有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:21
【資料】
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【項目】
157項目

有報資料

以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)東北電力グループ中長期ビジョン「よりそうnext」
当社企業グループは、足もとでの電力小売全面自由化の進展による競争の激化、再生可能エネルギーの導入拡大による需給構造の変化に加え、中長期的に事業環境に影響を及ぼすと見込まれる「人口減少」「デジタル化」「分散化」「脱炭素化」の潮流を念頭に、「東北発の新たな時代のスマート社会」の実現に貢献し、持続的な成長を遂げるべく、2020年2月に東北電力グループ中長期ビジョン「よりそうnext」※を策定いたしました。
※当社企業グループでは、「お客さまによりそう新たな価値を創造・提供し、東北発のスマート社会の実現を通じて、ポストコロナの次の時代を切り拓いていく」という決意を込め、2021年2月、東北電力グループ中長期ビジョンの名称を「よりそうnext」と設定いたしました。
「よりそうnext」公表以降、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、当社企業グループを取り巻く事業環境は厳しさを増しています。まず、経済活動の低迷により、電力需要の減少に直面していることに加え、これに再生可能エネルギーの導入拡大が相俟って電力市場価格が下落しています。また、ポストコロナの新しい社会構造・経済構造・生活様式などが定着しつつあり、「デジタル化」「分散化」「脱炭素化」が加速しています。特に「脱炭素」については、昨年10月に政府が「2050年カーボンニュートラル」を表明するなど、その実現に向けた機運が高まっています。
このような事業環境変化は、「よりそうnext」策定に当たっての想定していた事業環境変化と方向を同じくするものであることから、当社企業グループとしては、「よりそうnext」実現に向けた取り組みのスピードを一層高め、ポストコロナの新たな時代のお客さまの期待に応えるビジネスモデルへと早期に転換していくこととしております。

(2)ビジネスモデル転換期の取り組み
「よりそうnext」では、2030年代に「東北発の新たな時代のスマート社会」を実現すべく、2020~2024年度を「ビジネスモデル転換期」と位置付け、基盤事業の「電力供給事業」の構造改革を通じた徹底的な競争力強化による安定的な収益確保と、成長事業の「スマート社会実現事業」への経営資源の戦略的投入により、ビジネスモデルの転換を進めることとしております。 2021年度は、2020年度に掲げた3つの力点(“Change”、“Challenge”、“Create”)を維持しながら、新たに4つの事業推進の基本的な考え方を掲げ、「よりそうnext」実現の加速化に取り組んでおります。
[事業推進の基本的な考え方]
・徹底した電力販売の強化とコストダウンの深掘りを行いながら、電力供給事業の構造改革のスピードのギアを上げる
・安全を最優先に原子力発電所の再稼働へ全力を尽くすとともに、地域の皆さまへの積極的な情報発信と丁寧な理解活動を行う
・リアルで培った強みと新たなデジタル技術を組合せ、デジタルトランスフォーメーションを成し遂げるべく、「東北電力フロンティア」を中核に、東北電力グループをあげてスマート社会実現事業の早期収益化に果敢に挑戦し実現する
・「2050年カーボンニュートラル」に向けたあるべき姿の検討を進め、供給面のみならずスマート社会実現事業等を通じてお客さまのCO2削減に貢献する
(発電・販売事業) 電力供給事業について、各々のミッションに基づき、競争力の強化を進めてまいります。
・発電については、再生可能エネルギーの開発拡大を進めております。当社企業グループでは、風力発電を主軸に、東北6県及び新潟県を中心に200万キロワットの開発を目指していくこととしておりますが、「2050年カーボンニュートラル」を見据え、その早期達成とさらなる拡大を目指してまいります。また、再生可能エネルギーのライフサイクル全般に関与する観点から、本年4月に設立した「東北電力リニューアブルエナジー・サービス株式会社」により運用・保守事業を展開してまいります。
・火力発電については、上越火力発電所1号機の開発を推進しつつ、政府の次期(第6次)エネルギー基本計画等も踏まえながら、環境性や経済効率性の低い経年火力発電所の休廃止等を継続検討・実施し、さらなる電源の競争力の強化や再生可能エネルギー導入拡大に伴う需給変動への対応を進めてまいります。
・燃料調達や卸電力供給については、燃料調達における市場の構造変化を捉えた調達手法の多様化など、燃料費低減や燃料調達の柔軟性確保に向けた取り組みを深掘りするとともに、市場でのトレーディング機能を最大限活用しながら、燃料調達から発電、卸売のバリューチェーンを最適化する取り組みを進めております。また、電力の市場化を事業機会と捉え、トレーディング機能を最大限活用しながら、電力卸売の付加価値向上に資するサービスを検討・推進してまいります。
・女川原子力発電所2号機については、昨年2月、原子力規制委員会から原子炉設置変更許可を受けるとともに、安全協定に基づく事前協議の申し入れに対し、昨年11月、宮城県、女川町、石巻市からご了解をいただきました。新規制基準への適合及びより高いレベルの安全確保に向けて、安全対策工事の実施、各種教育・訓練の充実化による運転に必要な技術力の継承・新たな設備への対応力の向上の取り組み等を通じたハード・ソフト両面の対策を着実に実施し、発電所の「審査・工事」から「安定運転」に向けたマインドシフトを進め、早期再稼働に全力を尽くしてまいります。また、引き続き、当社の取り組みについて、地域の皆さまへ分かりやすい情報提供を行うとともに、ご理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。
・東通原子力発電所1号機については、再稼働に向けて、安全対策工事を進めながら、適合性審査に的確に対応するとともに、女川原子力発電所3号機については、女川原子力発電所2号機の適合性審査等を踏まえながら、適合性審査申請に向けた検討を進めてまいります。
・当社は、スマート社会実現事業を牽引し、お客さま起点の新たなサービスを創出していくため、本年4月に「東北電力フロンティア株式会社」を設立いたしました。次世代のデジタル技術やイノベーションの活用等を通じて、電気を含むエネルギーマネジメントをはじめ、地域に住む方々が快適・安全・安心に暮らすことができる各種サービスを取り揃え、これらを組み合わせて提供してまいります。
・ご家庭のお客さま向けのサービスについては、「より、そう、ちから。+ONe」のブランドのもと、ポストコロナのお客さまニーズも捉えた、暮らしをサポートするサービスの充実を加速し、収益力強化に取り組んでまいります。法人のお客さま向けには、お客さまのご使用状況や環境ニーズを踏まえた、エネルギーの最適プラン提案(電気、ガス、再エネ)を展開する等、提案力強化とソリューション拡充による利益最大化に取り組んでまいります。
・株式会社東急パワーサプライとの共同出資により設立した新会社「東北電力ソーラーeチャージ株式会社」は、太陽光発電設備と蓄電池を活用したエネルギーサービスの提供を目的としており、東北・新潟及び関東エリアを対象に、環境にやさしく災害に強い電力をお手軽にご利用いただけるサービスを、2021年度上期中を目途に提供開始予定としております。
・VPP(仮想発電所)については、太陽光発電設備や蓄電池、EVなど、地域に存在するエネルギーリソースを最大限活用し、地域の防災力強化や、お客さまの省エネルギー、省コストに役立つVPPサービスの早期事業化を目指し、2021年度中にエネルギーマネジメントなどの一部サービスを開始いたします。 (送配電事業)
送配電については、東北6県及び新潟県の電力の安定供給の使命を果たし続けるため、レジリエンスを一層強化してまいります。また、託送料金制度改革(2023年4月)を見据えながら、送配電設備の高経年化対策と、AI・IоT等の活用や設備の仕様統一・共同調達等による徹底的なコストダウンを両立させつつ、効率化を進めてまいります。加えて、保有資産やスマートメーター等の活用による地域課題解決に資するサービスの検討・実施や、再生可能エネルギーの導入が拡大する中での新たな技術の活用による電力品質の確保と合理的な設備形成等、スマート社会の実現に向けた電力ネットワークの高度化に取り組んでまいります。
(3)東北電力グループカーボンニュートラルチャレンジ2050
日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言、及びその実現に向けた取り組みの検討が急速に進められるなど、社会全体にとって、地球温暖化への対応はこれまで以上に重要な課題となっております。 当社企業グループは、本年3月、カーボンニュートラルの実現に向けた長期的な方向性として「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」をとりまとめ、公表いたしました。火力電源の脱炭素化に加えて、再生可能エネルギーと原子力発電の最大限活用とスマート社会実現事業の展開を中心に、バリューチェーン全体で脱炭素化に資する取り組みを積極的に行うとともに、持続的なスマート社会を実現することにより、東北・新潟地域全体でのCO2排出削減に貢献します。

(4)財務目標達成に向けた取り組みについて
当社企業グループは、「よりそうnext」において、現下の需給・収支の構造変化に伴う収益低下を抑止し、成長のための資源投入を加速するため、“キャッシュ創出力”に着目した指標として「連結キャッシュ利益※」を財務目標に採用するとともに、達成すべき最低限の水準として「2024年度に3,200億円以上」を設定しました。 競争環境激化に対し、更なるキャッシュ創出力・利益を重視した販売戦略を推進しつつ、電力供給事業の構造改革を大胆に進め、変動費・固定費の双方で数百億円規模のコスト削減を実施し、財務目標を着実に達成します。
※連結キャッシュ利益=営業利益+減価償却費+核燃料減損額+持分法投資損益(営業利益は、燃料費調整制度のタイムラグ影響を除く。)

(5)地域の復興・発展への貢献
本年3月で東日本大震災から10年が経過いたしました。この10年間被災地域によりそい、ともに歩み、電力設備の復旧だけでなく地域の復興に向けて取り組んでまいりました。
当社としては、引き続き、経営理念である「地域社会との共栄」のもと、エネルギーサービスをベースに社会課題解決に資する先進的な取り組みを進めることで企業価値の向上を図り、東北6県及び新潟県の発展に貢献してまいります。また、当社企業グループの社員一人ひとりが、安全最優先の企業文化のもと、意識・行動変革を行うとともに、テレワークやフレックス勤務の活用などポストコロナの新しいワークスタイルによる働き方改革を実践し、スマート社会実現の担い手となってまいります。

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