有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)
(2) 戦略
<気候変動>当社グループは、地球環境に配慮したエネルギーの安全かつ安定的なお届け等を通じて当社の持続的な成長を遂げるだけでなく、グローバルな社会課題の解決を通じて社会の持続的発展に貢献していくため、関西電力グループ中期経営計画に掲げている「ゼロカーボンへの挑戦」に向けた取組みを進めている。
また、「金融市場の不安定化リスクを低減するため、中長期にわたる気候変動に起因する事業リスク・事業機会を分析し、開示する」とのTCFD提言の趣旨に賛同し、情報開示を推進していくことで、ステークホルダーとの信頼関係を強固にするとともに、持続可能な経営基盤の構築を図っている。
当社グループは、気候変動に関するリスク・機会について以下のとおり特定し、当社グループ戦略に適切に反映している。これらのリスク・機会は、TCFD提言の分類を参考に、サステナビリティ推進会議での議論を経て、特定したものである。
(リスク・機会の抽出)
※1 短中期: 〜2030年、長期: 〜2050年と定義している。
2 本評価は確定的なものではなく、国の政策やエネルギー情勢などの外部環境変化により変動するものである。
3 慢性的に生じうるリスクであるため、発現時期については評価していない。
上記のリスク・機会を踏まえ、当社グループは気候変動戦略を策定している。至近の例として、2021年3月に「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を、2022年3月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定した。
・2050年に向けたシナリオ
(シナリオ分析結果)
「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」、「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」をはじめとする当社グループ戦略のレジリエンスを評価するため、シナリオ分析を実施した。 以下の2つのシナリオを前提に、IEA等が公表している将来的な人口動態や電力需要等のデータを基に分析を行っている。

1.5℃シナリオは、需要側では、省エネの進展および電化率の向上が必要との結果となった。供給側では、原子力の現状水準での稼動が維持され、さらには火力の脱炭素技術の活用により、すべての電源がゼロカーボン化されたうえで、再エネの新規開発拡大がなければ実現不可能な結果となった。このように、1.5℃シナリオは2℃シナリオと比べて、強力な施策・規制の実施とイノベーションが無ければ実現が難しいシナリオだと考えている。
・財務インパクト
以上のシナリオ分析結果を踏まえた、当社グループの財務に影響を与える要因とそれに伴う当社グループの取組み状況は以下のとおりである。

このように、ゼロカーボンビジョン・ロードマップをはじめとした当社グループ戦略で宣言している取組みを着実に実行することで、当社グループの事業は、2℃シナリオ、および1.5℃シナリオいずれにおいても、レジリエンスを確保できると評価している。加えて、1.5℃シナリオの実現には、原子力のさらなる活用、火力の脱炭素技術の活用、再エネの新規開発拡大が不可欠であるところ、当社グループはこれらの取組みを着実に推進していることから、2050年カーボンニュートラルをS+3Eの観点で比較的優位なポジションで達成できる可能性がある。今後も取組みの進捗状況や、技術開発、政策動向等を踏まえ、戦略を柔軟に見直しながら、S+3Eを大前提としたカーボンニュートラルの実現を図っていく。
<人的資本・多様性>当社グループは、「働き方」改革・健康経営による労働環境の整備を土台として、「人財力」改革とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進に取り組むことで、経営理念の大切な価値観である「公正」「誠実」「共感」「挑戦」を体現しながら、個人と組織が共に成長する好循環を生み出していく。
これら人財戦略を経営戦略と連動させることで、中期経営計画の達成に貢献し、持続的な企業価値の向上、経営理念の企業文化への浸透を図っていく。
(「人財基盤の強化」の全体像)

(「人財力」改革)
関西電力グループ中期経営計画で取組みの柱として掲げている、EX・VX・BXを遂行するため、従業員の自律性を高めながらめざすキャリアへの挑戦を促進し、専門性の伸長に資する教育を実施することで、多様な経験の獲得・専門性の実践機会を提供する。また、キャリア採用の拡大に加えて、副業・兼業人財の公募を開始するなど、労働市場から積極的に人財を獲得し、人財の多様性・専門性をさらに充実、向上させることで、経営戦略に連動した人財を育成・確保する。
(D&I推進)
一人ひとりの「ちがい」を強みとし、物事の捉え方や発想の多様性を組織の「ちから」に変換することで、組織全体の創造性・柔軟性を向上させるとともに、このような組織が自律性・専門性を備えた多様な個人を惹きつけることで、共感を通じて個人と組織が共に成長する関係を構築する。
(「働き方」改革・健康経営)
デジタル技術活用による業務の高付加価値化や、多様な働き方を実現するための職場整備、職場一体となった健康活動の継続的な展開等に取り組んでいる。より良い就労環境を追求することで、「従業員一人ひとりが活き活きと輝き、豊かな人生を歩む」ことをめざす。
当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであり、指標及び目標については、上記の3つの取り組みおよび事業活動の前提から代表的な指標を1つずつ選定するとともに、各種方針等にもとづく取組みの実現度を総合的に測定できる項目を加えることで、計5項目の指標及び目標を設定している。
・人財育成方針・社内環境整備方針
関西電力グループが経営理念のもと、変化する事業環境に対応し、持続的成長を実現していくためには、従業員一人ひとりの成長を通じた、人財基盤の強化が不可欠である。
関西電力グループアカデミーでは、「Kanden Transformation」の実現をめざし、従業員の「自律的なキャリア形成」を支援するとともに、従業員一人ひとりが成長意欲や挑戦意欲をもって自身の能力伸長に取り組むことができるような能力伸長施策を展開する。
具体的には、経営理念を体現するための意識・行動面の変革や、個々人の更なる強みの伸長に向けた支援、多様なキャリアやフィールドに自発的にチャレンジできる社内公募型の仕組みの拡充、専門技術の確実な継承、デジタル技術を活用した生産性向上・付加価値創出等に資する育成施策を実施する。
また、ハラスメント防止やコンプライアンス遵守の取組みを大前提として、ダイバーシティ&インクルージョン推進により、多様な価値観や発想を受容する組織を作り上げていくとともに、誰もが心身ともに健康で、活き活きと活躍できる働き方の実現や職場風土の醸成を通じて、よりよい社内環境を整備する。
具体的には、「関西電力グループ ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」にもとづき、意見の多様性推進に関する研修内容の充実・強化や、ライフスタイルに合わせた勤務制度の拡充に取り組む。また、業務の抜本的な廃止やプロセスの見直し、デジタルツールのより一層の活用等により「働き方」改革を推進するとともに、健康管理意識の改善啓発や管理職向けのラインケア研修等、健康の保持・増進に資する施策を実施する。
<気候変動>当社グループは、地球環境に配慮したエネルギーの安全かつ安定的なお届け等を通じて当社の持続的な成長を遂げるだけでなく、グローバルな社会課題の解決を通じて社会の持続的発展に貢献していくため、関西電力グループ中期経営計画に掲げている「ゼロカーボンへの挑戦」に向けた取組みを進めている。
また、「金融市場の不安定化リスクを低減するため、中長期にわたる気候変動に起因する事業リスク・事業機会を分析し、開示する」とのTCFD提言の趣旨に賛同し、情報開示を推進していくことで、ステークホルダーとの信頼関係を強固にするとともに、持続可能な経営基盤の構築を図っている。
当社グループは、気候変動に関するリスク・機会について以下のとおり特定し、当社グループ戦略に適切に反映している。これらのリスク・機会は、TCFD提言の分類を参考に、サステナビリティ推進会議での議論を経て、特定したものである。
(リスク・機会の抽出)
| 分類 | リスクの内容 | 発現時期※1 | 影響度大※2 | 分類 | 機会の内容 | 発現時期※1 | 影響度大※2 | ||||
| 短中期 | 長期 | 短中期 | 長期 | ||||||||
| 移 行 リ ス ク | 政策 | 炭素価格導入等のCO2排出規制による、火力発電稼動率の低下 | 〇 | 〇 | 〇 | エネルギー源 | 原子力発電の優位性向上 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| 再エネ開発における競争激化・制度変更等による投資予見性の低下 | 〇 | 〇 | 製品および サービス | 分散型電源等の技術革新による電気の利用形態の変化 | 〇 | ||||||
| 技術 | 分散型電源導入拡大等による系統電力需要の減少 | 〇 | 〇 | 市場 | 再エネ投資機会の拡大 | 〇 | 〇 | ||||
| 市場 | 環境負荷の高い商品の売上低下 | 〇 | 〇 | ゼロカーボン化の潮流に伴う新たな収益機会拡大 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| 評判 | 原子力発電に対する社会的受容の低下 | 〇 | 〇 | 電化の拡大による電力需要の増加 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| 炭素排出量や係数悪化に伴う顧客評判変化 | 〇 | 〇 | 回復力 (レジリエンス) | レジリエントな事業基盤の強化によりお客さまや社会のみなさまから賜る信頼と、それを通じた事業機会 | 〇 | 〇 | |||||
| 物 理 リ ス ク | 急性 | 異常気象激甚化に伴う発電・送配電設備の復旧および対策費用の増加 | 〇 | 〇 | |||||||
| 慢性 | 降水量の変化による、水力発電の稼動率の低下※3 | - | - | ||||||||
※1 短中期: 〜2030年、長期: 〜2050年と定義している。
2 本評価は確定的なものではなく、国の政策やエネルギー情勢などの外部環境変化により変動するものである。
3 慢性的に生じうるリスクであるため、発現時期については評価していない。
上記のリスク・機会を踏まえ、当社グループは気候変動戦略を策定している。至近の例として、2021年3月に「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を、2022年3月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定した。
・2050年に向けたシナリオ
(シナリオ分析結果)
「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」、「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」をはじめとする当社グループ戦略のレジリエンスを評価するため、シナリオ分析を実施した。 以下の2つのシナリオを前提に、IEA等が公表している将来的な人口動態や電力需要等のデータを基に分析を行っている。
| 1.5℃ シナリオ | ・原子力が現状水準で稼動し続ける※1とともに火力の脱炭素技術が活用可能※2 ・産業革命以前より平均気温が1.5℃上昇する世界 (2050年時点で、カーボンニュートラルが実現) ※1 現状の出力が維持される想定 ※2 CCUS、水素専焼、アンモニア混焼技術が活用できる想定 |
| 2℃ シナリオ | ・原子力が現状水準から順次減少し、火力の脱炭素技術が活用不可 ・産業革命以前より平均気温が2℃上昇する世界 (2050年時点で、国内CO2排出量が2013年比80%削減) |

1.5℃シナリオは、需要側では、省エネの進展および電化率の向上が必要との結果となった。供給側では、原子力の現状水準での稼動が維持され、さらには火力の脱炭素技術の活用により、すべての電源がゼロカーボン化されたうえで、再エネの新規開発拡大がなければ実現不可能な結果となった。このように、1.5℃シナリオは2℃シナリオと比べて、強力な施策・規制の実施とイノベーションが無ければ実現が難しいシナリオだと考えている。
・財務インパクト
以上のシナリオ分析結果を踏まえた、当社グループの財務に影響を与える要因とそれに伴う当社グループの取組み状況は以下のとおりである。

このように、ゼロカーボンビジョン・ロードマップをはじめとした当社グループ戦略で宣言している取組みを着実に実行することで、当社グループの事業は、2℃シナリオ、および1.5℃シナリオいずれにおいても、レジリエンスを確保できると評価している。加えて、1.5℃シナリオの実現には、原子力のさらなる活用、火力の脱炭素技術の活用、再エネの新規開発拡大が不可欠であるところ、当社グループはこれらの取組みを着実に推進していることから、2050年カーボンニュートラルをS+3Eの観点で比較的優位なポジションで達成できる可能性がある。今後も取組みの進捗状況や、技術開発、政策動向等を踏まえ、戦略を柔軟に見直しながら、S+3Eを大前提としたカーボンニュートラルの実現を図っていく。
<人的資本・多様性>当社グループは、「働き方」改革・健康経営による労働環境の整備を土台として、「人財力」改革とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進に取り組むことで、経営理念の大切な価値観である「公正」「誠実」「共感」「挑戦」を体現しながら、個人と組織が共に成長する好循環を生み出していく。
これら人財戦略を経営戦略と連動させることで、中期経営計画の達成に貢献し、持続的な企業価値の向上、経営理念の企業文化への浸透を図っていく。
(「人財基盤の強化」の全体像)

(「人財力」改革)
関西電力グループ中期経営計画で取組みの柱として掲げている、EX・VX・BXを遂行するため、従業員の自律性を高めながらめざすキャリアへの挑戦を促進し、専門性の伸長に資する教育を実施することで、多様な経験の獲得・専門性の実践機会を提供する。また、キャリア採用の拡大に加えて、副業・兼業人財の公募を開始するなど、労働市場から積極的に人財を獲得し、人財の多様性・専門性をさらに充実、向上させることで、経営戦略に連動した人財を育成・確保する。
(D&I推進)
一人ひとりの「ちがい」を強みとし、物事の捉え方や発想の多様性を組織の「ちから」に変換することで、組織全体の創造性・柔軟性を向上させるとともに、このような組織が自律性・専門性を備えた多様な個人を惹きつけることで、共感を通じて個人と組織が共に成長する関係を構築する。
(「働き方」改革・健康経営)
デジタル技術活用による業務の高付加価値化や、多様な働き方を実現するための職場整備、職場一体となった健康活動の継続的な展開等に取り組んでいる。より良い就労環境を追求することで、「従業員一人ひとりが活き活きと輝き、豊かな人生を歩む」ことをめざす。
当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであり、指標及び目標については、上記の3つの取り組みおよび事業活動の前提から代表的な指標を1つずつ選定するとともに、各種方針等にもとづく取組みの実現度を総合的に測定できる項目を加えることで、計5項目の指標及び目標を設定している。
・人財育成方針・社内環境整備方針
関西電力グループが経営理念のもと、変化する事業環境に対応し、持続的成長を実現していくためには、従業員一人ひとりの成長を通じた、人財基盤の強化が不可欠である。
関西電力グループアカデミーでは、「Kanden Transformation」の実現をめざし、従業員の「自律的なキャリア形成」を支援するとともに、従業員一人ひとりが成長意欲や挑戦意欲をもって自身の能力伸長に取り組むことができるような能力伸長施策を展開する。
具体的には、経営理念を体現するための意識・行動面の変革や、個々人の更なる強みの伸長に向けた支援、多様なキャリアやフィールドに自発的にチャレンジできる社内公募型の仕組みの拡充、専門技術の確実な継承、デジタル技術を活用した生産性向上・付加価値創出等に資する育成施策を実施する。
また、ハラスメント防止やコンプライアンス遵守の取組みを大前提として、ダイバーシティ&インクルージョン推進により、多様な価値観や発想を受容する組織を作り上げていくとともに、誰もが心身ともに健康で、活き活きと活躍できる働き方の実現や職場風土の醸成を通じて、よりよい社内環境を整備する。
具体的には、「関西電力グループ ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」にもとづき、意見の多様性推進に関する研修内容の充実・強化や、ライフスタイルに合わせた勤務制度の拡充に取り組む。また、業務の抜本的な廃止やプロセスの見直し、デジタルツールのより一層の活用等により「働き方」改革を推進するとともに、健康管理意識の改善啓発や管理職向けのラインケア研修等、健康の保持・増進に資する施策を実施する。