有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 15:19
【資料】
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【項目】
174項目

有報資料

以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものである。
電力小売市場における競争の激化や技術革新によるビジネスモデルの変化などに伴い、当社を取り巻く経営環境は厳しさ、複雑さが増している。当社は、このような環境変化を成長に向けた機会ととらえ、新しいサービスや付加価値をお客さまに提供するなど、これまで以上にお客さまにお選びいただくための取り組みを進めていく必要がある。
また、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震による大規模停電などを契機として、電力の安定供給や電力設備の強靭化(レジリエンス強化)の重要性があらためて認識されているとともに、より競争力のある設備形成が必要となっている。
このようななか、2019年度は、本年4月より東北電力グループスローガンとして設定した「より、そう、ちから。」のもと、より一層の競争力強化や強固な経営基盤の確立に向けて、企業グループが一丸となって以下の各施策に注力していく。
<利益創出力の徹底強化>東北6県及び新潟県における電力販売については、お客さまのメリットにつながる新料金プランや新サービスの開発・提案などの販売施策を推進し、家庭用・法人用分野の双方において、引き続き、価格・非価格両面から販売力・競争力のさらなる強化をはかっていく。特に、家庭用分野では、くらしのトータルサービス「より、そう、ちから。+ONe」など、新しいサービスを展開していくとともに、法人分野では、石油・ガスから電気への熱源転換の提案などを通じて、省エネやコスト低減につながる提案活動を展開していく。
これまでの供給エリアを越えた電力販売については、株式会社シナジアパワーを通じて、関東圏の高圧・特別高圧のお客さまへの積極的な提案活動を展開するとともに、株式会社東急パワーサプライへの卸供給などにより、小売・卸売両面からさらなる販売拡大に取り組んでいく。また、東北電力エナジートレーディング株式会社による積極的な卸電力市場取引を通じて、収益力のさらなる強化をはかっていく。
発電事業については、能代火力発電所3号機(60万キロワット)の運転開始時期の前倒しや上越火力発電所1号機(57.2万キロワット)の着実な開発のほか、設備の経年化が進む秋田火力発電所2号機(35万キロワット)の長期計画停止や秋田火力発電所3号機(35万キロワット)の廃止などにより、電源のさらなる競争力向上に向けた取り組みを進めていく。
当社は、こうした取り組みを進めるとともに、発電部門と販売部門を一体的に運用し、環境変化に柔軟かつ迅速に対応することにより総合力を発揮し、さらなる競争力強化と利益の拡大を目指していく。
原子力発電については、安定供給、経済効率性、環境適合の観点から重要なベースロード電源であり、再稼働により火力燃料費の低減効果が期待できることなどから、引き続き、新規制基準への適合性にとどまらず、より高いレベルの安全確保に向けて、安全対策工事を着実に進めていく。また、原子力発電所の再稼働には、地域のみなさまのご理解が何より重要であることから、社員一人ひとりがコミュニケーション活動にしっかり取り組むことで、地域のみなさまとの信頼関係の構築に努めていく。
<生産性・効率性のさらなる向上>コスト削減・効率化については、経営効率化推進会議のもと、これまでも全社をあげて取り組んでいるが、さらなる競争力強化に向けて、仕様・工法の見直しや競争発注の拡大に向けた取り組みを一層追求していく。さらに、最先端デジタル技術による火力発電所の運用効率向上や「スマートグラスシステム」を活用した変電所の運転・保修業務の品質向上・効率化など、IoT・AI・ビッグデータ・ドローンなどの新たな技術の採用によるコスト削減・効率化に向けた取り組みを進めていく。
働き方改革については、社長を委員長とする「働き方改革推進委員会」を中心に、「みな、おす、ちから。」のスローガンのもと、全社一体となって取り組みを推進し、従業員の意識改革や生産性のさらなる向上をはかっていく。具体的には、在宅勤務制度やフレックスタイム制度の活用などにより、より働きがいのある、働きやすい環境を整備することで、ワーク・ライフ・バランスの実現をはかるとともに、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)やAIの活用による大量・定型業務の自動化などを通じ、業務の削減・効率化と業務品質の向上を進めていく。当社は、このような取り組みにより、従業員一人ひとりがイキイキと働く元気な会社を実現し、お客さまや地域のみなさまに信頼され選ばれる会社を目指していく。
<新たな事業機会への挑戦>再生可能エネルギーについては、当社企業グループが責任ある事業主体となるべく、風力発電を主軸に、太陽光や水力、地熱、バイオマスなどの全般において、これまで培ってきたノウハウを活用しながら新たな開発や事業参画に取り組むことにより、東北6県及び新潟県を中心に200万キロワットの開発を目指していく。
ガス事業については、石巻ガス株式会社との電力・ガス販売の業務提携をはじめとした地域の都市ガス事業者との連携強化などを通じて、重油などから環境負荷の低い天然ガスへの燃料転換や電力・ガスの最適な組み合わせによるトータルエネルギーソリューションなど、お客さまニーズにより沿う取り組みのさらなる充実をはかっていく。
新規事業や新規サービスの創出などについては、デジタルトランスフォーメーション(IoTやAIなどのデジタル技術の活用による企業変革)の進展を踏まえ、デジタルイノベーションの取り組みを推進していく。具体的には、地域に分散して存在するエネルギーリソースを遠隔制御し集約することで、あたかも一つの発電所のように機能させる「バーチャルパワープラント(VPP)」技術活用による仙台市、郡山市及び新潟市などとの地域防災力強化・環境負荷低減に向けた取り組みや、電気自動車の蓄電池を電力需給バランスの調整機能として活用する「V2G実証プロジェクト」などの取り組みを進めている。
また、こうした新たな事業機会を追求するための専門組織を設置し、体制面の強化をはかることで、将来の事業領域の拡大につながる新たなビジネスモデルの構築に向けて積極的に取り組んでいく。
<法的分離に向けた取り組み>当社は、2020年4月に予定されている送配電部門の法的分離に向け、一般送配電事業を分社化し、事業持株会社(東北電力株式会社)のもとに、100%子会社である送配電会社を配置する体制へ移行することとしている。また、円滑な分社化に向け、2019年4月に、分割準備会社として「東北電力ネットワーク株式会社」を設立し、事業承継に関わる吸収分割契約を締結している。
法的分離にあたっては、事業持株会社において、発電及び販売部門の経営資源を一体的に活用し、総合力を発揮していくとともに、事業持株会社と送配電会社それぞれの事業において、機動的な意思決定のもと、自律性向上と価値創造力の強化をはかっていく。
引き続き、「東北電力ネットワーク株式会社」の社名に込めた「お客さまとの絆、地域とのつながりを大事にする」という思いのもと、分社化に向けた準備を着実に進めるとともに、グループシナジーの発揮によるグループ全体の企業価値向上やグループガバナンスの充実など、グループ経営の強化に努めていく。
<電力設備の強靭化に向けた取り組み>災害に強い電力供給体制を構築するための対策や停電の早期復旧に向けた取り組みなどを議論することを目的として設置された国の「電力レジリエンスワーキンググループ」において、2018年11月、電力設備の強靭化に向けた対策に関する中間とりまとめが行われた。
当社は、新技術の採用による設備点検の効率化などを進めるとともに、中間とりまとめにおいて示された各種対策なども踏まえながら、大規模停電を回避する設備形成や維持運用、停電が起きた場合の迅速な復旧などについて、各部門が連携し、安定供給の確保に万全を期していく。
<地域の復興・発展への貢献>東日本大震災の被災地では、再生に向けた街づくりが進むなか、当社は、引き続き、被災地の地元電力会社として、地域の活性化を積極的に支援するとともに、電力の安定供給を通じた復興支援に努めていく。また、福島県内においては、一時帰宅や帰還に向けて、電力設備の改修や維持管理にもしっかりと取り組んでいく。
加えて、今後とも、それぞれの地域がおかれた状況やニーズの違いを踏まえながら、将来の成長・発展に資するプロジェクトなどを積極的に支援していく。
こうした各施策の推進により、当社は、東北電力グループ中期経営方針に掲げた電気事業、海外事業、ガス事業の3つの分野における以下の目標及び「2020年度までに自己資本比率(連結決算ベース)25%以上(将来的には30%)」とする財務目標の達成を目指していく。
2015年度実績2020年度2030年度
電気事業販売電力量
(域外・卸売を含んだ増分)
参考:域内販売電力量+35億kWh+150億kWh
751億kWh
海外事業海外発電事業持分出力20万kW60万kW120万kW
ガス事業販売ガス量34万t45万t60万t

当社は、経営理念である「地域社会との共栄」、「創造的経営の推進」のもと、経営環境の変化に適切に対応しながら、地域とともに成長してきた。
当社を取り巻く環境はさらに大きく変化していくが、この環境変化をチャンスと前向きにとらえ、東北電力グループスローガン「より、そう、ちから。」のもと、企業グループが一体となって変革を加速し、これまで以上にお客さまに「より沿う」、地域に「寄り添う」取り組みを積極的に推進することにより、企業価値向上をはかりながら、みなさまのご期待にしっかりとお応えしていく。

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