有価証券報告書-第64期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結経営成績は以下のとおりであります。
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の最終年度であった当連結会計年度における経営成績は、1957年の創業以来で過去最高となる売上高162億82百万円(対前期増減率+12.0%)、営業利益18億13百万円(同比+20.9%)、経常利益18億43百万円(同比+16.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益11億円(同比+8.2%)となり、増収増益を達成いたしました。また、ROE(株主資本当期純利益率)10.5%となったことにより、中期経営計画で掲げる売上高・利益・ROE目標も全て達成いたしました。
タナベコンサルティンググループ(TCG)は、中堅企業を中心に大企業から中規模企業の経営者層(トップマネジメント)に対し、経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、経営の上流から下流までを一気通貫で支援するチームコンサルティングを提供しております。そして、チームコンサルティングの専門領域(戦略課題/業種/国内外の地域特性)を引き続き強化・拡大し、中期ビジョン「唯一無二のグローバル経営コンサルティングファーム」の実現を目指しております。
当連結会計年度においては、国内ではインバウンド需要の回復や雇用・所得環境が改善する等、緩やかな景気回復基調が続く一方で、物価の高止まりや米国の通商政策による市場への影響、そして世界的な地政学的紛争リスク等により、企業の経営環境も先行き不透明な状況が続きました。このような環境下で、顧客企業のトップマネジメントが常に抱える経営課題を解決する経営コンサルティングの提供を通じ、企業と社会の課題解決に貢献してまいりました。
また、2025年6月30日付でピースマインド株式会社を新たにグループ企業として迎えました。同社は、日本及びアジアにおけるEAP(従業員支援プログラム)サービスのパイオニアとして「働く人と組織のコンサルティング」を提供しております。臨床心理士や産業カウンセラー、公認心理師等の有資格者等、約100名のプロフェッショナル社員を有し、また提携先も含めて多数のバイリンガルカウンセラーも在籍しており、その活動は日本のみならず、提携ネットワークも含めて200以上の国・地域に拡がり、大企業を中心とした約1,400社に対して価値提供しております。
同社のグループインにより、TCGは当社と連結子会社7社によるグループ8社/約900名(男女比率50:50)のDE&Iをより一層、推進できる組織体制となるとともに、「コーポレートウェルビーイング」領域のソリューションが追加されることでHRコンサルティングのメニューが拡大・強化されました。なお、当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたり、同社の2025年7月~2026年3月(9ヶ月分)の業績を連結しております。
(単位:千円)
<経営コンサルティング領域別の売上高分析>経営コンサルティング領域別売上高の概況は、次のとおりであります。
なお、株式会社Surpassのマーケティング・セールス支援事業が提供する「営業戦略の策定から現場における顧客創造までの一気通貫支援」は、ストラテジー&ドメインコンサルティングとの親和性が高く、当該支援機能のより一層の強化とシナジー創出を目的に、当連結会計年度より下記「HR」から「ストラテジー&ドメイン」に分類変更しております。これに伴い、2025年3月期連結会計年度の下記「HR」及び「ストラテジー&ドメイン」の売上高実績も組み替えて表示しております。
(単位:千円)
[ストラテジー&ドメイン]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、31億51百万円(対前期増減額+3億4百万円、対前期増減率+10.7%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、教育、建設、物流、システムインテグレーション、小売、観光等)や行政/公共。
②成長に向けたコンサルティングニーズが高く、「長期ビジョン・中期経営計画の策定・推進」「ビジネスモデルの変革」「新規事業開発(産学連携を含む)/PMO(プロジェクト支援)」「グローバル戦略の策定/海外進出」等のテーマが好調であり、「100億企業創出加速に関する調査」「地域企業の成長加速手段としての戦略的グループ化促進要因分析」等の行政/公共案件も増加。
③上場企業に対しては、「長期ビジョン・中期経営計画の策定・推進」「統合報告書の制作(ESG対応)」のテーマが伸長。
④前連結会計年度に新たにグループに加わった株式会社Surpassのマーケティング・セールス領域のサービスも増収に寄与。
⑤当社独自の「長期ビジョン・中期経営計画策定」「建設業のための経営支援」「製造業のための経営支援」「グローバルビジネス戦略」「日本市場参入」「政府・公共・サービス」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[デジタル・DX]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、35億82百万円(対前期増減額+3億27百万円、対前期増減率+10.1%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、インフラ、運輸、不動産、システム開発、金融、ホテル等)や行政/公共。
②生産性向上やデータ利活用による新たな価値創造へのコンサルティングニーズが高く、「IT化構想・DXビジョンの策定」から「ERPシステムの導入・実装」、「DX戦略アドバイザリー」「AI導入・実装」「BPO・業務改善」「ブランディングDX(Webサイト・SNS)」「DX認定の取得」等のテーマが好調。
③上場企業に対しては、「マーケティングDX(デジタルマーケティング・セールスプロセス変革等)」「システムリプレイス/PMO(プロジェクト支援)」「サイバーセキュリティ対策」のテーマが伸長。
④様々なITテクノロジー企業とのアライアンス拡大に伴うプロフェッショナルDXサービスの開発や共同提案等が増加。また、自治体や金融機関と連携した地域在住女性のデジタル人材への育成、資格取得や就業機会の創出支援を行う「TECH WOMAN®」(テックウーマン)も推進。
⑤当社独自の「デジタル・DXの戦略・実装」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[HR]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、33億84百万円(対前期増減額+7億74百万円、対前期増減率+29.7%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、建設、物流、卸売、生活関連サービス、システム開発、外食等)や行政/公共。
②経営戦略・事業ポートフォリオの見直しに伴う人材基盤の拡充や人材ポートフォリオの再構築、人的資本経営へのコンサルティングニーズが高く、「人事処遇制度の再構築」「企業内大学(アカデミー)設立」「人材育成(リスキリング含む)」「ジュニアボード(次世代経営チームの育成)」「女性活躍/DE&Iの推進」「EAP(従業員支援プログラム)」等のテーマが好調。
③上場企業に対しては、「経営者人材の育成」「サクセッションプラン」「コーポレートウェルビーイング」「役員報酬制度の構築」「HRBP」のテーマが伸長。
④前連結会計年度に新たにグループに加わった株式会社Surpassの女性活躍/DE&I領域のサービス及び当連結会計年度に新たにグループに加わったピースマインド株式会社のコーポレートウェルビーイング領域のサービスも増収に寄与。
⑤当社独自の「経営者・人事部門のためのHR」「企業価値を高める人材育成・研修」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[ファイナンス・M&A]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、24億47百万円(対前期増減額+2億74百万円、対前期増減率+12.6%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、情報通信、物流、エネルギー、商社、建設、外食等)。
②企業価値向上や第三者承継も見据えた事業承継のコンサルティングニーズが高く、「企業価値ビジョン」「資本政策」「ホールディングス化・グループ経営」「海外M&Aを含むM&A一貫コンサルティング(戦略策定からFA、デューデリジェンス、PMIまでを一貫支援)」「事業承継」「IPO支援」等のテーマが好調。
③上場企業に対しては、「コーポレート・ガバナンスの強化」「内部統制システムの構築」「資本コストや株価を意識した経営の実現」「IR支援」のテーマが伸長。
④当社独自の「ファイナンス・M&A」「成長M&A/承継M&A」専門サイトを通じたリード情報や金融機関等のアライアンス先からの積極的な顧客紹介も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[ブランド&PR]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、30億19百万円(対前期増減額+80百万円、対前期増減率+2.7%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、小売、ビューティー・コスメ、商社、アパレル、ヘルスケア、教育等)や行政/公共。
②パーパスやブランドの構築、グループブランディング等のコンサルティングニーズが高く、「ブランドビジョンの策定」「広報機能の立ち上げ(研修含む)」「メディアPR(Global PR Wire(海外向けプレスリリース配信サービス)や記者会見等)」「大阪・関西万博関連」「インナーブランディング」等のコンサルティングテーマが好調。
③上場企業に対しては、「ブランド戦略」「戦略PR」「クリエイティブ&デザイン」「UI・UXデザイン」のテーマが伸長。
④当社独自の「ブランディング・戦略PR」専門サイトを通じたリード情報や「Global PR Wire」の利用企業数の増加も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[その他]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、6億98百万円(対前期増減額△22百万円、対前期増減率△3.2%)となりました。
<その他の経営活動>[上場支援コンサルティングの強化]
主要な事業会社である株式会社タナベコンサルティングにおいて、これまでの多数の上場企業向け支援実績・ノウハウ等も生かしてTOKYO PRO Market「J-Adviser」資格及びFukuoka PRO Market「F-Adviser」資格を取得し、上場支援機能を強化いたしました。
[研究・開発]
主要な事業会社である株式会社タナベコンサルティングの戦略総合研究所内にある中堅企業経営研究所が、「中堅企業白書2026」を発刊いたしました。TCGの22,100社以上へのコンサルティングを通じて蓄積した知見や独自調査を基に、中堅企業の価値と未来への成長戦略を示したものであり、TCGの主要顧客である中堅企業へのアプローチをさらに強化しております。
また、戦略総合研究所を中心に、引き続き経営コンサルティング領域ごとの経営オペレーションの実装・実行における業種別のプロフェッショナルDXサービス(「Executive KARTE®」(経営者適性診断)「360°FEEDBACK」「HR KARTE®」(人材アセスメント)「ACADEMY CLOUD+®」(LMSシステム)「財務価値分析」「Global PR Wire(海外向けプレスリリース配信サービス)」「Working Better Cloud(メンタルヘルスプラットフォーム)」等)の開発・販売促進を強化するとともに、当社グループにおけるナレッジマネジメントやAI研究・開発も推進しております。
[コーポレート]
①資本政策
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の最終年度であった当連結会計年度に、先述したROE(株主資本当期純利益率)10%の達成を確実にするために、積極的な株主還元を実行してまいりました。中間・期末配当金に加えて株主優待制度も導入し、また東京証券取引所における市場買付による機動的な自己株式の取得も実施いたしました。
②成長M&A投資
中期事業戦略として掲げる「経営コンサルティング領域の多角化」戦略のもと、積極的な成長M&A投資を実施しております。2021年3月期を中期経営計画の発射台として、当連結会計年度の売上高162億円のうち、計画どおり売上高約25億円を、手元現預金10億円以上を活用した成長M&A投資により実現いたしました。
③人的資本投資
様々な業界における実務経験者のキャリア採用に加え、新卒採用も強化していくとともに、グループ全社員向けのデジタル教育コンテンツ「TCGアカデミー」(企業内大学)のリーダーシップ学部、ストラテジー&ドメイン学部、デジタル学部、HR学部、ファイナンシャル学部、M&A学部、マーケティング学部等によりプロフェッショナル人材の育成を強化しております。また、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」「人的資本経営品質2025 シルバー」認定企業としてDE&I/ウェルビーイングを実現する取り組みも推進しております。
④デジタル・DX投資
ERPシステムを軸にマーケティングオートメーションシステム、デジタルマーケティング、CRM、ナレッジデータベース、コミュニケーション、そしてマネジメントオペレーションまで一気通貫のOneプラットフォームでDXを推進し、あらゆる業務の生産性を向上しております。また、AIの活用・推進により業務の効率化やサービス品質の継続的な向上を図っております。セキュリティ面においても、社内外を問わず全てのアクセスを検証・厳しく監視するゼロトラストの導入及び端末やクラウドサービスへのアクセス等の厳格管理により、サイバー攻撃や情報漏洩等の重大インシデントを未然に防ぐ仕組みを確立しております。
⑤コーポレートコミュニケーション
パーパスムービー等の制作によりパーパス&バリューの社内外浸透を進めていくとともに、「唯一無二のグローバル経営コンサルティングファーム」を実現するためのコーポレートブランディング活動や、商品・サービス、コンサルタント等の戦略PR活動を推進しております。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。
③仕入及び売上実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、グループ全体の仕入実績を記載しております。
2.仕入品目が複雑多岐にわたるため数量表示は省略しております。
3.仕入金額には原材料費を含んでおります。
b.売上実績
当連結会計年度の売上実績を経営コンサルティング領域ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)サービス・商品の内容が多岐にわたるため、数量表示は省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、151億69百万円となり、前連結会計年度末比8億40百万円増加いたしました。
流動資産は86億46百万円となり、前連結会計年度末比4億45百万円減少いたしました。主な要因は、有価証券が増加した一方で、現金及び預金が減少したためであります。
固定資産は65億22百万円となり、前連結会計年度末比12億86百万円増加いたしました。主な要因は、のれんや投資有価証券、退職給付に係る資産が増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、37億97百万円となり、前連結会計年度末比6億9百万円増加いたしました。
流動負債は28億18百万円となり、前連結会計年度末比2億81百万円増加いたしました。主な要因は、前受金や賞与引当金、1年内返済予定の長期借入金が増加したためであります。
固定負債は9億78百万円となり、前連結会計年度末比3億28百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、113億72百万円となり、前連結会計年度末比2億31百万円増加いたしました。主な要因は、剰余金の配当と自己株式の取得を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び非支配株主持分が増加したためであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高の概況は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、83億20百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上高から売上原価を控除した売上総利益は79億62百万円となり、売上総利益率は48.9%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、61億48百万円となりました。主な内訳は、給料及び手当17億23百万円、広告宣伝費7億9百万円、役員報酬7億4百万円、福利厚生費5億6百万円、支払手数料4億29百万円です。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は18億13百万円となり、売上高営業利益率は11.1%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、純額29百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は18億43百万円となり、売上高経常利益率は11.3%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益は、固定資産除売却損2百万円により、純額2百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益は、18億40百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が5億31百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は64億90百万円となり、前連結会計年度末比11億74百万円減少いたしました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、14億8百万円の収入(前連結会計年度は14億54百万円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益18億40百万円等の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、10億88百万円の支出(前連結会計年度は18億96百万円の収入)となりました。
これは、有価証券の取得による支出10億円等の減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14億95百万円の支出(前連結会計年度は13億25百万円の支出)となりました。
これは、自己株式の取得による支出4億49百万円や配当金の支払額8億45百万円等の減少要因があったことによるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業活動に必要な資金を安定的に確保し、十分な流動性を維持するとともに、健全な財政状態を維持することを基本方針としております。また、資本財源につきましては、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先としております。
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金、人的資本投資、デジタル・DX投資を含む設備投資並びにM&Aを含む成長投資であり、これらの資金は主として自己資金により充当しております。
運転資金需要の主なものは、コンサルタントの人件費、セミナー等の開催に係る会場費、デザインプロモーション商品等の商品仕入、ブルーダイアリー(手帳)等の生産に必要な原材料仕入及び外注加工費、事務所の維持費(家賃)、並びに新規採用・育成に係る人材募集費等の管理費であります。
人的資本投資につきましては、様々な業界における実務経験者のキャリア採用に加え、新卒採用の強化を進めるとともに、TCGアカデミー(企業内大学)
等を活用し、プロフェッショナル人材の育成強化に取り組んでおります。デジタル・DX投資を含む設備投資需要の主なものは、事務所の建物附属設備、情報システム関連及び器具備品等の固定資産の取得並びにERPシステムを軸とした各種デジタル基盤の整備・拡充であります。
これらの投資により、業務の効率化、生産性の向上及びサービス品質の継続的な向上を図っております。また、中期事業戦略として掲げる「経営コンサルティング領域の多角化」戦略のもと、M&Aを含む成長投資を積極的に実施する方針であり、既存事業により得られた自己資金を新たな事業領域の拡大に活用してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
以下の会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすものと認識しております。
a.のれん
のれんの減損については、少なくとも1年に一回、又は事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化等、減損の兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。報告単位の回収可能額を評価し、回収可能額が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、その下回る額について減損損失として計上することになります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断したうえで計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
c.固定資産の減損
「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損を判定する際のグルーピングは各事業所単位で行い、減損の兆候が認められる場合は、各事業所単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。
将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結経営成績は以下のとおりであります。
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の最終年度であった当連結会計年度における経営成績は、1957年の創業以来で過去最高となる売上高162億82百万円(対前期増減率+12.0%)、営業利益18億13百万円(同比+20.9%)、経常利益18億43百万円(同比+16.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益11億円(同比+8.2%)となり、増収増益を達成いたしました。また、ROE(株主資本当期純利益率)10.5%となったことにより、中期経営計画で掲げる売上高・利益・ROE目標も全て達成いたしました。
タナベコンサルティンググループ(TCG)は、中堅企業を中心に大企業から中規模企業の経営者層(トップマネジメント)に対し、経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、経営の上流から下流までを一気通貫で支援するチームコンサルティングを提供しております。そして、チームコンサルティングの専門領域(戦略課題/業種/国内外の地域特性)を引き続き強化・拡大し、中期ビジョン「唯一無二のグローバル経営コンサルティングファーム」の実現を目指しております。
当連結会計年度においては、国内ではインバウンド需要の回復や雇用・所得環境が改善する等、緩やかな景気回復基調が続く一方で、物価の高止まりや米国の通商政策による市場への影響、そして世界的な地政学的紛争リスク等により、企業の経営環境も先行き不透明な状況が続きました。このような環境下で、顧客企業のトップマネジメントが常に抱える経営課題を解決する経営コンサルティングの提供を通じ、企業と社会の課題解決に貢献してまいりました。
また、2025年6月30日付でピースマインド株式会社を新たにグループ企業として迎えました。同社は、日本及びアジアにおけるEAP(従業員支援プログラム)サービスのパイオニアとして「働く人と組織のコンサルティング」を提供しております。臨床心理士や産業カウンセラー、公認心理師等の有資格者等、約100名のプロフェッショナル社員を有し、また提携先も含めて多数のバイリンガルカウンセラーも在籍しており、その活動は日本のみならず、提携ネットワークも含めて200以上の国・地域に拡がり、大企業を中心とした約1,400社に対して価値提供しております。
同社のグループインにより、TCGは当社と連結子会社7社によるグループ8社/約900名(男女比率50:50)のDE&Iをより一層、推進できる組織体制となるとともに、「コーポレートウェルビーイング」領域のソリューションが追加されることでHRコンサルティングのメニューが拡大・強化されました。なお、当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたり、同社の2025年7月~2026年3月(9ヶ月分)の業績を連結しております。
(単位:千円)
| 2025年3月期 連結会計年度 | 2026年3月期 連結会計年度 | 対前期 増減額 | 対前期 増減率 | |
| 売上高 | 14,543,581 | 16,282,565 | +1,738,984 | +12.0% |
| 売上総利益 | 6,612,080 | 7,962,192 | +1,350,111 | +20.4% |
| 売上総利益率 | 45.5% | 48.9% | +3.4pt | - |
| 販売費及び一般管理費 | 5,111,771 | 6,148,284 | +1,036,512 | +20.3% |
| 営業利益 | 1,500,308 | 1,813,908 | +313,599 | +20.9% |
| 営業利益率 | 10.3% | 11.1% | +0.8pt | - |
| 経常利益 | 1,589,047 | 1,843,264 | +254,217 | +16.0% |
| 税金等調整前当期純利益 | 1,586,840 | 1,840,792 | +253,951 | +16.0% |
| 当期純利益 | 1,100,390 | 1,308,799 | +208,409 | +18.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,016,728 | 1,100,261 | +83,533 | +8.2% |
<経営コンサルティング領域別の売上高分析>経営コンサルティング領域別売上高の概況は、次のとおりであります。
なお、株式会社Surpassのマーケティング・セールス支援事業が提供する「営業戦略の策定から現場における顧客創造までの一気通貫支援」は、ストラテジー&ドメインコンサルティングとの親和性が高く、当該支援機能のより一層の強化とシナジー創出を目的に、当連結会計年度より下記「HR」から「ストラテジー&ドメイン」に分類変更しております。これに伴い、2025年3月期連結会計年度の下記「HR」及び「ストラテジー&ドメイン」の売上高実績も組み替えて表示しております。
(単位:千円)
| 経営コンサルティング 領域 | 内容 | 2025年3月期 連結会計年度 | 2026年3月期 連結会計年度 | 対前期 増減額 | 対前期 増減率 |
| ストラテジー&ドメイン | ・成長戦略(業種別) ・中長期ビジョン ・パーパス&バリュー ・マーケティング& セールス ・グローバル戦略 ・行政/公共支援 | 2,846,025 | 3,151,009 | +304,984 | +10.7% |
| デジタル・DX | ・DX戦略 ・マーケティングDX ・マネジメントDX ・ERPコンサルティング | 3,255,069 | 3,582,547 | +327,478 | +10.1% |
| HR | ・人事戦略 ・人事システム ・人材採用 ・人材育成&アカデミー ・DE&I組織開発 ・コーポレート ウェルビーイング | 2,609,379 | 3,384,016 | +774,637 | +29.7% |
| ファイナンス・M&A | ・企業価値ビジョン ・ホールディングス& グループ経営 ・成長戦略/事業承継 M&A ・IPO支援 ・経営管理システム | 2,172,653 | 2,447,287 | +274,634 | +12.6% |
| ブランド&PR | ・ブランド戦略 ・クリエイティブデザイン ・戦略PR・広報 ・海外PR・Global PR Wire ・国内・海外デジタル マーケティング | 2,939,208 | 3,019,308 | +80,099 | +2.7% |
| その他 | ・ブルーダイアリー (手帳) ・プロモーション商品 | 721,244 | 698,395 | △22,849 | △3.2% |
| 計 | ― | 14,543,581 | 16,282,565 | +1,738,984 | +12.0% |
[ストラテジー&ドメイン]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、31億51百万円(対前期増減額+3億4百万円、対前期増減率+10.7%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、教育、建設、物流、システムインテグレーション、小売、観光等)や行政/公共。
②成長に向けたコンサルティングニーズが高く、「長期ビジョン・中期経営計画の策定・推進」「ビジネスモデルの変革」「新規事業開発(産学連携を含む)/PMO(プロジェクト支援)」「グローバル戦略の策定/海外進出」等のテーマが好調であり、「100億企業創出加速に関する調査」「地域企業の成長加速手段としての戦略的グループ化促進要因分析」等の行政/公共案件も増加。
③上場企業に対しては、「長期ビジョン・中期経営計画の策定・推進」「統合報告書の制作(ESG対応)」のテーマが伸長。
④前連結会計年度に新たにグループに加わった株式会社Surpassのマーケティング・セールス領域のサービスも増収に寄与。
⑤当社独自の「長期ビジョン・中期経営計画策定」「建設業のための経営支援」「製造業のための経営支援」「グローバルビジネス戦略」「日本市場参入」「政府・公共・サービス」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[デジタル・DX]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、35億82百万円(対前期増減額+3億27百万円、対前期増減率+10.1%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、インフラ、運輸、不動産、システム開発、金融、ホテル等)や行政/公共。
②生産性向上やデータ利活用による新たな価値創造へのコンサルティングニーズが高く、「IT化構想・DXビジョンの策定」から「ERPシステムの導入・実装」、「DX戦略アドバイザリー」「AI導入・実装」「BPO・業務改善」「ブランディングDX(Webサイト・SNS)」「DX認定の取得」等のテーマが好調。
③上場企業に対しては、「マーケティングDX(デジタルマーケティング・セールスプロセス変革等)」「システムリプレイス/PMO(プロジェクト支援)」「サイバーセキュリティ対策」のテーマが伸長。
④様々なITテクノロジー企業とのアライアンス拡大に伴うプロフェッショナルDXサービスの開発や共同提案等が増加。また、自治体や金融機関と連携した地域在住女性のデジタル人材への育成、資格取得や就業機会の創出支援を行う「TECH WOMAN®」(テックウーマン)も推進。
⑤当社独自の「デジタル・DXの戦略・実装」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[HR]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、33億84百万円(対前期増減額+7億74百万円、対前期増減率+29.7%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、建設、物流、卸売、生活関連サービス、システム開発、外食等)や行政/公共。
②経営戦略・事業ポートフォリオの見直しに伴う人材基盤の拡充や人材ポートフォリオの再構築、人的資本経営へのコンサルティングニーズが高く、「人事処遇制度の再構築」「企業内大学(アカデミー)設立」「人材育成(リスキリング含む)」「ジュニアボード(次世代経営チームの育成)」「女性活躍/DE&Iの推進」「EAP(従業員支援プログラム)」等のテーマが好調。
③上場企業に対しては、「経営者人材の育成」「サクセッションプラン」「コーポレートウェルビーイング」「役員報酬制度の構築」「HRBP」のテーマが伸長。
④前連結会計年度に新たにグループに加わった株式会社Surpassの女性活躍/DE&I領域のサービス及び当連結会計年度に新たにグループに加わったピースマインド株式会社のコーポレートウェルビーイング領域のサービスも増収に寄与。
⑤当社独自の「経営者・人事部門のためのHR」「企業価値を高める人材育成・研修」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[ファイナンス・M&A]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、24億47百万円(対前期増減額+2億74百万円、対前期増減率+12.6%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、情報通信、物流、エネルギー、商社、建設、外食等)。
②企業価値向上や第三者承継も見据えた事業承継のコンサルティングニーズが高く、「企業価値ビジョン」「資本政策」「ホールディングス化・グループ経営」「海外M&Aを含むM&A一貫コンサルティング(戦略策定からFA、デューデリジェンス、PMIまでを一貫支援)」「事業承継」「IPO支援」等のテーマが好調。
③上場企業に対しては、「コーポレート・ガバナンスの強化」「内部統制システムの構築」「資本コストや株価を意識した経営の実現」「IR支援」のテーマが伸長。
④当社独自の「ファイナンス・M&A」「成長M&A/承継M&A」専門サイトを通じたリード情報や金融機関等のアライアンス先からの積極的な顧客紹介も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[ブランド&PR]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、30億19百万円(対前期増減額+80百万円、対前期増減率+2.7%)となりました。また、概況は以下のとおりとなります。
≪概況≫
①主な顧客は、上場企業や業界トップ企業、地域を代表する企業を含む大企業から中堅企業(業種:製造、小売、ビューティー・コスメ、商社、アパレル、ヘルスケア、教育等)や行政/公共。
②パーパスやブランドの構築、グループブランディング等のコンサルティングニーズが高く、「ブランドビジョンの策定」「広報機能の立ち上げ(研修含む)」「メディアPR(Global PR Wire(海外向けプレスリリース配信サービス)や記者会見等)」「大阪・関西万博関連」「インナーブランディング」等のコンサルティングテーマが好調。
③上場企業に対しては、「ブランド戦略」「戦略PR」「クリエイティブ&デザイン」「UI・UXデザイン」のテーマが伸長。
④当社独自の「ブランディング・戦略PR」専門サイトを通じたリード情報や「Global PR Wire」の利用企業数の増加も、コンサルティング案件の創出に貢献。
[その他]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、6億98百万円(対前期増減額△22百万円、対前期増減率△3.2%)となりました。
<その他の経営活動>[上場支援コンサルティングの強化]
主要な事業会社である株式会社タナベコンサルティングにおいて、これまでの多数の上場企業向け支援実績・ノウハウ等も生かしてTOKYO PRO Market「J-Adviser」資格及びFukuoka PRO Market「F-Adviser」資格を取得し、上場支援機能を強化いたしました。
[研究・開発]
主要な事業会社である株式会社タナベコンサルティングの戦略総合研究所内にある中堅企業経営研究所が、「中堅企業白書2026」を発刊いたしました。TCGの22,100社以上へのコンサルティングを通じて蓄積した知見や独自調査を基に、中堅企業の価値と未来への成長戦略を示したものであり、TCGの主要顧客である中堅企業へのアプローチをさらに強化しております。
また、戦略総合研究所を中心に、引き続き経営コンサルティング領域ごとの経営オペレーションの実装・実行における業種別のプロフェッショナルDXサービス(「Executive KARTE®」(経営者適性診断)「360°FEEDBACK」「HR KARTE®」(人材アセスメント)「ACADEMY CLOUD+®」(LMSシステム)「財務価値分析」「Global PR Wire(海外向けプレスリリース配信サービス)」「Working Better Cloud(メンタルヘルスプラットフォーム)」等)の開発・販売促進を強化するとともに、当社グループにおけるナレッジマネジメントやAI研究・開発も推進しております。
[コーポレート]
①資本政策
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の最終年度であった当連結会計年度に、先述したROE(株主資本当期純利益率)10%の達成を確実にするために、積極的な株主還元を実行してまいりました。中間・期末配当金に加えて株主優待制度も導入し、また東京証券取引所における市場買付による機動的な自己株式の取得も実施いたしました。
②成長M&A投資
中期事業戦略として掲げる「経営コンサルティング領域の多角化」戦略のもと、積極的な成長M&A投資を実施しております。2021年3月期を中期経営計画の発射台として、当連結会計年度の売上高162億円のうち、計画どおり売上高約25億円を、手元現預金10億円以上を活用した成長M&A投資により実現いたしました。
③人的資本投資
様々な業界における実務経験者のキャリア採用に加え、新卒採用も強化していくとともに、グループ全社員向けのデジタル教育コンテンツ「TCGアカデミー」(企業内大学)のリーダーシップ学部、ストラテジー&ドメイン学部、デジタル学部、HR学部、ファイナンシャル学部、M&A学部、マーケティング学部等によりプロフェッショナル人材の育成を強化しております。また、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」「人的資本経営品質2025 シルバー」認定企業としてDE&I/ウェルビーイングを実現する取り組みも推進しております。
④デジタル・DX投資
ERPシステムを軸にマーケティングオートメーションシステム、デジタルマーケティング、CRM、ナレッジデータベース、コミュニケーション、そしてマネジメントオペレーションまで一気通貫のOneプラットフォームでDXを推進し、あらゆる業務の生産性を向上しております。また、AIの活用・推進により業務の効率化やサービス品質の継続的な向上を図っております。セキュリティ面においても、社内外を問わず全てのアクセスを検証・厳しく監視するゼロトラストの導入及び端末やクラウドサービスへのアクセス等の厳格管理により、サイバー攻撃や情報漏洩等の重大インシデントを未然に防ぐ仕組みを確立しております。
⑤コーポレートコミュニケーション
パーパスムービー等の制作によりパーパス&バリューの社内外浸透を進めていくとともに、「唯一無二のグローバル経営コンサルティングファーム」を実現するためのコーポレートブランディング活動や、商品・サービス、コンサルタント等の戦略PR活動を推進しております。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。
③仕入及び売上実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 対前期増減率(%) |
| 金額(千円) | |
| 2,124,084 | △8.3 |
(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、グループ全体の仕入実績を記載しております。
2.仕入品目が複雑多岐にわたるため数量表示は省略しております。
3.仕入金額には原材料費を含んでおります。
b.売上実績
当連結会計年度の売上実績を経営コンサルティング領域ごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 対前期増減率(%) | |
| 金額(千円) | ||
| ストラテジー&ドメイン | 3,151,009 | +10.7% |
| デジタル・DX | 3,582,547 | +10.1% |
| HR | 3,384,016 | +29.7% |
| ファイナンス・M&A | 2,447,287 | +12.6% |
| ブランド&PR | 3,019,308 | +2.7% |
| その他 | 698,395 | △3.2% |
| 合計 | 16,282,565 | +12.0% |
(注)サービス・商品の内容が多岐にわたるため、数量表示は省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、151億69百万円となり、前連結会計年度末比8億40百万円増加いたしました。
流動資産は86億46百万円となり、前連結会計年度末比4億45百万円減少いたしました。主な要因は、有価証券が増加した一方で、現金及び預金が減少したためであります。
固定資産は65億22百万円となり、前連結会計年度末比12億86百万円増加いたしました。主な要因は、のれんや投資有価証券、退職給付に係る資産が増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、37億97百万円となり、前連結会計年度末比6億9百万円増加いたしました。
流動負債は28億18百万円となり、前連結会計年度末比2億81百万円増加いたしました。主な要因は、前受金や賞与引当金、1年内返済予定の長期借入金が増加したためであります。
固定負債は9億78百万円となり、前連結会計年度末比3億28百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、113億72百万円となり、前連結会計年度末比2億31百万円増加いたしました。主な要因は、剰余金の配当と自己株式の取得を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び非支配株主持分が増加したためであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高の概況は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、83億20百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上高から売上原価を控除した売上総利益は79億62百万円となり、売上総利益率は48.9%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、61億48百万円となりました。主な内訳は、給料及び手当17億23百万円、広告宣伝費7億9百万円、役員報酬7億4百万円、福利厚生費5億6百万円、支払手数料4億29百万円です。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は18億13百万円となり、売上高営業利益率は11.1%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、純額29百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は18億43百万円となり、売上高経常利益率は11.3%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益は、固定資産除売却損2百万円により、純額2百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益は、18億40百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が5億31百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は64億90百万円となり、前連結会計年度末比11億74百万円減少いたしました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、14億8百万円の収入(前連結会計年度は14億54百万円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益18億40百万円等の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、10億88百万円の支出(前連結会計年度は18億96百万円の収入)となりました。
これは、有価証券の取得による支出10億円等の減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、14億95百万円の支出(前連結会計年度は13億25百万円の支出)となりました。
これは、自己株式の取得による支出4億49百万円や配当金の支払額8億45百万円等の減少要因があったことによるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業活動に必要な資金を安定的に確保し、十分な流動性を維持するとともに、健全な財政状態を維持することを基本方針としております。また、資本財源につきましては、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先としております。
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金、人的資本投資、デジタル・DX投資を含む設備投資並びにM&Aを含む成長投資であり、これらの資金は主として自己資金により充当しております。
運転資金需要の主なものは、コンサルタントの人件費、セミナー等の開催に係る会場費、デザインプロモーション商品等の商品仕入、ブルーダイアリー(手帳)等の生産に必要な原材料仕入及び外注加工費、事務所の維持費(家賃)、並びに新規採用・育成に係る人材募集費等の管理費であります。
人的資本投資につきましては、様々な業界における実務経験者のキャリア採用に加え、新卒採用の強化を進めるとともに、TCGアカデミー(企業内大学)
等を活用し、プロフェッショナル人材の育成強化に取り組んでおります。デジタル・DX投資を含む設備投資需要の主なものは、事務所の建物附属設備、情報システム関連及び器具備品等の固定資産の取得並びにERPシステムを軸とした各種デジタル基盤の整備・拡充であります。
これらの投資により、業務の効率化、生産性の向上及びサービス品質の継続的な向上を図っております。また、中期事業戦略として掲げる「経営コンサルティング領域の多角化」戦略のもと、M&Aを含む成長投資を積極的に実施する方針であり、既存事業により得られた自己資金を新たな事業領域の拡大に活用してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
以下の会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすものと認識しております。
a.のれん
のれんの減損については、少なくとも1年に一回、又は事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化等、減損の兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。報告単位の回収可能額を評価し、回収可能額が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、その下回る額について減損損失として計上することになります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断したうえで計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
c.固定資産の減損
「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損を判定する際のグルーピングは各事業所単位で行い、減損の兆候が認められる場合は、各事業所単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。
将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。