有価証券報告書-第77期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 9:36
【資料】
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【項目】
140項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、グループビジョンである日本をベースとした「優良な国際ラグジュアリーホテルチェーンとしての地位確立」の実現に向けて、グループ全体の叡智を結集し、業績の改善と企業価値の向上に努めてまいります。
今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が、国内外に大きな影響を及ぼしており、世界各国で緊急的な対応に迫られ、国内経済のみならず、世界経済への長期的な影響が懸念されます。ホテル業界全体としては、旅行需要の減少、外出の自粛や休業要請、営業時間の短縮に伴う営業活動の大幅な減少、消費者マインドの低下や消費者行動の変化に伴う需要の著しい落ち込みなど、今まで以上に厳しい状況が予想されます。
このような状況のもと、当社の主要直営事業所も休業または一部休業を余儀なくされており、この状態が長期化すると当社の資金繰りにも影響が出てくる見込みです。また、連結各社の今後の事業回復も現時点で極めて不透明であるため、相応の資金需要が発生することが見込まれます。しかしながら、新規感染者数も減少傾向にあることから、政府および地方自治体からの要請事項も段階的に解除され2020年度中には、緩やかに経営環境は改善されていくと仮定し、その間の資金に関しては、所有している資産およびその含み益を有効活用して手当てする予定であり、想定される資金需要に対応する運転資金の確保はすでに済ませております。また、新型コロナウイルス感染症の流行の長期化、即ち、第二波、第三波の流行まで想定した追加の運転資金確保についても、具体的に検討を進めております。
当社グループにおきましては、著しい需要の落ち込みに対応するための事業・組織構造の改革と費用の低減や、新しい生活様式に即した運営体制の整備を図りつつ、グループビジョン実現に向け、各種施策を推進し、チェーン競争力を強化してまいります。
具体的には、運営管理の分野では、これまで導入してきた様々な運営のシステム・スキーム・手法に、オペレーションからの各種提案や意見を反映させ、改良を重ねてまいります。
マーケティング・セールスの分野では、One Harmony会員組織は、当該組織で展開するグループ独自のプログラム、「プレミアムセレクション」の浸透を図っていくことで、2020年度末までに230万人の会員規模への拡大を目指します。
新規ホテル開発の分野では、現在開発中の事業も含めて90のグループホテル数を、2020年度末までに100ホテル体制の確立に注力してまいります。
昨年9月に開業した「The Okura Tokyo」については、ソフト・ハード面のみならず、グループのフラッグシップホテルとして相応しい運営パフォーマンスの極大化を実現する運営体制を早期に確立し、経営・財務面でのグループへの貢献を図ってまいります。
他方、グループ内における長期的な事業継続性が懸念される事業につきましても、引き続き抜本的な対策を順次講じていくことを計画しております。