有価証券報告書-第57期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/17 12:11
【資料】
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【項目】
137項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「快適な都市・生活環境を創造するプロパティマネジメント会社」として、「継続した成長により社会貢献する会社」を目指し、「個性豊かな会社」にすることを経営方針に掲げ、常に顧客サイドでの観点に立ち、良質なサービスの提供を行うことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社は、常に事業効率向上と株主価値を高めるための資本効率の向上を目指し、自己資本当期純利益率10%以上、総資産経常利益率10%以上を維持することを経営目標としております。具体的には経常利益率を向上させるため、部門別に徹底した合理化を図り契約単位ごとの原価低減に努め、部門別独立採算制度により社員一人一人が常に利益を意識した活動を行っております。今後も引き続き目標達成に向けて諸施策を実施し、業績及び株主価値の向上を図ってまいりたいと存じます。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
企業グループ間の連携強化を図るとともに、今後の業容拡大に備えた競争力の強化と企業体質の改善を図るべく、次の重点施策を掲げ推進しております。
① 新規営業充実のための体制強化を図り、都市開発プロジェクトへの積極的な参加、PFI事業や公共施設マネジメント事業への参加、周辺事業からの新規事業の開拓に努める。
② 品質を向上させることが顧客への還元であると考え、ISO認証取得による信頼性の向上と品質改善のための積極的な提案を行う。
③ 当社に関連する業務のM&Aは、国内外を問わず今後も積極的に推進する。
④ 経営安定化のための管理機能を強化するために管理スタッフの育成と能力の向上を図る。
⑤ 更なる生産性の向上を目指し、作業管理ノウハウのIT化により業務品質の均一化と省人化を図る。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢が世界経済全体に与える影響は大きく、先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループのセグメントごとの経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
(建物管理運営事業)
主たる業務であるビル管理業務及び保安警備の建物管理運営事業につきましては、新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク導入や郊外のサテライトオフィス設置などにより、オフィスや商業ビルの空室率は、一部を除き緩やかな上昇基調が継続しております。また、取引先企業のコスト削減意識は更に高まり、他社との競合も含め、市場環境は厳しい状況で推移するものと予想されます。このような状況のもと、当社グループといたしましては、サービス品質の継続的な改善に努め、付加価値の高い提案を積極的に行うことにより、お客様満足度と収益性の向上を図ってまいります。また、企画提案力を主軸に据え、PFI事業や公共施設マネジメント事業など一層の業容拡大を図ってまいります。
(住宅管理運営事業)
マンション及び公営住宅の管理を主体とする住宅管理運営事業につきましては、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の対策が課題となり、その一環として、マンション標準管理規約の改正が行われ、ITを活用した総会・理事会の実施が可能となりました。このような状況のもと、当社グループといたしましては、管理事務報告、重要事項説明、電子署名による管理委託契約の締結など、ITを活用した業務に取り組んでまいりました。今後においても、グループ全体のノウハウを活かした安定的かつ良質なサービスを提供することに加え、フルオンラインで理事会運営のサポートを行うサービス等、付加価値の高い提案を積極的に行い、売上・利益の拡大を図ってまいります。また、非常時における事業継続計画を策定することにより危機対応能力を高め、お客様の安心・安全の確保に努めてまいります。
(環境施設管理事業)
上下水道処理施設等の生活環境全般にかかる公共施設管理を主体とする環境施設管理事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い経済活動が抑制される中、主要な取引先である地方自治体の財政は、引き続き厳しい状況で推移されることが予想され、民間ノウハウの活用余地が大きく、潜在的に大きな市場であると捉えております。このような状況のもと、当社グループといたしましては、単年度契約から複数年契約への切り替えや包括管理契約を推進することに加え、原価率の高い案件の見直しや業務のデジタル化を推進することにより、売上・利益の拡大を図ってまいります。また、顧客満足度調査を継続して実施し、PDCAによる業務改善を徹底することにより、お客様の声を反映した良質なサービスの提供に努めてまいります。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドの組成・資産運用を行うアセットマネジメント及び匿名組合への出資を主体とする不動産ファンドマネジメント事業につきましては、アセットタイプによる峻別はあるものの、不動産投資家の投資意欲は継続しております。しかしながら、ウクライナ情勢等により、世界的な経済・金融環境に更なる変動が生じた場合は、不動産市場においても状況が変化する可能性があると考えております。このような状況のもと、当社グループといたしましては、不動産市場の変化に対応するため、高リスク・低採算物件の分析、改善計画の策定、人員配置の見直し等の利益率の改善と稼働率維持を考えた運用と長期的な視野に立った投資を行い、当社グループの強みである建物管理、不動産運営のノウハウを活かした事業展開を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の対応といたしましては、当社グループは引き続き、お客様を始めとする関係者の皆様や協力会社を含む従業員の安全衛生の確保や健康への配慮を最優先に事業を継続してまいります。
今後も、営業面ではグループ企業内の連携を図り、シナジー効果が発揮できる強固な営業基盤を構築し、管理面ではコンプライアンスの徹底と内部統制システムの適切な運用をグループ企業に浸透させ、更なる企業価値の向上に努めてまいります。また、社会や生活においてデジタル化が急速に進んでおりますが、当社グループにおきましても、IT技術等による業務のデジタル化の推進を図ってまいります。