有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、映像関連事業を中心に各部門とも営業成績の向上に全力を傾注し、また、資産の有効活用と収益基盤の強化に取り組むとともに、経営の合理化・効率化をはかり、もってグループの安定向上に努力してまいる所存であります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、既存の事業においてより高い成長性を確保し、更に新規の事業にも資力を投入していくことが重要であると考えております。これらの実現のために、売上高の増加、適正な利益の確保を目標としてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの基幹的な事業である映像製作および営業につきましては、劇場映画は関連する業界各社と連携を保ち強力な企画を立案し、当社グループが主導的な立場で製作を遂行し、時流に即した娯楽性豊かなラインナップの営業に努めます。
また、競争激化するシネマコンプレックス事業につきましては、当社グループの㈱ティ・ジョイにおいて、2000年末の「T・ジョイ東広島」開業より都内では「新宿バルト9」「T・ジョイPRINCE品川」など他社との提携を含め、2020年3月末現在、全国で20サイトを展開しております。全サイトにおいてデジタル上映システムを導入し、ODSなどオリジナリティ溢れるコンテンツの企画・上映・配信を試み、新たなる興行形態の展開をはかっております。
テレビ・ビデオ・アニメーションなど各映像作品の製作・営業につきましては、当社グループは業界のトップクラスに位置し、活発な事業展開を行っております。今後も『相棒』『科捜研の女』などのテレビドラマシリーズ、『ワンピース』や『プリキュア』シリーズなどのテレビアニメ、『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズなどの特撮キャラクター作品といった当社グループの特色を生かした映像作品の製作を継続し、一層の営業拡大に努めてまいります。
また、映像の多角的な利用としては、近年、各種の海外への販売が活発化しており、特にテレビ映画、アニメーションとその商品化権の輸出が今後の有力な事業となります。国内におきましても多メディア・多チャンネル時代を迎えて、映像娯楽専門チャンネルの「東映チャンネル」や「東映特撮ファンクラブ」他各種の映像配信ビジネスなど当社グループの豊富なソフトを利用した活発な営業活動を推進いたします。
さらに新たな技術革新に対応すべく、東京撮影所において撮影からポストプロダクション(編集から完成までの仕上工程)までの一貫したワークフローの実現を目的としたデジタルセンターを中心に、京都撮影所ともオンラインで連携して取り組んでおります。また、東映アニメーション㈱の新大泉スタジオなどグループ各社との連携も強化し、さらなる展開をはかっております。
また、シネマコンプレックスを中心にした東京大泉地区の「オズ スタジオ シティ」や、映像製作及び映像アミューズメントのテーマパークである京都地区の「東映太秦映画村」など、撮影所隣接地を利用した再開発事業やリニューアルも堅実に推進してまいります。
その他、イベント事業、ホテル業、広告代理業やCM制作業、貿易業、建築内装業、テナント事業など多彩な展開を行い、経営の安定化をはかってまいります。
他方経営の効率化につきましては、各種経費の節減により業績の改善に努めてまいりましたが、今後とも気を緩めることなく多面的・総合的に進めていく所存です。
以上の施策、グループ各社の連携強化、及びIR活動をより積極的に進めることで、ステークホルダーとの長期にわたる信頼関係を確立し、ゆるぎない収益基盤を築くこと、また、コンプライアンス・リスクマネジメント規程順守に基礎を置く内部統制体制を整備することにより、「経営ビジョン2020」に掲げる「総合コンテンツ企業」としての当社グループの企業価値ひいては全てのステークホルダー共同の利益の長期安定的な向上に努めていく所存です。
(4)経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外の経済活動が抑制される等、依然として先行き不透明な状況が続いており、当社グループを取り巻く事業環境におきましても、個人消費の多様化や節約志向などにより、厳しい情勢下にあります。
次期以降における経済の動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を避けられないものと考えられます。当社グループは、同感染症の拡大防止、お客様や社員をはじめとした全ての関係者の安全と健康の確保を最優先に対策を講じ、政府の方針に基づいた対応を実施し、事業継続体制の構築に取り組んでまいります。当社グループの2021年3月期の業績には、同感染症が相当の影響を及ぼすことが予想されますが、先行き不透明な環境下、業績の維持向上のため、社員一丸となって邁進してまいる所存であります。
映像関連事業におきましては、当社グループの基幹的な事業である劇場用映画を中心として、質の高い作品の製作を続け、番組編成の充実と受注の確保に努めてまいります。グループ保有の映像資産を多様なメディアに向けて最大限に活用しながら、新たなキャラクターの創出にも注力し、利益の最大化を目指してまいります。また、東西両撮影所やデジタルセンター、東映太秦映画村と一体となり、映像コンテンツのみならず多様なエンターテインメントの創造に挑戦し、2020年のその先へとグローバルな展開をはかってまいります。
催事関連事業につきましては、文化催事と人気キャラクターイベントを柱として、キャラクターショー、ライブイベントや展示型イベント、商品販売など、様々な切り口での営業展開を続け、収益の拡大を目指してまいります。
観光不動産事業につきましては、京都太秦地区の活性化に取り組む一方、賃貸収益の安定確保のため、新規開発案件の取得及び所有不動産の有効活用にも注力してまいります。また、ホテル業につきましては、サービスの向上と効率化に一層努力し、収益の向上を目指してまいります。