有価証券報告書-第47期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 13:07
【資料】
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【項目】
140項目

事業等のリスク

当社グループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
①事業環境リスク
当社グループが属する情報サービス業界においては、ITサービス専業の企業間の競争はもとより、ITハードベンダーのITサービス分野への注力、あるいは海外の企業との競合など業界の競争環境は激化しております。このような環境の下、事業環境の変化等により顧客企業のIT投資ニーズが急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、様々な業種・業態の顧客企業に各種ITサービスを提供しておりますが、顧客企業におけるIT投資の実行時期・実行規模は、経済環境、金利・為替動向等に直接・間接に影響を受け、加えて、プリペイドカード事業では、他の決済手段との競合等が発生した場合には、それらの結果、当社グループの業績も影響を受ける可能性があります。
②システム開発リスク
当社グループは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コストの効率化、技術力・ノウハウ活用のためにオフショアを含む多数の業務委託会社を活用しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があります。
このため、当社グループでは、専門部署による引合い・見積り段階でのチェックや案件の進捗管理、品質チェックの実施、さらには業務委託会社の総合的審査の実施や委託業務の進捗及び品質管理の徹底により、納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力し、リスクの低減に努めております。
③技術革新への対応に伴うリスク
当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築やサービスに提供するソフトウェア・ハードウェア等の製品が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。したがって、当社グループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、技術革新に適時・的確に対応するために、従業員の有する能力を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築やサービス提供にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。
④情報セキュリティリスク
当社グループでは、システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。コンピュータウイルス、不正アクセス、人為的過失、あるいは顧客システムの運用障害、その他の理由により、これら機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図るとともに、物理的なセキュリティ対策を強化し、さらには各種機密情報を取り扱う業務委託会社も含めて、啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じております。なお、業務委託会社には必要に応じたオンサイトレビュー実施等を通じて、当社グループと同レベルの情報セキュリティの確保と情報管理の徹底を図っております。
⑤投資リスク
当社グループでは、ソリューション提供力強化、生産能力確保、最先端分野における技術力獲得・向上、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力確保等を目的に国内外の事業会社やベンチャー企業への出資、融資等の信用供与、これら企業からの試作製品の購入を行っております。また重点分野や新規分野におけるパッケージソフト開発やサービス開発のための投資を行っております。こうした投資は事業投資先の業績悪化や計画未達成等のため、当初見込んだリターンが得られない、もしくは損失を被り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、投資に際しては、事業投資先や投資に伴う事業計画、リスク・リターン等について十分に検討し、また、投資後であっても、計画進捗のチェックやモニタリングを行う等リスク管理体制を整えております。
⑥訴訟リスク
当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦退職給付会計における確定給付型年金資産及び基礎率の変動リスク
当社グループの企業年金基金の年金資産は、運用成績により増減します。また、退職給付会計における退職給付債務計算の要素の一つである基礎率は、企業年金基金における加入人員の加齢、入退社等により変動します。年金資産及び基礎率は、必ずしも当社の経営努力だけでは管理できない要因により変動する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当社グループでは、営業取引を源泉とした課税所得による回収を見込んで繰延税金資産を計上しております。しかし、経営成績が想定している計画を下回り、回収可能性に疑義が生じた場合や、税率の変更を含む税制改正等があった場合は、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨固定資産の減損リスク
当社グループは、当連結会計年度末において、帳簿価額44,401百万円の土地・建物等を保有しており、オフィス(賃貸用オフィスを含む)・データセンター・寮・社宅等として使用しております。データセンター、賃貸用オフィスはそれぞれが属する事業セグメントに、その他の資産は全社共用資産に区分しており、地価の動向や当社グループの収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩製品調達リスク
当社グループでは国内外のベンダー各社から、幅広く選りすぐりのソフトウェア・ハードウェア等の製品を調達して顧客企業に提供しておりますが、これらベンダー各社の事業戦略の突然の変更による製品仕様の変更・製品供給の停止等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、海外拠点・ネットワークを活用して海外製品の発掘・調達、技術動向の掌握に努めている他、国内外のベンダー各社とは事業戦略を共有しつつ、その動向把握と安定的な製品調達を図っております。
⑪貸倒リスク
当社グループは、多くの顧客企業に製品販売、システム開発受託、サービス提供を行っております。多くの取引は代金回収が事後となるため、顧客企業の財政状態の悪化が当社債権の回収遅延、回収困難をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、事業部門から独立して与信管理並びに顧客企業の信用状況のチェックや適切な与信枠の設定を行うとともに、債権の滞留状況・回収状況の定期的モニタリングを実施しております。また、必要に応じて貸倒引当金の計上等、必要な会計上の対応を行っております。
⑫大規模な自然災害等によるリスク
当社グループは、本社を含めた多くの拠点並びに資産が大都市圏に集中しており、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模震災をはじめとする自然災害及び世界的な流行が懸念される新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、不測の事態の発生に備え、事業継続計画の策定や災害対策本部の整備、経営機能を代行可能なバックアップ拠点の整備等、事業継続のための体制強化を図っております。
⑬人材の確保・育成に関するリスク
当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、人材の確保・育成が想定通りに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、ワークライフバランス、ダイバーシティ、健康管理、人材育成の4つの観点において環境整備を図りながら、各事業領域において優秀な人材を確保・育成することに注力しております。