有価証券報告書-第98期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資や個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復を続けた。しかしながら、緊迫化する中東情勢の影響による原油価格の高騰や、エネルギー価格・原材料コストの上昇が、企業収益や家計への負担を強める結果となり、経済の先行き不透明性は依然として拭えない状況にある。長野県経済においても、緩やかな回復基調を維持し、観光需要が堅調に推移した一方で、製造業における外需の伸び悩みや、深刻化する人手不足、コスト高騰による採算の圧迫など、地域経済を取り巻く環境は厳しい局面が続いた。広告業界においては、デジタル広告費が市場全体の成長を牽引し、初めて総広告費の半数を超えた。地上波テレビ全体の広告費がほぼ横ばいで推移する一方、地上波番組のネット配信広告が急拡大するなど、放送とデジタルの融合が一段と進んだ一年となった。
放送関連事業においては、ラジオ部門・テレビ部門共に積極的な営業展開を図った。
ラジオ部門は前年からタイム収入等が減少したため、前期比0.5%減の971百万円、テレビ部門はタイム収入の増加などにより前期比2.1%増の4,946百万円なった。事業部門はBGM音楽配給業務の減少等により、前期比7.7%減の334百万円となった。
放送関連事業全体では、前期比1.1%増の6,252百万円となった。
不動産関連事業においては、不動産管理事業として主に放送関連事業のバックアップのほか、効率的な不動産運用を行った。この結果、不動産関連事業売上高は、前期比2.2%増の865百万円となった。
なお、持分法適用会社である情報処理事業の株式会社電算は、公共分野において、標準準拠システムへの移行作業が大きく売上・利益に貢献し、ほかに住民基本台帳ネットワークシステムの機器リプレイス等で売上、利益を確保、産業分野においては、リース業務パッケージ、医療福祉機関向けの健診システムや病院総合情報システムの導入やリプレイス等で売上、利益を確保した。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が7,118百万円と前連結会計年度に比べ86百万円(1.2%)の増収となり、利益については、営業利益は288百万円と前連結会計年度に比べ40百万円(16.4%)の増益、経常利益は2,325百万円と前連結会計年度に比べ1,094百万円(88.9%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は1,990百万円と前連結会計年度に比べ941百万円(89.7%)の増益となった。
なお、ウクライナ及び中東情勢、金融資本市場の変動、通商政策等の影響に関する仮定については、現時点での不透明な状況が通年にわたって続くという仮定のもと、当社グループは連結財務諸表作成時点で入手可能な情報に基づいて会計上の見積りを行っているが、これらの経済活動への影響は不確実性が高いため、仮定に変化が生じた場合には、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
放送関連事業
放送関連事業においては、当連結会計年度は、放送活動において数々の賞を受賞した。その中でも2024年日本民間放送連盟賞では最高賞となるテレビ・グランプリを受賞しまし、さらにこの作品を含むテレビ報道、テレビバラエティ、ラジオエンターテインメントの3部門で最優秀賞を受賞し、当社の制作力が高い評価を得た。
放送関連事業の各部門の当連結会計年度における活動は以下のとおりである。
(ラジオ部門)
SBCラジオでは年間を通じ、朝ワイド「あさまる」はじめ、「坂ちゃんのずくだせえぶりでぃ」「ミックスプラス」の3本の自社制作ワイド番組で、平日は地域の情報を発信した。週末土日の番組は、37年目に入った長寿番組「武田徹のつれづれ散歩道」や松本・飯田・上田発の自社制作ローカル番組に加え、娯楽性の高い東京キー局の番組で編成している。また、7月からスタートした「TOMO-ZOのファンタジーボイス」はじめ、局アナウンサー以外の長野県ゆかりのパーソナリティーを起用した番組も近年、積極的に開発している。
受賞関連では「SBCラジオスペシャル いじめの授業 副島淳と考える」が日本民間放送連盟賞の番組部門・ラジオ教養で優秀を受賞した。
(テレビ部門)
テレビ部門における主な番組の視聴率は「SBCニュースワイド」が年度平均の個人ALLで3.9%と同時間帯4位だった。「SBCスペシャル」は7.2%と前年から1.1ポイント上昇し、同時間帯2位となった。開始から10年目に入った午後の情報ワイド「ずくだせテレビ」は2.4%と前年から0.3ポイント上昇し、同時間帯では2位であったが10月から12月にかけて7週連続で1位を獲得するなど成果を挙げた。「SBCこども未来プロジェクト」の一環で制作している大型生番組「夢テレビ」は15回目の放送を迎え、また「THE TIME,」の列島中継を6回行うなど報道部、制作部、アナウンス部の3部連携も強化した。
受賞関連では「SBCスペシャル 本田先生のこころ診察室~発達障害のこどもたち~」が日本民間放送連盟賞の特別表彰部門・青少年向け番組で優秀を獲得したほか、科学技術映像祭で文部科学大臣賞、映文連アワードで最優秀作品にあたるグランプリを受賞した。また満蒙開拓の証言記録とドキュメンタリー番組の制作を長年にわたり続けてきたことが評価され、担当ディレクターに放送文化基金賞が贈られた。
(その他放送事業部門)
イベントでは4月「SBCくらしフェア」を松本市のやまびこドームで開催し、2日間で1万3,000人のお客様にご来場いただき、3月には「SBCこどもフェスタ」を長野市のトイーゴ周辺で開催し、ファミリー層など4,400人にご来場いただいた。 スポーツ関連では4月に「第34回長野県市町村対抗駅伝競走大会」及び「第20回長野県市町村対抗小学生駅伝競走大会」を松本市のやまびこドーム周辺で実施し、一般52チーム、小学生59チームの参加を集め、市町村対抗駅伝ではテレビの生放送に加え、YouTubeでライブ配信を実施した。
企画展では「東山魁夷館開館35周年展」を長野市の長野県立美術館で開催した。10月から11月までの39日間で3万8,000人余りのお客様にご来場いただき、また1月から3月には松本市の松本市美術館で「サンリオ展」を開催し、59日間で7万3,000人余りのお客様にご来場いただいた。
ものづくり関連では16回目となる「ものづくり大賞NAGANO2025」で、大賞3社(うちグランプリ1社)などを選定し、表彰しました。また長野県学校科学教育奨励基金では29件の研究テーマに奨励金を交付し、うち3件をSBC学校科学大賞及び優秀賞として表彰した。
(技術部門)
テレビの送信設備について、美ヶ原DTV親局送信機およびSTL設備の更新にあわせ、新たに有線STL回線を敷設した。また、美ヶ原基地局の発電機を更新し、麻績・八千穂・富士見テレビ中継局の放送機を民放共同で更新するなど、送信設備の強靭化・信頼性向上と事故防止に努めまた。NHKと民放によるテレビ中継局共同利用の取り組みについても検討を進めている。ラジオについては、12月から東信AM送信所(上田、佐久、軽井沢)において特例休止を実施し、大きな混乱もなく経過している。
社内設備では、報道サブを「IPシステム」で更新し、報道スタジオにリモートカメラを導入した。また、支局、天カメ、交通情報センターの各回線に新CODECやIPv6技術を活用したほか、災害時の伝送網確保および中南信TSL代替として「Starlink」の配備を進めるなど、最新技術の活用による機能向上を図った。
以上の結果、放送関連事業全体では、売上高は6,252百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(1.1%)の増収、営業利益は189百万円と前連結会計年度に比べ57百万円(43.7%)の増益となった。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
不動産関連事業
不動産・不動産管理運営に関しては、主たる「TOiGO」関連の事業については、継続して効率化を図ったが、修繕費、電力費等の経費が増加した。ハウジング事業については、ほぼ通常通りの企画催し物の実施となった。
この結果、不動産関連事業の売上高は865百万円と前連結会計年度に比べ18百万円(2.2%)の増収、営業利益は98百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(14.6%)の減益となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,752百万円増加し、41,931百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,545百万円増加し、5,761百万円となった。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,206百万円増加し、36,170百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益2,155百万円、減価償却費555百万円の計上等により、営業活動により得たキャッシュ・フローは、1,096百万円となり、固定資産の取得による支出等により、投資活動により使用した資金は946百万円となった。また、配当金の支払い及びリース債務、預り保証金の返済等により、財務活動により使用した資金は147百万円となり、これらにより資金は、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、当連結会計年度末には6,366百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,096百万円(前連結会計年度比41.4%増)となった。
主なものは税金等調整前当期純利益が2,155百万円、減価償却費555百万円及び持分法による投資利益1,742百万円である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は946百万円(前連結会計年度比60.1%増)となった。
これは主に有形固定資産の取得による支出605百万円等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は147百万円(前連結会計年度比12.3%減)となった。
主なものは、配当金の支払による支出26百万円、リース債務の返済による支出16百万円、預り保証金の返済100百万円等である。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、テレビ及びラジオの一般放送、動産・不動産の売買及び不動産の管理・運営等その事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載していない。
このため、生産、受注及び販売の実績は「①経営成績の状況」における各セグメントの業績にその概要を示している。
⑤ 次期の見通し
放送関連事業は、ウクライナ情勢、中東情勢の収束時期が不透明なこと、金融資本市場の変動、通商政策等の影響等よる人件費、原材料費等の高騰、企業活動の自粛による広告出稿の低下などの影響が、通年にわたって続き、全体として今後も不透明な状況が続くものと想定され、予断を許さない状況が続くと予想される。
当社グループは、県民に親しまれ必要とされる放送局として永続するため、引き続き競争力の強化を行うとともに経費削減等の実施により運転資金の効率化に努め、財務活動についても安定的で低コストの資金調達構造を構築し、また、事業に内在するリスクを分析・評価し、対応策を検討・実施することによって、課題を着実に解決し、当社グループの企業価値を高めていく所存である。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、当社の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
a. 経営成績等
1) 財政状態
(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は、8,776百万円(前連結会計年度末は8,582百万円)となり、194百万円増加した。主なものは、未収入金の増加によるものである。
(固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は、33,154百万円(前連結会計年度末は26,596百万円)と、6,557百万円増加した。主なものは、時価の上昇に伴う投資有価証券の増加によるものである。
(流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,336百万円(前連結会計年度末は1,142百万円)となり、193百万円増加した。主なものは、買掛金の増加によるものである。
(固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,425百万円(前連結会計年度末は3,072百万円)となり、1,352百万円増加した。主なものは、投資有価証券の時価の上昇に伴う繰延税金負債の増加である。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は、36,170百万円(前連結会計年度末は30,963百万円)となり、5,206百万円増加した。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,990百万円による利益剰余金の増加及びその他有価証券評価差額金の3,224百万円の増加である。
なお、セグメント別の総資産は放送関連事業38,354百万円(前連結会計年度末は31,714百万円)、不動産関連事業3,577百万円(前連結会計年度末は3,464百万円)である。
2) 経営成績
(経営環境)
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資や個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復を続けたが、緊迫化する中東情勢の影響による原油価格の高騰や、エネルギー価格・原材料コストの上昇が、企業収益や家計への負担を強める結果となり、経済の先行き不透明性は依然として拭えない状況にあり、長野県経済においても、緩やかな回復基調を維持し、観光需要が堅調に推移した一方で、製造業における外需の伸び悩みや、深刻化する人手不足、コスト高騰による採算の圧迫など、地域経済を取り巻く環境は厳しい局面が続いている。
広告業界においては、デジタル広告費が市場全体の成長を牽引し、初めて総広告費の半数を超えた。地上波テレビ全体の広告費がほぼ横ばいで推移する一方、地上波番組のネット配信広告が急拡大するなど、放送とデジタルの融合が一段と進んでいる状況である。
(売上高)
このような経営環境の中、当社グループの主力である広告収入において、ラジオ部門ではタイム収入等が減少した一方でテレビ部門ではタイム収入が増加し、インターネットを活用した配信事業も活発化させたことなどにより、売上高は、7,118百万円と前連結会計年度に比べ86百万円(1.2%)の増収となった。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ、2.1%増の3,301百万円となった。これは、主に放送関連事業における売上高の増加に伴い原価が増加したためである。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、0.7%減の3,527百万円となった。また、売上高販管費率は、49.6%(前連結会計年度比0.9ポイント減)となった。これは、主に放送関連事業における売上高の増加及び経費の削減が主な原因である。
(営業利益)
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度比16.4%増の288百万円となった。
(経常利益)
持分法適用関連会社の㈱電算の利益計上等により、持分法による投資利益1,742百万円(前連結会計年度比143.1%増)等により営業外収益は2,049百万円、営業外費用は12百万円となった。この結果、経常利益は、前連結会計年度比88.9%増の2,325百万円となった。
(税金等調整前当期純利益)
特別損失は、固定資産除却損及び退職給付費用により169百万円となった。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比72.2%増の2,155百万円となった。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等の負担額147百万円、非支配株主に帰属する当期純利益17百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,990百万円(前連結会計年度比89.7%増)になった。
3) キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載している。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの収益は、主に広告収入であり、この広告収入に影響を与える主な直接的要因は、景気、技術革新、規制緩和及びメディア競争の激化等といった放送業界に影響を与える情勢による広告費の変動、当社グループの競争力の変動、広告主の媒体ニーズの変化等である。
これらの要因に対応しつつ、当社グループの事業活動を維持していくために、より良い番組作りへの取り組み、設備・人材育成への投資を行い、事業継続を可能たらしめる利益と資金を確保してゆく所存である。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末における、総資産に占める有利子負債(リース債務は除く)は前連結会計年度と比べて0.4%減少し、0.1%となっている。今後とも、営業活動によるキャッシュ・フローにより有利子負債の削減を進めていく所存である。資金需要としては、主には設備投資資金として、放送関連事業における、デジタル放送設備の維持更新費、システムの維持更新費があるが、これらについては主に内部資金の活用により対応する予定である。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の向上を図るため、売上高営業利益率と、キャッシュ・フローを重視している。当連結会計年度における売上高営業利益率は、売上高の増加等による結果、4.1%となり、前連結会計年度と比べて0.6ポイント増加している。
また、キャッシュ・フローは、主に放送設備の新設・更新による支出、預り保証金及びリース債務の返済による支出を営業キャッシュ・フローにより補うことができ、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、現金及び現金同等物の期末残高は6,366百万円(前連結会計年度比0.0%増)となった。今後も、設備や人材育成への投資を進めつつ、売上高の拡大、コスト削減など利益率の向上を図り、売上高営業利益率及びキャッシュ・フローの更なる改善を目指す所存である。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資や個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復を続けた。しかしながら、緊迫化する中東情勢の影響による原油価格の高騰や、エネルギー価格・原材料コストの上昇が、企業収益や家計への負担を強める結果となり、経済の先行き不透明性は依然として拭えない状況にある。長野県経済においても、緩やかな回復基調を維持し、観光需要が堅調に推移した一方で、製造業における外需の伸び悩みや、深刻化する人手不足、コスト高騰による採算の圧迫など、地域経済を取り巻く環境は厳しい局面が続いた。広告業界においては、デジタル広告費が市場全体の成長を牽引し、初めて総広告費の半数を超えた。地上波テレビ全体の広告費がほぼ横ばいで推移する一方、地上波番組のネット配信広告が急拡大するなど、放送とデジタルの融合が一段と進んだ一年となった。
放送関連事業においては、ラジオ部門・テレビ部門共に積極的な営業展開を図った。
ラジオ部門は前年からタイム収入等が減少したため、前期比0.5%減の971百万円、テレビ部門はタイム収入の増加などにより前期比2.1%増の4,946百万円なった。事業部門はBGM音楽配給業務の減少等により、前期比7.7%減の334百万円となった。
放送関連事業全体では、前期比1.1%増の6,252百万円となった。
不動産関連事業においては、不動産管理事業として主に放送関連事業のバックアップのほか、効率的な不動産運用を行った。この結果、不動産関連事業売上高は、前期比2.2%増の865百万円となった。
なお、持分法適用会社である情報処理事業の株式会社電算は、公共分野において、標準準拠システムへの移行作業が大きく売上・利益に貢献し、ほかに住民基本台帳ネットワークシステムの機器リプレイス等で売上、利益を確保、産業分野においては、リース業務パッケージ、医療福祉機関向けの健診システムや病院総合情報システムの導入やリプレイス等で売上、利益を確保した。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が7,118百万円と前連結会計年度に比べ86百万円(1.2%)の増収となり、利益については、営業利益は288百万円と前連結会計年度に比べ40百万円(16.4%)の増益、経常利益は2,325百万円と前連結会計年度に比べ1,094百万円(88.9%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は1,990百万円と前連結会計年度に比べ941百万円(89.7%)の増益となった。
なお、ウクライナ及び中東情勢、金融資本市場の変動、通商政策等の影響に関する仮定については、現時点での不透明な状況が通年にわたって続くという仮定のもと、当社グループは連結財務諸表作成時点で入手可能な情報に基づいて会計上の見積りを行っているが、これらの経済活動への影響は不確実性が高いため、仮定に変化が生じた場合には、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
放送関連事業
放送関連事業においては、当連結会計年度は、放送活動において数々の賞を受賞した。その中でも2024年日本民間放送連盟賞では最高賞となるテレビ・グランプリを受賞しまし、さらにこの作品を含むテレビ報道、テレビバラエティ、ラジオエンターテインメントの3部門で最優秀賞を受賞し、当社の制作力が高い評価を得た。
放送関連事業の各部門の当連結会計年度における活動は以下のとおりである。
(ラジオ部門)
SBCラジオでは年間を通じ、朝ワイド「あさまる」はじめ、「坂ちゃんのずくだせえぶりでぃ」「ミックスプラス」の3本の自社制作ワイド番組で、平日は地域の情報を発信した。週末土日の番組は、37年目に入った長寿番組「武田徹のつれづれ散歩道」や松本・飯田・上田発の自社制作ローカル番組に加え、娯楽性の高い東京キー局の番組で編成している。また、7月からスタートした「TOMO-ZOのファンタジーボイス」はじめ、局アナウンサー以外の長野県ゆかりのパーソナリティーを起用した番組も近年、積極的に開発している。
受賞関連では「SBCラジオスペシャル いじめの授業 副島淳と考える」が日本民間放送連盟賞の番組部門・ラジオ教養で優秀を受賞した。
(テレビ部門)
テレビ部門における主な番組の視聴率は「SBCニュースワイド」が年度平均の個人ALLで3.9%と同時間帯4位だった。「SBCスペシャル」は7.2%と前年から1.1ポイント上昇し、同時間帯2位となった。開始から10年目に入った午後の情報ワイド「ずくだせテレビ」は2.4%と前年から0.3ポイント上昇し、同時間帯では2位であったが10月から12月にかけて7週連続で1位を獲得するなど成果を挙げた。「SBCこども未来プロジェクト」の一環で制作している大型生番組「夢テレビ」は15回目の放送を迎え、また「THE TIME,」の列島中継を6回行うなど報道部、制作部、アナウンス部の3部連携も強化した。
受賞関連では「SBCスペシャル 本田先生のこころ診察室~発達障害のこどもたち~」が日本民間放送連盟賞の特別表彰部門・青少年向け番組で優秀を獲得したほか、科学技術映像祭で文部科学大臣賞、映文連アワードで最優秀作品にあたるグランプリを受賞した。また満蒙開拓の証言記録とドキュメンタリー番組の制作を長年にわたり続けてきたことが評価され、担当ディレクターに放送文化基金賞が贈られた。
(その他放送事業部門)
イベントでは4月「SBCくらしフェア」を松本市のやまびこドームで開催し、2日間で1万3,000人のお客様にご来場いただき、3月には「SBCこどもフェスタ」を長野市のトイーゴ周辺で開催し、ファミリー層など4,400人にご来場いただいた。 スポーツ関連では4月に「第34回長野県市町村対抗駅伝競走大会」及び「第20回長野県市町村対抗小学生駅伝競走大会」を松本市のやまびこドーム周辺で実施し、一般52チーム、小学生59チームの参加を集め、市町村対抗駅伝ではテレビの生放送に加え、YouTubeでライブ配信を実施した。
企画展では「東山魁夷館開館35周年展」を長野市の長野県立美術館で開催した。10月から11月までの39日間で3万8,000人余りのお客様にご来場いただき、また1月から3月には松本市の松本市美術館で「サンリオ展」を開催し、59日間で7万3,000人余りのお客様にご来場いただいた。
ものづくり関連では16回目となる「ものづくり大賞NAGANO2025」で、大賞3社(うちグランプリ1社)などを選定し、表彰しました。また長野県学校科学教育奨励基金では29件の研究テーマに奨励金を交付し、うち3件をSBC学校科学大賞及び優秀賞として表彰した。
(技術部門)
テレビの送信設備について、美ヶ原DTV親局送信機およびSTL設備の更新にあわせ、新たに有線STL回線を敷設した。また、美ヶ原基地局の発電機を更新し、麻績・八千穂・富士見テレビ中継局の放送機を民放共同で更新するなど、送信設備の強靭化・信頼性向上と事故防止に努めまた。NHKと民放によるテレビ中継局共同利用の取り組みについても検討を進めている。ラジオについては、12月から東信AM送信所(上田、佐久、軽井沢)において特例休止を実施し、大きな混乱もなく経過している。
社内設備では、報道サブを「IPシステム」で更新し、報道スタジオにリモートカメラを導入した。また、支局、天カメ、交通情報センターの各回線に新CODECやIPv6技術を活用したほか、災害時の伝送網確保および中南信TSL代替として「Starlink」の配備を進めるなど、最新技術の活用による機能向上を図った。
以上の結果、放送関連事業全体では、売上高は6,252百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(1.1%)の増収、営業利益は189百万円と前連結会計年度に比べ57百万円(43.7%)の増益となった。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社TBSテレビ | 1,173 | 16.7 | 1,236 | 17.4 |
| 株式会社電通 | 844 | 12.0 | 826 | 11.6 |
不動産関連事業
不動産・不動産管理運営に関しては、主たる「TOiGO」関連の事業については、継続して効率化を図ったが、修繕費、電力費等の経費が増加した。ハウジング事業については、ほぼ通常通りの企画催し物の実施となった。
この結果、不動産関連事業の売上高は865百万円と前連結会計年度に比べ18百万円(2.2%)の増収、営業利益は98百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(14.6%)の減益となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,752百万円増加し、41,931百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,545百万円増加し、5,761百万円となった。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,206百万円増加し、36,170百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益2,155百万円、減価償却費555百万円の計上等により、営業活動により得たキャッシュ・フローは、1,096百万円となり、固定資産の取得による支出等により、投資活動により使用した資金は946百万円となった。また、配当金の支払い及びリース債務、預り保証金の返済等により、財務活動により使用した資金は147百万円となり、これらにより資金は、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、当連結会計年度末には6,366百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,096百万円(前連結会計年度比41.4%増)となった。
主なものは税金等調整前当期純利益が2,155百万円、減価償却費555百万円及び持分法による投資利益1,742百万円である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は946百万円(前連結会計年度比60.1%増)となった。
これは主に有形固定資産の取得による支出605百万円等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は147百万円(前連結会計年度比12.3%減)となった。
主なものは、配当金の支払による支出26百万円、リース債務の返済による支出16百万円、預り保証金の返済100百万円等である。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、テレビ及びラジオの一般放送、動産・不動産の売買及び不動産の管理・運営等その事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載していない。
このため、生産、受注及び販売の実績は「①経営成績の状況」における各セグメントの業績にその概要を示している。
⑤ 次期の見通し
放送関連事業は、ウクライナ情勢、中東情勢の収束時期が不透明なこと、金融資本市場の変動、通商政策等の影響等よる人件費、原材料費等の高騰、企業活動の自粛による広告出稿の低下などの影響が、通年にわたって続き、全体として今後も不透明な状況が続くものと想定され、予断を許さない状況が続くと予想される。
当社グループは、県民に親しまれ必要とされる放送局として永続するため、引き続き競争力の強化を行うとともに経費削減等の実施により運転資金の効率化に努め、財務活動についても安定的で低コストの資金調達構造を構築し、また、事業に内在するリスクを分析・評価し、対応策を検討・実施することによって、課題を着実に解決し、当社グループの企業価値を高めていく所存である。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、当社の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
a. 経営成績等
1) 財政状態
(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は、8,776百万円(前連結会計年度末は8,582百万円)となり、194百万円増加した。主なものは、未収入金の増加によるものである。
(固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は、33,154百万円(前連結会計年度末は26,596百万円)と、6,557百万円増加した。主なものは、時価の上昇に伴う投資有価証券の増加によるものである。
(流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,336百万円(前連結会計年度末は1,142百万円)となり、193百万円増加した。主なものは、買掛金の増加によるものである。
(固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,425百万円(前連結会計年度末は3,072百万円)となり、1,352百万円増加した。主なものは、投資有価証券の時価の上昇に伴う繰延税金負債の増加である。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は、36,170百万円(前連結会計年度末は30,963百万円)となり、5,206百万円増加した。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,990百万円による利益剰余金の増加及びその他有価証券評価差額金の3,224百万円の増加である。
なお、セグメント別の総資産は放送関連事業38,354百万円(前連結会計年度末は31,714百万円)、不動産関連事業3,577百万円(前連結会計年度末は3,464百万円)である。
2) 経営成績
(経営環境)
当連結会計年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、設備投資や個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復を続けたが、緊迫化する中東情勢の影響による原油価格の高騰や、エネルギー価格・原材料コストの上昇が、企業収益や家計への負担を強める結果となり、経済の先行き不透明性は依然として拭えない状況にあり、長野県経済においても、緩やかな回復基調を維持し、観光需要が堅調に推移した一方で、製造業における外需の伸び悩みや、深刻化する人手不足、コスト高騰による採算の圧迫など、地域経済を取り巻く環境は厳しい局面が続いている。
広告業界においては、デジタル広告費が市場全体の成長を牽引し、初めて総広告費の半数を超えた。地上波テレビ全体の広告費がほぼ横ばいで推移する一方、地上波番組のネット配信広告が急拡大するなど、放送とデジタルの融合が一段と進んでいる状況である。
(売上高)
このような経営環境の中、当社グループの主力である広告収入において、ラジオ部門ではタイム収入等が減少した一方でテレビ部門ではタイム収入が増加し、インターネットを活用した配信事業も活発化させたことなどにより、売上高は、7,118百万円と前連結会計年度に比べ86百万円(1.2%)の増収となった。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ、2.1%増の3,301百万円となった。これは、主に放送関連事業における売上高の増加に伴い原価が増加したためである。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、0.7%減の3,527百万円となった。また、売上高販管費率は、49.6%(前連結会計年度比0.9ポイント減)となった。これは、主に放送関連事業における売上高の増加及び経費の削減が主な原因である。
(営業利益)
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度比16.4%増の288百万円となった。
(経常利益)
持分法適用関連会社の㈱電算の利益計上等により、持分法による投資利益1,742百万円(前連結会計年度比143.1%増)等により営業外収益は2,049百万円、営業外費用は12百万円となった。この結果、経常利益は、前連結会計年度比88.9%増の2,325百万円となった。
(税金等調整前当期純利益)
特別損失は、固定資産除却損及び退職給付費用により169百万円となった。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比72.2%増の2,155百万円となった。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等の負担額147百万円、非支配株主に帰属する当期純利益17百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,990百万円(前連結会計年度比89.7%増)になった。
3) キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載している。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの収益は、主に広告収入であり、この広告収入に影響を与える主な直接的要因は、景気、技術革新、規制緩和及びメディア競争の激化等といった放送業界に影響を与える情勢による広告費の変動、当社グループの競争力の変動、広告主の媒体ニーズの変化等である。
これらの要因に対応しつつ、当社グループの事業活動を維持していくために、より良い番組作りへの取り組み、設備・人材育成への投資を行い、事業継続を可能たらしめる利益と資金を確保してゆく所存である。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末における、総資産に占める有利子負債(リース債務は除く)は前連結会計年度と比べて0.4%減少し、0.1%となっている。今後とも、営業活動によるキャッシュ・フローにより有利子負債の削減を進めていく所存である。資金需要としては、主には設備投資資金として、放送関連事業における、デジタル放送設備の維持更新費、システムの維持更新費があるが、これらについては主に内部資金の活用により対応する予定である。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の向上を図るため、売上高営業利益率と、キャッシュ・フローを重視している。当連結会計年度における売上高営業利益率は、売上高の増加等による結果、4.1%となり、前連結会計年度と比べて0.6ポイント増加している。
また、キャッシュ・フローは、主に放送設備の新設・更新による支出、預り保証金及びリース債務の返済による支出を営業キャッシュ・フローにより補うことができ、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、現金及び現金同等物の期末残高は6,366百万円(前連結会計年度比0.0%増)となった。今後も、設備や人材育成への投資を進めつつ、売上高の拡大、コスト削減など利益率の向上を図り、売上高営業利益率及びキャッシュ・フローの更なる改善を目指す所存である。