有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)
b. 戦略
気候変動に伴うリスクと機会を検討するにあたり、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の公表データが示す1.5℃シナリオや4℃シナリオを参照している。カーボンニュートラルの要請の高まりや次世代半導体工場等の進出による中長期的な道内電力需要の増加といった経営環境の変化を的確に捉え、新たに定めた事業ポートフォリオ等を踏まえて、気候変動に伴うリスクと機会を特定した。
<気候変動に伴うリスク>
<気候変動に伴う機会>
[発現・実現時期] 長期:10年超、中期:10年程度、短期:5年程度
[影響・貢献度] 大:100億円超/年、中:10億~数十億円/年程度、小:数億円/年程度
※気候変動に伴うリスク・機会の影響評価は、ほくでんグループ全体で実施。
<気候変動に伴うリスク・機会の財務影響(試算)>
<ほくでんグループの事業基盤である北海道における気候変動に伴う機会>北海道における再生可能エネルギー発電事業の適地としてのポテンシャル等を背景に、次世代半導体工場や大型データセンターをはじめとする企業進出が計画されており、中長期的には道内の電力需要規模の大幅な増加が見込まれる。
また、北海道の家庭部門のエネルギー消費に着目すると、積雪寒冷といった地域特性から、冬季の暖房使用等を背景に石油系エネルギーへの依存度が全国よりも高く、北海道は脱炭素に資する電化率向上のポテンシャルが大きい。

気候変動に伴うリスクと機会を検討するにあたり、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の公表データが示す1.5℃シナリオや4℃シナリオを参照している。カーボンニュートラルの要請の高まりや次世代半導体工場等の進出による中長期的な道内電力需要の増加といった経営環境の変化を的確に捉え、新たに定めた事業ポートフォリオ等を踏まえて、気候変動に伴うリスクと機会を特定した。
<気候変動に伴うリスク>
| 区分 | リスクの内容 | 発現時期 | 影響度 | 主な対応策 |
| 政策・ 法規制 | CO2排出に対する政策・法規制の強化に伴う費用の増加 | 短~長期 | 大 | ・再生可能エネルギー開発推進 ・泊発電所の早期再稼働 ・火力発電の脱炭素化推進(水素・アンモニア利活用、CCUS活用など) |
| 技術 | 脱炭素化対応の遅れによる既設火力の稼働率低下に伴う収益の減少 | 中・長期 | 中 | ・火力発電の脱炭素化推進(水素・アンモニア利活用、CCUS活用など) |
| 新技術に係る投資回収の遅延 | 中・長期 | 中 | ・事業リスク洗い出し、経済性評価 | |
| 市場 | 脱炭素化対応の遅れによる企業進出の鈍化、お客さまの脱炭素意識の高まりに伴う化石燃料由来の電力販売不振による収益の減少 | 短期 | 中 | ・再生可能エネルギー開発推進 ・泊発電所の早期再稼働 ・火力発電の脱炭素化推進(水素・アンモニア利活用、CCUS活用など) |
| 再生可能エネルギーの大量導入による競争環境の変化に伴う収益の減少 | 中・長期 | 中 | ・事業領域拡大 ・電化推進策の展開、道外企業の誘致 | |
| 評判 | 脱炭素化対応の遅れによる資金調達困難化 | 中・長期 | 中 | ・再生可能エネルギー開発推進 ・泊発電所の早期再稼働 ・火力発電の脱炭素化推進(水素・アンモニア利活用、CCUS活用など) |
| 急性 | 台風・暴風雪などの自然災害の激化・頻発による対応費用の増加 | 短~長期 | 中 | ・過去事例や新たな知見を踏まえた設備対策 ・迅速な復旧(訓練など) |
| 慢性 | 気象パターンの変化に伴う収支不安定化 | 中・長期 | 大 | ・水力発電の効率向上や運用の最適化 |
<気候変動に伴う機会>
| 区分 | 機会の内容 | 実現時期 | 貢献度 | 主な対応策 |
| 資源の 効率/ 製品・ サービス | 石油系エネルギーへの依存度が高い暖房需要・運輸などの電化、再生可能エネルギーなどポテンシャルを活かした半導体関連産業やデータセンターの進出などによる電力需要の増加 | 短・中期 | 大 | ・電化推進策の展開、道外企業の誘致 ・再生可能エネルギー電力供給などお客さまニーズへの対応 |
| お客さまの脱炭素意識の高まりを踏まえた、ソリューションサービスによる収益の増加 | 短~長期 | 中 | ・エネルギー・マネジメント事業推進 | |
| CO2フリー水素の供給に伴う収益の増加 | 長期 | 大 | ・水素・アンモニア事業推進 | |
| エネル ギー源 | ポテンシャルを活かした洋上風力・地熱・バイオマス発電などの再生可能エネルギーや原子力発電の活用促進に伴う販売電力量の増加 | 短~長期 | 大 | ・再生可能エネルギー開発推進 ・泊発電所の早期再稼働 |
| 革新的技術の実用化による火力電源の低・脱炭素化に伴う販売電力量の増加 | 中・長期 | 大 | ・火力発電の脱炭素化推進(水素・アンモニア利活用、CCUS活用など) | |
| 市場 | グリーンボンド発行などによる資金調達の多様化・安定化 | 短期 | 中 | ・グリーン/トランジションファイナンス活用などによる資金調達の多様化・安定化 |
| レジリ エンス | 早期復旧を通じた信頼性向上による、電気の優位性確保・需要の増加 | 短・中期 | 中 | ・過去事例や新たな知見を踏まえた設備対策 ・迅速な復旧(訓練など) ・自治体などとの協力体制構築、情報発信 |
[発現・実現時期] 長期:10年超、中期:10年程度、短期:5年程度
[影響・貢献度] 大:100億円超/年、中:10億~数十億円/年程度、小:数億円/年程度
※気候変動に伴うリスク・機会の影響評価は、ほくでんグループ全体で実施。
<気候変動に伴うリスク・機会の財務影響(試算)>
| CO2排出を現状から削減 しなかった場合の費用増 450億円/年 程度(2030年) | 台風・暴風雪などの 自然災害対応費用 20億円 程度 |
| 2023年度実績をもとに試算。 炭素価格:140ドル/t-CO2(IEA「World Energy Outlook 2023」を参照) | 特別損失を計上した2016年8月台風と同等の被害の場合。 | |
| 泊発電所の再稼働によるCO2削減効果 1,200億円/年 程度 | 小売販売電力量が1% 増加した場合の収入増 60億円/年 程度 |
| 泊発電所の全基再稼働など、一定の条件のもとに 試算。 炭素価格:140ドル/t-CO2(IEA「World Energy Outlook 2023」を参照) | 2023年度実績から試算。 | |
<ほくでんグループの事業基盤である北海道における気候変動に伴う機会>北海道における再生可能エネルギー発電事業の適地としてのポテンシャル等を背景に、次世代半導体工場や大型データセンターをはじめとする企業進出が計画されており、中長期的には道内の電力需要規模の大幅な増加が見込まれる。
また、北海道の家庭部門のエネルギー消費に着目すると、積雪寒冷といった地域特性から、冬季の暖房使用等を背景に石油系エネルギーへの依存度が全国よりも高く、北海道は脱炭素に資する電化率向上のポテンシャルが大きい。
