有価証券報告書-第124期(令和2年2月1日-令和3年1月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が急速に悪化し、年度の後半には持ち直しの動きが見られたものの、依然として厳しい状況のうちに推移しました。
この間、当社におきましては、当社施設を通じた新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、細心の注意を払いながら集客に努め、収入の確保を目指しましたが、大阪府の週末外出自粛要請や政府の緊急事態宣言が発せられたため、4月4日、5日及び8日以降「あべのアポロシネマ」を臨時休館いたしました。その後、緊急事態宣言解除に伴い5月29日に営業を再開しましたが、休館の影響が甚大であったことに加え、公開延期または中止となった上映予定作品も多く、さらに、「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を遵守して、10月15日まで間隔を空けての座席販売等を実施し、1月15日には政府の2度目の緊急事態宣言を受けて営業時間を短縮しました。これらの結果、“劇場版 鬼滅の刃 無限列車編”の記録的な大ヒットにもかかわらず、本格的な収入回復には至らず、売上高は2,857,560千円(前期比26.4%減)となり、諸経費全般に亘って鋭意節減に努めましたが、営業利益は93,654千円(前期比57.9%減)、経常利益は126,608千円(前期比43.6%減)、当期純利益は55,025千円(前期比57.6%減)となりました。
各セグメントの状況は次のとおりであります。
a.シネマ・アミューズメント事業
シネマ・アミューズメント事業部門におきましては、劇場事業では、“劇場版 鬼滅の刃 無限列車編”のほか、“今日から俺は‼劇場版”“コンフィデンスマンJP プリンセス編”“STAND BY ME ドラえもん2”“新解釈・三國志”“犬鳴村”“事故物件 恐い間取り”“映画ドラえもん のび太の新恐竜”“糸”“映画 えんとつ町のプペル”などを上映して観客誘致に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大による出控え、長期間に亘る臨時休館、期待作品の延期や中止、間隔を空けての座席販売やフード販売休止などが大きく響き、年度の終盤には復調の傾向が現れてはいるものの、収入が例年並みの水準まで回復するには至りませんでした。このような状況下、当社では、安全・安心に映画をご覧いただけることを第一に考え、従業員の健康管理を徹底し、お客様にマスクの着用、消毒液の使用及び体温の測定をお願いするほか、劇場内に抗ウイルス・抗菌加工を実施するなどあらゆる対策に力を注ぎました。また、「あべのアポロシネマ」のトイレをリニューアルしたほか、チケットカウンター周辺、スクリーン前の床を張り替えるなど、館内の美装化を図りました。しかしながら、劇場事業と同様に出控えの影響を受け、長期間の休業を余儀なくされた娯楽場事業を含めた部門全体の収入合計は、1,089,111千円(前期比46.7%減)となり、営業原価控除後では102,404千円の営業損失(前期は124,814千円の営業利益)となりました。
同事業の収入等は次のとおりであります。
(注)当社の劇場稼働率は以下の算式で計算しておりますが、当事業年度は「映画館における新型コロ
ナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を遵守した営業を続けたことにより、「一日の収容能力」
が一定せず、評価指標としての有効性に欠けると判断したため、算出しておりません。
b.不動産事業
不動産事業部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、アポロ・ルシアス両ビルの共用部について、抗ウイルス・抗菌加工を実施するとともに消毒を定期的に行ったほか、テナントへの情報提供に努めてまいりました。また、アポロビルにおいて、順次実施してきた2階から6階のトイレのリニューアルを完成し、空調機を計画的に更新したほか、排水管更新等の諸工事を実施し、ビルのサービス向上と機能強化を図りました。ルシアスビルにおいても、消火設備更新等に取り組み、空調制御設備ほか空調関連機器の更新を段階的に進めるなど、安全・快適なビルづくりを推進しました。また、賃貸収入の確保に向けて、空室部分への後継テナント誘致に注力し、年度を通じて高いビル入居率を維持しましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い外出自粛が広まり、来館者が大きく減少した結果、空室発生やテナント維持のための賃料減額により、駐車場収入等ビル付帯事業並びにその他の事業を含めた部門全体の収入合計は、1,768,449千円(前期比3.7%減)となり、営業原価控除後では491,303千円(前期比19.8%増)の営業利益となりました。
同事業の収入等は次のとおりであります。
当事業年度末における資産は、前事業年度末に比較して160,140千円減少し、5,758,901千円となりました。これは短期貸付金の減少288,411千円等によるものであります。また、負債は前事業年度末に比較して186,103千円減少し、3,619,037千円となりました。これは未払金の減少172,733千円等によるものであります。純資産につきましては、当期純利益の計上額が支払配当額を上回ったため、前事業年度末に比較して25,963千円増加し、2,139,864千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び財務活動による収入が投資活動による支出を上回ったため、前事業年度末に比較して7,485千円増加し、当事業年度末は100,837千円となりました。
また、当期中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動で得られた資金は、税引前当期純利益の計上及び減価償却費等により65,130千円となりました。前事業年度と比較しますと、資産・負債勘定の増減により運転資本が減少したため、777,656千円収入額が減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動で使用した資金は、固定資産の取得等により173,085千円となりました。前事業年度と比較しますと、有形固定資産の取得による支出の減少等により643,124千円支出額が減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動で得られた資金は、短期借入金の調達等により115,440千円となりました。支出超過であった前事業年度と比較しますと、短期借入金の増加等により143,856千円収入額が増加しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、受注生産形態をとる事業を行っていないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
このため、販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の概要」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この作成にあたり、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき仮定及び見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況」「1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
a.固定資産の減損
当社は、固定資産を劇場事業、不動産賃貸事業、その他の事業にグルーピングした上で、その回収可能価額について将来キャッシュ・フロー、正味売却価額等の前提条件に基づき見積っております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フローなどの前提条件に変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、将来減算一時差異のうち将来課税所得を減算できる可能性が高いものについて繰延税金資産を計上しております。従って、今後、経営環境の変化等により将来の課税所得の見積額が大きく変動した場合等には繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営環境の変化)
当社の事業拠点であるあべの・天王寺エリアでは、近年、「あべのハルカス」や「あべのキューズモール」等の大型施設の開業により街の魅力が高まるとともに来訪者が増加し、当社におきましても、これらに合わせて営業強化に取組んでまいりました。
シネマ・アミューズメント事業部門では、あべの・天王寺エリア唯一の映画館である「あべのアポロシネマ」への一層の集客を目指し、「あべのハルカス」「あべのキューズモール」「天王寺ミオ」などの周辺施設と共同イベントを実施しております。同時に、映画会員制度「アポロシネマメンバーズ」会員の獲得に努め、会員向けのメールマガジンを通じて顧客とのコミュニケーションを深めるとともに、事前のクレジットカード決済が不要なチケット予約システムの利便性を訴えること等により、誘客に努めてまいりました。
また、不動産事業部門では、安全で快適なビル環境を目指して耐震補強工事を完成させるなど計画的に設備更新・改良工事を進めております。
当社といたしましては、今後ともお客様の視点に立った品質の高いサービスの提供、安全・快適な環境の整備を推進するとともに、シネマ・アミューズメント事業と不動産事業との有機的な連携による販売活動を展開してまいります。また、地域間競争に生き残るためにも、あべの・天王寺エリアの魅力を更に高める周辺施設とのタイアップを引き続き推進し、これらの相乗効果により経営成績の向上を目指してまいります。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
このうち、当事業年度において特に留意すべき要因についての分析としては、大規模感染症による映画興行成績及び賃貸ビル稼働状況への影響が挙げられます。
当事業年度は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、映画興行においては、令和2年4月から5月にかけての一定期間、政府の緊急事態宣言を受けて、あべのアポロシネマを臨時休館したほか、洋画を中心に公開延期作品も多数あったため、大幅な減収となりました。また、賃貸ビルの稼働状況についても、来館者が大きく減少した結果、空室発生やテナント維持のための賃料減額により、減収となりました。
(経営成績等の分析・検討)
経営成績に重要な影響を与える要因を踏まえた当事業年度の経営成績の状況に関する分析は次のとおりであります。
a.売上高及び営業利益
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が急速に悪化する中、各事業において当社施設を通じた感染拡大を防止するために細心の注意を払いながら、集客に努め、収入の確保を目指しました。
シネマ・アミューズメント事業では、安全・安心に映画をご覧いただけることを第一に考えてあらゆる対策に注力いたしましたが、あべのアポロシネマの臨時休館や、間隔を空けた座席販売、営業時間の短縮等を行った時期があったほか、上映予定作品の公開延期や中止もありましたため、本格的な収入の回復には至りませんでした。
不動産事業におきましても、感染拡大防止に向けた諸施策をはじめ安全・快適なビルづくりを推進し、高い入居率の維持と賃貸収入の確保を目指しましたが、来館者が大きく減少した影響により、駐車場収入等ビル付帯事業並びにその他の事業を含めた部門全体の収入は減収となりました。
これらの結果、売上高は前期に比較して26.4%減の2,857,560千円となり、諸経費全般に亘って鋭意節減に努めましたが、営業利益は前期に比較して57.9%減の93,654千円となりました。
b.経常利益
経常利益は、営業外収益で新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用調整助成金等の受給がありましたが、前期に比較して43.6%減の126,608千円となりました。
c.当期純利益
当期純利益は、各段階利益の減少により、前期に比較して57.6%減の55,025千円となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標)
当事業年度のROA(総資産経常利益率)は2.2%(前事業年度は3.7%)、営業利益率は3.3%(前事業年度は5.7%)であります。当事業年度において、ROA及び営業利益率が前事業年度に比べていずれも悪化したのは、主に新型コロナウイルス感染拡大が経営成績に大きな影響をもたらしたことにより利益が減少したためであります。今後、感染拡大の収束とともに事業環境の変容に対応しながら、改善に努めてまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要の主なものは、映画フィルム料、商品仕入れ、「あべのルシアス」に係る大阪市との「保留床一括賃貸借契約」に基づく不動産賃借料等の各事業運転資金及び一般管理費のほか、維持更新投資等に関する設備資金であります。
これらの資金需要に対応するため、短期資金については各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、当座貸越による金融機関からの借入れにより流動性を確保しております。長期資金については金融機関から固定金利で調達することにより金利上昇リスクに対応するとともに年度別返済額の平準化を図っております。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、金融機関の当座貸越枠を拡大し、資金の流動性の確保に万全を期しております。
なお、余剰資金は、親会社である近鉄グループホールディングス株式会社のキャッシュマネジメントシステムに預入を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が急速に悪化し、年度の後半には持ち直しの動きが見られたものの、依然として厳しい状況のうちに推移しました。
この間、当社におきましては、当社施設を通じた新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、細心の注意を払いながら集客に努め、収入の確保を目指しましたが、大阪府の週末外出自粛要請や政府の緊急事態宣言が発せられたため、4月4日、5日及び8日以降「あべのアポロシネマ」を臨時休館いたしました。その後、緊急事態宣言解除に伴い5月29日に営業を再開しましたが、休館の影響が甚大であったことに加え、公開延期または中止となった上映予定作品も多く、さらに、「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を遵守して、10月15日まで間隔を空けての座席販売等を実施し、1月15日には政府の2度目の緊急事態宣言を受けて営業時間を短縮しました。これらの結果、“劇場版 鬼滅の刃 無限列車編”の記録的な大ヒットにもかかわらず、本格的な収入回復には至らず、売上高は2,857,560千円(前期比26.4%減)となり、諸経費全般に亘って鋭意節減に努めましたが、営業利益は93,654千円(前期比57.9%減)、経常利益は126,608千円(前期比43.6%減)、当期純利益は55,025千円(前期比57.6%減)となりました。
各セグメントの状況は次のとおりであります。
a.シネマ・アミューズメント事業
シネマ・アミューズメント事業部門におきましては、劇場事業では、“劇場版 鬼滅の刃 無限列車編”のほか、“今日から俺は‼劇場版”“コンフィデンスマンJP プリンセス編”“STAND BY ME ドラえもん2”“新解釈・三國志”“犬鳴村”“事故物件 恐い間取り”“映画ドラえもん のび太の新恐竜”“糸”“映画 えんとつ町のプペル”などを上映して観客誘致に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大による出控え、長期間に亘る臨時休館、期待作品の延期や中止、間隔を空けての座席販売やフード販売休止などが大きく響き、年度の終盤には復調の傾向が現れてはいるものの、収入が例年並みの水準まで回復するには至りませんでした。このような状況下、当社では、安全・安心に映画をご覧いただけることを第一に考え、従業員の健康管理を徹底し、お客様にマスクの着用、消毒液の使用及び体温の測定をお願いするほか、劇場内に抗ウイルス・抗菌加工を実施するなどあらゆる対策に力を注ぎました。また、「あべのアポロシネマ」のトイレをリニューアルしたほか、チケットカウンター周辺、スクリーン前の床を張り替えるなど、館内の美装化を図りました。しかしながら、劇場事業と同様に出控えの影響を受け、長期間の休業を余儀なくされた娯楽場事業を含めた部門全体の収入合計は、1,089,111千円(前期比46.7%減)となり、営業原価控除後では102,404千円の営業損失(前期は124,814千円の営業利益)となりました。
同事業の収入等は次のとおりであります。
| 区分 | 単位 | 当事業年度 (令和2年2月1日から令和3年1月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 劇場入場人員 | 千人 | 578 | △51.7 |
| 劇場稼働率 | % | ― | ― |
| 劇場収入 | 千円 | 805,918 | △49.7 |
| 娯楽場収入 | 千円 | 283,192 | △36.1 |
| 合計 | 千円 | 1,089,111 | △46.7 |
(注)当社の劇場稼働率は以下の算式で計算しておりますが、当事業年度は「映画館における新型コロ
ナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を遵守した営業を続けたことにより、「一日の収容能力」
が一定せず、評価指標としての有効性に欠けると判断したため、算出しておりません。
| 稼働率= | 入場人員 |
| 一日の収容能力(定員×興行回数)×興行日数 |
b.不動産事業
不動産事業部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、アポロ・ルシアス両ビルの共用部について、抗ウイルス・抗菌加工を実施するとともに消毒を定期的に行ったほか、テナントへの情報提供に努めてまいりました。また、アポロビルにおいて、順次実施してきた2階から6階のトイレのリニューアルを完成し、空調機を計画的に更新したほか、排水管更新等の諸工事を実施し、ビルのサービス向上と機能強化を図りました。ルシアスビルにおいても、消火設備更新等に取り組み、空調制御設備ほか空調関連機器の更新を段階的に進めるなど、安全・快適なビルづくりを推進しました。また、賃貸収入の確保に向けて、空室部分への後継テナント誘致に注力し、年度を通じて高いビル入居率を維持しましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い外出自粛が広まり、来館者が大きく減少した結果、空室発生やテナント維持のための賃料減額により、駐車場収入等ビル付帯事業並びにその他の事業を含めた部門全体の収入合計は、1,768,449千円(前期比3.7%減)となり、営業原価控除後では491,303千円(前期比19.8%増)の営業利益となりました。
同事業の収入等は次のとおりであります。
| 区分 | 単位 | 当事業年度 (令和2年2月1日から令和3年1月31日まで) | 前年同期比(%) | |
| 不動産賃貸収入 | 千円 | 1,558,817 | △1.6 | |
| 不動産付帯収入 | 千円 | 193,585 | △14.7 | |
| その他事業収入 | 千円 | 16,047 | △37.8 | |
| 合計 | 千円 | 1,768,449 | △3.7 | |
| 不動産賃貸 稼働率 | アポロビル | % | 97.9 | ― |
| あべのルシアス | % | 97.2 | ― | |
| 合計 | % | 97.4 | ― | |
| (注) 不動産賃貸稼働率= | 賃貸面積 |
| 賃貸可能面積 |
当事業年度末における資産は、前事業年度末に比較して160,140千円減少し、5,758,901千円となりました。これは短期貸付金の減少288,411千円等によるものであります。また、負債は前事業年度末に比較して186,103千円減少し、3,619,037千円となりました。これは未払金の減少172,733千円等によるものであります。純資産につきましては、当期純利益の計上額が支払配当額を上回ったため、前事業年度末に比較して25,963千円増加し、2,139,864千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び財務活動による収入が投資活動による支出を上回ったため、前事業年度末に比較して7,485千円増加し、当事業年度末は100,837千円となりました。
また、当期中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動で得られた資金は、税引前当期純利益の計上及び減価償却費等により65,130千円となりました。前事業年度と比較しますと、資産・負債勘定の増減により運転資本が減少したため、777,656千円収入額が減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動で使用した資金は、固定資産の取得等により173,085千円となりました。前事業年度と比較しますと、有形固定資産の取得による支出の減少等により643,124千円支出額が減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動で得られた資金は、短期借入金の調達等により115,440千円となりました。支出超過であった前事業年度と比較しますと、短期借入金の増加等により143,856千円収入額が増加しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、受注生産形態をとる事業を行っていないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
このため、販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の概要」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この作成にあたり、過去の実績や現在の状況等に応じた合理的な判断に基づき仮定及び見積りを行っております。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況」「1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
a.固定資産の減損
当社は、固定資産を劇場事業、不動産賃貸事業、その他の事業にグルーピングした上で、その回収可能価額について将来キャッシュ・フロー、正味売却価額等の前提条件に基づき見積っております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フローなどの前提条件に変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、将来減算一時差異のうち将来課税所得を減算できる可能性が高いものについて繰延税金資産を計上しております。従って、今後、経営環境の変化等により将来の課税所得の見積額が大きく変動した場合等には繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営環境の変化)
当社の事業拠点であるあべの・天王寺エリアでは、近年、「あべのハルカス」や「あべのキューズモール」等の大型施設の開業により街の魅力が高まるとともに来訪者が増加し、当社におきましても、これらに合わせて営業強化に取組んでまいりました。
シネマ・アミューズメント事業部門では、あべの・天王寺エリア唯一の映画館である「あべのアポロシネマ」への一層の集客を目指し、「あべのハルカス」「あべのキューズモール」「天王寺ミオ」などの周辺施設と共同イベントを実施しております。同時に、映画会員制度「アポロシネマメンバーズ」会員の獲得に努め、会員向けのメールマガジンを通じて顧客とのコミュニケーションを深めるとともに、事前のクレジットカード決済が不要なチケット予約システムの利便性を訴えること等により、誘客に努めてまいりました。
また、不動産事業部門では、安全で快適なビル環境を目指して耐震補強工事を完成させるなど計画的に設備更新・改良工事を進めております。
当社といたしましては、今後ともお客様の視点に立った品質の高いサービスの提供、安全・快適な環境の整備を推進するとともに、シネマ・アミューズメント事業と不動産事業との有機的な連携による販売活動を展開してまいります。また、地域間競争に生き残るためにも、あべの・天王寺エリアの魅力を更に高める周辺施設とのタイアップを引き続き推進し、これらの相乗効果により経営成績の向上を目指してまいります。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。
このうち、当事業年度において特に留意すべき要因についての分析としては、大規模感染症による映画興行成績及び賃貸ビル稼働状況への影響が挙げられます。
当事業年度は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、映画興行においては、令和2年4月から5月にかけての一定期間、政府の緊急事態宣言を受けて、あべのアポロシネマを臨時休館したほか、洋画を中心に公開延期作品も多数あったため、大幅な減収となりました。また、賃貸ビルの稼働状況についても、来館者が大きく減少した結果、空室発生やテナント維持のための賃料減額により、減収となりました。
(経営成績等の分析・検討)
経営成績に重要な影響を与える要因を踏まえた当事業年度の経営成績の状況に関する分析は次のとおりであります。
a.売上高及び営業利益
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が急速に悪化する中、各事業において当社施設を通じた感染拡大を防止するために細心の注意を払いながら、集客に努め、収入の確保を目指しました。
シネマ・アミューズメント事業では、安全・安心に映画をご覧いただけることを第一に考えてあらゆる対策に注力いたしましたが、あべのアポロシネマの臨時休館や、間隔を空けた座席販売、営業時間の短縮等を行った時期があったほか、上映予定作品の公開延期や中止もありましたため、本格的な収入の回復には至りませんでした。
不動産事業におきましても、感染拡大防止に向けた諸施策をはじめ安全・快適なビルづくりを推進し、高い入居率の維持と賃貸収入の確保を目指しましたが、来館者が大きく減少した影響により、駐車場収入等ビル付帯事業並びにその他の事業を含めた部門全体の収入は減収となりました。
これらの結果、売上高は前期に比較して26.4%減の2,857,560千円となり、諸経費全般に亘って鋭意節減に努めましたが、営業利益は前期に比較して57.9%減の93,654千円となりました。
b.経常利益
経常利益は、営業外収益で新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用調整助成金等の受給がありましたが、前期に比較して43.6%減の126,608千円となりました。
c.当期純利益
当期純利益は、各段階利益の減少により、前期に比較して57.6%減の55,025千円となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標)
当事業年度のROA(総資産経常利益率)は2.2%(前事業年度は3.7%)、営業利益率は3.3%(前事業年度は5.7%)であります。当事業年度において、ROA及び営業利益率が前事業年度に比べていずれも悪化したのは、主に新型コロナウイルス感染拡大が経営成績に大きな影響をもたらしたことにより利益が減少したためであります。今後、感染拡大の収束とともに事業環境の変容に対応しながら、改善に努めてまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要の主なものは、映画フィルム料、商品仕入れ、「あべのルシアス」に係る大阪市との「保留床一括賃貸借契約」に基づく不動産賃借料等の各事業運転資金及び一般管理費のほか、維持更新投資等に関する設備資金であります。
これらの資金需要に対応するため、短期資金については各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、当座貸越による金融機関からの借入れにより流動性を確保しております。長期資金については金融機関から固定金利で調達することにより金利上昇リスクに対応するとともに年度別返済額の平準化を図っております。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、金融機関の当座貸越枠を拡大し、資金の流動性の確保に万全を期しております。
なお、余剰資金は、親会社である近鉄グループホールディングス株式会社のキャッシュマネジメントシステムに預入を行っております。