有価証券報告書-第55期(2024/01/01-2024/12/31)
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍がほぼ収束してから回復基調にあったものの、一服した感もあり、そのような中、原材料価格の高止まりと円安の影響などから物価は上昇傾向にあり、また人手不足もあって人件費も上昇しており、事業者においてはコスト管理がより一段と重要な状況にあります。
当社グループを取りまく経済環境についての判断は、主に景気の現状判断DI・先行き判断DI(内閣府 景気ウォッチャー調査)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリーベース平均残高(日本銀行)の動向等を主要な指標としております。景気の現状判断DI・先行き判断DIと、非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数については、回復の勢いは鈍っているものの底堅く推移しております。一方、日銀は2024年3月の金融政策決定会合にて、賃金と物価の好循環が見通せるようになったと判断し、マイナス金利の解除と、マネタリーベース平均残高の拡大方針の撤廃などを決定して、2016年から継続してきた金融緩和政策を変更しております。今後の経済動向次第でさらに金融政策の正常化が進む可能性があります。
リーマン・ショックが起きた2008年、当社は景気動向に左右されやすい「店舗施設の制作事業」を主力事業としていたことから、その影響を大きく受けて売上高が大幅に減少しましたが、その苦しい経験を糧に「いかなる環境下においても成長していける基盤の構築」をスローガンとして掲げ、顧客層や事業内容を多様化することで景気が落ち込んでも業績への影響を受けにくい企業体制の構築を進めております。「店舗施設の制作事業」については、2008年当時と直近(2024年)を比較しますと、売上高は約2.9倍に増やしながらも、売上高全体に占める同事業の比率は87.5%から62.2%に低下しております。
現在、建設業に関わっている企業の最大の課題は、急速に進んでいる建設業就業者の減少・高齢化、及び2024年4月から建設業にも適用された「働き方改革関連法」(時間外勤務時間の上限を原則として月45時間、年360時間とする)で、技術者の価値が劇的に変わっていくことから、生産性の向上は急務であり、利益率の高い企業へ大きく変革していくことが必要となります。この問題に備えるため、当社グループは、人材(人財)の採用と育成を積極的に行い、グループ内職人を含め従業員を大幅に増やすと同時に、新時代に適応するための DX 基盤構築に巨額の費用を投じて、生産性を上げることに注力してまいりましたが、その結果が売上総利益率の向上という形で表れてきております。
2024年は引き続き、原材料高、円安、金利上昇、国際情勢不安など様々なリスクや懸念はありますが、今一度グループ全体での立て直しを図り、前述の取組みも継続しつつ、売上総利益率をさらに高めていくことができる体制の構築を目指してまいりました。
2025年2月7日付の適時開示「2024年12月期における費用の一括計上と通期連結業績予想及び期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、2024年8月30日開催の第54回定時株主総会で選任された新経営陣によりコンプライアンス強化をしているところ、当社においては以前から振替休日の買取制度が存在し、また、65歳まで勤務することを確約した一部従業員に対し、同年齢まで勤務したときに永年勤続退職金を支給する制度が存在しており、これらについて制度を改めることとし、2024年12月期第4四半期連結会計期間の労務費、及び、販売費及び一般管理費において、過年度も含め、振替休日買取に係る賃金支払い(当社及び当社子会社)につき約597百万円及び永年勤続退職金(当社)につき約102百万円の合計約699百万円を一括計上しております。
また、当社は、2024年2月14日付の適時開示「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」に記載のとおり、特別調査委員会による調査を行い、当該調査に係る一連の費用(当該調査に関する自主点検、訂正監査の実施、過年度の有価証券報告書等の修正に係る費用を含みます。)として、2024年12月期中間連結会計期間において1,163百万円を特別損失として計上しております(当社は、当社代表取締役社長(当時)を含む当社元取締役(監査等委員含む)に対する責任追及を行っておりますが、経緯と現状の詳細については、2025年2月13日付にて適時開示で公表した「東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ」(一部の事項を修正した差替え版を2025年2月14日付にて公表しております。)をご参照ください。)。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上476億5千9百万円(前期比5.6%増)、営業利益2億3千3百万円(前期比49.3%減)、経常利益3億8千8百万円(前期比36.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失4億7千9百万円(前期は2億5千2百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。
《スーパーマーケット関連部門》
スーパーマーケット関連部門につきましては、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット協会3団体)によりますと、昨年はコロナ禍から本格的に脱して、景気は回復基調であったことなどから、売上高の伸び率(前年比)は右肩上がりで、2024年も比較的堅調が続きました。当社グループといたしましては、経済環境に大きく左右されず、あらゆる営業機会を逃さないために、各グループ会社の強みを活かして、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事等、対応できる事業領域やサービスの拡大を図ってまいります。
その結果、当連結会計年度の売上高は129億2千9百万円(前期比13.4%増)となりました。
《フードシステム関連部門》
フードシステム関連部門につきましては、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)によりますと、コロナ禍はほぼ収束したことと、インバウンド需要の盛り上がりなどもあって、同調査の店舗売上高の伸び率(前年比)は昨年から+10%を超える好調が続いておりましたが、足元は若干勢いが落ちてきております。当社グループの主要顧客である飲食店、小売店、商業施設、ホテル等の営業環境は全般的に堅調ですが、コロナ禍を経て業態の構造変化も見られることから、当社グループは今後も状況や時代に適応したサービスや付加価値を提供できるよう努めてまいります。
その結果、当連結会計年度の売上高は316億3千1百万円(前期比2.2%増)となりました。
《保守メンテナンス部門》
メンテナンス事業につきましては、CS(カスタマー・サティスファクション)サポート部を中心に、コールセンターにてお客様からの修理依頼に応えるだけではなく、満足度を高めるための保守改善提案等にも力を入れております。2017年6月からメンテナンス営業の専門チームを立ち上げ、これまでの取引先に加え、新規顧客の開拓を続け、新規の保守メンテナンス店舗数は現在までに約26,600件となりました。また、メンテナンス員の稼働率向上のため、2022年より中央指令室を設置し、スケジュール管理と人員配置を徹底するとともに、ウェアラブルデバイスを活用した遠隔支援も行える体制を整えております。さらに、技術レベルに応じた研修プログラムを実施し、工種の異なる作業にも対応できるマルチメンテナンス部員の育成を進め、1人当たりの稼働率(メンテナンス部員1人が1日当たりに対応するメンテナンス件数)を高める取組みを行っております。
加えて、従来の修理・保守といったメンテナンスだけではなく、新たな形として食品工場向けの常駐型設備メンテナンスサービスも行っており、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンスは当該分野において主力の一角となっております。
その結果、当連結会計年度の売上高は30億9千8百万円(前期比11.6%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ2億7千8百万円増加し、当連結会計年度末残高は66億6千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は8億6千万円(前連結会計年度は1億4千1百万円の減少)となりました。
これは、税金等調整前当期純損失の計上、仕入債務の減少及び未払消費税等の減少及び法人税の支払いがあったものの、売上債権及び契約資産の減少、契約負債の増加が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は4億9千8百万円(前連結会計年度は11億8千万円の増加)となりました。
これは、担保預金の預入による支出があったものの、担保預金の払戻による収入及び投資有価証券の売却による収入があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は11億1千万円(前連結会計年度は11億6千8百万円の減少)となりました。
これは、新たな長期の借入れがあったものの、短期借入金及び長期借入金の返済による支出が主な要因であります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。
(1) 制作実績
当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価額で算定しております。
(2) 商品仕入実績
当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、254億9千5百万円と前連結会計年度末に比べ18億8千4百万円の減少となりました。
流動資産は、168億8千7百万円と前連結会計年度末に比べ10億2千2百万円の減少となりました。これは、現金及び預金が増加したものの、売上債権、仕掛品及び当社の前代表取締役社長から不適切事案に係る接待交際費等の不適切経費が返還されたことよる未収入金が減少したことが主な要因であります。
固定資産は、86億8百万円と前連結会計年度末に比べ8億6千1百万円の減少となりました。これは、繰延税金資産が増加したものの、土地及び投資有価証券の売却及び長期売掛金を回収したことによる減少が主な要因であります。
(負債の部)
流動負債は、151億8千3百万円と前連結会計年度末に比べ8億5千4百万円の減少となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金の増加、契約負債及び未払費用の増加があったものの、仕入債務及び有利子負債の返済、未払法人税等及び未払消費税等の減少が主な要因であります。
固定負債は9億9千3百万円と前連結会計年度末に比べ2億9千8百万円の減少となりました。これは、長期未払金が増加したものの、1年内返済予定の長期借入金への振替による減少が主な要因であります。
以上の結果、負債の部は161億7千7百万円と前連結会計年度末に比べ11億5千2百万円の減少となりました。
(純資産の部)
純資産の部は93億1千8百万円と前連結会計年度末に比べ7億3千1百万円の減少となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び投資有価証券売却によるその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。
なお、自己資本比率は36.4%と前連結会計年度末より0.2ポイント減少しております。
(3) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、当社の大型案件において、ゼネコンによる工事進捗や着工の遅れの影響を一部の現場で受けたものの、コロナ禍収束後において各業種の顧客の投資意欲が活発であり、当社グループ全体において受注環境が全般的に良好である中で、476億5千9百万円(前期比5.6%増)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、売上高の大部分を占める当社において、低粗利案件の戦略受注及び物価高への対応が進んできたものの影響が残っていることや、新経営陣によりコンプライアンス強化の中で振替休日の買取制度及び永年勤続退職金を支給する制度が存在していたことへの対応による一過性の費用として振替休日買取に係る従業員への支払い賃金を計上したこと等の影響を受けたものの、連結子会社の業績が好調であることにより、売上原価率は87.5%と前連結会計年度末より0.1ポイント減少しました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に当社において、当社元代表取締役社長の接待交際費等の一部についての疑義、及び過年度の当社に対する取引先の債務の返済原資に関連しての不適切な処理の疑義等の一連の不適切事案に係る特別調査委員会の2024年4月12日付の調査報告書を踏まえたガバナンス委員会の答申の提言を受けて当連結会計年度中に当社の経営陣が刷新されたことにより役員報酬が減少したものの、内部統制・ガバナンス強化のための弁護士・公認会計士等の外部専門家への報酬顧問料が増加したこと、新経営陣によりコンプライアンス強化の中で振替休日の買取制度及び永年勤続退職金を支給する制度が存在していたことへの対応による一過性の費用として振替休日買取に係る従業員への支払い賃金及び退職金(販売費及び一般管理費対応分)を計上したこと、前連結会計年度は2023年12月末日の基準日を2024年2月末日としたことによる年1回分の計上であった株主優待について当連結会計年度は2回分となったことによる交際接待費の増加により、前年同期より6億2千万円増加し、57億4千4百万円(前期比12.1%増)となりました。
④ 営業損益
当連結会計年度は上記の結果により2億3千3百万円の営業利益(前期比49.3%減)となりました。
⑤ 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は、主に為替差益の発生及び不動産賃貸料により4億9百万円(前期比14.7%増)となりました。
また、営業外費用は、主に支払利息及び不動産賃貸原価により2億5千4百万円(前期比24.0%増)となりました。
⑥ 経常損益
当連結会計年度は3億8千8百万円の経常利益(前期比36.5%減)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は0.9%となり、総資産経常利益率(ROA)は1.5%と前連結会計年度末より0.6ポイント減少しました。
⑦ 特別利益及び特別損失
特別利益は、主に投資有価証券売却益の計上により4億2千1百万円となりました。
また、特別損失は、主に固定資産売却損、当社における不動産売却及び連結子会社であったBK METAL CO., LTDの閉鎖にかかる減損損失を計上したこと、特別調査費用(特別調査委員会による調査費用及びそれに伴う過年度決算訂正関連費用)の計上により12億1千1百万円となりました。
⑧ 税金等調整前当期純損益
当連結会計年度は4億1百万円の税金等調整前当期純損失(前期は5億9千3百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
⑨ 法人税等
法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計額)は7千5百万円(前期比77.7%減)となりました。これは主に当社における課税所得の減少によるものです。
⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益(又は当期純損失)の増減の影響を受けますが、当社グループにおける影響は僅少であります。
⑪ 親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度は4億7千9百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は2億5千2百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ7.5ポイント減少し△5.0%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価並びに販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大等による事務所等の拡張、メンテナンスステーション開設、移転による内装費用等、省人化及び効率化及び間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化及び技術者の補充を目的にした採用費用があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は4,947百万円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、いかなる事業環境の変化においても企業として継続のうえ、持続的に成長していくために、営業利益率等の利益率及び株主還元に係る指標を重要な経営指標とし、収益性の向上及び効率的経営に取り組む方針であり、2024年8月に発足した新経営体制において、中期経営計画及び中長期的な会社の経営戦略を今後に策定し、具体的な経営指標や目標達成時期等も定めてまいります。なお、当連結会計年度を含む直近3連結会計年度の売上高営業利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)は以下のとおりです。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍がほぼ収束してから回復基調にあったものの、一服した感もあり、そのような中、原材料価格の高止まりと円安の影響などから物価は上昇傾向にあり、また人手不足もあって人件費も上昇しており、事業者においてはコスト管理がより一段と重要な状況にあります。
当社グループを取りまく経済環境についての判断は、主に景気の現状判断DI・先行き判断DI(内閣府 景気ウォッチャー調査)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリーベース平均残高(日本銀行)の動向等を主要な指標としております。景気の現状判断DI・先行き判断DIと、非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数については、回復の勢いは鈍っているものの底堅く推移しております。一方、日銀は2024年3月の金融政策決定会合にて、賃金と物価の好循環が見通せるようになったと判断し、マイナス金利の解除と、マネタリーベース平均残高の拡大方針の撤廃などを決定して、2016年から継続してきた金融緩和政策を変更しております。今後の経済動向次第でさらに金融政策の正常化が進む可能性があります。
リーマン・ショックが起きた2008年、当社は景気動向に左右されやすい「店舗施設の制作事業」を主力事業としていたことから、その影響を大きく受けて売上高が大幅に減少しましたが、その苦しい経験を糧に「いかなる環境下においても成長していける基盤の構築」をスローガンとして掲げ、顧客層や事業内容を多様化することで景気が落ち込んでも業績への影響を受けにくい企業体制の構築を進めております。「店舗施設の制作事業」については、2008年当時と直近(2024年)を比較しますと、売上高は約2.9倍に増やしながらも、売上高全体に占める同事業の比率は87.5%から62.2%に低下しております。
現在、建設業に関わっている企業の最大の課題は、急速に進んでいる建設業就業者の減少・高齢化、及び2024年4月から建設業にも適用された「働き方改革関連法」(時間外勤務時間の上限を原則として月45時間、年360時間とする)で、技術者の価値が劇的に変わっていくことから、生産性の向上は急務であり、利益率の高い企業へ大きく変革していくことが必要となります。この問題に備えるため、当社グループは、人材(人財)の採用と育成を積極的に行い、グループ内職人を含め従業員を大幅に増やすと同時に、新時代に適応するための DX 基盤構築に巨額の費用を投じて、生産性を上げることに注力してまいりましたが、その結果が売上総利益率の向上という形で表れてきております。
2024年は引き続き、原材料高、円安、金利上昇、国際情勢不安など様々なリスクや懸念はありますが、今一度グループ全体での立て直しを図り、前述の取組みも継続しつつ、売上総利益率をさらに高めていくことができる体制の構築を目指してまいりました。
2025年2月7日付の適時開示「2024年12月期における費用の一括計上と通期連結業績予想及び期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、2024年8月30日開催の第54回定時株主総会で選任された新経営陣によりコンプライアンス強化をしているところ、当社においては以前から振替休日の買取制度が存在し、また、65歳まで勤務することを確約した一部従業員に対し、同年齢まで勤務したときに永年勤続退職金を支給する制度が存在しており、これらについて制度を改めることとし、2024年12月期第4四半期連結会計期間の労務費、及び、販売費及び一般管理費において、過年度も含め、振替休日買取に係る賃金支払い(当社及び当社子会社)につき約597百万円及び永年勤続退職金(当社)につき約102百万円の合計約699百万円を一括計上しております。
また、当社は、2024年2月14日付の適時開示「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」に記載のとおり、特別調査委員会による調査を行い、当該調査に係る一連の費用(当該調査に関する自主点検、訂正監査の実施、過年度の有価証券報告書等の修正に係る費用を含みます。)として、2024年12月期中間連結会計期間において1,163百万円を特別損失として計上しております(当社は、当社代表取締役社長(当時)を含む当社元取締役(監査等委員含む)に対する責任追及を行っておりますが、経緯と現状の詳細については、2025年2月13日付にて適時開示で公表した「東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ」(一部の事項を修正した差替え版を2025年2月14日付にて公表しております。)をご参照ください。)。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上476億5千9百万円(前期比5.6%増)、営業利益2億3千3百万円(前期比49.3%減)、経常利益3億8千8百万円(前期比36.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失4億7千9百万円(前期は2億5千2百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。
| (単位:百万円未満切捨) |
| 関連部門の名称 | 前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 対前連結会計 年度比増減額 | 対前連結会計年度比 増減率(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 11,399 | 12,929 | 1,529 | 13.4 |
| フードシステム関連 部門 | 30,941 | 31,631 | 690 | 2.2 |
| 保守メンテナンス 部門 | 2,775 | 3,098 | 322 | 11.6 |
| 計 | 45,116 | 47,659 | 2,543 | 5.6 |
《スーパーマーケット関連部門》
スーパーマーケット関連部門につきましては、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット協会3団体)によりますと、昨年はコロナ禍から本格的に脱して、景気は回復基調であったことなどから、売上高の伸び率(前年比)は右肩上がりで、2024年も比較的堅調が続きました。当社グループといたしましては、経済環境に大きく左右されず、あらゆる営業機会を逃さないために、各グループ会社の強みを活かして、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事等、対応できる事業領域やサービスの拡大を図ってまいります。
その結果、当連結会計年度の売上高は129億2千9百万円(前期比13.4%増)となりました。
《フードシステム関連部門》
フードシステム関連部門につきましては、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)によりますと、コロナ禍はほぼ収束したことと、インバウンド需要の盛り上がりなどもあって、同調査の店舗売上高の伸び率(前年比)は昨年から+10%を超える好調が続いておりましたが、足元は若干勢いが落ちてきております。当社グループの主要顧客である飲食店、小売店、商業施設、ホテル等の営業環境は全般的に堅調ですが、コロナ禍を経て業態の構造変化も見られることから、当社グループは今後も状況や時代に適応したサービスや付加価値を提供できるよう努めてまいります。
その結果、当連結会計年度の売上高は316億3千1百万円(前期比2.2%増)となりました。
《保守メンテナンス部門》
メンテナンス事業につきましては、CS(カスタマー・サティスファクション)サポート部を中心に、コールセンターにてお客様からの修理依頼に応えるだけではなく、満足度を高めるための保守改善提案等にも力を入れております。2017年6月からメンテナンス営業の専門チームを立ち上げ、これまでの取引先に加え、新規顧客の開拓を続け、新規の保守メンテナンス店舗数は現在までに約26,600件となりました。また、メンテナンス員の稼働率向上のため、2022年より中央指令室を設置し、スケジュール管理と人員配置を徹底するとともに、ウェアラブルデバイスを活用した遠隔支援も行える体制を整えております。さらに、技術レベルに応じた研修プログラムを実施し、工種の異なる作業にも対応できるマルチメンテナンス部員の育成を進め、1人当たりの稼働率(メンテナンス部員1人が1日当たりに対応するメンテナンス件数)を高める取組みを行っております。
加えて、従来の修理・保守といったメンテナンスだけではなく、新たな形として食品工場向けの常駐型設備メンテナンスサービスも行っており、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンスは当該分野において主力の一角となっております。
その結果、当連結会計年度の売上高は30億9千8百万円(前期比11.6%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ2億7千8百万円増加し、当連結会計年度末残高は66億6千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は8億6千万円(前連結会計年度は1億4千1百万円の減少)となりました。
これは、税金等調整前当期純損失の計上、仕入債務の減少及び未払消費税等の減少及び法人税の支払いがあったものの、売上債権及び契約資産の減少、契約負債の増加が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は4億9千8百万円(前連結会計年度は11億8千万円の増加)となりました。
これは、担保預金の預入による支出があったものの、担保預金の払戻による収入及び投資有価証券の売却による収入があったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は11億1千万円(前連結会計年度は11億6千8百万円の減少)となりました。
これは、新たな長期の借入れがあったものの、短期借入金及び長期借入金の返済による支出が主な要因であります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。
(1) 制作実績
当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 関連部門の名称 | 制作高(百万円) | 前年同期比(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 11,029 | 114.7 |
| フードシステム関連部門 | 30,643 | 106.9 |
| 計 | 41,672 | 108.9 |
(注) 金額は販売価額で算定しております。
(2) 商品仕入実績
当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 関連部門の名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 15,509 | 160.0 | 3,596 | 353.7 |
| フードシステム関連部門 | 30,635 | 97.8 | 12,327 | 92.5 |
| 計 | 46,144 | 112.5 | 15,924 | 111.0 |
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 関連部門の名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| スーパーマーケット関連部門 | 12,929 | 113.4 |
| フードシステム関連部門 | 31,631 | 102.2 |
| 保守メンテナンス部門 | 3,098 | 111.6 |
| 計 | 47,659 | 105.6 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、254億9千5百万円と前連結会計年度末に比べ18億8千4百万円の減少となりました。
流動資産は、168億8千7百万円と前連結会計年度末に比べ10億2千2百万円の減少となりました。これは、現金及び預金が増加したものの、売上債権、仕掛品及び当社の前代表取締役社長から不適切事案に係る接待交際費等の不適切経費が返還されたことよる未収入金が減少したことが主な要因であります。
固定資産は、86億8百万円と前連結会計年度末に比べ8億6千1百万円の減少となりました。これは、繰延税金資産が増加したものの、土地及び投資有価証券の売却及び長期売掛金を回収したことによる減少が主な要因であります。
(負債の部)
流動負債は、151億8千3百万円と前連結会計年度末に比べ8億5千4百万円の減少となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金の増加、契約負債及び未払費用の増加があったものの、仕入債務及び有利子負債の返済、未払法人税等及び未払消費税等の減少が主な要因であります。
固定負債は9億9千3百万円と前連結会計年度末に比べ2億9千8百万円の減少となりました。これは、長期未払金が増加したものの、1年内返済予定の長期借入金への振替による減少が主な要因であります。
以上の結果、負債の部は161億7千7百万円と前連結会計年度末に比べ11億5千2百万円の減少となりました。
(純資産の部)
純資産の部は93億1千8百万円と前連結会計年度末に比べ7億3千1百万円の減少となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び投資有価証券売却によるその他有価証券評価差額金の減少が主な要因であります。
なお、自己資本比率は36.4%と前連結会計年度末より0.2ポイント減少しております。
(3) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、当社の大型案件において、ゼネコンによる工事進捗や着工の遅れの影響を一部の現場で受けたものの、コロナ禍収束後において各業種の顧客の投資意欲が活発であり、当社グループ全体において受注環境が全般的に良好である中で、476億5千9百万円(前期比5.6%増)となりました。
② 売上原価
当連結会計年度の売上原価は、売上高の大部分を占める当社において、低粗利案件の戦略受注及び物価高への対応が進んできたものの影響が残っていることや、新経営陣によりコンプライアンス強化の中で振替休日の買取制度及び永年勤続退職金を支給する制度が存在していたことへの対応による一過性の費用として振替休日買取に係る従業員への支払い賃金を計上したこと等の影響を受けたものの、連結子会社の業績が好調であることにより、売上原価率は87.5%と前連結会計年度末より0.1ポイント減少しました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に当社において、当社元代表取締役社長の接待交際費等の一部についての疑義、及び過年度の当社に対する取引先の債務の返済原資に関連しての不適切な処理の疑義等の一連の不適切事案に係る特別調査委員会の2024年4月12日付の調査報告書を踏まえたガバナンス委員会の答申の提言を受けて当連結会計年度中に当社の経営陣が刷新されたことにより役員報酬が減少したものの、内部統制・ガバナンス強化のための弁護士・公認会計士等の外部専門家への報酬顧問料が増加したこと、新経営陣によりコンプライアンス強化の中で振替休日の買取制度及び永年勤続退職金を支給する制度が存在していたことへの対応による一過性の費用として振替休日買取に係る従業員への支払い賃金及び退職金(販売費及び一般管理費対応分)を計上したこと、前連結会計年度は2023年12月末日の基準日を2024年2月末日としたことによる年1回分の計上であった株主優待について当連結会計年度は2回分となったことによる交際接待費の増加により、前年同期より6億2千万円増加し、57億4千4百万円(前期比12.1%増)となりました。
④ 営業損益
当連結会計年度は上記の結果により2億3千3百万円の営業利益(前期比49.3%減)となりました。
⑤ 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は、主に為替差益の発生及び不動産賃貸料により4億9百万円(前期比14.7%増)となりました。
また、営業外費用は、主に支払利息及び不動産賃貸原価により2億5千4百万円(前期比24.0%増)となりました。
⑥ 経常損益
当連結会計年度は3億8千8百万円の経常利益(前期比36.5%減)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は0.9%となり、総資産経常利益率(ROA)は1.5%と前連結会計年度末より0.6ポイント減少しました。
⑦ 特別利益及び特別損失
特別利益は、主に投資有価証券売却益の計上により4億2千1百万円となりました。
また、特別損失は、主に固定資産売却損、当社における不動産売却及び連結子会社であったBK METAL CO., LTDの閉鎖にかかる減損損失を計上したこと、特別調査費用(特別調査委員会による調査費用及びそれに伴う過年度決算訂正関連費用)の計上により12億1千1百万円となりました。
⑧ 税金等調整前当期純損益
当連結会計年度は4億1百万円の税金等調整前当期純損失(前期は5億9千3百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
⑨ 法人税等
法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計額)は7千5百万円(前期比77.7%減)となりました。これは主に当社における課税所得の減少によるものです。
⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益(又は当期純損失)の増減の影響を受けますが、当社グループにおける影響は僅少であります。
⑪ 親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度は4億7千9百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は2億5千2百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ7.5ポイント減少し△5.0%となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価並びに販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大等による事務所等の拡張、メンテナンスステーション開設、移転による内装費用等、省人化及び効率化及び間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化及び技術者の補充を目的にした採用費用があります。
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は4,947百万円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、いかなる事業環境の変化においても企業として継続のうえ、持続的に成長していくために、営業利益率等の利益率及び株主還元に係る指標を重要な経営指標とし、収益性の向上及び効率的経営に取り組む方針であり、2024年8月に発足した新経営体制において、中期経営計画及び中長期的な会社の経営戦略を今後に策定し、具体的な経営指標や目標達成時期等も定めてまいります。なお、当連結会計年度を含む直近3連結会計年度の売上高営業利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)は以下のとおりです。
| 指標 | 2022年度 (第53期) | 2023年度 (第54期) | 2024年度 (第55期) |
| 売上高営業利益率 | △0.8% | 1.0% | 0.5% |
| 自己資本当期純利益率(ROE) | △1.7% | 2.5% | △5.0% |
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。