四半期報告書-第167期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

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2015/11/11 16:04
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間の日本経済は、堅調な企業業績に支えられ景気は緩やかな回復基調をたどりましたが、個人消費はやや力強さに欠ける状態が続いています。一方、世界的には、米国経済は比較的堅調に推移しているものの、欧州における財政問題と政情不安、中国をはじめとする新興国の成長率鈍化により先行き不透明な状況が続きました。
こうした環境下、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、国内事業においては、2014FIFAワールドカップ ブラジル大会の反動減などがあったものの、第15回IAAF世界陸上競技選手権北京大会、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のスポンサーシップ・セールスや国内グループ会社の貢献により、売上総利益は1,613億30百万円(前年同期比1.9%増)、調整後営業利益は338億97百万円(同0.2%増)と、前年同期を上回りました。また、当第2四半期連結累計期間における海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は、新規クライアントの貢献もあり、前年同期比11.8%増と二桁の伸びを記録しました。地域別では、EMEA(同13.8%増)、Americas(同9.1%増)、APAC(同12.8%増)となりました。海外事業の調整後営業利益は223億45百万円(同47.7%増)と、前年同期を大幅に上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の収益は3,739億47百万円(前年同期比13.6%増)、売上総利益は3,492億7百万円(同14.4%増)、調整後営業利益は561億10百万円(同14.6%増)、営業利益は438億29百万円(同11.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は260億54百万円(同23.8%増)となりました。
調整後営業利益は、営業利益から、買収に伴う無形資産の償却費、減損損失、固定資産の売却損益、買収に伴う費用等の一時的要因を排除した恒常的な事業の業績を測る利益指標です。
当第2四半期連結累計期間における報告セグメントの業績は、次のとおりです。
① 国内事業
国内事業の売上総利益は1,613億30百万円(前年同期比1.9%増)、調整後営業利益は338億97百万円(同0.2%増)となりました。
② 海外事業
海外事業の売上総利益は1,881億6百万円(前年同期比27.8%増)、調整後営業利益は223億45百万円(同47.7%増)となりました。
海外子会社など、決算日が12月31日の会社については、原則として当第2四半期連結累計期間には、2015年1月1日~6月30日の6ヶ月間の実績を反映しております。
なお、当社単体の業績(日本基準)は、売上高が7,408億22百万円(前年同期比0.8%増)、売上総利益は1,051億21百万円(同2.1%減)、営業利益は221億92百万円(同4.5%減)、経常利益は410億46百万円(同5.3%減)、四半期純利益は361億44百万円(同8.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,536億32百万円となりました。投資活動および財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前連結会計年度末に比べ1,117億47百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により得た資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ174億69百万円減少し、136億円42百万円となりました。主に運転資本が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ162億90百万円増加し、438億99百万円となりました。主に子会社の取得による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ564億41百万円増加し、785億33百万円となりました。主に長期借入金の返済による支出および自己株式の取得による支出が増加したことによるものです。
(3)事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に、重要な変更および新たに発生した課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、3億79百万円であり、国内事業における情報サービス業に属するものです。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因および経営戦略の現状と見通し
① 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの収益は、主にマス四媒体やインタラクティブメディア、OOHメディアなどの広告に係るサービスおよびそれに関連するクリエーティブ・サービスによるものであり、広告枠の販売に係るメディア会社からのコミッションが大半を占めます。特にマス四媒体の広告枠の販売に係るコミッションが当社グループにとって重要な収益となっています。
マス四媒体の広告に関連して、収益に影響を及ぼす主な要因は次のとおりです。
ア 広告費(景況全般、技術革新、規制緩和および競争激化等、産業に影響を与える情勢により変動)
イ 広告業界における当社グループの競争力
ウ 広告枠に対してメディア会社に支払う料金
エ 広告主の媒体ニーズの変化
近年、インターネットの普及が進み、すでに家庭内のメディア接触時間では、インターネットがテレビに次ぐメディアとなっています。こうしたメディア環境の変化に伴い、広告主においても、マス四媒体とインターネットやモバイルなどのインタラクティブ・メディアを組み合わせた効果的かつ効率的なメディア・プランニングの提供、広告効果の検証など、ニーズの高度化が進んでいます。当社グループでは、こうしたクライアント・ニーズに的確に応えるため、付加価値の高いクロスメディア・キャンペーンの提供に努めています。
最近の傾向として、このような幅広い領域にわたる一貫したサービス、コスト効率や広告効果の検証ツール等に対するニーズの高まりから、広告主が大手広告会社との取引を増やす傾向にあると思われます。
当社グループでは、プロモーションなどのサービスを、マス四媒体の広告と関連して提供することも多く、例えば、プロモーションの場合、クライアントは消費者による商品およびサービスの購入を促進するため、マス四媒体の広告キャンペーンをPOP(ポイント・オブ・パーチェス)および販促イベント、その他の方法と組み合わせて展開するのが一般的です。これらのサービスに対する需要はマス四媒体の広告への需要とは別に変動することもありますが、マス四媒体の広告の需要に影響を与える要因は同時にマス四媒体の広告以外のサービスの需要にも影響を与えます。
当社グループはまた、エンタテインメントおよびスポーツマーケティングに係るサービスからも収益を得ています。具体的には、映画、スポーツ・イベント、音楽等のメディア・コンテンツについて、制作、マーケティング、協賛社獲得、スポンサーシップ・放映権・その他諸権利の販売・仲介を行っています。これらのサービスによる収益の内訳は、メディア・コンテンツに関する諸権利の純売買益または取扱手数料、メディア・コンテンツに含まれる諸権利および使用権からの収益、そして諸サービスに対する報酬です。収益は、イベントの開催場所や開催時期、当社グループが諸権利を得る条件、メディア・コンテンツに対する消費者の需要や関心度、広告主および放送局等の当該諸権利に対する需要の度合いなどの要因によって異なります。
さらに、当社グループは、CRM(顧客管理サービス)、e-マーケティングサービスおよびシステム構築サービスなどのソリューション事業の提供による収益も得ています。このサービスによる収益は、広告サービスによる収益に影響を与える要因のほか、システム開発にかける設備投資額の市場トレンドにも影響されます。
収益に影響を与える要因は、国ごとの景況、特定産業の発展、広告業界における当社グループ各社のポジション、サービスに対する報酬に関する市場慣習、広告主のメディアごとの需要の変化などによって、当社グループが事業展開する国々における収益トレンドが異なる可能性があります。また、当社グループの報告通貨である円と、当社グループが展開する海外諸国の通貨間の為替レートの変動も、海外における広告サービスによる収益に影響を与えます。
② 経営戦略の現状と見通し
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営戦略の現状と見通し」に、重要な変更はありません。
(6)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金および制作費の支払等ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。
また、近年においては既存の広告取引とは異なる事業機会を発掘するため、デジタル領域およびグローバル事業への投資に係る資金需要が生じております。
② 財務政策
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、コマーシャル・ペーパーまたは短期借入金により調達することとしております。流動資産から流動負債を控除した運転資本については、当社グループでは流動資産が上回っています。前連結会計年度および当第2四半期連結会計期間の末日における当社グループの運転資本は、それぞれ1,706億円および945億円の超過となっております。
当社は、資金の短期流動性を確保するため、シンジケーション方式による極度額500億円の銀行融資枠を設定しています。また、電通イージス・ネットワーク社およびそのいくつかの子会社においては、緊急時対応として、500百万ポンド(約910億円)の銀行融資枠を設定しています。さらに、グループ内の資金効率の向上を図るべく、日本においては、資金余剰状態にある国内子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している国内子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システム(以下CMS)を導入しております。電通イージス・ネットワークでは、海外の資金をロンドンに集約させるグローバルCMSを導入しています。
当社は、格付機関である㈱格付投資情報センター(R&I)から長期格付AA-、短期格付a-1+を取得しております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の問題意識と今後の方針について」に、重要な変更はありません。
(8)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(9)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。