有価証券報告書-第71期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 13:23
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

今後の経済状況につきましては、消費税率の引上げに加え、米国の金融緩和政策縮小の動きや新興国の経済成長鈍化などの影響が懸念されますが、基調としては、政府・日銀の金融・財政政策の効果等により拡大傾向が続くことが予想され、また、2020年の東京オリンピック開催が決定し、日本経済は更なる活況を呈していくことが期待されます。
ホテル業界におきましては、こうした経済の動向に加え、富士山と和食がユネスコの世界文化遺産や無形文化遺産に登録されたことの効果や観光立国の実現に向けた政府施策等により、国内旅行者はもとより訪日外国人も引続き増加傾向が見込まれます。
このような状況のもと、当社グループは、そのビジョンである日本ベースの「優良国際ラグジュアリーホテルチェーンとしての地位確立」の実現に向け、鋭意努力してまいりますが、中規模ながらも優良なホテルチェーンとしての地位を確立していくためには、差別化戦略・スキームが欠かせないものと理解しており、本年は特にその策定・実践によってチェーン競争力の強化を図ってまいります。
差別化の手法の一つとして、昨年より稼動致しました新会員プログラム「One Harmony」にサブクラブ制度をスタートさせます。これにより各ホテルが固有で運営しております会員組織を統合するとともに、固有の会員組織を運営していないホテルにおいても、「One Harmony」の下にサブクラブを立ち上げて、その国・地域の顧客満足度の向上を図って参ります。
グループインフラの整備・拡充の分野では、日本国内ホテルの予約システムを統一し、海外ホテルの予約システムとともに顧客システムと連動させ、会員組織の利便性を高めて参ります。また、標準化された予算・実績管理システムとのグループ内での浸透を図り、日本語版のEラーニングシステムのグループ内での運用を開始すると同時に、英語・中国語版のシステム開発に着手します。
新規事業においては、一区画の開発用地において、二つのホテルブランドを一体で運営して、施設効率・運営効率両面の向上を図るプロジェクトも実現します。更に、差別化戦略の一環として、特定の国や地域において集中的に出店していく活動、即ち、特定の国におけるローカル企業との合弁によるローカルマネジメントカンパニーの設立に向けた活動にも着手してまいります。
他方、当期中におきまして、当社が運営いたしておりますホテルおよび関連会社におきまして、使用食材とメニュー表示とが異なる事例があることが判明し、関係各方面の皆様に多大なご迷惑をおかけしたばかりでなく、弊社およびグループに対するご期待と信頼を裏切る結果となりましたことを深くお詫び申し上げます。二度とこのような問題を起こさないよう、再発防止に向けた内部監査体制を強化していくと同時に、グループ役職員の意識改革と教育の徹底を継続して行ってまいります。
グループビジョンである「中規模優良国際ラグジュアリーホテルチェーン」の実現に向け、差別化策の導入によってチェーン競争力を強化すべく、努力して参ります。株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。