有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 11:42
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有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループを取り巻く足元の事業環境は、脱炭素化の潮流、中東情勢の緊迫化などの地政学リスクの高まりを受けた燃料・卸電力市場価格のボラティリティ拡大、各種電力市場の整備をはじめとした電力システム改革の進展など、大きく変化している。
国内における将来的な電力需要については、DXやGX(グリーントランスフォーメーション)の進展を背景に増加する見通しが示されている一方で、当社グループの事業基盤である中国地域は、人口減少の影響による地域経済の縮小などの課題も抱えている。
こうした事業環境変化のなか、エネルギー供給の安定化・脱炭素化ニーズにお応えし、地域・社会の課題解決に向けて取り組むことは、中国地域に根差した当社グループの使命であると同時に、大きく成長する好機でもあると捉えている。
当社グループは、企業理念(「ENERGIA」、「信頼。創造。成長。」)のもと、グループ経営ビジョンの実現を通じて、地域・社会の活性化と持続的な発展に貢献することで、ステークホルダーのみなさまとともに成長し、当社グループの企業価値を最大化していく。
(1)「中国電力グループ経営ビジョン2040」
「中国電力グループ経営ビジョン2040」では、2040年度を見据えた「目指す姿」と、その実現に向けた「経営目標」及び「マテリアリティ(重点的に取り組むテーマ)」を設定した。
また、実現に向けたステージとして、2030年度までは、島根原子力発電所3号機や柳井発電所新2号機(仮称)への投資を進め、持続的な成長に向けた変革と基盤づくりを着実に進めていく期間、2030年度以降はそれまでの投資による成果を獲得し、更なる成長・企業価値向上を図りながらステークホルダーのみなさまへの還元を充実させていく期間と位置付けている。
<中国電力グループ経営ビジョン2040の全体像>
(注)1.ROIC=投下資本利益率。投下資本に対する収益性を示す。
2.WACC=加重平均資本コスト。株主資本コストと負債コストを資本構成により加重平均することで算定。
3.GHG=温室効果ガス。
(2)「中国電力グループ経営ビジョン2040」実現に向けた実行計画
「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けた実行計画として、「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」を策定し、その概要を「Action Plan 2030」として公表した。
「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」が対象とする5年間は、経営基盤を回復させるステージから一歩踏み出し、「持続的な成長に向けた変革と基盤づくり」を進める期間と位置付けている。この期間においては、成長のための大型投資を着実に実行すると同時に、財務の健全性を確保しながら、企業価値向上へと着実に結びつけていくため、資本効率を強く意識したROIC経営を実践していく。
そしてその成果を、足元で低水準に留まるPBR(株価純資産倍率)の向上につなげていく。
こうした考えに基づき、「中国電力グループ経営ビジョン2040」における経営目標達成に向けた取り組みや、マテリアリティへの対応を「成長戦略」、「財務戦略」、「サステナビリティ戦略」の3つの戦略として整理した。
当社グループの総力を結集し、これらの戦略を着実に実行していく。
① 成長戦略
a.脱炭素化に向けた大型電源の確保
電源競争力の強化と脱炭素化の両立を図るため、大型電源の開発と安定稼働による供給力確保に取り組む。
・島根原子力発電所2号機
安定運転を継続するとともに、特定重大事故等対処施設等の設置について、新規制基準への適合性審査に適切に
対応し、安全対策工事を着実に進める。
・島根原子力発電所3号機
2030年度までの営業運転開始を目指し、新規制基準への適合性審査に適切に対応し、安全対策工事・建設工事を
着実に進める。
なお、島根原子力発電所の長期安定稼働に資する使用済燃料貯蔵対策の一環として、上関地点における使用済
燃料中間貯蔵施設の設置に向けた取り組みを進める。
・柳井発電所新2号機(仮称)
2030年7月の運転開始を目指し、環境影響評価の対応を含め、建設工事を着実に進める。
b.域内電力需要拡大の促進
中国地域では、瀬戸内コンビナートを中心に、自家発電設備を保有するお客さまが多く、GXに向けた対応の一環として、系統電力の受電への切替や石炭からLNGへの燃料転換等のニーズが見込まれる。こうしたニーズに対し、当社グループ全体での強みである、ガスも加えた総合的なエネルギーソリューションサービスを展開することで、産業エネルギーの電化とGXの推進を通じて電力需要を拡大し、地域の発展に貢献する。
c.電力バリューチェーンの強化
送配電事業における中立性確保及び内外無差別な電力卸売を大前提に、発電事業・送配電事業において積極的な投資を行い、電力事業を中心に、お客さま・地域のニーズに寄り添ったサービスの拡大を進めるとともに、当社グループの総合力による地域・社会課題の解決を通じた価値創出に取り組む。
② 財務戦略
a.ROIC経営への移行
2026年度から、事業別にROICの目標を設定のうえ、これをもとにした経営管理を本格的に開始することで、資本効率の向上を意識した経営に取り組む。
<事業別のROIC目標>
事業区分2025年度実績目標(2030年度)
総合エネルギー事業1.9%3%以上
送配電事業0.8%2%以上
情報通信事業6.1%6%以上

(注)1.総合エネルギー事業のROICは、燃料費調整制度の期ずれ影響を除いて算定。
2.ROICの投下資本は期首・期末平均値で算定。
3.ROIC算定に用いる利益は営業利益に受取配当金等を加味した事業利益(税引き後)。
b.資金調達戦略の高度化
大型投資を支えるため、長期脱炭素電源オークションや、GX推進機構の金融支援を活用したローンなどのトランジション・ファイナンスを積極的に活用することなどにより、資本コストの上昇抑制を図りながら、必要資金を着実に確保していく。
(注)1.長期脱炭素電源オークション=電力広域的運営推進機関が実施する、脱炭素電源への新規投資を対象とし
た入札制度。
落札した電源に対し、固定費相当の費用(落札価格)が一定期間支払われる。
2.GX推進機構(脱炭素成長型経済構造移行推進機構)=GX推進法に基づき設立された認可法人。企業の
脱炭素投資を後押しするための債務保証等の金融支援、排出量取引制度の運営、化石燃料賦課金等の徴収
を行う。
3.トランジション・ファイナンス=脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り、着実なGHG削減の取
り組みを行う企業が、その取り組みに必要な資金を調達するための手法。
c.配当方針
財務基盤の回復過程においても株主のみなさまに安定的な配当を行っていく趣旨から、配当の決定にあたっては、2026年度からDOE(株主資本配当率)の考え方を導入し、島根原子力発電所3号機の営業運転開始までは、DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定する。
<株主還元の方向性のイメージ>
DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定。業績向上やフリー・キャッシュフローの黒字が安定的に見込まれることを踏まえて充実化を更に進める。

③ サステナビリティ戦略
「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けて、価値創造の基盤となるサステナビリティの取り組みを推進する。
<中国電力グループ経営ビジョン2040におけるサステナビリティ目標>
a. Environment(環境)
電力の安定供給、カーボンニュートラルの実現、競争力強化の観点から、様々な選択肢を排除せず検討し、優先順位を付けながら、原子力発電・再生可能エネルギー・火力発電を適切に組み合わせて、「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げるサプライチェーンGHG排出量目標の達成を目指す。
b. Social(地域・社会、人材)
幅広いステークホルダーのみなさまに情報を発信し、そのニーズやご意見を事業活動に反映していく双方向のコミュニケーションを通じて、事業の基盤である「信頼」を獲得し、これを更なる収益機会や地域・社会課題の解決につなげることで、グループの企業価値の最大化を実現していく。
「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けて、内部人材の育成と外部人材の獲得を通じた必要な人材の確保と成長、それを支える職場環境の整備として、女性活躍推進など多様な人材の活躍と従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいる。また、持続的な成長に向けた基盤づくりとして、すべての世代の社員が持ち場で輝くことができる、エイジ・ダイバーシティ推進施策を展開していく。
c. Governance(ガバナンス)
公平性・透明性かつ実効性のあるガバナンスの構築に向けて取り組んでおり、その一環として、2026年度以降の取締役の報酬(業績連動型株式報酬)における業績指標について、「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げる経営目標(財務目標とサステナビリティ目標)と整合させるかたちで見直し、経営目標の達成に向けたインセンティブ機能の強化を図る。
また、本年6月に再編・設置する新たな組織のもと、リスクマネジメント等の更なる強化に取り組んでいく。
<見直し後の取締役の報酬体系>
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しているが、役員・社員が一丸となって、株主のみなさまをはじめとするステークホルダーのみなさまから信頼いただけるよう取り組むとともに、その信頼をもとに、事業活動を通じて継続的に経済価値と社会価値を向上させていくことで、企業価値を最大化していく。

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