訂正有価証券報告書-第57期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/08/06 9:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
153項目

対処すべき課題

(1)経営方針
当社グループは以下の「経営理念」、「行動宣言」に加え、当社グループ役職員が取るべき具体的な行動につい
て記した「行動指針」を制定し、これらを「TEC WAY」と総称し、日々の業務に取り組んでおります。
◆経営理念
「東洋テックグループは、安心で快適な社会の実現に貢献します。」
◆行動宣言
・私たちは、お客様のニーズに最適なサービスを提供します。
・私たちは、企業価値の向上に取り組みます。
・私たちは、ひとりひとりの人間性を尊重します。
・私たちは、誠実で透明性の高い行動に努めます。
・私たちは、変革に挑戦し時代とともに成長します。
◆行動指針
お客様のために
・私たちは、お客様の生命・身体・財産を守るため、高品質のサービスを提供します。
・私たちは、法令及び社内規程を遵守し、お客様に信頼されるサービスを心掛けます。
・私たちは、公正で透明な取引を誠実に行い、お客様との信頼関係の構築と維持に努めます。
・私たちは、お客様の情報管理を徹底し、情報漏えい・不正利用を防止します。
・私たちは、お客様からのご指摘を真摯に受け止め、誠実に対応します。
株主のために
・私たちは、安易な値引き、減免等を行わず、商品・サービスの正当な対価に拘ります。
・私たちは、収益向上のため、徹底した効率化とコスト削減に取り組みます。
・私たちは、中長期的な収益資源を得るため、新しい分野へ積極的にチャレンジします。
・私たちは、柔軟な発想と、先進的な視点をもって、変革へ挑戦し続けます。
・私たちは、開示すべき情報を積極的に公開し、透明性の高い経営に努めます。
従業員のために
・私たちは、従業員の多様性・人格・個性を尊重し、差別のない職場を作ります。
・私たちは、お互いの役割を理解し、風通しの良い、チームワークのある職場を作ります。
・私たちは、労働関係法令を遵守し、超過勤務を防止し、休暇を取得します。
・私たちは、セクハラ・パワハラ・マタハラ等の各ハラスメントをしません。
・私たちは、働きやすい職場環境と挑戦できる企業風土を作ります。
社会のために
・私たちは、法令、社会規範、企業倫理、社内諸規程等のルールを順守します。
・私たちは、反社会的勢力との結びつきを完全に排除し、健全な企業風土を保ちます。
・私たちは、積極的に地域社会貢献活動や環境問題に取り組みます。
・私たちは、社会からの不信を招く、自身の利得のための接待・贈答を行いません。
・私たちは、公共、公益に資するため、心身ともに健全な状態で業務に取り組みます。
(2)経営環境及び対応すべき課題等
当警備業界におきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による東京オリンピック・パラリンピックをはじめとした各種イベントの延期・中止、緊急事態宣言下による警備先の業務縮小、キャッシュレスの進展等、厳しい環境が続きました。一方でウイズコロナ、アフターコロナに向け人と機械のハイブリット型警備、感染予防対策商材等、新たなサービス、商品ニーズも高まっています。
このような環境下、当社グループでは、2019年度を初年度とする第11次中期経営計画(2019年4月1日から2022年3月31日)を策定し、「変革への持続的挑戦」をスローガンに高い収益性と成長力を目指し取り組んでいます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
◆第11次中期経営計画(2019年4月1日から2022年3月31日)
この中期経営計画の3年間の位置づけは、2025年に大阪・関西万博が計画されており、またMICE(マイス)・ IR(アイアール)等の今後期待されるビジネスチャンスに応える経営資源とノウハウを蓄積していく第一ステージであります。また同時に、東洋テックグループの発展に向けた体質改革、イノベーション実現の3年間でもあり、2025年には「関西における警備・ビルメン業界のリーディングカンパニー」を目指しております。
◎スローガン
「変革への持続的挑戦」
◎中期経営計画(2019年4月1日~2022年3月31日)進捗状況
2020年3月期
実績
2021年3月期 実績2022年3月期 予想2022年3月期 当初計画
連結売上高248億円260億円270億円300億円
連結経常利益12億円8億円9億円17億円
戦略投資額14億円(累計)25億円(累計)90億円中期経営計画期間総額
90億円
配当方針中間15.00円
期末15.00円
年間30.00円
中間15.00円
期末15.00円
年間30.00円
(予想)中間15.00円
(予想)期末15.00円
(予想)年間30.00円
還元の拡充

(注)2020年3月実績、2021年3月実績は、小数点第2位を四捨五入しています。
※2022年3月期予想は、中期経営計画の当初計画比、売上30億円減、経常利益8億円減としています。これ
は中期経営計画策定時に予想できなかった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、大きく経済環境、社会情勢が変化したことから、現時点における当社グループの取り巻く環境、当社のお
かれている状況を検証し、最終年度における2022年3月期の予想を計画比、修正することといたしました。
◎課題への取り組み
第11次中期経営計画達成のために、以下の課題に取り組んでいます。
1.環境変化、技術革新への挑戦
(1)恒常的人手不足の克服(人材調達力の向上)
・人事企画、採用力の強化、採用活動の多様化・柔軟化
・女性警備員の大幅増強、外国人労働者の活用
(2)警備機器、警備手法のデジタル化・技術革新への取組
・監視カメラを活用した機械警備、新商品・新サービスの開発
・画像処理技術への取組強化、画像センターの新設による新サービスの開発
(3)IoT、AI、RPAの活用
・IoT、AI、RPAへ積極投資を実施し、差別化を実現
・販売管理部門の業務量削減や工程見直しによる効率化追求
(4)キャッシュレス化を伴う金融機関ビジネスの見直し
・回金センター新設による金融機関警送業務、回金業務の受託力強化
・キャッシュレス化進展に伴うニュービジネスの研究、商品化
2.収益構造の変革(骨格、体質の改革)
(1)M&Aの推進体制強化と戦略的投資の計画的実行
・専担推進者の配置とネットワーク拡大による推進力の強化
・計画期間中9,000百万円の戦略的投資を実行
(2)機械警備他、各業務別の利益率改善具体策の実行
・付加価値サービス(新商品)の提供による新規契約推進
・業務別適正粗利の設定と順守徹底
(3)第三の主要先(業態)の発掘、開拓、深耕
・地域インフラ企業への営業力強化
・ビッグイベントの要人警護や交通機関の施設への安全性確保に対応
(4)地方公共団体等とのビジネスチャンスの研究、高齢者向け商品開発
・安全、安心に係わる官民の境界線上のビジネスを追求
・増加する高齢者世代に対するビジネスチャンスを研究
(5)重点推進先の設定と全社営業の実施(重点新規先、重点深耕先)
・営業推進先の明確化による全社営業の徹底
・営業人員の増強、推進体制の整備による営業力の強化
3.ブランド(企業価値)の創造
(1)TV等各種媒体へのCM実施による認知度向上
・各種媒体へのCM実施
(2)TECグループビジョンの作成、公表
・60周年に向けたビジョン、スローガンを策定
(3)株主還元の拡充
・安定配当に加え、業績に連動した配当を実施
また中期経営計画最終年度となる2021年度については、上記に加え新型コロナウイルス感染症(COVID
-19)の収束の見通しがつかない厳しい事業環境、及び今後のアフターコロナ、技術革新の進展による新時
代における持続的な成長を見据えた経営基盤強化の年と位置付け、以下の取り組みを行います。具体的な取り
組みの柱としては、『グループ総合力の強化』・『収益構造の変革』を掲げ、DX推進による高品質な警備ビ
ジネスの展開、ならびにグループシナジー実現による総合ビル管理事業の拡大に注力します。
これらを成し遂げるための経営基盤確立に向け「SDGs経営」・「人財マネジメントの高度化」に取り
組んでいきます。
4.働き方改革への取り組み
当社グループの働き方改革への取り組みとしては、「連続休暇制度」、「ミニ休暇制度」、「半日休暇制
度」、「リフレッシュ休暇制度」等の休暇制度の充実と休暇取得の促進、企業主導型保育所との提携等の取
り組みにより、2019年度、2020年度に引き続き、2021年3月に、経済産業省、日本健康会議による「健康経
営優良法人認定制度」において、『健康経営優良法人2021(大規模法人部門)』に認定されました。
健康経営とは、従業員の健康維持・増進が企業の生産性や収益性の向上につながるという考え方に立て、経営的な視点から、従業員の健康管理を戦略的に実践することを指し、今後も、当社グループでは、「人・
未来をまもる」使命とともに、従業員の健康をまもり、心身ともに健康で活き活きと働くことができるよ
う、従業員の健康づくりに積極的に取り組んでまいります。
また、2017年11月には大阪市による「女性活躍リーディングカンパニー」の認証を受けております。この
「女性活躍リーディングカンパニー」とは、女性の登用や女性が働きやすい職場づくりに積極的に取り組ん
でいる企業に対し、大阪市が一定の基準をもとに認証する制度です。
当社は年休取得推進施策や育児関連施策を積極的に実施していることが認められ「二つ星認証企業」(2段
階の認証レベルの上位ランク)に認定されています。
5.サステナビリティへの取り組み
◆SDGsへの取り組み
東洋テックグループでは経営理念でもある「安心で快適な社会の実現に貢献する」企業として、事業活動
を通じてSDGsが目指す持続可能な社会実現に向けて貢献してまいります。
当社グループでは2030年までの目標として5つの重要課題とコミットメントを制定し、これらの実現に向
けた具体的な取り組みを実施しています。
マテリアリティ(重要課題)
①人材マネジメント
■コミットメント
国籍・年齢・性別にとらわれない働きがいのある仕事と安全安心な職場環境を構築します。
〇従業員の健康維持・増進に向けた取り組みなど健康経営を実践し、経済産業省が推進する『健康経
営優良法人(大規模法人部門』を3年連続で取得しています。また、多様な人材の積極的活用とし
て、女性警備員の200名体制の確立を目指すほか、グループ子会社において外国人技能実習生等の
積極的な受入に取り組んでいます。
②社会環境に適合したサービス提供
■コミットメント
全ての人々が安全安心に暮らせる時代・社会環境に即したサービスを提供します。
〇全ての人に安全安心を提供するべく、DXの推進等による高品質のサービス提供に注力しています。
また、これを実現するため専門資格の取得推奨や社内競技大会(S1グランプリ)実施により従業員の
スキルアップをはかっています。
③地球環境への負荷軽減
■コミットメント
環境に配慮した企業活動を継続するとともに、未来社会に適合するサービスの提供に努めます。
〇会議についてはほぼ100%ペーパーレス会議に移行したほか、現在はタブレットを用いた営業活動の
定着化など、さらなる紙資源の削減に向けた取り組みを行っています。また、社用車のエコ車両化
にも取り組んでおり、これまでに警備用車両に関して全台小型化を完了し、現在は、警送用車両
の小型化に着手しております。その他、気候変動に関する世界的な関心の高まりをふまえ、脱炭素
経営に向けた取り組みを加速させるべく検討を開始しております。
④コンプライアンス
■コミットメント
健全で透明性の高い企業経営に努めます。
〇従業員へのコンプライアンスプログラムの継続的な実施やコーポレート・ガバナンスの強化をは
かることにより、社会から信頼され続ける企業経営に取り組んでいます。
⑤地域・社会貢献
■コミットメント
地域に密着した企業活動で、地域活性化や社会貢献を実現します。
〇地公体や行政機関との連携に積極的に取り組み、地域に根ざした活動に注力しています。また、コ
ンサートの開催、スポーツチームのスポンサー契約及び各種スポーツイベントへの協賛などを
通じて、文化・スポーツ振興による地域の活性化に取り組んでいます。(昨年は新型コロナウイ
ルス感染拡大の影響もあり一部見合わせています。)

◆ESGへの取り組み
①Environment(環境)
当社グループは「地球環境保全への貢献を提案」すべく環境関連の商品・サービス(TEC-ECO)の拡充に取り組んでいます。
また、ペーパレス会議の導入、普通自動車の全台小型化及び、バイク・自転車への切り替えを一部行う等、CO2削減に貢献しています。
②Society(社会)
近年社会問題となっている特殊詐欺の未然防止活動により、ATMによる振り込め詐欺を複数回に亘り未然防止し、警察署より表彰を受けております。
また、ダイバーシティの推進として、育児休暇制度、子供の看護休暇制度、ミニ休暇制度、半日休暇制度等の休暇制度を充実させ、女性が活躍し継続就業できる環境を整備しています。
その他、介護問題へ対応した取り組みとして、ご利用者さまの生活をしっかり見守り、安心で快適な生活をサポートするためのサービス「みまもり安心コール」を取り扱っています。


③Governance(企業統治)
取締役会は、取締役12名のうち社外取締役が過半数(7名)で構成しており、社外監査役4名も含め、活発な議論を行っております。また取締役会実効性評価を行い、取締役会全体が適切に機能しているかを検証し、その結果を踏まえ問題点の改善等を行っています。 2016年10月よりコーポレート・ガバナンス態勢の整備の一環として、リスクマネジメントシステムを導入しております。これにより当社事業活動において顕在化もしくは潜在化しているリスクを抽出し、これら1つ1つのリスクに対して「未然防止」、「拡大防止」、「再発防止」に取り組んでいます。

6.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取組み
東洋テックグループでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組みとして、以下の対
応を行い、お客様へのサービス品質維持並びに、従業員の安全を第一に考え、厚生労働省の指針、大阪府等の
行政の要請に準じ、感染拡大防止に向けた取り組みを行っております。
(1)管理体制
・2020年1月31日にBCP(パンデミック)発動により対策組織を立上げ。
・管理本部経営統括部に管理機能を一元化し、スピーディな感染予防措置を構築。
(2)社内体制
・社員へのマスク配布、消毒スプレーの配置等、予防策の構築を実施。
・密室及び長時間の会議禁止、Web会議の導入、出張禁止、テレワーク、時差出勤、交代勤務、食堂
の利用人数制限等による3密(密閉、密集、密接)の禁止を徹底。
・重症化リスクの高い社員に対する特別休暇付与。
・執務スペース、会議スペース、食堂スペース等における座席間へのアクリル板設置による飛沫感染防
止対策の実施
・玄関、執務室入り口等への検温装置の設置
・本社受付への受付ロボットの導入 他
(3)現場対応
・マスク、手袋の着用徹底。
・コールセンター、監視センターの拠点分散、カーテン設置。
・勤務交代時の引継ぎの接触を禁止し、IPad、電話、ノートの活用を実施。
・集中待機所の分散勤務を実施。
・警乗ペア、及び派遣隊ごとの勤務員の固定化により濃厚接触機会を極小化。
・事務机間にパーテーション設置。 他
当社グループはこれらへの取組みを実現すべく、東洋テックグループの役職員が一丸となって努力してまいる所存であります。