有価証券報告書-第49期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続きましたが、景気回復を牽引してきた輸出関連・製造業部門は主要国経済の成長率鈍化、米国に端を発する貿易摩擦問題に関する懸念の影響などから伸び悩んでおり、株式市場は不安定な展開が続きました。また、日本国内の政治不信問題の再燃、地震や大型台風による天災もあり、企業・消費者マインドはともに慎重になっている様子が伺えました。
ラックランドグループを取りまく経済環境は、主に街角景気判断DI(内閣府)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリー・ベース平均残高(日本銀行)の動向等から判断しております。街角景気判断DIは、2018年に入って下向きに転じて50(好況・不況の分岐水準)を割り込み、短期の調整局面に入っております。年後半からは持ち直しの動きがみられるものの、まだ本格的な回復軌道には乗っていません。非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数は緩やかな上昇傾向が続いていますが、2010年代後半の伸び率(前年比)は平均で+1%弱にとどまっております。また、マネタリー・ベース平均残高は日銀の緩和政策により増加基調が継続していますが、伸び率(前年比)は2014年初期の+50%超から、足元は+5%割れに低下しており、景気押し上げ効果は当初より薄れております。今後、マネタリー・ベース平均残高の伸び率(前年比)の低下が続いて名目GDP成長率(前年同期比)を下回り、さらにマイナスに低下すれば、実質的な量的引き締めにもなることから、注視してまいります。これら指標の動向から、当連結会計年度の当社グループを取りまく経済環境は底堅いとはいえ、短期的には勢いが弱まっておりました。
しがしながら、長期サイクル(コンドラチェフ・サイクル 約50~60年)では、2010年代の日本経済・株式市場は1950年代あるいは1960年代当時に対応する局面で、2010年代末はAIなどの新しいテクノロジーや産業、東京オリンピックが起爆剤となれば、1950年代後半、1960年代後半当時のように新たな成長・上昇局面に入る可能性もあると見ております。2010年代のGDP成長率は1950年代、1960年代当時の水準には及びませんが、財務省 法人企業統計を見ますと、企業の売上高経常利益率は過去最高水準圏にあります。また、国際商品市況は約30年サイクルが見られ、最初の10年が大幅低下局面、次の10年が横這い局面、最後の10年が大幅上昇局面で構成されており、2010年代は1950年代、1980年代当時に似た大幅低下局面から横這い局面への移行期にあります。原油(ガソリン)や原材料、食品等の価格が低位安定することで個人消費の下支えになると同時に、企業収益の拡大要因ともなり、設備投資の増加や賃金上昇の余地があると考えられます。
当社グループは、2016年から2018年の課題である「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」の実現に向け、従来の主要分野である店舗施設事業における顧客数の増加、メンテナンス事業における取引店舗数の拡大はもとより、新たなる市場で開拓してきた分野につきましても、将来の主力事業として発展させるべく取り組んでまいりました。加えて、経済成長率が日本より高く、日系企業の進出も多い東南アジア・台湾での事業展開を進め、現在7ヵ国で現地法人を設立し、日系企業の海外進出支援を行っております。また、昨今の労働市場における人手不足や働き方改革等に対応するため、数年前から新卒採用を大幅に増やし、企業内職人を育成するとともに、M&Aを積極的に行い、業容の拡張、技術力の共有・向上、即戦力となる技術者の増員を図り、内製化を進めてまいりました。2018年1月には照明分野において高い実績を上げている日本ピー・アイ株式会社、同5月には高層ビルや大型商業施設向けの建築金物に定評がある墨東建材工業株式会社、同12月には(旧)墨東建材工業株式会社のベトナム子会社であるVIET BOKUTO CO., LTDが新たに当社グループに加わり、当社グループは全25社となりました。同じく(旧)墨東建材工業株式会社のベトナム子会社であるBK METAL CO., LTDについても、ベトナム当局の許認可取得後、当社グループに加わる予定です。こうした活動により、各種施設の企画・設計から建築・内装・設備等の施工、設備機器メンテナンスやビル管理まで総合的に請け負い、様々な人々の期待に応えられる体制が整ってまいりました。今後、さらにグループ会社間の連携を深め、シナジーを創出し、グループ全体で生産性を高めて、利益基盤を強固なものにしてまいります。
当連結会計年度においては、受注は順調に伸び、売上高に関しては想定以上に進捗したものの、利益面については特に第3四半期以降、施工案件の増加に対する施工体制の整備、特に人材育成の遅れから、現場における発注ロスや手直し工事が発生したことに加え、人員不足を補うため外注費が増加したことにより、昨年度より粗利率を約2%押し下げました。こうした状況を改善するため、費用増を覚悟して、早急に社内体制の補強に取り組んだ結果、人材採用・育成費用や社内環境向上費用等の販売管理費が計画以上に膨らんだこと、及びM&A関連費用、為替差損益の発生、また働き方改革へ向けた省力化システム・機器投資もあり、当連結会計年度の業績は、売上高428億4千2百万円(前期比37.7%増)、営業利益3億8千万円(前期比55.7%減)、経常利益4億円(前期比58.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8千9百万円(前期比86.8%減)となりました。
次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
《スーパーマーケット関連部門》
スーパーマーケット関連部門につきましては、主要顧客である中堅の小売店(中堅チェーン企業や複数店舗を有する企業)の経営環境は概ね底堅く推移しておりますが、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット3団体)を見ますと、食品部門の伸び率(前年比)は2016年から鈍化傾向にあり、直近1年間は平均で約1%まで低下しております。このような状況の下でも、各グループ会社の強みを活かし、新規出店や既存店の改修案件等において、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事など、店舗内で対応できる事業領域の拡大をしてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は133億円(前期比5.8%減)となりました。
《フードシステム関連部門》
フードシステム関連部門につきましては、中心顧客である飲食店の動向に関し、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)を参考にして見ますと、2016年以降、店舗の売上高の伸び率(前年比)は平均で約3%と堅調が続いております。当部門におけるターゲットとして、飲食店だけではなく、大型ホテル、食品加工工場、物流倉庫などの開拓余地の大きい商業施設に関しても意欲的に営業活動を拡げてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は273億2千1百万円(前期比82.5%増)となりました。
《保守メンテナンス部門》
保守メンテナンス部門につきましては、旧来からの店舗設備機器のメンテナンス体制を充実させるとともに、M&Aによりメンテナンス対応可能なグループ会社を増やし、保守点検網を拡充しております。2018年2月には、中国・四国地方の営業サービス網の強化のため、新たに高松メンテナンスステーションを開設いたしました。また、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンス事業も当部門に寄与しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は22億1千9百万円(前期比9.5%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8千5百万円増加し、当連結会計年度末残高は50億2千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1億8千3百万円(前連結会計年度は16億2千2百万円の減少)となりました。
これは、売上債権の増加及び仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上、たな卸資産が減少したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は12億7千1百万円(前連結会計年度は8億9千万円の減少)となりました。
これは、本社及び支店の増設及び人員増加による移転にかかる有形固定資産の取得による支出、子会社株式の取得及び事業の譲受により連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出及び事業譲受による支出があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は11億7千8百万円(前連結会計年度は31億2千3百万円の増加)となりました。
これは、短期及び長期の借入を行ったことが主な要因であります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。
(1) 制作実績
当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価額で算定しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 商品仕入実績
当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
① 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や、仕入・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。
③ のれんの減損処理
当社グループは、のれんの償却方法については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、279億5千3百万円と前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加となりました。
流動資産は、158億3千2百万円と前連結会計年度末に比べ30億3千6百万円の減少となりました。平成30年第4四半期に引渡しが進んだことにより仕掛品が減少したことが主な要因であります。
固定資産は、121億2千1百万円と前連結会計年度末に比べ35億7千万円の増加となりました。これは、保有株式の株価下落による投資有価証券の減少があったものの、長期売掛金の増加が主な要因であります。
(負債の部)
流動負債は、184億円と前連結会計年度末に比べ8億9千9百万円の増加となりました。これは、営業債務が減少したものの、短期借入金及び未払消費税等、工事前受金の増加が主な要因であります。
固定負債は26億6千3百万円と前連結会計年度末に比べ3億4百万円の減少となりました。これは、保有株式の株価下落による繰延税金負債の減少及び長期借入金が減少したことが主な要因であります。
以上の結果、負債の部は210億6千4百万円と前連結会計年度末に比べ5億9千5百万円の増加となりました。
(純資産の部)
純資産の部は68億8千9百万円と前連結会計年度末に比べ6千1百万円の減少となりました。これは、ストック・オプションの行使による資本金の増加があったものの、自己株式の処分及び保有株式の株価下落によるその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。
なお、自己資本比率は24.2%と前連結会計年度末より1.0ポイント減少しております。
(3) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、当社グループの新しい柱となる「商業施設の企画制作事業」「食品工場・物流倉庫の企画制作事業」「建築事業」の3事業分野が堅調に推移したことなどにより428億4千2百万円(前期比37.7%増)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、当社において急激な現場数の増加に対して、施工体制が整わず、外注社員を多用したことなどにより、380億6千6百万円(前期比41.0%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人材採用・育成費用や社内環境向上費用が増加したこと及び連結子会社が増加したことなどにより43億9千5百万円(前期比35.2%増)となりました。
④ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は上記の結果により3億8千万円(前期比55.7%減)となりました。
⑤ 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は、不動産賃貸収入が増加したことなどにより2億1千8百万円(前期比39.1%増)となりました。また、営業外費用は、不動産賃貸原価及び支払利息の増加、貸倒損失の計上などにより1億9千7百万円(前期比262.5%増)となりました。
⑥ 経常利益
経常利益は4億円(前期比58.2%減)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ2.2ポイント減少し0.9%となり、総資産経常利益率(ROA)も2.5ポイント減少し1.4%となりました。
⑦ 特別利益及び特別損失
特別利益は1億1千万円(前期比6.3%減)となりました。また、特別損失は、主に投資有価証券評価損を計上したことより9千4百万円(前期比2251.7%増)となりました。
⑧ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は4億1千6百万円(前期比61.2%減)となりました。
⑨ 法人税等
法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は3億2千7百万円(前期比17.9%減)となりました。また、当連結会計年度における法人税等の負担率(税金等調整前当期純利益に対する法人税等の割合)は78.5%となり、法定実効税率30.86%に比べ47.64ポイント高くなりました。これは主に交際費等永久に損金に算入されない項目及び住民税均等割並びに東京国税局による海外連結子会社との取引にかかる移転価格税制等の指摘による過年度法人税等の計上などの影響によるものであります。
⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益の増減などの影響により0百万円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失1百万円)となりました。
⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は8千9百万円(前期比86.8%減)となりました。
その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ9.0ポイント減少し1.3%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大による事務所拡張・移転による内装費用等、省人化及び効率化、間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化や技術者の補充を目的にしたM&A費用があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は8,556,281千円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、資本効率のバランスを考慮しつつも、安定した収益基盤を確立することに注力することで、売上高経常利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組む方針であります。
当連結会計年度に含む直近3連結会計年度の指標は以下のとおりです。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続きましたが、景気回復を牽引してきた輸出関連・製造業部門は主要国経済の成長率鈍化、米国に端を発する貿易摩擦問題に関する懸念の影響などから伸び悩んでおり、株式市場は不安定な展開が続きました。また、日本国内の政治不信問題の再燃、地震や大型台風による天災もあり、企業・消費者マインドはともに慎重になっている様子が伺えました。
ラックランドグループを取りまく経済環境は、主に街角景気判断DI(内閣府)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリー・ベース平均残高(日本銀行)の動向等から判断しております。街角景気判断DIは、2018年に入って下向きに転じて50(好況・不況の分岐水準)を割り込み、短期の調整局面に入っております。年後半からは持ち直しの動きがみられるものの、まだ本格的な回復軌道には乗っていません。非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数は緩やかな上昇傾向が続いていますが、2010年代後半の伸び率(前年比)は平均で+1%弱にとどまっております。また、マネタリー・ベース平均残高は日銀の緩和政策により増加基調が継続していますが、伸び率(前年比)は2014年初期の+50%超から、足元は+5%割れに低下しており、景気押し上げ効果は当初より薄れております。今後、マネタリー・ベース平均残高の伸び率(前年比)の低下が続いて名目GDP成長率(前年同期比)を下回り、さらにマイナスに低下すれば、実質的な量的引き締めにもなることから、注視してまいります。これら指標の動向から、当連結会計年度の当社グループを取りまく経済環境は底堅いとはいえ、短期的には勢いが弱まっておりました。
しがしながら、長期サイクル(コンドラチェフ・サイクル 約50~60年)では、2010年代の日本経済・株式市場は1950年代あるいは1960年代当時に対応する局面で、2010年代末はAIなどの新しいテクノロジーや産業、東京オリンピックが起爆剤となれば、1950年代後半、1960年代後半当時のように新たな成長・上昇局面に入る可能性もあると見ております。2010年代のGDP成長率は1950年代、1960年代当時の水準には及びませんが、財務省 法人企業統計を見ますと、企業の売上高経常利益率は過去最高水準圏にあります。また、国際商品市況は約30年サイクルが見られ、最初の10年が大幅低下局面、次の10年が横這い局面、最後の10年が大幅上昇局面で構成されており、2010年代は1950年代、1980年代当時に似た大幅低下局面から横這い局面への移行期にあります。原油(ガソリン)や原材料、食品等の価格が低位安定することで個人消費の下支えになると同時に、企業収益の拡大要因ともなり、設備投資の増加や賃金上昇の余地があると考えられます。
当社グループは、2016年から2018年の課題である「開拓してきた幅広いマーケットの深掘りと利益基盤の構築」の実現に向け、従来の主要分野である店舗施設事業における顧客数の増加、メンテナンス事業における取引店舗数の拡大はもとより、新たなる市場で開拓してきた分野につきましても、将来の主力事業として発展させるべく取り組んでまいりました。加えて、経済成長率が日本より高く、日系企業の進出も多い東南アジア・台湾での事業展開を進め、現在7ヵ国で現地法人を設立し、日系企業の海外進出支援を行っております。また、昨今の労働市場における人手不足や働き方改革等に対応するため、数年前から新卒採用を大幅に増やし、企業内職人を育成するとともに、M&Aを積極的に行い、業容の拡張、技術力の共有・向上、即戦力となる技術者の増員を図り、内製化を進めてまいりました。2018年1月には照明分野において高い実績を上げている日本ピー・アイ株式会社、同5月には高層ビルや大型商業施設向けの建築金物に定評がある墨東建材工業株式会社、同12月には(旧)墨東建材工業株式会社のベトナム子会社であるVIET BOKUTO CO., LTDが新たに当社グループに加わり、当社グループは全25社となりました。同じく(旧)墨東建材工業株式会社のベトナム子会社であるBK METAL CO., LTDについても、ベトナム当局の許認可取得後、当社グループに加わる予定です。こうした活動により、各種施設の企画・設計から建築・内装・設備等の施工、設備機器メンテナンスやビル管理まで総合的に請け負い、様々な人々の期待に応えられる体制が整ってまいりました。今後、さらにグループ会社間の連携を深め、シナジーを創出し、グループ全体で生産性を高めて、利益基盤を強固なものにしてまいります。
当連結会計年度においては、受注は順調に伸び、売上高に関しては想定以上に進捗したものの、利益面については特に第3四半期以降、施工案件の増加に対する施工体制の整備、特に人材育成の遅れから、現場における発注ロスや手直し工事が発生したことに加え、人員不足を補うため外注費が増加したことにより、昨年度より粗利率を約2%押し下げました。こうした状況を改善するため、費用増を覚悟して、早急に社内体制の補強に取り組んだ結果、人材採用・育成費用や社内環境向上費用等の販売管理費が計画以上に膨らんだこと、及びM&A関連費用、為替差損益の発生、また働き方改革へ向けた省力化システム・機器投資もあり、当連結会計年度の業績は、売上高428億4千2百万円(前期比37.7%増)、営業利益3億8千万円(前期比55.7%減)、経常利益4億円(前期比58.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8千9百万円(前期比86.8%減)となりました。
次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。
| (単位:千円未満切捨) |
| 関連部門の名称 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 対前連結会計年度比増減額 (△は減) | 対前連結会計年度比 増減率(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 14,114,968 | 13,300,787 | △814,181 | △5.8 |
| フードシステム関連部門 | 14,967,667 | 27,321,958 | 12,354,290 | 82.5 |
| 保守メンテナンス部門 | 2,028,131 | 2,219,907 | 191,776 | 9.5 |
| 計 | 31,110,767 | 42,842,653 | 11,731,885 | 37.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
《スーパーマーケット関連部門》
スーパーマーケット関連部門につきましては、主要顧客である中堅の小売店(中堅チェーン企業や複数店舗を有する企業)の経営環境は概ね底堅く推移しておりますが、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット3団体)を見ますと、食品部門の伸び率(前年比)は2016年から鈍化傾向にあり、直近1年間は平均で約1%まで低下しております。このような状況の下でも、各グループ会社の強みを活かし、新規出店や既存店の改修案件等において、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事など、店舗内で対応できる事業領域の拡大をしてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は133億円(前期比5.8%減)となりました。
《フードシステム関連部門》
フードシステム関連部門につきましては、中心顧客である飲食店の動向に関し、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)を参考にして見ますと、2016年以降、店舗の売上高の伸び率(前年比)は平均で約3%と堅調が続いております。当部門におけるターゲットとして、飲食店だけではなく、大型ホテル、食品加工工場、物流倉庫などの開拓余地の大きい商業施設に関しても意欲的に営業活動を拡げてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は273億2千1百万円(前期比82.5%増)となりました。
《保守メンテナンス部門》
保守メンテナンス部門につきましては、旧来からの店舗設備機器のメンテナンス体制を充実させるとともに、M&Aによりメンテナンス対応可能なグループ会社を増やし、保守点検網を拡充しております。2018年2月には、中国・四国地方の営業サービス網の強化のため、新たに高松メンテナンスステーションを開設いたしました。また、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンス事業も当部門に寄与しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は22億1千9百万円(前期比9.5%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8千5百万円増加し、当連結会計年度末残高は50億2千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1億8千3百万円(前連結会計年度は16億2千2百万円の減少)となりました。
これは、売上債権の増加及び仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上、たな卸資産が減少したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は12億7千1百万円(前連結会計年度は8億9千万円の減少)となりました。
これは、本社及び支店の増設及び人員増加による移転にかかる有形固定資産の取得による支出、子会社株式の取得及び事業の譲受により連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出及び事業譲受による支出があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は11億7千8百万円(前連結会計年度は31億2千3百万円の増加)となりました。
これは、短期及び長期の借入を行ったことが主な要因であります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。
(1) 制作実績
当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 関連部門の名称 | 制作高(千円) | 前年同期比(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 11,860,120 | 90.5 |
| フードシステム関連部門 | 22,390,372 | 116.3 |
| 計 | 34,250,493 | 105.8 |
(注)1 金額は販売価額で算定しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 商品仕入実績
当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 関連部門の名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 13,970,537 | 99.6 | 1,412,395 | 190.2 |
| フードシステム関連部門 | 26,647,535 | 148.2 | 7,301,909 | 91.5 |
| 計 | 40,618,072 | 126.96 | 8,714,304 | 99.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 関連部門の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 13,300,787 | 94.2 |
| フードシステム関連部門 | 27,321,958 | 182.5 |
| 保守メンテナンス部門 | 2,219,907 | 109.5 |
| 計 | 42,842,653 | 137.7 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社白浜館 | - | - | 5,800,553 | 13.5 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
① 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や、仕入・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。
③ のれんの減損処理
当社グループは、のれんの償却方法については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、279億5千3百万円と前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加となりました。
流動資産は、158億3千2百万円と前連結会計年度末に比べ30億3千6百万円の減少となりました。平成30年第4四半期に引渡しが進んだことにより仕掛品が減少したことが主な要因であります。
固定資産は、121億2千1百万円と前連結会計年度末に比べ35億7千万円の増加となりました。これは、保有株式の株価下落による投資有価証券の減少があったものの、長期売掛金の増加が主な要因であります。
(負債の部)
流動負債は、184億円と前連結会計年度末に比べ8億9千9百万円の増加となりました。これは、営業債務が減少したものの、短期借入金及び未払消費税等、工事前受金の増加が主な要因であります。
固定負債は26億6千3百万円と前連結会計年度末に比べ3億4百万円の減少となりました。これは、保有株式の株価下落による繰延税金負債の減少及び長期借入金が減少したことが主な要因であります。
以上の結果、負債の部は210億6千4百万円と前連結会計年度末に比べ5億9千5百万円の増加となりました。
(純資産の部)
純資産の部は68億8千9百万円と前連結会計年度末に比べ6千1百万円の減少となりました。これは、ストック・オプションの行使による資本金の増加があったものの、自己株式の処分及び保有株式の株価下落によるその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。
なお、自己資本比率は24.2%と前連結会計年度末より1.0ポイント減少しております。
(3) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、当社グループの新しい柱となる「商業施設の企画制作事業」「食品工場・物流倉庫の企画制作事業」「建築事業」の3事業分野が堅調に推移したことなどにより428億4千2百万円(前期比37.7%増)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、当社において急激な現場数の増加に対して、施工体制が整わず、外注社員を多用したことなどにより、380億6千6百万円(前期比41.0%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人材採用・育成費用や社内環境向上費用が増加したこと及び連結子会社が増加したことなどにより43億9千5百万円(前期比35.2%増)となりました。
④ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は上記の結果により3億8千万円(前期比55.7%減)となりました。
⑤ 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は、不動産賃貸収入が増加したことなどにより2億1千8百万円(前期比39.1%増)となりました。また、営業外費用は、不動産賃貸原価及び支払利息の増加、貸倒損失の計上などにより1億9千7百万円(前期比262.5%増)となりました。
⑥ 経常利益
経常利益は4億円(前期比58.2%減)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ2.2ポイント減少し0.9%となり、総資産経常利益率(ROA)も2.5ポイント減少し1.4%となりました。
⑦ 特別利益及び特別損失
特別利益は1億1千万円(前期比6.3%減)となりました。また、特別損失は、主に投資有価証券評価損を計上したことより9千4百万円(前期比2251.7%増)となりました。
⑧ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は4億1千6百万円(前期比61.2%減)となりました。
⑨ 法人税等
法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は3億2千7百万円(前期比17.9%減)となりました。また、当連結会計年度における法人税等の負担率(税金等調整前当期純利益に対する法人税等の割合)は78.5%となり、法定実効税率30.86%に比べ47.64ポイント高くなりました。これは主に交際費等永久に損金に算入されない項目及び住民税均等割並びに東京国税局による海外連結子会社との取引にかかる移転価格税制等の指摘による過年度法人税等の計上などの影響によるものであります。
⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益の増減などの影響により0百万円(前期は非支配株主に帰属する当期純損失1百万円)となりました。
⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は8千9百万円(前期比86.8%減)となりました。
その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ9.0ポイント減少し1.3%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大による事務所拡張・移転による内装費用等、省人化及び効率化、間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化や技術者の補充を目的にしたM&A費用があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は8,556,281千円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、資本効率のバランスを考慮しつつも、安定した収益基盤を確立することに注力することで、売上高経常利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組む方針であります。
当連結会計年度に含む直近3連結会計年度の指標は以下のとおりです。
| 指標 | 平成28年度 (第47期) | 平成29年度 (第48期) | 平成30年度 (第49期) | 中期目標 |
| 売上高経常利益率 | 3.2% | 3.1% | 0.9% | 4.0% |
| 自己資本当期純利益率(ROE) | 11.5% | 10.3% | 1.3% | 13.0% |
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。