有価証券報告書-第37期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 11:01
【資料】
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【項目】
103項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針、経営戦略、経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題
①米国出店による営業基盤の拡大
営業面積の限られた屋内型複合レジャー施設を運営する当社グループが、継続的に売上向上を図るうえで、新規出店を柱とした営業基盤の拡大はその重要な要素です。当社グループでは国内出店を積極的に推進してまいりましたが、その結果、国内において高収益体質を維持できる出店候補地が減少してまいりました。また、国内市場においては少子高齢化の影響により、主たる顧客である若年層の減少も進行しております。
そこで、これらの課題に対処すべく当社グループにおいては、中長期的な成長確保の観点から、カントリーリスクが比較的低く、その市場規模、年齢構成から当社グループにとって開拓の余地が大きい米国への出店を次なる成長ドライバーとして位置づけ、新規出店を進めております。
現状、米国においては平成22年より米国各地の大型ショッピングモールを中心に15店舗を出店し、業績は安定的に推移しております。今後は米国子会社の組織体制の強化を図りつつ、さらに出店を加速させ、早期に国内に匹敵する利益を確保できる体制を構築してまいります。出店の推進にあたっては、国内外において有能な人材の確保に注力するとともに、「親会社と同水準の内部統制システムの構築」「不正抑止を徹底したオペレーションの構築」など、米国子会社におけるガバナンス体制の強化や海外出店特有のリスクの検討を十分に行ったうえ、法令を遵守し適時・正確な財務報告を確保する体制を構築してまいります。
なお、日本国内での出店につきましては、米国出店に高い投資効率が認められることから、初期投資を抑えられかつ高い投資効率が見込まれる物件に厳選した出店を継続してまいります。
②日本国内事業の収益構造の改善・向上
日本国内では、「少子高齢化」による若年層の人口減少、「情報端末の普及に伴うレジャーの多様化・変化」が進んでおります。当社は若年層を主たる顧客層とし、ボウリング・アミューズメント・スポッチャ・カラオケといった来場を伴うサービスの提供を事業としていることから、これらの変化への対応を重要課題と認識しております。一方で、国内の人口構造の急速な変化から、いわゆる「働き方改革」による経営効率の改善は喫緊の課題となっております。
当社はこれらの課題に対応するため、以下の施策を実施してまいります。
『ファン層の開拓』
当社は、お客様に当社サービスの魅力をお伝えし、リピーターとなっていただくことが、時代の変化に耐えうる収益構造の構築に必要不可欠と考えております。引き続き、ボウリング教室や各種競技会の開催・協賛、アミューズメントの「店舗交流会」の実施、友人・ファミリー・カップルで楽しんでいただけるスポッチャアイテムの更新など、幅広い年齢層のお客様に技術の向上やコミュニケーションを楽しんでいただく場を提供することで、ファン層の開拓を行ってまいります。
また、小学生無料キャンペーンや、社会科見学会の提供による社会貢献など、中長期的な視野からファン層の開拓に有用と思われる諸施策を実施してまいります。
『情報化社会への対応』
スマートフォンを使用したコミュニケーションが発達する中、当社においてもSNSやスマートフォンを活用した魅力あるサービスの提供は急務と考えております。すでに「ラウンドワンアプリ」を開発し、約530万(平成29年3月末現在:ダウンロード数基準)を超える会員様にアプリを利用した企画の提供・案内を行っておりますが、より魅力あるサービスの提供のため、アプリとの連動を強化したボウリング基幹システムを開発するなど、ITシステム投資を継続し、新たなサービスの開発を進めてまいります。
『経営効率の改善・サービスの向上』
労働人口が減少し「働き方改革」が求められる中、労働効率・労働環境の改善とサービスの向上の両立は対処すべき重要課題であり、その重要性は今後も増していくものと認識しております。当社は「効率的な業務オペレーションの構築」・「労働時間の削減」等の経営効率の改善に一貫して取り組んでまいりましたが、今後はITシステムの導入により、経営効率の改善と労働環境の整備に積極的に取り組みながら、さらなるサービスの向上を図ってまいります。
③財務体質の強化
当社グループでは、「安心・安全・快適」な店舗運営を継続しつつ、新規出店や新しい企画を積極的に実施していくためには、経営環境の変化や新たな資金ニーズに柔軟に対応できる財務基盤の強化が重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは有利子負債の削減を中心とする財務体質の強化を進めてまいりました。今後は、米国への出店を推進する上で、引き続き金融機関や投資家の方々との信頼関係の構築による効率的な資金調達及びリースの活用、適切な在庫管理システムの構築等に積極的に取り組み、財務体質の強化を進めてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは事業の収益構造の改善と米国への新規出店を重要な課題と位置づけ、総売上前年対比・売上高経常利益率・米国新規出店数を重要な指標としております。
なお、当期の総売上高前年対比は5.1%の増収(前年同期0.5%減)、売上高経常利益率は6.7%(前年同期6.5%)、米国新規出店数は6店舗(前年同期4店舗)となっております。