有価証券報告書-第123期(平成31年2月1日-令和2年1月31日)

【提出】
2020/04/23 12:03
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【項目】
112項目
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 当事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況並びにその分析
① 財政状態及び経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、輸出が低調に終わったほか一部に弱さがみられたものの、雇用情勢の改善を受けた個人消費の持ち直しが続き、概ね緩やかな景気回復基調をたどりましたが、通商問題の動向や消費税率引上げの影響など懸念材料を抱えつつ推移しました。
この間、当社におきましては、事業全般に亘って顧客満足度のより高いサービスの提供に努めるとともに、部門別業績管理のさらなる徹底を図りましたところ、売上高は前期に比較して7.3%増の3,882,383千円となりました。
一方、増収に応じて売上原価が増加しましたが、諸経費全般に亘って鋭意節減に努めました結果、営業利益は222,196千円(前期比13.1%増)となり、経常利益は224,303千円(前期比10.2%増)、当期純利益は129,703千円(前期比10.0%増)となりました。
なお、当事業年度のROA(総資産経常利益率)は3.7%(前事業年度は3.6%)、営業利益率は5.7%(前事業年度は5.4%)であります。当事業年度は、全国の映画興行収入が現在の公表形式になった平成12年以降最高であったこともあり、上映作品に恵まれたシネマ・アミューズメント事業で増収・増益となり、加えて不動産事業においても期を通じて高いビル入居率を確保でき、会社全体で増収・増益となったため、ROA、営業利益率はいずれも前事業年度に比べ向上いたしました。
各セグメントの状況は次のとおりであります。
a.シネマ・アミューズメント事業
シネマ・アミューズメント事業部門におきましては、映画では、“天気の子”“アナと雪の女王2”“アラジン”“名探偵コナン”“トイ・ストーリー4”“キングダム”“ONE PIECE STAMPEDE”“ジョーカー”“アベンジャーズ/エンドゲーム”“ライオンキング”などを上映して観客誘致に努めました結果、ヒット作が続き、好成績を収めました。また、「あべのハルカス」の強い集客力を持つ阿倍野地区への来訪者を「あべのアポロシネマ」へ誘致するため、ハルカスをはじめ近鉄グループやその他の周辺施設と連携し、積極的な販売促進活動を展開するとともに、顧客基盤の充実を図るため、映画会員制度「アポロシネマメンバーズ」の会員獲得に努めました。さらに、事前のクレジットカード決済不要の座席予約が好評のチケット予約・発売システムを昨年2月にリニューアルし、より利便性を高めたほか、館内放送設備を更新し自動放送システムを導入するなど、きめ細かなサービスに一段と力を注ぎました。加えて、チケットカウンター、売店及びルシアスビル4階連絡通路の美装化、壁、柱、扉等の塗装、一部の壁紙及び床の張替え、案内サインの電照化など、館内のイメージアップを図りました。また、娯楽場事業におきましても、劇場事業と一体となった集客を継続して推進いたしました結果、この部門全体の収入合計は、2,045,269千円(前期比12.3%増)となり、営業原価控除後では124,814千円(前期比22.9%増)の営業総利益となりました。
同事業の収入等は次のとおりであります。
区分単位当事業年度
(平成31年2月1日から
令和2年1月31日まで)
前年同期比(%)
劇場入場人員千人1,19714.6
劇場稼働率%35.3
劇場収入千円1,601,76614.7
娯楽場収入千円443,5034.6
合計千円2,045,26912.3

(注) 稼働率=入場人員
一日の収容能力(定員×興行回数)×興行日数

b.不動産事業
不動産事業部門におきましては、アポロビルにおいて、地下1階から地下3階のトイレのリニューアルを順次推進するとともに、防犯カメラを計画的に増設したほか、地下3階ほか共用部の照明器具LED化、1階南系統空調機更新等の諸工事を実施し、安全・快適なビルづくりを推進しました。ルシアスビルにおいても、駐車場管制システム更新工事を実施するとともに、空調制御設備及び空調用機器の整備・更新を段階的に進めたほか、15、16階では共用部の美装化及び照明器具のLED化工事を施行し、ビルの機能向上を図りました。また、「あべのAステージ」等を活用し、アポロビルと一体での集客イベントを開催、劇場事業とも連携した誘客活動を進めるとともに、賃貸収入の確保に向けて、空室部分への後継テナント誘致に注力し、期を通じて高いビル入居率を維持しました結果、駐車場収入等ビル付帯事業並びにその他の事業を含めたこの部門全体の収入合計は、1,837,113千円(前期比2.2%増)となり、営業原価控除後では410,104千円(前期比4.4%増)の営業総利益となりました。
同事業の収入等は次のとおりであります。
区分単位当事業年度
(平成31年2月1日から
令和2年1月31日まで)
前年同期比(%)
不動産賃貸収入千円1,584,3712.5
不動産付帯収入千円226,931△0.9
その他事業収入千円25,80913.0
合計千円1,837,1132.2
不動産賃貸
稼働率
アポロビル%99.4
あべのルシアス%97.9
合計%98.4

(注) 不動産賃貸稼働率=賃貸面積
賃貸可能面積

当事業年度末における資産は、前事業年度末に比較して251,300千円減少し、5,919,041千円となりました。これはその他の流動資産の減少179,932千円等によるものであります。また、負債は前事業年度末に比較して352,738千円減少し、3,805,140千円となりました。これは設備関係未払金の減少482,059千円等によるものであります。純資産につきましては、当期純利益の計上額が支払配当額を上回ったため、前事業年度末に比較して101,437千円増加し、2,113,900千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前事業年度末に比較して1,837千円減少し、当事業年度末は93,351千円となりました。
また、当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動で得られた資金は、税引前当期純利益の計上及び減価償却費等により842,787千円となりました。前事業年度と比較しますと、資産・負債勘定の増減により運転資本が増加したため、328,801千円収入額が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動で使用した資金は、固定資産の取得等により816,209千円となりました。前事業年度と比較しますと、前事業年度は増加した短期貸付金が当事業年度には減少したため、229,483千円支出額が減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動で使用した資金は、配当金の支払等により28,415千円となりました。なお、前事業年度はアポロビル耐震補強工事に伴う長期借入金を調達したことにより541,389千円の収入超過であったため、財務活動で使用した資金は前事業年度と比較して増加しております。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社は、受注生産形態をとる事業を行っていないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
このため、販売の状況については、「①財政状態及び経営成績」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営環境の変化等、経営成績等に影響を与える要因の分析及び検討
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 経営環境の変化が経営成績等に与える影響と対処
当社の事業拠点である大阪市阿倍野地区では、市街地再開発事業の進展、完成に伴い、「あべのキューズモール」や「あべのハルカス」等の大型施設が相次いで開業し、街の魅力が高まり、来訪者が増加いたしました。
当社では、同じ近鉄グループが経営する「あべのハルカス」の開業に照準をあわせ、かねてより営業強化策を準備してまいりました。シネマ・アミューズメント事業部門では、阿倍野地区唯一の映画館である「あべのアポロシネマ」への一層の集客を目指し、「あべのハルカス」「あべのキューズモール」「天王寺ミオ」などの周辺施設と共同イベントを実施してまいりました。同時に、映画会員制度「アポロシネマメンバーズ」会員の獲得に努め、その会員向けのメールマガジンを通じて顧客とのコミュニケーションを深めるとともに、事前のクレジットカード決済が不要なチケット予約システムの利便性を訴えること等により、誘客に努めてまいりました。また、不動産事業部門では、安全で快適なビル環境を目指して、計画的に設備更新・改良工事を進めてまいりましたが、前年1月にはアポロビル耐震補強工事を完成いたしました。
阿倍野地区が地域としての魅力を高め集客力を増したことと、当社が積み重ねてまいりました営業強化策との相乗効果により経営成績が漸次向上しているものと判断しております。
一方、経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、映画興行界では、デジタル技術の特性を活かした新しい技術を取り入れた多様な作品が上映されるなどの事業環境の変化により、劇場間・地域間の顧客獲得競争は激化の一途をたどっております。不動産賃貸においても、将来、大阪市内に大型テナントビルの新設が相次いだ場合に、オフィスの過剰供給による賃料水準の低迷や空室率の上昇が予想されます。また、現下の課題としては、新型コロナウイルス感染症拡大により政府から発出された「緊急事態宣言」を受けて大阪府も「緊急事態措置」を決定するなど社会全体で外出を控えることが求められ、映画館及び商業ビルを運営する当社の経営成績に相当の影響が出る恐れがあります。
当社といたしましては、こうした状況を踏まえ、今後ともお客様の視点に立った品質の高いサービスの提供、安全・快適な環境の整備を推進するとともに、シネマ・アミューズメント事業と不動産事業との有機的な連携による販売活動を展開してまいります。また、阿倍野地区の魅力を更に高め、激化する地域間競争に打ち勝つためにも、「あべのハルカス」「あべのキューズモール」「天王寺ミオ」などの周辺施設との共同販売促進策を引き続き推進してまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
「②経営環境の変化が経営成績等に与える影響と対処」でお示ししているように、阿倍野地区の集客力の高まりに伴い、営業キャッシュ・フローが高い水準で推移すると見込まれるため、前年1月に完成したアポロビル耐震補強工事資金として調達をした借入金は、約定弁済を通じて圧縮を進めてまいります。

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