四半期報告書-第62期第1四半期(平成28年1月1日-平成28年3月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成28年1月1日から平成28年3月31日まで)における我が国経済は、資源価格の下落や中国をはじめとした新興国経済の減速懸念に伴う金融市場の乱高下など、世界経済の動向は不安要素を抱えるものの、政府および日本銀行の継続的な経済対策や金融政策を背景に企業収益が堅調に推移するなど、緩やかな改善傾向となりました。また、企業収益や雇用情勢の改善に伴い、個人消費は持ち直しの動きがあるものの、実質賃金の伸び悩み等の影響により、選別消費の傾向が続いております。
広告業界においては、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、平成27年の広告業における売上高実績は前年比で2.7%増となり、平成28年においても継続して前年同月を上回るなど、概ね堅調に推移しています。
このような環境の中、当社グループは消費者にメッセージを伝えるだけでなく、具体的に消費者を動かし、クライアントのビジネス成果に貢献する「コンシューマー・アクティベーション・カンパニー」への転換を目指す「VISION 2020」を掲げております。当第1四半期連結累計期間においては、1月に大規模な組織再編を行って5事業セクターを設置し、各セクターが社内事業体として付加価値の創出と収益管理を行う体制を整えたほか、国内外におけるグループの再編を継続するなど、引き続き基盤構築・構造改革を推し進めました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における連結売上高は922億53百万円(前年同期比0.2%増)、売上総利益は138億74百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は30億26百万円(前年同期比30.1%増)となりました。これに営業外収益2億40百万円および営業外費用72百万円を計上した結果、経常利益は31億94百万円(前年同期比21.7%増)となりました。また、事業整理損をはじめとした特別損失を18億68百万円計上するなどの結果、税金等調整前四半期純利益は14億32百万円(前年同期比45.1%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は51百万円(前年同期比96.6%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間の報告セグメント別の業績の詳細は、以下のとおりであります。
(広告業)
広告業における外部顧客への売上高は913億50百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は31億9百万円(前年同期比28.8%増)となりました。
国内においては、当社においてテレビスポット広告をはじめとしたメディアの扱いが増加するとともに、前期は弱含みだったマーケティング・プロモーションや制作が改善しました。また、グループ内製化の進展に伴う制作子会社の伸長、さらにはデジタル子会社も堅調に推移するなど、国内全体で増収増益となりました。海外においては、昨年来より業績を牽引していたアジア子会社の収益が一服したことに加え、欧米子会社および中国圏子会社の構造改革が継続していることなどにより、減収・営業損失となりました。なお、当社グループの海外売上高はすべて広告業のものであり、当第1四半期連結累計期間の売上高の6.7%(前年同期は8.5%)となりました。
なお、グループの中核である当社単体の業績は以下のとおりであります。
売上高は830億12百万円(前年同期比2.3%増)、売上総利益は104億30百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は30億4百万円(前年同期比39.1%増)となりました。売上高が対前年同月で継続して上回ったことに加え、収益管理体制の強化により売上総利益率が改善し、販売費及び一般管理費のコントロールも継続した結果、増収増益となりました。
業種別売上高では、自動車・関連品、薬品・医療用品、食品、不動産・住宅設備、交通・レジャーなどの業種の広告主からの出稿が増加した一方で、飲料・嗜好品、官公庁・団体、家庭用品、化粧品・トイレタリー、家電・AV機器などの業種の広告主からの出稿が減少しました。
当社単体の業種別の売上高、その構成比と前年同期増減率は以下のとおりであります。
区分別売上高では、デジタルメディア広告、OOHメディア広告、マーケティング・プロモーション、制作、テレビ広告、新聞広告、ラジオ広告の区分において前年同期比で増収となった一方で、雑誌広告、その他の区分において前年同期比で減収となりました。
当社単体の区分別の売上高、その構成比と前年同期増減率は以下のとおりであります。
(注) 1 広告市場の成熟化やメディア環境の多角化に伴い、当社は広告主に統合的ソリューションを提供しており、区分別の売上高を厳密に分別することが困難な場合があります。従って、上記の区分別売上高は、厳密に各区分の売上高を反映していないことがあります。
2 コンテンツには、アニメコンテンツ、文化スポーツマーケティングなどが含まれます。
3 デジタルメディアには、インターネット、モバイル関連メディアなどが含まれます。(WEBサイト制作・システム開発などデジタルソリューションは「マーケティング・プロモーション」に含まれます)
4 OOH(アウト・オブ・ホーム)メディアには、交通広告、屋外広告、折込広告などが含まれます。
5 マーケティング・プロモーションには、マーケティング、コミュニケーション・プランニング、プロモーション、イベント、PR、博覧会事業、デジタルソリューションなどが含まれます。
(その他の事業)
その他の事業における外部顧客への売上高は9億3百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント損失は83百万円(前年同期は89百万円の損失)となりました。
主たる事業である雑誌・書籍の出版・販売事業においては、出版市場全体の縮小に伴い、収益確保が困難な状況が継続しており営業損失となりましたが、配本数の適正化および販売費及び一般管理費の抑制などに努めた結果、前年同期比で赤字幅は縮小しました。なお、その他の事業のうち、出版・販売事業を営む㈱日本文芸社の全株式を平成28年4月18日付で譲渡しており、第2四半期以降は連結範囲から除外されることになります。
(2) 財政状態の分析
前連結会計年度末(平成27年12月31日)と比較した当第1四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりです。
資産合計は、主に配当金の支払いによる現金及び預金の減少や、時価下落に伴う投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ154億17百万円減少の2,197億87百万円となりました。負債合計は、主に投資有価証券における時価下落に伴う繰延税金負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ8億89百万円減少の1,088億27百万円となりました。純資産合計は1,109億60百万円、非支配株主持分および新株予約権を除いた自己資本比率は49.9%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は「株式会社の支配に関する基本方針」を定めており、その内容は以下のとおりであります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、究極的には株主の皆様のご判断に委ねられるものと考えております。
当社は、資本効率の改善や株主の皆様への種々の利益還元施策の実施に加え、「全員経営」の理念のもとに全社をあげて広告業としての競争力を高めることにより、企業価値・株主共同の利益の最大化に取り組んでまいりました。また「ピープルビジネス」といわれる広告業では役員と従業員の一体感・運命共同体的意識こそが競争力の源泉であり、不適切な買収によりこれが損なわれるときは、企業価値・株主共同の利益が毀損されるとともに、買収者の目的は達成されないことになると認識しております。
このように企業価値を高め株主に報いることによって株主のサポートを得ることが、不適切な買収に対抗する最大の防衛策であると考え、当社は現在のところ、具体的な買収防衛策を導入しておりません。
他方、当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けている者の責務として、社外専門家の意見を尊重しながら、当該買付が企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響について評価し、自らの見解を表明するほか、当該買付者と交渉を行い、株主の皆様が当該買付に応じるか否かを適切に判断するために必要な情報の提供と時間の確保に全力を尽くす所存です。
更に、当該買付者が必要な情報を提供しない場合やその提案内容が企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがあると判断した場合には、その時点において採り得る実効的で、かつ株主の皆様に受け入れられる合理的対抗措置を講じる予定です。
なお、具体的な買収防衛策を予め導入しておくことについては、今後の経済環境、資本市場、法令の動向等に鑑みて、慎重に検討を進めることといたします。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが支出した研究開発費の総額は89百万円でありました。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成28年1月1日から平成28年3月31日まで)における我が国経済は、資源価格の下落や中国をはじめとした新興国経済の減速懸念に伴う金融市場の乱高下など、世界経済の動向は不安要素を抱えるものの、政府および日本銀行の継続的な経済対策や金融政策を背景に企業収益が堅調に推移するなど、緩やかな改善傾向となりました。また、企業収益や雇用情勢の改善に伴い、個人消費は持ち直しの動きがあるものの、実質賃金の伸び悩み等の影響により、選別消費の傾向が続いております。
広告業界においては、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、平成27年の広告業における売上高実績は前年比で2.7%増となり、平成28年においても継続して前年同月を上回るなど、概ね堅調に推移しています。
このような環境の中、当社グループは消費者にメッセージを伝えるだけでなく、具体的に消費者を動かし、クライアントのビジネス成果に貢献する「コンシューマー・アクティベーション・カンパニー」への転換を目指す「VISION 2020」を掲げております。当第1四半期連結累計期間においては、1月に大規模な組織再編を行って5事業セクターを設置し、各セクターが社内事業体として付加価値の創出と収益管理を行う体制を整えたほか、国内外におけるグループの再編を継続するなど、引き続き基盤構築・構造改革を推し進めました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における連結売上高は922億53百万円(前年同期比0.2%増)、売上総利益は138億74百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は30億26百万円(前年同期比30.1%増)となりました。これに営業外収益2億40百万円および営業外費用72百万円を計上した結果、経常利益は31億94百万円(前年同期比21.7%増)となりました。また、事業整理損をはじめとした特別損失を18億68百万円計上するなどの結果、税金等調整前四半期純利益は14億32百万円(前年同期比45.1%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は51百万円(前年同期比96.6%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間の報告セグメント別の業績の詳細は、以下のとおりであります。
(広告業)
広告業における外部顧客への売上高は913億50百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は31億9百万円(前年同期比28.8%増)となりました。
国内においては、当社においてテレビスポット広告をはじめとしたメディアの扱いが増加するとともに、前期は弱含みだったマーケティング・プロモーションや制作が改善しました。また、グループ内製化の進展に伴う制作子会社の伸長、さらにはデジタル子会社も堅調に推移するなど、国内全体で増収増益となりました。海外においては、昨年来より業績を牽引していたアジア子会社の収益が一服したことに加え、欧米子会社および中国圏子会社の構造改革が継続していることなどにより、減収・営業損失となりました。なお、当社グループの海外売上高はすべて広告業のものであり、当第1四半期連結累計期間の売上高の6.7%(前年同期は8.5%)となりました。
なお、グループの中核である当社単体の業績は以下のとおりであります。
売上高は830億12百万円(前年同期比2.3%増)、売上総利益は104億30百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は30億4百万円(前年同期比39.1%増)となりました。売上高が対前年同月で継続して上回ったことに加え、収益管理体制の強化により売上総利益率が改善し、販売費及び一般管理費のコントロールも継続した結果、増収増益となりました。
業種別売上高では、自動車・関連品、薬品・医療用品、食品、不動産・住宅設備、交通・レジャーなどの業種の広告主からの出稿が増加した一方で、飲料・嗜好品、官公庁・団体、家庭用品、化粧品・トイレタリー、家電・AV機器などの業種の広告主からの出稿が減少しました。
当社単体の業種別の売上高、その構成比と前年同期増減率は以下のとおりであります。
業種別売上高 | 当期売上高 (百万円) | 構成比 (%) | 前年同期比 (%) |
エネルギー・素材・機械 | 979 | 1.2 | 28.2 |
食品 | 7,908 | 9.5 | 6.8 |
飲料・嗜好品 | 4,266 | 5.1 | △21.8 |
薬品・医療用品 | 4,464 | 5.4 | 22.6 |
化粧品・トイレタリー | 6,910 | 8.3 | △3.2 |
ファッション・アクセサリー | 3,057 | 3.7 | △4.7 |
精密機器・事務用品 | 1,137 | 1.4 | 3.6 |
家電・AV機器 | 500 | 0.6 | △24.5 |
自動車・関連品 | 6,188 | 7.5 | 32.8 |
家庭用品 | 168 | 0.2 | △62.4 |
趣味・スポーツ用品 | 6,175 | 7.4 | 3.1 |
不動産・住宅設備 | 3,563 | 4.3 | 13.0 |
出版 | 777 | 0.9 | △15.2 |
情報・通信 | 9,190 | 11.1 | △0.3 |
流通・小売 | 6,507 | 7.8 | 1.6 |
金融・保険 | 7,240 | 8.7 | 1.1 |
交通・レジャー | 2,605 | 3.1 | 18.5 |
外食・各種サービス | 2,107 | 2.5 | 0.7 |
官公庁・団体 | 4,179 | 5.0 | △10.0 |
教育・医療サービス・宗教 | 2,188 | 2.6 | 17.9 |
案内・その他 | 2,891 | 3.5 | △4.9 |
合計 | 83,012 | 100.0 | 2.3 |
区分別売上高では、デジタルメディア広告、OOHメディア広告、マーケティング・プロモーション、制作、テレビ広告、新聞広告、ラジオ広告の区分において前年同期比で増収となった一方で、雑誌広告、その他の区分において前年同期比で減収となりました。
当社単体の区分別の売上高、その構成比と前年同期増減率は以下のとおりであります。
区分別売上高(注) | 当期売上高 (百万円) | 構成比 (%) | 前年同期比 (%) | 主要な増減業種 (上段:増加業種、下段:減少業種) | ||
メ デ ィ ア | 雑誌広告 | 2,871 | 3.5 | △8.3 | 化粧品・トイレタリー、流通・小売、官公庁・団体 | |
ファッション・アクセサリー、情報・通信、趣味・スポーツ用品 | ||||||
新聞広告 | 5,591 | 6.7 | 6.0 | 自動車・関連品、金融・保険、精密機器・事務用品 | ||
官公庁・団体、情報・通信、趣味・スポーツ用品 | ||||||
テレビ広告 | 38,080 | 45.9 | 1.1 | 薬品・医療用品、金融・保険、情報・通信 | ||
流通・小売、飲料・嗜好品、官公庁・団体 | ||||||
うち、タイム | 13,292 | 16.0 | △7.3 | 金融・保険、飲料・嗜好品、薬品・医療用品 | ||
趣味・スポーツ用品、流通・小売、官公庁・団体 | ||||||
うち、スポット | 21,304 | 25.7 | 6.7 | 薬品・医療用品、情報・通信、趣味・スポーツ用品 | ||
飲料・嗜好品、化粧品・トイレタリー、家電・AV機器 | ||||||
うち、コンテンツ | 3,484 | 4.2 | 3.0 | 金融・保険、趣味・スポーツ用品、交通・レジャー | ||
情報・通信、自動車・関連品、不動産・住宅設備 | ||||||
ラジオ広告 | 996 | 1.2 | 29.7 | 情報・通信、不動産・住宅設備、化粧品・トイレタリー | ||
薬品・医療用品、流通・小売、食品 | ||||||
デジタルメディア 広告 | 4,988 | 6.0 | 17.8 | 食品、化粧品・トイレタリー、自動車・関連品 | ||
外食・各種サービス、薬品・医療用品、家電・AV機器 | ||||||
OOHメディア 広告 | 2,662 | 3.2 | 29.4 | 情報・通信、家電・AV機器、教育・医療サービス・宗教 | ||
出版、官公庁・団体、ファッション・アクセサリー | ||||||
小 計 | 55,191 | 66.5 | 3.9 | 薬品・医療用品、情報・通信、金融・保険 | ||
官公庁・団体、流通・小売、飲料・嗜好品 | ||||||
メ デ ィ ア 以 外 | マーケティング・ プロモーション | 16,713 | 20.1 | 3.5 | 自動車・関連品、不動産・住宅設備、官公庁・団体 | |
飲料・嗜好品、情報・通信、金融・保険 | ||||||
制作 | 10,480 | 12.6 | 4.6 | 情報・通信、交通・レジャー、流通・小売 | ||
金融・保険、化粧品・トイレタリー、飲料・嗜好品 | ||||||
その他 | 626 | 0.8 | △66.2 | エネルギー・素材・機械、自動車・関連品、金融・保険 | ||
情報・通信、官公庁・団体、食品 | ||||||
小 計 | 27,820 | 33.5 | △0.7 | 自動車・関連品、流通・小売、趣味・スポーツ用品 | ||
情報・通信、飲料・嗜好品、金融・保険 | ||||||
合 計 | 83,012 | 100.0 | 2.3 | 自動車・関連品、薬品・医療用品、食品 | ||
飲料・嗜好品、官公庁・団体、家庭用品 |
(注) 1 広告市場の成熟化やメディア環境の多角化に伴い、当社は広告主に統合的ソリューションを提供しており、区分別の売上高を厳密に分別することが困難な場合があります。従って、上記の区分別売上高は、厳密に各区分の売上高を反映していないことがあります。
2 コンテンツには、アニメコンテンツ、文化スポーツマーケティングなどが含まれます。
3 デジタルメディアには、インターネット、モバイル関連メディアなどが含まれます。(WEBサイト制作・システム開発などデジタルソリューションは「マーケティング・プロモーション」に含まれます)
4 OOH(アウト・オブ・ホーム)メディアには、交通広告、屋外広告、折込広告などが含まれます。
5 マーケティング・プロモーションには、マーケティング、コミュニケーション・プランニング、プロモーション、イベント、PR、博覧会事業、デジタルソリューションなどが含まれます。
(その他の事業)
その他の事業における外部顧客への売上高は9億3百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント損失は83百万円(前年同期は89百万円の損失)となりました。
主たる事業である雑誌・書籍の出版・販売事業においては、出版市場全体の縮小に伴い、収益確保が困難な状況が継続しており営業損失となりましたが、配本数の適正化および販売費及び一般管理費の抑制などに努めた結果、前年同期比で赤字幅は縮小しました。なお、その他の事業のうち、出版・販売事業を営む㈱日本文芸社の全株式を平成28年4月18日付で譲渡しており、第2四半期以降は連結範囲から除外されることになります。
(2) 財政状態の分析
前連結会計年度末(平成27年12月31日)と比較した当第1四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりです。
資産合計は、主に配当金の支払いによる現金及び預金の減少や、時価下落に伴う投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ154億17百万円減少の2,197億87百万円となりました。負債合計は、主に投資有価証券における時価下落に伴う繰延税金負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ8億89百万円減少の1,088億27百万円となりました。純資産合計は1,109億60百万円、非支配株主持分および新株予約権を除いた自己資本比率は49.9%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は「株式会社の支配に関する基本方針」を定めており、その内容は以下のとおりであります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、究極的には株主の皆様のご判断に委ねられるものと考えております。
当社は、資本効率の改善や株主の皆様への種々の利益還元施策の実施に加え、「全員経営」の理念のもとに全社をあげて広告業としての競争力を高めることにより、企業価値・株主共同の利益の最大化に取り組んでまいりました。また「ピープルビジネス」といわれる広告業では役員と従業員の一体感・運命共同体的意識こそが競争力の源泉であり、不適切な買収によりこれが損なわれるときは、企業価値・株主共同の利益が毀損されるとともに、買収者の目的は達成されないことになると認識しております。
このように企業価値を高め株主に報いることによって株主のサポートを得ることが、不適切な買収に対抗する最大の防衛策であると考え、当社は現在のところ、具体的な買収防衛策を導入しておりません。
他方、当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けている者の責務として、社外専門家の意見を尊重しながら、当該買付が企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響について評価し、自らの見解を表明するほか、当該買付者と交渉を行い、株主の皆様が当該買付に応じるか否かを適切に判断するために必要な情報の提供と時間の確保に全力を尽くす所存です。
更に、当該買付者が必要な情報を提供しない場合やその提案内容が企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがあると判断した場合には、その時点において採り得る実効的で、かつ株主の皆様に受け入れられる合理的対抗措置を講じる予定です。
なお、具体的な買収防衛策を予め導入しておくことについては、今後の経済環境、資本市場、法令の動向等に鑑みて、慎重に検討を進めることといたします。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが支出した研究開発費の総額は89百万円でありました。