省力化を実現するなど生産性を飛躍的に向上させ、事業運営のあり方の変革を目指しています。また、当プロジェクトの実現に向けて、コンソーシアム方式によりオープンイノベーションを推進する組織として設立した「イノベーション交流会」では、「交通サービスの進化・高度化」、「高速道路保全マネジメントの高度化」のそれぞれのテーマに関して、会員の企業・団体から提案された技術の高速道路保全現場への適用性の実証に取り組んでいます。
こうした中、営業収益は1,166,014百万円(前年同期比21.1%増)、営業損失は6,047百万円(前年同期は営業損失5,773百万円)となりました。
営業収益の増加は、料金収入の増加に加え、前連結会計年度と比べて機構への道路資産引渡額が大きかったことにより道路資産完成高が増加したことによるものです。ただし、特措法第51条第2項から第4項までの規定に基づき機構に帰属する道路資産は、道路資産完成原価と同額を道路資産完成高として計上するため、損益に影響しません。
なお、当連結会計年度における通行料金収入は705,449百万円(前年同期比2.7%増)でした。
(休憩所事業)
休憩所事業については、地域の特色を活かした店舗づくり、魅力ある商品の販売、多様なニーズに応えるサービスの導入を進めるとともに、地域と連携した各種イベントやキャンペーンを積極的に開催するなど、お客さまサービスの質の向上や地域社会との連携・交流を推進しました。
サービスエリアの快適性と利便性の向上への取組みとして、計5箇所の商業施設をリニューアルしました。
そのうち、中央自動車道双葉サービスエリア(下り線)及び駒ヶ岳サービスエリア(上り線)並びに北陸自動車道南条サービスエリア(下り線)ではフードコートやショッピングコーナーを拡充するとともに、プロドライバー向けサービスとして新たにコインシャワーやコインランドリーを新設しました。
また、サービスエリア事業で培った商業施設の運営ノウハウを活用し、サービスエリア・パーキングエリアに限らず、道の駅の運営や高速道路外の商業施設への出店に取り組んでいます。連結子会社である中日本エクシス株式会社は新たに愛知県長久手市の長久手市田園バレー交流施設の指定管理者となり、また、中日本ハイウェイ・アドバンス株式会社は神奈川県内にて新たにフランチャイズ店舗を2店舗出店しました。
このほか、令和6年12月に設立した連結子会社である中日本商業設備管理株式会社は、令和7年7月から事業を開始し、サービスエリア・パーキングエリアの保守・維持管理を実施しています。
こうした中、営業収益は35,796百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は6,377百万円(同0.5%増)となりました。
(その他(関連)事業)
その他(関連)事業については、受託事業、不動産事業、観光振興事業、農業、物流事業、海外事業及び技術外販事業等を営んでいます。様々な事業の展開により、経営基盤の強化を進めるとともに、社会・経済の変化を見据えた地域活性化や、海外での国際交流・国際貢献等に取り組みました。
受託事業については、国・地方公共団体等との協議の結果、当社において一体的に実施することが適当と認められた工事等について、国・地方公共団体等から受託し着実に実施しました。また、東海旅客鉄道株式会社と締結した協定に基づき、中央新幹線(リニア)事業に係る用地取得の支援業務を行いました。
不動産事業については、社宅跡地を活用し、神奈川県小田原市、長野県松本市及び愛知県一宮市(2箇所)で宅地分譲を行いました。名古屋市緑区及び昭和区、愛知県豊川市、知立市及び一宮市、山梨県都留市並びに石川県金沢市で賃貸住宅を運営し、新たに名古屋市千種区及び名東区でも運営を開始しました。また、東京都世田谷区で土地賃貸を、岐阜県高山市でオフィス賃貸を運営しています。
このほか、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジに隣接する複合商業施設「テラスゲート土岐」では、地域イベントの積極的な開催に加え、大規模災害時に入浴が困難な方に温浴施設「土岐よりみち温泉」の施設を開放する覚書を土岐市と締結するなど、地域と密着した事業運営を進めました。
観光振興事業については、地方公共団体との連携による高速道路の周遊エリア内が定額で乗り放題となるドライブプラン(企画割引)のほか、宿泊施設や観光施設等と連携した企画割引として139のプランを販売しました。また、新たに外部予約サイト「STAYNAVI」を経由した宿泊セット型ドライブプランや静岡県、山梨県及び長野県を巡るアウトドアサウナ利用券付ドライブプランを発売し、顧客ニーズに幅広く対応しました。
農業については、地域が抱える課題解決を支援するため、持分法適用関連会社である中日本ファームすずなり㈱が、新東名高速道路浜松浜北インターチェンジ周辺の耕作放棄地を活用して、野菜(レタス・枝豆及び青ネギ)の栽培・販売を行いました。また、名古屋市内でコーヒーの試験栽培に取り組んでいます。
物流事業については、長距離トラックドライバーの労働環境改善を支援するため、中継輸送拠点「コネクトエリア」を遠州トラック株式会社と共同で運営しています。平成30年9月に「コネクトエリア浜松」を開業し、令和7年6月には新たに「コネクトエリア東名浜松西」と「コネクトエリア静岡」の2拠点を開業しました。「コネクトエリア浜松」においては、前年度の実績を上回る利用がありました。
海外事業については、フィリピン国の現地法人「NEXCO-CENTRAL Philippines Inc.」が、令和2年12月からダバオ市バイパス建設事業のトンネル設備工事等を受注し、施工をしています。また、米国の現地法人「NEXCO Highway Solutions of America Inc.」が、令和3年度より舗装点検ソリューションの営業活動を行っており、令和7年度は35件の契約を受注しました。コンサルティングサービスは、JICA等から受注したフィリピン国における2件の業務等を実施し、現地技術者の能力向上等に貢献しました。
技術外販事業については、事業参画するETC多目的利用サービスの拡大に貢献しています。また、当社グループが一体となり、高速道路の運営維持管理で培った技術とノウハウを活用した製品やサービスの提供を推進しました。
こうした中、営業収益は40,160百万円(前年同期比44.3%減)、営業損失は145百万円(前年同期は営業利益1,318百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益1,954百万円に加え、減価償却費25,794百万円等による増加があった一方、売上債権の増加額20,485百万円、仕入債務の減少額34,041百万円等による減少があったため、営業活動によるキャッシュ・フローは、20,874百万円の資金支出(前年同期比88.8%減)となりました。
なお、上記棚卸資産の増加額は、その大部分が特措法第51条第2項から第4項までの規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものであります。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出45,010百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、45,924百万円の資金支出(前年同期比66.2%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出58,421百万円、道路建設関係社債償還による支出505,551百万円による減少があった一方、長期借入れによる収入30,813百万円、道路建設関係社債発行による収入722,548百万円による増加があったため、財務活動によるキャッシュ・フローは、179,721百万円の資金収入(前年同期比26.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ112,932百万円増加し、267,987百万円(前年同期比72.8%増)となりました。
(参考)
提出会社は、高速道路事業等会計規則第6条の規定により当事業年度(自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日)における「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」を以下のとおり作成しております。
Ⅰ 高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表
令和7年4月1日から令和8年3月31日まで

(単位:百万円)
1.営業収益
料金収入705,464
道路資産完成高459,296
受託業務収入0
その他の売上高1,0331,165,794
2.営業外収益
受取配当金1,291
土地物件貸付料4
原因者負担収入228
雑収入3721,897
3.特別利益
固定資産売却益77
高速道路事業営業収益等合計1,167,699

(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1)財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予見、見通し、所感等の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える要因
① 高速道路事業の特性
高速道路事業については、高速道路会社法及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受し、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております(協定については後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 重要な契約等 (1)機構と締結する協定」をご参照下さい。)。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各事業年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、将来の高速道路資産賃借料の確実な支払いを始めとする的確な事業運営への備えとして積み立てていきたいと考えております。
また、高速道路事業においては、ゴールデンウィーク等を含む上期は下期と比較して料金収入が多くなる一方、上期の費用は、雪氷対策や集中工事等の影響を受ける下期に比較して少なくなる傾向があります。
② 機構による債務引受け等
既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項から第4項までの規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則としておおむね調達時期が古い順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。ただし、高速道路の更新事業にかかる財政融資資金借入債務については、前述によらず、令和6年度及び令和7年度に債務引受けを実施しました。また、特定の目的で調達した債務は、前述によらず、対象資産に資金充当後、債務引受けを行う場合があります。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表及び財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、東日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」といいます。)第2条の規定に基づき、同規則及び「高速道路事業等会計規則」(平成17年6月1日国土交通省令第65号)により作成しております。
かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(3) 資本の源泉及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況等
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、前記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、営業活動のほか、社債の発行等を通じて実施しました。
② 資金調達の基本方針
資金調達の基本的な考え方は、低利安定的な調達を目指し、社債の発行による調達を優先し、補完的に金融機関からの借入金による調達を行います。ただし、金融市場の環境等により社債発行が困難な場合は、借入金の比率を高めることがあります。
③ 資金需要の主な内容
当社グループの今後の資金需要として主なものは、協定に基づく機構への賃借料に加え、特措法第51条第2項から第4項までの規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の建設資金及び事業用設備に係る設備投資資金であり、かかる資産及び設備の概要については後記「第一部 企業情報 第3 設備の状況」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(収益及び損益の状況)
当連結会計年度における全事業の営業収益は1,241,619百万円(前年同期比16.2%増)、営業費用は1,241,424百万円(同16.4%増)、営業利益は195百万円(同89.7%減)、経常利益は2,347百万円(同26.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は260百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益9百万円)となり、前連結会計年度と比較すると増収・減益となりました。
なお、原則として損益に影響を及ぼさず、かつ完成した高速道路資産の規模により増減する道路資産完成高を除いた営業収益は、782,323百万円(同1.6%減)となりました。
② 財政状況の分析
(「資産の部」の状況)
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び預金が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ、142,090百万円増加し、2,400,440百万円となりました。固定資産は、ETC設備の更新等により、前連結会計年度末と比べ22,944百万円増加し、330,388百万円となりました。繰延資産は前連結会計年度末と比べ402百万円増加し、2,619百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産額は、前連結会計年度末と比べ165,438百万円増加し、
2,733,448百万円となりました。
(「負債の部」の状況)
当連結会計年度末における流動負債は、1年以内償還予定社債が減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ24,093百万円減少し、289,456百万円となりました。固定負債は、道路建設関係社債が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ181,586百万円増加し、2,149,504百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ157,492百万円増加し、
2,438,961百万円となりました。
(「純資産の部」の状況)
当連結会計年度末における純資産合計は、退職給付に係る調整累計額が増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ7,945百万円増加し、294,487百万円となりました。
③ セグメントごとの分析
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
(高速道路事業)
当連結会計年度における高速道路事業の営業収益は1,166,014百万円(前年同期比21.1%増)となりました。これは、料金収入の増加に加え、前連結会計年度と比べて機構への道路資産引渡額が大きかったことにより道路資産完成高が増加したことによるものです。営業費用は、道路資産完成原価及び管理費用の増加等により、1,172,062百万円(同21.0%増)となりました。その結果、営業損失は6,047百万円(前年同期は営業損失5,773百万円)となりました。
当連結会計年度末における高速道路事業のセグメント資産は2,130,219百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント負債は2,112,757百万円(同10.0%増)となりました。
(休憩所事業)
当連結会計年度における休憩所事業の営業収益は35,796百万円(前年同期比4.1%増)となりました。これは、客数及び客単価の上昇に伴い店舗売上高が増加したことによるものです。営業費用は、店舗売上高の増加に係る売上原価の増加等により、29,419百万円(同4.9%増)となりました。その結果、当連結会計年度における休憩所事業の営業利益は6,377百万円(同0.5%増)となりました。
当連結会計年度末における休憩所事業のセグメント資産は184,027百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
(その他(関連)事業)
当連結会計年度におけるその他(関連)事業の営業収益は40,160百万円(前年同期比44.3%減)、営業費用は40,306百万円(同43.0%減)となりました。これらは、国・地方公共団体から受託した工事の出来高が減少したことにより収益及び費用が減少したこと等によるものです。その結果、営業損失は145百万円(前年同期は営業利益1,318百万円)となりました。
当連結会計年度末におけるその他(関連)事業のセグメント資産は62,302百万円(同147.6%増)、セグメント負債は50,000百万円(同0.8%減)となりました。

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