有価証券報告書-第96期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
当社グループは、本年4月に送配電部門の法的分離を行い、グループ経営の大きな転換期を迎えた。また、2016年1月の「中国電力グループ経営ビジョン」策定以降、原子力発電所の運転停止の長期化に加え、電力の小売競争の激化等により、事業環境も大きく変化している。こうした状況を踏まえ、当社は、今後のグループ経営の目指す姿やその実現に向けた取り組みの方向性を示すものとして、新たなグループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」を策定し、本年1月に公表した。
新ビジョンでは、以下のとおり、ビジョン実現に向けたミッションを掲げている。

また、2030年度における利益・財務の目標として「連結経常利益600億円以上、連結自己資本比率25%」を、非財務の目標として「再生可能エネルギー新規導入量30~70万kW」及び「多様な人材が活躍できる更なる環境づくり」を設定している。

当社グループは、これまで取り組んできたエネルギー事業を柱としつつ、事業環境の変化を新たなチャンスと捉え、グループ一体となって事業領域の拡大に挑戦し、新たな中国電力グループを目指して以下の諸課題に取り組んでいく。
(1)エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化
当社グループは、グループが持つ技術と経験を活かし、安定したエネルギーのお届けと地球環境問題への貢献を両立するため、安全確保を大前提に、長期的なエネルギーセキュリティ、環境性、経済性等を勘案し、バランスの取れた電源構成を目指していく。また、お客さまからのご期待にお応えし、より多くのお客さまに当社を選んでいただけるよう、更なるサービスの向上に取り組むとともに、強靭な収益構造の構築に向け、業務リノベーションをはじめとする経営効率化を着実に進めていく。
① 原子力発電所の再稼働・運転開始及び開発に向けた取り組み
資源の乏しいわが国においては、特定のエネルギー源に過度に依存することなく各種電源の特長を活かしながらバランスよく活用していくことが必要である。とりわけ、重要なベースロード電源である原子力発電については、供給安定性、経済性の観点だけではなく、温室効果ガスの削減を継続的に進めていくためにも、一定比率維持していく必要があり、当社としても安全確保を大前提に活用していくことが重要であると考えている。
島根原子力発電所においては、新規制基準への適合はもちろんのこと、更なる安全性を不断に追求し、みなさまに安心していただける原子力発電所を目指していく。
具体的には、緊急時対策所や航空機衝突その他のテロ行為による重大事故等に対処するための特定重大事故等対処施設の設置など、設備面の安全対策に取り組んでいく。また、原子力災害発生時の対応能力の向上を目的とした訓練等の継続的な実施や関係自治体との連携強化など、原子力防災対策にも積極的に取り組んでいく。
島根2号機については、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が進められており、設備関係の審査が本格化するなど、再稼働に向けて着実に前進しているものと受け止めている。
今後も審査に適切に対応していくとともに、地域のみなさまのご理解をいただきながら、島根2号機・3号機の早期の再稼働・運転開始に向け、最大限取り組んでいく。
加えて、将来にわたっての重要な電源として新規原子力発電所の開発も必要であると考えており、上関原子力発電所の開発に引き続き取り組んでいく。
② 石炭火力発電の活用と地球環境問題への取り組み
当社は、原子力発電とともにエネルギーミックスの一翼を担う電源として、供給安定性、経済性に優れた石炭火力発電の活用に取り組んでおり、現在、経年化が進む既設火力発電所の代替として三隅発電所2号機の建設を進めている。建設にあたっては、最新鋭の発電技術を採用するとともに、バイオマス燃料との混焼を行うことにより、CO₂排出削減にも配慮し、環境負荷の低減に努めていく。
また、将来にわたって石炭火力発電を活用していくため、「大崎クールジェンプロジェクト」による石炭火力発電の高効率化、CO₂分離・回収技術の開発及びカーボンリサイクルなどにより、低炭素化、脱炭素化に取り組んでいく。
これに加え、安全確保を大前提とした原子力発電の活用や水力、風力、バイオマス発電などの再生可能エネルギーの導入拡大に努めることにより、安定したエネルギーのお届けと地球環境問題への貢献を両立していく。
③ 電力の小売全面自由化への対応及び収益拡大に向けた取り組み
電力の小売全面自由化を受け、中国地域においても大手電力会社を含めた多数の小売事業者が参入する中、当社では、ライフスタイルに合わせて選べる料金メニュー「ぐっとずっと。プラン」、会員制WEBサイト「ぐっとずっと。クラブ」を展開し、本年4月1日時点で、料金メニューが129万口、WEB会員が110万口と、いずれも100万口を突破しており、多くのお客さまから確かな評価をいただいている。
また、当社がお届けするサービス全般の総称として「ぐっとずっと。Eサービス」を設定し、地域体験マッチングサービス「中国電力×TABICA」や、住宅設備の定額制修理サービス「ぐっとずっと。住宅安心サポート」など、新たなサービスの展開を進めている。
今後もお客さまに当社を選んでいただくため、多様なニーズに応じた料金メニューや付加価値の高いサービスを提供していくとともに、中国地域外における営業活動の強化や電気に係る市場取引の積極的な活用等により、収益の拡大に取り組んでいく。
④ 徹底した経営効率化
島根原子力発電所の運転停止が長期化している中においても、収支の改善・財務体質の悪化抑制を図り、競争力を強化していくため、徹底した経営効率化に継続的に取り組んでおり、競争発注の拡大などによる資機材等の調達コストの低減、燃料費の削減、RPAなどのIT技術の活用に加え、既存の概念にとらわれない新しい視点からの業務リノベーションに挑戦し、生産性の向上に努めている。
今後も事業環境の変化を見据え、恒常的なコストの削減につながるよう、業務の進め方の抜本的な見直しに取り組んでいく。
(注)RPA=Robotic Process Automationの略。パソコン等の中で動作するソフトウェアロボットを利用して人間の定型作業を代行・自動化する概念。
⑤ 安定供給の確保
当社グループは、将来にわたり電力の安定供給を確保するため、トラブルの未然防止や災害に備えた設備の計画的かつ確実な点検・補修、更新工事などを行うとともに、業務品質の維持・向上に向け、実践的な訓練や点検作業を通じ、当社グループの保有する技術・技能の向上と着実な継承に努めていく。
また、本年4月に送配電部門の法的分離を行ったが、災害時には当社と中国電力ネットワーク株式会社が連携のうえ円滑かつ迅速な復旧対応等を行うため、本年4月1日に「災害時の復旧対応等に関する事業者間協力協定」を締結した。法的分離後もこれまでと変わらず一体的な体制で災害対応を行い、引き続き安定供給に努めていく。
(2)更なる成長に向けた新たな事業への挑戦
当社グループは、多様化する社会の変化から可能性を見つけ出し、新たな事業領域の開拓に挑戦していく。
海外事業については、当社が出資参画し、最新鋭の発電技術を採用したマレーシアの石炭火力発電所が、昨年、営業運転を開始した。このほか、アジア、北米において、水力、風力及びガス火力発電事業に出資参画している。引き続き、新たな海外投資案件の具体化により収益力強化に取り組んでいく。
また、再生可能エネルギーについては、地球環境問題への対応だけではなく、成長領域の一つとして、他社とのアライアンスによるバイオマス発電事業や既存水力発電の出力増加など、積極的な導入拡大に取り組んでいく。
こうした事業に加え、昨年4月に創設した「エネルギア創造ラボ」では、「地域の未来の創造」と「電気の未来の創造」をコンセプトに、新たな収益獲得に取り組んでおり、ベンチャー企業への投資や多様なパートナーとの協業などにより地域の課題解決につながる新ビジネスに挑戦するとともに、バーチャルパワープラント(VPP)サービスをはじめとしたエネルギーと他業種との融合による次世代型エネルギーサービスの実現を目指していく。
今後も収益性及びリスクを見極め、時機を逸することなく、当社グループの強みが活かせる成長事業の育成・拡大に取り組んでいく。
(注)バーチャルパワープラント=再生可能エネルギー、蓄電池、電気自動車等、多数の分散型電源を統合・制御し、あたかも一つの発電所のような機能を提供する仕組み。
(3)多様な人材が活躍できる更なる環境づくり
新ビジョンを実現し、当社グループが持続的に成長していくためには、その担い手である社員一人ひとりの活躍が不可欠である。また、労働人口減少社会で事業を継続していくうえでも、人材育成・活躍は重要な課題の一つであり、働き手の確保だけではなく、一人ひとりの生産性向上という視点からも取り組みを進めている。
今後も時代の要請に合わせて柔軟に対応しながら、多様な人材が活躍できる企業文化や制度の構築に取り組んでいく。
新ビジョンでは、以下のとおり、ビジョン実現に向けたミッションを掲げている。

また、2030年度における利益・財務の目標として「連結経常利益600億円以上、連結自己資本比率25%」を、非財務の目標として「再生可能エネルギー新規導入量30~70万kW」及び「多様な人材が活躍できる更なる環境づくり」を設定している。

当社グループは、これまで取り組んできたエネルギー事業を柱としつつ、事業環境の変化を新たなチャンスと捉え、グループ一体となって事業領域の拡大に挑戦し、新たな中国電力グループを目指して以下の諸課題に取り組んでいく。
(1)エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化
当社グループは、グループが持つ技術と経験を活かし、安定したエネルギーのお届けと地球環境問題への貢献を両立するため、安全確保を大前提に、長期的なエネルギーセキュリティ、環境性、経済性等を勘案し、バランスの取れた電源構成を目指していく。また、お客さまからのご期待にお応えし、より多くのお客さまに当社を選んでいただけるよう、更なるサービスの向上に取り組むとともに、強靭な収益構造の構築に向け、業務リノベーションをはじめとする経営効率化を着実に進めていく。
① 原子力発電所の再稼働・運転開始及び開発に向けた取り組み
資源の乏しいわが国においては、特定のエネルギー源に過度に依存することなく各種電源の特長を活かしながらバランスよく活用していくことが必要である。とりわけ、重要なベースロード電源である原子力発電については、供給安定性、経済性の観点だけではなく、温室効果ガスの削減を継続的に進めていくためにも、一定比率維持していく必要があり、当社としても安全確保を大前提に活用していくことが重要であると考えている。
島根原子力発電所においては、新規制基準への適合はもちろんのこと、更なる安全性を不断に追求し、みなさまに安心していただける原子力発電所を目指していく。
具体的には、緊急時対策所や航空機衝突その他のテロ行為による重大事故等に対処するための特定重大事故等対処施設の設置など、設備面の安全対策に取り組んでいく。また、原子力災害発生時の対応能力の向上を目的とした訓練等の継続的な実施や関係自治体との連携強化など、原子力防災対策にも積極的に取り組んでいく。
島根2号機については、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が進められており、設備関係の審査が本格化するなど、再稼働に向けて着実に前進しているものと受け止めている。
今後も審査に適切に対応していくとともに、地域のみなさまのご理解をいただきながら、島根2号機・3号機の早期の再稼働・運転開始に向け、最大限取り組んでいく。
加えて、将来にわたっての重要な電源として新規原子力発電所の開発も必要であると考えており、上関原子力発電所の開発に引き続き取り組んでいく。
② 石炭火力発電の活用と地球環境問題への取り組み
当社は、原子力発電とともにエネルギーミックスの一翼を担う電源として、供給安定性、経済性に優れた石炭火力発電の活用に取り組んでおり、現在、経年化が進む既設火力発電所の代替として三隅発電所2号機の建設を進めている。建設にあたっては、最新鋭の発電技術を採用するとともに、バイオマス燃料との混焼を行うことにより、CO₂排出削減にも配慮し、環境負荷の低減に努めていく。
また、将来にわたって石炭火力発電を活用していくため、「大崎クールジェンプロジェクト」による石炭火力発電の高効率化、CO₂分離・回収技術の開発及びカーボンリサイクルなどにより、低炭素化、脱炭素化に取り組んでいく。
これに加え、安全確保を大前提とした原子力発電の活用や水力、風力、バイオマス発電などの再生可能エネルギーの導入拡大に努めることにより、安定したエネルギーのお届けと地球環境問題への貢献を両立していく。
③ 電力の小売全面自由化への対応及び収益拡大に向けた取り組み
電力の小売全面自由化を受け、中国地域においても大手電力会社を含めた多数の小売事業者が参入する中、当社では、ライフスタイルに合わせて選べる料金メニュー「ぐっとずっと。プラン」、会員制WEBサイト「ぐっとずっと。クラブ」を展開し、本年4月1日時点で、料金メニューが129万口、WEB会員が110万口と、いずれも100万口を突破しており、多くのお客さまから確かな評価をいただいている。
また、当社がお届けするサービス全般の総称として「ぐっとずっと。Eサービス」を設定し、地域体験マッチングサービス「中国電力×TABICA」や、住宅設備の定額制修理サービス「ぐっとずっと。住宅安心サポート」など、新たなサービスの展開を進めている。
今後もお客さまに当社を選んでいただくため、多様なニーズに応じた料金メニューや付加価値の高いサービスを提供していくとともに、中国地域外における営業活動の強化や電気に係る市場取引の積極的な活用等により、収益の拡大に取り組んでいく。
④ 徹底した経営効率化
島根原子力発電所の運転停止が長期化している中においても、収支の改善・財務体質の悪化抑制を図り、競争力を強化していくため、徹底した経営効率化に継続的に取り組んでおり、競争発注の拡大などによる資機材等の調達コストの低減、燃料費の削減、RPAなどのIT技術の活用に加え、既存の概念にとらわれない新しい視点からの業務リノベーションに挑戦し、生産性の向上に努めている。
今後も事業環境の変化を見据え、恒常的なコストの削減につながるよう、業務の進め方の抜本的な見直しに取り組んでいく。
(注)RPA=Robotic Process Automationの略。パソコン等の中で動作するソフトウェアロボットを利用して人間の定型作業を代行・自動化する概念。
⑤ 安定供給の確保
当社グループは、将来にわたり電力の安定供給を確保するため、トラブルの未然防止や災害に備えた設備の計画的かつ確実な点検・補修、更新工事などを行うとともに、業務品質の維持・向上に向け、実践的な訓練や点検作業を通じ、当社グループの保有する技術・技能の向上と着実な継承に努めていく。
また、本年4月に送配電部門の法的分離を行ったが、災害時には当社と中国電力ネットワーク株式会社が連携のうえ円滑かつ迅速な復旧対応等を行うため、本年4月1日に「災害時の復旧対応等に関する事業者間協力協定」を締結した。法的分離後もこれまでと変わらず一体的な体制で災害対応を行い、引き続き安定供給に努めていく。
(2)更なる成長に向けた新たな事業への挑戦
当社グループは、多様化する社会の変化から可能性を見つけ出し、新たな事業領域の開拓に挑戦していく。
海外事業については、当社が出資参画し、最新鋭の発電技術を採用したマレーシアの石炭火力発電所が、昨年、営業運転を開始した。このほか、アジア、北米において、水力、風力及びガス火力発電事業に出資参画している。引き続き、新たな海外投資案件の具体化により収益力強化に取り組んでいく。
また、再生可能エネルギーについては、地球環境問題への対応だけではなく、成長領域の一つとして、他社とのアライアンスによるバイオマス発電事業や既存水力発電の出力増加など、積極的な導入拡大に取り組んでいく。
こうした事業に加え、昨年4月に創設した「エネルギア創造ラボ」では、「地域の未来の創造」と「電気の未来の創造」をコンセプトに、新たな収益獲得に取り組んでおり、ベンチャー企業への投資や多様なパートナーとの協業などにより地域の課題解決につながる新ビジネスに挑戦するとともに、バーチャルパワープラント(VPP)サービスをはじめとしたエネルギーと他業種との融合による次世代型エネルギーサービスの実現を目指していく。
今後も収益性及びリスクを見極め、時機を逸することなく、当社グループの強みが活かせる成長事業の育成・拡大に取り組んでいく。
(注)バーチャルパワープラント=再生可能エネルギー、蓄電池、電気自動車等、多数の分散型電源を統合・制御し、あたかも一つの発電所のような機能を提供する仕組み。
(3)多様な人材が活躍できる更なる環境づくり
新ビジョンを実現し、当社グループが持続的に成長していくためには、その担い手である社員一人ひとりの活躍が不可欠である。また、労働人口減少社会で事業を継続していくうえでも、人材育成・活躍は重要な課題の一つであり、働き手の確保だけではなく、一人ひとりの生産性向上という視点からも取り組みを進めている。
今後も時代の要請に合わせて柔軟に対応しながら、多様な人材が活躍できる企業文化や制度の構築に取り組んでいく。