訂正有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)
(2) 戦略
当社グループが持続的な成長をとげるとともに、SDGs等のグローバルな社会課題の解決を通じて社会の持続的な発展に貢献することを目的とし、中期経営計画(2021-2025)の策定に合わせて下記10個のマテリアリティ(重要課題)を特定している。
その中でも、気候変動への対応については、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を中期経営計画と並んで、理念体系における「存在意義」の具体化として位置づけ、カーボンニュートラルの達成に向けて、「ゼロカーボンロードマップ」を策定し、脱炭素に向けた取組みを推進している。

・マテリアリティ特定プロセス

<気候変動>当社グループは、気候変動に関するリスク・機会についてTCFD提言の分類を参考に、サステナビリティ推進会議での議論を経て、以下のとおり特定している。
(リスク・機会の抽出)
※1 短中期: 〜2030年、長期: 〜2050年と定義している。
2 リスクマップ(統合報告書2023 P.119)を参照し、評価。なお、本評価は確定的なものではなく、国の政策やエネルギー情勢などの外部環境変化により変動するものである。
3 慢性的に生じうるリスクであるため、発現時期については評価していない。
・2050年に向けたシナリオ
(シナリオ分析結果)
気候変動に関するリスク・機会を分析するにあたって、「気候変動の将来予測」と「当社グループへの影響度」の観点でシナリオドライバーを設定した。
「気候変動の将来予測」では、国際エネルギー機関 (IEA) や気候変動に係る政府間パネル(IPCC) 等を踏まえ、2050年にカーボンニュートラルを達成する「1.5℃シナリオ」とGHG排出を一定程度抑制した「2℃シナリオ」を選定した。
「当社グループへの影響度」では、当社グループへの影響度が大きいと特定した「原子力の稼動状況」と「火力のゼロカーボン技術の導入」を選定した。
上記シナリオドライバーを前提に、気候変動に関するリスク・機会について、以下の通りシナリオを設定し、分析を行っている。


1.5℃シナリオにおいて、電力需要は、原子力の稼動状況や火力のゼロカーボン技術の導入度合いにかかわらず、2021年と比べて、約6割増加する結果となった。需要側では、カーボンニュートラルを達成するために、省エネの進展および電化率の向上 (55%~58%) が必要な結果となった。供給側では、カーボンニュートラルを達成するため、原子力の稼動状況や火力のゼロカーボン技術の導入度合いに応じて、再エネの導入量が大きく変動する結果となった。
2℃シナリオでは、電力需要は、2021年と比べて、約1割増加する結果となった。需要側では、1.5℃シナリオと比較しGHG排出制約が厳しくないため、電化率は46%程度と、1.5℃シナリオと比較すると緩やかに上昇する結果となった。供給側では、1.5℃シナリオと比較しGHG排出制約が厳しくないものの、火力のゼロカーボン技術の導入遅延に伴い、火力電源が減少するため、再エネ導入の拡大が必要な結果となった。
このように、1.5℃シナリオは2℃シナリオと比べて、シナリオ達成のために、より強力な施策の実施とイノベーションを必要とするシナリオだと考えている。
・財務インパクト
以上の気候変動に関して特定したリスク・機会とシナリオ分析結果を踏まえた、当社グループの財務に影響を与える要因とそれに伴う当社グループの取組み状況は以下のとおりである。


(当社グループの気候変動戦略)
このように、「お客さまや社会の皆さまとともに取り組むこと」と、再エネ、原子力、ゼロカーボン火力等の「関西電力グループ自ら取り組むこと」を着実に実施することで、当社グループ事業は、2℃シナリオ、および1.5℃シナリオいずれにおいても、レジリエンスを確保できると評価している。当社グループは、上記取組みを「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」や「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」等の気候変動戦略へ適切に反映していく。足元では、これまでの取組みの進捗や世界的な脱炭素化の潮流の高まりを踏まえ、2024年4月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を改定した。
また、1.5℃シナリオの実現には、原子力のさらなる活用、火力のゼロカーボン技術の導入、再エネの新規開発拡大が不可欠であるところ、当社グループはこれらの取組みを着実に推進していることから、2050年カーボンニュートラルをS+3Eの観点で比較的優位なポジションで達成できる可能性がある。
今後も取組みの進捗状況や、技術開発、政策動向等を踏まえ、戦略を柔軟に見直しながら、S+3Eを大前提としたカーボンニュートラルの実現を図っていく。
<人的資本>関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)で掲げた、経営基盤の強化に向けたBX取組みにおける人財基盤強化の全体像は下図の通り。

・人財育成方針・社内環境整備方針

当社グループが持続的な成長をとげるとともに、SDGs等のグローバルな社会課題の解決を通じて社会の持続的な発展に貢献することを目的とし、中期経営計画(2021-2025)の策定に合わせて下記10個のマテリアリティ(重要課題)を特定している。
その中でも、気候変動への対応については、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を中期経営計画と並んで、理念体系における「存在意義」の具体化として位置づけ、カーボンニュートラルの達成に向けて、「ゼロカーボンロードマップ」を策定し、脱炭素に向けた取組みを推進している。

・マテリアリティ特定プロセス

<気候変動>当社グループは、気候変動に関するリスク・機会についてTCFD提言の分類を参考に、サステナビリティ推進会議での議論を経て、以下のとおり特定している。
(リスク・機会の抽出)
| 分類 | リスクの内容 | 発現時期※1 | 影響度大※2 | 分類 | 機会の内容 | 発現時期※1 | 影響度大※2 | ||||
| 短中期 | 長期 | 短中期 | 長期 | ||||||||
| 移 行 リ ス ク | 政策 | 炭素価格導入等のCO2排出規制による、火力発電稼動率の低下 | 〇 | 〇 | 〇 | エネルギー源 | 原子力発電の優位性向上 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| 再エネ開発における競争激化・制度変更等による投資予見性の低下 | 〇 | 〇 | 製品および サービス | 分散型電源等の技術革新による電気の利用形態の変化 | 〇 | ||||||
| 技術 | 分散型電源導入拡大等による系統電力需要の減少 | 〇 | 〇 | 市場 | 再エネ投資機会の拡大 | 〇 | 〇 | ||||
| 市場 | 環境負荷の高い商品の売上低下 | 〇 | 〇 | ゼロカーボン化の潮流に伴う新たな収益機会拡大 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| 評判 | 原子力発電に対する社会的受容の低下 | 〇 | 〇 | 電化の拡大による電力需要の増加 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| 炭素排出量や係数悪化に伴う顧客評判変化 | 〇 | 〇 | 回復力 (レジリエンス) | レジリエントな事業基盤の強化によりお客さまや社会のみなさまから賜る信頼と、それを通じた事業機会 | 〇 | 〇 | |||||
| 物 理 リ ス ク | 急性 | 異常気象激甚化に伴う発電・送配電設備の復旧および対策費用の増加 | 〇 | 〇 | |||||||
| 慢性 | 降水量の変化による、水力発電の稼動率の低下※3 | - | - | ||||||||
※1 短中期: 〜2030年、長期: 〜2050年と定義している。
2 リスクマップ(統合報告書2023 P.119)を参照し、評価。なお、本評価は確定的なものではなく、国の政策やエネルギー情勢などの外部環境変化により変動するものである。
3 慢性的に生じうるリスクであるため、発現時期については評価していない。
・2050年に向けたシナリオ
(シナリオ分析結果)
気候変動に関するリスク・機会を分析するにあたって、「気候変動の将来予測」と「当社グループへの影響度」の観点でシナリオドライバーを設定した。
「気候変動の将来予測」では、国際エネルギー機関 (IEA) や気候変動に係る政府間パネル(IPCC) 等を踏まえ、2050年にカーボンニュートラルを達成する「1.5℃シナリオ」とGHG排出を一定程度抑制した「2℃シナリオ」を選定した。
「当社グループへの影響度」では、当社グループへの影響度が大きいと特定した「原子力の稼動状況」と「火力のゼロカーボン技術の導入」を選定した。
上記シナリオドライバーを前提に、気候変動に関するリスク・機会について、以下の通りシナリオを設定し、分析を行っている。


1.5℃シナリオにおいて、電力需要は、原子力の稼動状況や火力のゼロカーボン技術の導入度合いにかかわらず、2021年と比べて、約6割増加する結果となった。需要側では、カーボンニュートラルを達成するために、省エネの進展および電化率の向上 (55%~58%) が必要な結果となった。供給側では、カーボンニュートラルを達成するため、原子力の稼動状況や火力のゼロカーボン技術の導入度合いに応じて、再エネの導入量が大きく変動する結果となった。
2℃シナリオでは、電力需要は、2021年と比べて、約1割増加する結果となった。需要側では、1.5℃シナリオと比較しGHG排出制約が厳しくないため、電化率は46%程度と、1.5℃シナリオと比較すると緩やかに上昇する結果となった。供給側では、1.5℃シナリオと比較しGHG排出制約が厳しくないものの、火力のゼロカーボン技術の導入遅延に伴い、火力電源が減少するため、再エネ導入の拡大が必要な結果となった。
このように、1.5℃シナリオは2℃シナリオと比べて、シナリオ達成のために、より強力な施策の実施とイノベーションを必要とするシナリオだと考えている。
・財務インパクト
以上の気候変動に関して特定したリスク・機会とシナリオ分析結果を踏まえた、当社グループの財務に影響を与える要因とそれに伴う当社グループの取組み状況は以下のとおりである。


(当社グループの気候変動戦略)
このように、「お客さまや社会の皆さまとともに取り組むこと」と、再エネ、原子力、ゼロカーボン火力等の「関西電力グループ自ら取り組むこと」を着実に実施することで、当社グループ事業は、2℃シナリオ、および1.5℃シナリオいずれにおいても、レジリエンスを確保できると評価している。当社グループは、上記取組みを「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」や「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」等の気候変動戦略へ適切に反映していく。足元では、これまでの取組みの進捗や世界的な脱炭素化の潮流の高まりを踏まえ、2024年4月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を改定した。
また、1.5℃シナリオの実現には、原子力のさらなる活用、火力のゼロカーボン技術の導入、再エネの新規開発拡大が不可欠であるところ、当社グループはこれらの取組みを着実に推進していることから、2050年カーボンニュートラルをS+3Eの観点で比較的優位なポジションで達成できる可能性がある。
今後も取組みの進捗状況や、技術開発、政策動向等を踏まえ、戦略を柔軟に見直しながら、S+3Eを大前提としたカーボンニュートラルの実現を図っていく。
<人的資本>関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)で掲げた、経営基盤の強化に向けたBX取組みにおける人財基盤強化の全体像は下図の通り。

・人財育成方針・社内環境整備方針

| 各種施策 (インプット) | 概 要 | |
| 仕事の魅力を高める | 新たな価値の創出につながる仕事や付加価値の高い仕事等、真に価値ある仕事に注力できるようにすることで、当社における仕事の魅力を高めていく。 | |
| 人財育成方針 | 個の能力を高める | 関西電力グループが経営理念のもと、変化する事業環境に対応し、持続的成長を実現していくためには、個の能力を高めることが必要であり、従業員一人ひとりの“学びたい”と“挑みたい”を引き出すべく、各種取組みを推進※していく。 ※DX推進に資するDXリテラシー向上等、事業戦略と連動した人財育成施策を実施。 |
| 組織の能力を高める | 一人ひとりの「ちがい」を尊重し、受け入れ、活かし、多様な価値観や発想を組織の力にする(D&I推進)ことで、イノベーションを創出すべく、各種取組みを推進していく。 | |
| 社内環境整備方針 | ||
| 働き方の魅力を高める | ハラスメント防止やコンプライアンス遵守の取組みを大前提として、性別、年齢、国籍、障がい等の属性やライフスタイル、キャリアにかかわらず、誰もが能力を最大限発揮できる働き方の実現と職場風土の醸成を通じて、よりよい社内環境を整備する。 | |