有価証券報告書-第23期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
8 金融リスク管理
(1)資本管理及び財務上のリスク管理方針
当企業グループの資本管理は、財務の健全性を堅持するため、事業のリスクに見合った適正な資本水準、並びに負債・資本構成を維持することを基本方針としております。当企業グループが管理対象としている、有利子負債(社債及び借入金)から現金及び現金同等物を控除した純額、及び資本(親会社の所有者に帰属する持分)の残高は次のとおりであります。
なお、当企業グループの国内子会社は金融商品取引法及び保険業法等によって定められる資本規制の対象となっており、一定水準以上の資本規制比率を維持しております。
当企業グループの国内子会社が適用を受ける重要な資本規制は以下のとおりです。
1.株式会社SBI証券は金融商品取引法によって定められる水準の自己資本規制比率を保つ必要があり、金融庁は、自己資本規制比率が120%を下回る場合は、業務方法の変更等を命ずることができます。
2.SBI生命保険株式会社、SBI損害保険株式会社及び当企業グループの少額短期保険業を運営する会社は保険業法によって定められる水準のソルベンシー・マージン比率を保つ必要があり、金融庁は、ソルベンシー・マージン比率が200%を下回る場合は、経営の健全性を確保するための合理的と認められる改善計画の提出及びその実行を命ずることができます。
また、大韓民国に本社を置く株式会社SBI貯蓄銀行は貯蓄銀行法や大株主適格性基準によって定められた自己資本比率を満たす必要があり、韓国金融委員会は所定の自己資本比率を満たしていない場合は、警告や業務停止等を命ずることができます。
当企業グループは、投資事業、ファンド運営事業、証券事業、銀行事業、貸付事業、保険事業等、広範な金融関連事業を営んでおり、特定企業や分野へリスクが過度に集中することのないよう、分散を図っております。これらの事業を行うために必要となる資金は、市場環境や長短のバランスを考慮して、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券金融会社との取引、及び顧客預金の受入等により調達しております。
また、当企業グループが行っているデリバティブ取引は、為替予約取引、金利スワップ取引、株価指数先物取引、証拠金取引等であります。為替予約取引及び金利スワップ取引については、ヘッジ目的の取引に限定しており、投機的な取引は行わない方針であります。株価指数先物取引については、日計りを中心とする短期取引であり、取引の規模について上限を設けております。
当企業グループは、財務の健全性及び業務の適切性を確保するため、当企業グループ各社における各種リスクを把握・分析し、適切な方法で統合的なリスク管理に努めることをリスク管理の基本方針としております。
なお、当企業グループは、金融商品に係るリスクとしては主に以下のリスクを負っております。
・信用リスク
・市場リスク
・流動性リスク
(2)金融商品から生じるそれぞれのリスク
当企業グループが保有する金融資産は、主として投資関連資産、証券業関連資産及び融資関連資産であります。
投資関連資産には、営業投資有価証券、その他の投資有価証券、及び持分法で会計処理されている投資等が含まれ、これらは主に、株式、投資事業組合等への出資金であり、純投資目的及び政策投資目的で保有しております。これらはそれぞれ発行体の信用リスク及び市場価格の変動リスクに晒されているほか、非上場株式については流動性が乏しく、また、外貨建投資資産については為替リスクに晒されております。
証券業関連資産には、預託金、信用取引資産、トレーディング資産、約定見返勘定、短期差入保証金等が含まれ、これらは当企業グループが行っている証券事業の顧客、証券金融会社、取引金融機関に対する信用リスク及び金利の変動リスクに晒されております。また、トレーディング資産については、発行体の信用リスク及び市場価格の変動リスクにも晒されております。なお、上記のトレーディング資産、約定見返勘定、短期差入保証金は連結財政状態計算書上、その他の証券業関連資産に含めて表示されております。
融資関連資産には、営業貸付金等が含まれ、これらは主に、法人及び個人に対する不動産担保ローン、個人向け無担保ローン等の債権であります。これらはそれぞれ、顧客の信用リスクに晒されており、経済環境等の状況の変化により、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があるほか、金利の変動リスクに晒されております。なお、上記の融資関連資産は連結財政状態計算書上、営業債権及びその他の債権に含めて表示されております。
当企業グループの金融負債は、主として借入金、社債、顧客預金及び証券業関連負債であります。
借入金は、取引金融機関の当企業グループに対する取引姿勢の変化等により、社債は市場環境の変化や、格付会社による当企業グループの信用格付の引下げ等により、資金調達が制約される流動性リスクに晒されております。
顧客預金は銀行事業における重要な資金調達手段であり、十分安全性に配慮した運用を実施しておりますが、預金の流出等により必要な資金確保が困難になる等の流動性リスクに晒されております。
証券業関連負債には、信用取引負債、有価証券担保借入金、顧客からの預り金、受入保証金、約定見返勘定等が含まれ、当企業グループが行っている証券事業において、証券金融会社の取引方針や顧客の投資スタンスの変化等により、調達環境は変動することがありますが、基本的には、証券業関連資産と紐付いた管理を行うことで、当該リスクは軽減されるものであります。なお、上記の約定見返勘定は連結財政状態計算書上、その他の証券業関連負債に含めて表示されております。
ヘッジ手段の為替予約取引については、外貨建債権債務の決済及び外貨建有価証券の売買取引に係る短期的な為替レートの変動リスクを回避する目的で利用しております。また、金利スワップ取引については、借入金利の将来の金利市場における利率上昇による変動リスクを回避する目的で利用しております。
株価指数先物取引については投資事業の一環として取り組んでおり、価格変動リスクに晒されております。
為替予約取引及び金利スワップ取引は、取引の相手方が信用度の高い国内の金融機関であること、株価指数先物取引は公的な市場における取引であることから、取引先の債務不履行による信用リスクは僅少と認識しております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
当社はリスクを把握し、適切に評価して管理するため、取締役会が定めるリスク管理規程及び関係会社管理規程に従い、リスク管理に関する責任者としてリスク管理担当役員を定めるとともに、リスク管理部門を設置しております。同部門において、当企業グループのリスクの状況を定期的又は随時把握し、リスク管理に努めております。
(4)信用リスク管理
(a)信用リスク管理実務
① 償却原価で測定される金融資産及びFVTOCIで測定する負債性金融資産に関する信用リスク
信用リスクとは、当企業グループが信用供与を行っている取引先が債務を履行できなくなり当企業グループが財務的損失を被ることとなるリスクのことです。
当企業グループでは、予想信用損失の認識は個別の評価を原則としておりますが、個別の評価を行うために過大なコストや労力が必要となる場合には、信用格付けや担保の価値など共通の信用リスク特性に基づいてグルーピングを行い当該集合に対して予想信用損失を認識しております。
償却原価で測定される金融資産のうち、営業債権については、常に信用損失引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
営業債権以外の償却原価で測定される金融資産及びFVTOCIで測定する負債性金融資産についての信用リスク管理実務は以下のとおりとなります。
当企業グループは、予想信用損失の測定についてデフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)及び報告日における債権額をインプットとして用いております。PD及びLGDは、過去の実績に基づいて算出した情報又は外部機関から入手した情報を基礎にした値を使用しております。これらの値に加え、取引の過程で入手可能となった信用情報等を基に将来予測的な情報を格付けに反映した上で、予想信用損失の測定を行っております。
そして、当初認識以降の信用リスクの変動及び水準に基づき、債権を以下のように三段階に区分し、信用損失引当金を認識しております。
・報告日時点で「信用リスクが低い」場合、又は信用リスクが低くないが当初認識以降「信用リスクが著しく増大」していない場合には、上記インプットを基に12ヶ月の予想信用損失を信用損失引当金として認識しております。
・「信用減損」ではないが信用リスクが低くないと判断された場合、かつ当初認識以降「信用リスクが著しく増大」した場合には、上記インプットを基に全期間の予想信用損失を信用損失引当金として認識しております。
・「信用減損」の場合、上記インプットを基に全期間の予想信用損失を信用損失引当金として認識しております。
信用リスクの評価は、当該金融商品に係るデフォルトリスクの変化に基づいて判定しております。この判定には、金融商品の内部又は外部の信用格付け、期日経過の情報など過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を用いております。具体的には「投資適格」に該当する外部信用格付けの場合、又は国際的に通用する低い信用リスクの定義と一致する内部信用格付けの場合には、「信用リスクが低い」と判定します。「信用リスクが低い」状態からの悪化又は当初認識時に信用リスクは低くはなかったが、その後信用リスクが著しく増大した金融商品について「信用リスクの著しい増大」と判定します。具体的には外部格付けの「投資適格」から「投機適格」への下落や「期限の利益喪失日の経過」などが該当します。さらに見積将来キャッシュ・フローに悪影響を与える事象が発生している場合には「信用減損」と判定しており、これらの事象には債務不履行などの契約違反、債務者の著しい財務状況の悪化、各国の規制当局で不良と判断される要件に合致すること、などが含まれます。債務不履行には決算日基準で期限の利益喪失から60日以上の経過などが該当します。
また、ある金融資産を回収する合理的な予想を有していない場合には、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接償却しております。ただし、これら直接償却された金融資産に関しては外部への売却により回収が行われる場合もあります。
② その他の金融資産に関する信用リスク
その他の金融資産に関する信用リスクとは、主に投資に関する事業から生じる信用リスクであり、投融資先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少又は消失し、当企業グループが損失を被るリスクのことです。なお、信用リスクには海外投融資先の属する国の外貨事情や政治・経済情勢等の変化により損失を被るカントリーリスクを含んでおります。
当企業グループの信用リスクの管理方針は以下のとおりであります。
1.投融資先の状況を的確に把握し、信用リスクの計量化を行う。
2.自己資本とリスク量のバランスを定期的なモニタリングにより適切に管理する。
3.海外への投融資にあたっては、国内拠点、海外拠点及び現地の提携企業と連携して固有のリスクを把握し、対応状況を定期的にモニタリングする。
4.信用リスクのうち、投資リスクを管理対象とする重要なリスクと位置づけ、営業投資有価証券勘定等のリスク量の増減に関する要因分析を行う。
当企業グループは、上記のリスク管理方針に沿って事業を営んでおり、また、事業の一環として、法人及び個人の顧客向けに信用供与を行っている子会社においては、個別に定めた基本規程等に従い、適宜モニタリングを行っております。
(b)予想信用損失から生じた金額に関する定量的情報及び定性的情報
信用損失引当金の増減は次のとおりであります。
信用損失引当金の主な増減は、正常債権の残高が増加したことに伴う引当金の増加によるものです。
ローン・コミットメントの未実行残高に対する前期末及び当期末の信用損失引当金は、それぞれ203百万円及び558百万円となります。
また、前期及び当期において直接償却した金融資産のうち、履行強制活動の対象としている未回収残高は、それぞれ2,433百万円及び2,181百万円であります。
(c)信用リスク・エクスポージャー
当企業グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
当期末(2021年3月31日)
個人与信及び法人与信の区分については以下の通りであります。
・GroupA:信用リスクが低い金融資産であり、外部格付けの場合には「投資適格」に該当いたします。
・GroupB:信用リスクが低くはないが高くもない金融資産であり、外部格付けの場合にはBBB未満CCC以上に該当いたします。
・GroupC以下:信用リスクが高いもしくは極めて高い状態の金融資産であり、外部格付けの場合にはCCC未満に該当いたします。
上記「営業債権及びその他の債権」の金額は、保険の付保や担保の取得により回収が見込まれる金額を含んでおります。受け入れている担保は主に、中小の不動産業者や個人等に対し行うローンにおいて担保として受け入れる不動産等で構成されております。担保設定時の評価額は市場価値及び独立した第三者による算定額に基づいており、当該評価額が債権を保全するに足るよう債権額を決定しておりますが、不動産市場等の市況悪化により担保価値が充分でなくなる可能性があります。また担保として保有する資産を担保権の実行等によって当企業グループが保有することとなった場合、当該資産を可及的速やかに売却、競売等を行い、債権の回収を行います。
なお、前期末及び当期末の信用減損している金融資産に対する信用損失引当金は、保証として保有している担保及び他の信用補完により、それぞれ12,763百万円及び15,287百万円軽減しております。
また、ローン・コミットメントのうち、未実行残高に対する信用リスク・エクスポージャーは次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
当期末(2021年3月31日)
(5)市場リスク管理
市場リスクとは、金利、株価、為替等の変動により当企業グループが損失を被るリスクのことです。
当企業グループの市場リスクの管理方針は以下のとおりであります。
1.資産の通貨・タームを把握し、市場リスクの計量化を行う。
2.自己資本とリスク量のバランスを定期的なモニタリングにより適切に管理する。
3.運用規程を定めない投機目的でのデリバティブ取引は行わない。
① 株価リスク
当企業グループは投資ポートフォリオから生じる株価リスクに晒されており、前期末及び当期末に保有する「営業投資有価証券」及び「その他の投資有価証券」について、市場価格が10%上昇した場合、連結損益計算書の「税引前利益」は、それぞれ14,886百万円、18,726百万円の増加となります。
なお、報告日における投資ポートフォリオは以下のとおりであります。
② 為替リスク
当企業グループは、主に、USドル(USD)、香港ドル(HKD)といったグループ企業の各機能通貨以外の通貨(以下、「外貨」)建て資産・負債について、為替リスクに晒されております。当企業グループの為替リスクに対する主なエクスポージャーは次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
当期末(2021年3月31日)
当企業グループの前期末及び当期末に保有する外貨建貨幣性金融商品について、各外貨が機能通貨に対して1%増価した場合、連結損益計算書の税引前利益は、前期末1,256百万円の減少及び当期末1,558百万円の減少となります。なお、金利等のその他の要因は一定であることを前提としております。
③ 金利リスク
当企業グループは、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されています。金利の変動は、金融資産については主に銀行預金や、金融サービス事業の子会社が保有する金銭信託、コールローン、法人及び個人向け融資に係る債権等から発生する金利収益に、金融負債については主に外部金融機関からの借入金、社債及び顧客預金等から発生する金利費用にそれぞれ影響を及ぼします。
当企業グループの前期末及び当期末に保有する金融商品について、金利が100bp上昇した場合、連結損益計算書の税引前利益は、それぞれ584百万円の減少及び1,240百万円の増加となります。
なお、金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。
(6)流動性リスク管理
流動性リスクとは、当企業グループが財務内容の悪化等により必要な資金が確保できない場合や、通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク及び市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクのことです。
当企業グループの流動性リスクの管理方針は以下のとおりであります。
1.銀行借入極度、社債発行登録、増資等、各種資金調達手段を確保する。
2.当企業グループの資金需要に関する情報収集に努め、資金繰りの状況を的確に把握する。
3.流動性リスクのうち資金繰りリスクを、管理対象とする重要なリスクと位置づけ、上記流動性リスクの管理方針1及び2につき、資金繰り主管部署より報告を受ける。
流動性リスクは現金又は他の金融資産を引き渡すことで決済される金融負債により生じます。当企業グループの金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
当期末(2021年3月31日)
また、当企業グループは国内外の有力金融機関と当座貸越契約等のコミットメント契約を締結することにより、効率的に運転資金を調達し、流動性リスクの軽減を図っております。
各期末におけるコミットメント契約の総額及び実行済残高は次のとおりであります。
(1)資本管理及び財務上のリスク管理方針
当企業グループの資本管理は、財務の健全性を堅持するため、事業のリスクに見合った適正な資本水準、並びに負債・資本構成を維持することを基本方針としております。当企業グループが管理対象としている、有利子負債(社債及び借入金)から現金及び現金同等物を控除した純額、及び資本(親会社の所有者に帰属する持分)の残高は次のとおりであります。
前期末 (2020年3月31日) | 当期末 (2021年3月31日) | |||
百万円 | 百万円 | |||
有利子負債(社債及び借入金) | 1,149,050 | 1,394,137 | ||
現金及び現金同等物 | (843,755) | (802,702) | ||
純額 | 305,295 | 591,435 | ||
資本(親会社の所有者に帰属する持分) | 451,476 | 562,116 |
なお、当企業グループの国内子会社は金融商品取引法及び保険業法等によって定められる資本規制の対象となっており、一定水準以上の資本規制比率を維持しております。
当企業グループの国内子会社が適用を受ける重要な資本規制は以下のとおりです。
1.株式会社SBI証券は金融商品取引法によって定められる水準の自己資本規制比率を保つ必要があり、金融庁は、自己資本規制比率が120%を下回る場合は、業務方法の変更等を命ずることができます。
2.SBI生命保険株式会社、SBI損害保険株式会社及び当企業グループの少額短期保険業を運営する会社は保険業法によって定められる水準のソルベンシー・マージン比率を保つ必要があり、金融庁は、ソルベンシー・マージン比率が200%を下回る場合は、経営の健全性を確保するための合理的と認められる改善計画の提出及びその実行を命ずることができます。
また、大韓民国に本社を置く株式会社SBI貯蓄銀行は貯蓄銀行法や大株主適格性基準によって定められた自己資本比率を満たす必要があり、韓国金融委員会は所定の自己資本比率を満たしていない場合は、警告や業務停止等を命ずることができます。
当企業グループは、投資事業、ファンド運営事業、証券事業、銀行事業、貸付事業、保険事業等、広範な金融関連事業を営んでおり、特定企業や分野へリスクが過度に集中することのないよう、分散を図っております。これらの事業を行うために必要となる資金は、市場環境や長短のバランスを考慮して、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券金融会社との取引、及び顧客預金の受入等により調達しております。
また、当企業グループが行っているデリバティブ取引は、為替予約取引、金利スワップ取引、株価指数先物取引、証拠金取引等であります。為替予約取引及び金利スワップ取引については、ヘッジ目的の取引に限定しており、投機的な取引は行わない方針であります。株価指数先物取引については、日計りを中心とする短期取引であり、取引の規模について上限を設けております。
当企業グループは、財務の健全性及び業務の適切性を確保するため、当企業グループ各社における各種リスクを把握・分析し、適切な方法で統合的なリスク管理に努めることをリスク管理の基本方針としております。
なお、当企業グループは、金融商品に係るリスクとしては主に以下のリスクを負っております。
・信用リスク
・市場リスク
・流動性リスク
(2)金融商品から生じるそれぞれのリスク
当企業グループが保有する金融資産は、主として投資関連資産、証券業関連資産及び融資関連資産であります。
投資関連資産には、営業投資有価証券、その他の投資有価証券、及び持分法で会計処理されている投資等が含まれ、これらは主に、株式、投資事業組合等への出資金であり、純投資目的及び政策投資目的で保有しております。これらはそれぞれ発行体の信用リスク及び市場価格の変動リスクに晒されているほか、非上場株式については流動性が乏しく、また、外貨建投資資産については為替リスクに晒されております。
証券業関連資産には、預託金、信用取引資産、トレーディング資産、約定見返勘定、短期差入保証金等が含まれ、これらは当企業グループが行っている証券事業の顧客、証券金融会社、取引金融機関に対する信用リスク及び金利の変動リスクに晒されております。また、トレーディング資産については、発行体の信用リスク及び市場価格の変動リスクにも晒されております。なお、上記のトレーディング資産、約定見返勘定、短期差入保証金は連結財政状態計算書上、その他の証券業関連資産に含めて表示されております。
融資関連資産には、営業貸付金等が含まれ、これらは主に、法人及び個人に対する不動産担保ローン、個人向け無担保ローン等の債権であります。これらはそれぞれ、顧客の信用リスクに晒されており、経済環境等の状況の変化により、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があるほか、金利の変動リスクに晒されております。なお、上記の融資関連資産は連結財政状態計算書上、営業債権及びその他の債権に含めて表示されております。
当企業グループの金融負債は、主として借入金、社債、顧客預金及び証券業関連負債であります。
借入金は、取引金融機関の当企業グループに対する取引姿勢の変化等により、社債は市場環境の変化や、格付会社による当企業グループの信用格付の引下げ等により、資金調達が制約される流動性リスクに晒されております。
顧客預金は銀行事業における重要な資金調達手段であり、十分安全性に配慮した運用を実施しておりますが、預金の流出等により必要な資金確保が困難になる等の流動性リスクに晒されております。
証券業関連負債には、信用取引負債、有価証券担保借入金、顧客からの預り金、受入保証金、約定見返勘定等が含まれ、当企業グループが行っている証券事業において、証券金融会社の取引方針や顧客の投資スタンスの変化等により、調達環境は変動することがありますが、基本的には、証券業関連資産と紐付いた管理を行うことで、当該リスクは軽減されるものであります。なお、上記の約定見返勘定は連結財政状態計算書上、その他の証券業関連負債に含めて表示されております。
ヘッジ手段の為替予約取引については、外貨建債権債務の決済及び外貨建有価証券の売買取引に係る短期的な為替レートの変動リスクを回避する目的で利用しております。また、金利スワップ取引については、借入金利の将来の金利市場における利率上昇による変動リスクを回避する目的で利用しております。
株価指数先物取引については投資事業の一環として取り組んでおり、価格変動リスクに晒されております。
為替予約取引及び金利スワップ取引は、取引の相手方が信用度の高い国内の金融機関であること、株価指数先物取引は公的な市場における取引であることから、取引先の債務不履行による信用リスクは僅少と認識しております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
当社はリスクを把握し、適切に評価して管理するため、取締役会が定めるリスク管理規程及び関係会社管理規程に従い、リスク管理に関する責任者としてリスク管理担当役員を定めるとともに、リスク管理部門を設置しております。同部門において、当企業グループのリスクの状況を定期的又は随時把握し、リスク管理に努めております。
(4)信用リスク管理
(a)信用リスク管理実務
① 償却原価で測定される金融資産及びFVTOCIで測定する負債性金融資産に関する信用リスク
信用リスクとは、当企業グループが信用供与を行っている取引先が債務を履行できなくなり当企業グループが財務的損失を被ることとなるリスクのことです。
当企業グループでは、予想信用損失の認識は個別の評価を原則としておりますが、個別の評価を行うために過大なコストや労力が必要となる場合には、信用格付けや担保の価値など共通の信用リスク特性に基づいてグルーピングを行い当該集合に対して予想信用損失を認識しております。
償却原価で測定される金融資産のうち、営業債権については、常に信用損失引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
営業債権以外の償却原価で測定される金融資産及びFVTOCIで測定する負債性金融資産についての信用リスク管理実務は以下のとおりとなります。
当企業グループは、予想信用損失の測定についてデフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)及び報告日における債権額をインプットとして用いております。PD及びLGDは、過去の実績に基づいて算出した情報又は外部機関から入手した情報を基礎にした値を使用しております。これらの値に加え、取引の過程で入手可能となった信用情報等を基に将来予測的な情報を格付けに反映した上で、予想信用損失の測定を行っております。
そして、当初認識以降の信用リスクの変動及び水準に基づき、債権を以下のように三段階に区分し、信用損失引当金を認識しております。
・報告日時点で「信用リスクが低い」場合、又は信用リスクが低くないが当初認識以降「信用リスクが著しく増大」していない場合には、上記インプットを基に12ヶ月の予想信用損失を信用損失引当金として認識しております。
・「信用減損」ではないが信用リスクが低くないと判断された場合、かつ当初認識以降「信用リスクが著しく増大」した場合には、上記インプットを基に全期間の予想信用損失を信用損失引当金として認識しております。
・「信用減損」の場合、上記インプットを基に全期間の予想信用損失を信用損失引当金として認識しております。
信用リスクの評価は、当該金融商品に係るデフォルトリスクの変化に基づいて判定しております。この判定には、金融商品の内部又は外部の信用格付け、期日経過の情報など過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を用いております。具体的には「投資適格」に該当する外部信用格付けの場合、又は国際的に通用する低い信用リスクの定義と一致する内部信用格付けの場合には、「信用リスクが低い」と判定します。「信用リスクが低い」状態からの悪化又は当初認識時に信用リスクは低くはなかったが、その後信用リスクが著しく増大した金融商品について「信用リスクの著しい増大」と判定します。具体的には外部格付けの「投資適格」から「投機適格」への下落や「期限の利益喪失日の経過」などが該当します。さらに見積将来キャッシュ・フローに悪影響を与える事象が発生している場合には「信用減損」と判定しており、これらの事象には債務不履行などの契約違反、債務者の著しい財務状況の悪化、各国の規制当局で不良と判断される要件に合致すること、などが含まれます。債務不履行には決算日基準で期限の利益喪失から60日以上の経過などが該当します。
また、ある金融資産を回収する合理的な予想を有していない場合には、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接償却しております。ただし、これら直接償却された金融資産に関しては外部への売却により回収が行われる場合もあります。
② その他の金融資産に関する信用リスク
その他の金融資産に関する信用リスクとは、主に投資に関する事業から生じる信用リスクであり、投融資先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少又は消失し、当企業グループが損失を被るリスクのことです。なお、信用リスクには海外投融資先の属する国の外貨事情や政治・経済情勢等の変化により損失を被るカントリーリスクを含んでおります。
当企業グループの信用リスクの管理方針は以下のとおりであります。
1.投融資先の状況を的確に把握し、信用リスクの計量化を行う。
2.自己資本とリスク量のバランスを定期的なモニタリングにより適切に管理する。
3.海外への投融資にあたっては、国内拠点、海外拠点及び現地の提携企業と連携して固有のリスクを把握し、対応状況を定期的にモニタリングする。
4.信用リスクのうち、投資リスクを管理対象とする重要なリスクと位置づけ、営業投資有価証券勘定等のリスク量の増減に関する要因分析を行う。
当企業グループは、上記のリスク管理方針に沿って事業を営んでおり、また、事業の一環として、法人及び個人の顧客向けに信用供与を行っている子会社においては、個別に定めた基本規程等に従い、適宜モニタリングを行っております。
(b)予想信用損失から生じた金額に関する定量的情報及び定性的情報
信用損失引当金の増減は次のとおりであります。
12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | |||||||
信用リスクが著しく増大 | 営業債権等 | ||||||||
信用減損 なし | 信用減損 あり | ||||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | |||||
前期首(2019年4月1日) | 19,392 | 4,378 | 17,972 | 4 | 41,746 | ||||
企業結合による増加 | 123 | - | - | - | 123 | ||||
組成又は購入した金融商品による変動 | 22,803 | 5,072 | - | 0 | 27,875 | ||||
認識の中止が行われた金融商品による変動 | (15,244) | (4,269) | (7,842) | - | (27,355) | ||||
区分変更 | (1,326) | 877 | 12,365 | - | 11,916 | ||||
直接償却 | (574) | (78) | (1,359) | - | (2,011) | ||||
在外営業活動体の換算差額 | (2,038) | (440) | (1,030) | - | (3,508) | ||||
前期末(2020年3月31日) | 23,136 | 5,540 | 20,106 | 4 | 48,786 | ||||
連結範囲の変動 | - | - | (120) | - | (120) | ||||
組成又は購入した金融商品による変動 | 35,233 | 5,742 | - | 2 | 40,977 | ||||
認識の中止が行われた金融商品による変動 | (24,768) | (5,144) | (11,579) | - | (41,491) | ||||
区分変更 | (3,047) | 1,300 | 18,190 | - | 16,443 | ||||
直接償却 | (556) | (198) | (1,336) | - | (2,090) | ||||
在外営業活動体の換算差額 | 2,717 | 653 | 1,352 | - | 4,722 | ||||
当期末(2021年3月31日) | 32,715 | 7,893 | 26,613 | 6 | 67,227 |
信用損失引当金の主な増減は、正常債権の残高が増加したことに伴う引当金の増加によるものです。
ローン・コミットメントの未実行残高に対する前期末及び当期末の信用損失引当金は、それぞれ203百万円及び558百万円となります。
また、前期及び当期において直接償却した金融資産のうち、履行強制活動の対象としている未回収残高は、それぞれ2,433百万円及び2,181百万円であります。
(c)信用リスク・エクスポージャー
当企業グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | |||||||
信用リスクが著しく増大 | 営業債権等 | ||||||||
信用減損 なし | 信用減損 あり | ||||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | |||||
現金及び現金同等物 | 843,755 | - | - | - | 843,755 | ||||
営業債権及びその他の債権 | |||||||||
個人与信 | |||||||||
GroupA | 52,530 | 117 | 551 | - | 53,198 | ||||
GroupB | 236,638 | 10,028 | 456 | - | 247,122 | ||||
GroupC以下 | 24,289 | 19,968 | 11,570 | - | 55,827 | ||||
法人与信(外部格付) | |||||||||
GroupA | 86,068 | - | - | - | 86,068 | ||||
GroupB | 60,681 | 3,454 | 1,476 | - | 65,611 | ||||
GroupC以下 | 71 | - | - | - | 71 | ||||
法人与信 | |||||||||
延滞情報なし | 144,594 | 19,365 | 5,191 | - | 169,150 | ||||
延滞1回以上 | - | 953 | 4,712 | - | 5,665 | ||||
その他 | 171,835 | 1,412 | 7,990 | 6,968 | 188,205 | ||||
信用損失引当金 | (23,136) | (5,540) | (20,106) | (4) | (48,786) | ||||
合計 | 753,570 | 49,757 | 11,840 | 6,964 | 822,131 | ||||
証券業関連資産 | 2,797,613 | - | 925 | - | 2,798,538 | ||||
その他の金融資産 | 40,415 | - | - | 579 | 40,994 | ||||
その他の投資有価証券 | |||||||||
BBB以上 | 47,555 | - | - | - | 47,555 | ||||
BBB未満 | 209 | - | - | - | 209 | ||||
合計 | 47,764 | - | - | - | 47,764 |
当期末(2021年3月31日)
12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | |||||||
信用リスクが著しく増大 | 営業債権等 | ||||||||
信用減損 なし | 信用減損 あり | ||||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | |||||
現金及び現金同等物 | 802,702 | - | - | - | 802,702 | ||||
営業債権及びその他の債権 | |||||||||
個人与信 | |||||||||
GroupA | 112,660 | 6 | 129 | - | 112,795 | ||||
GroupB | 314,347 | 19,311 | 1,635 | - | 335,293 | ||||
GroupC以下 | 26,146 | 22,537 | 15,254 | - | 63,937 | ||||
法人与信(外部格付) | |||||||||
GroupA | 121,032 | - | - | - | 121,032 | ||||
GroupB | 79,411 | 5,487 | 1,712 | - | 86,610 | ||||
GroupC以下 | 90 | - | - | - | 90 | ||||
法人与信 | |||||||||
延滞情報なし | 185,112 | 22,404 | 6,489 | - | 214,005 | ||||
延滞1回以上 | - | 686 | 3,610 | - | 4,296 | ||||
その他 | 290,100 | 2,351 | 12,357 | 8,257 | 313,065 | ||||
信用損失引当金 | (32,715) | (7,893) | (26,613) | (6) | (67,227) | ||||
合計 | 1,096,183 | 64,889 | 14,573 | 8,251 | 1,183,896 | ||||
証券業関連資産 | 3,895,809 | - | 812 | - | 3,896,621 | ||||
その他の金融資産 | 54,979 | - | - | 3,736 | 58,715 | ||||
その他の投資有価証券 | |||||||||
BBB以上 | 39,588 | - | - | - | 39,588 | ||||
BBB未満 | 302 | - | - | - | 302 | ||||
合計 | 39,890 | - | - | - | 39,890 |
個人与信及び法人与信の区分については以下の通りであります。
・GroupA:信用リスクが低い金融資産であり、外部格付けの場合には「投資適格」に該当いたします。
・GroupB:信用リスクが低くはないが高くもない金融資産であり、外部格付けの場合にはBBB未満CCC以上に該当いたします。
・GroupC以下:信用リスクが高いもしくは極めて高い状態の金融資産であり、外部格付けの場合にはCCC未満に該当いたします。
上記「営業債権及びその他の債権」の金額は、保険の付保や担保の取得により回収が見込まれる金額を含んでおります。受け入れている担保は主に、中小の不動産業者や個人等に対し行うローンにおいて担保として受け入れる不動産等で構成されております。担保設定時の評価額は市場価値及び独立した第三者による算定額に基づいており、当該評価額が債権を保全するに足るよう債権額を決定しておりますが、不動産市場等の市況悪化により担保価値が充分でなくなる可能性があります。また担保として保有する資産を担保権の実行等によって当企業グループが保有することとなった場合、当該資産を可及的速やかに売却、競売等を行い、債権の回収を行います。
なお、前期末及び当期末の信用減損している金融資産に対する信用損失引当金は、保証として保有している担保及び他の信用補完により、それぞれ12,763百万円及び15,287百万円軽減しております。
また、ローン・コミットメントのうち、未実行残高に対する信用リスク・エクスポージャーは次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | |||||
信用リスクが著しく増大 | |||||||
信用減損 なし | 信用減損 あり | ||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | ||||
ローン・コミットメントの未実行残高 | 38,344 | 1,748 | - | 40,092 |
当期末(2021年3月31日)
12ヶ月の予想信用損失 | 全期間の予想信用損失 | 合計 | |||||
信用リスクが著しく増大 | |||||||
信用減損 なし | 信用減損 あり | ||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | ||||
ローン・コミットメントの未実行残高 | 48,469 | 3,055 | 3 | 51,527 |
(5)市場リスク管理
市場リスクとは、金利、株価、為替等の変動により当企業グループが損失を被るリスクのことです。
当企業グループの市場リスクの管理方針は以下のとおりであります。
1.資産の通貨・タームを把握し、市場リスクの計量化を行う。
2.自己資本とリスク量のバランスを定期的なモニタリングにより適切に管理する。
3.運用規程を定めない投機目的でのデリバティブ取引は行わない。
① 株価リスク
当企業グループは投資ポートフォリオから生じる株価リスクに晒されており、前期末及び当期末に保有する「営業投資有価証券」及び「その他の投資有価証券」について、市場価格が10%上昇した場合、連結損益計算書の「税引前利益」は、それぞれ14,886百万円、18,726百万円の増加となります。
なお、報告日における投資ポートフォリオは以下のとおりであります。
前期末 (2020年3月31日) | 当期末 (2021年3月31日) | |||
百万円 | 百万円 | |||
営業投資有価証券 | ||||
上場株式 | 85,799 | 180,548 | ||
非上場株式 | 276,405 | 303,790 | ||
公社債等 | 12,589 | 15,746 | ||
ファンド等への出資 | 20,130 | 28,070 | ||
合計 | 394,923 | 528,154 | ||
その他の投資有価証券 | ||||
上場株式 | 37 | 487 | ||
非上場株式 | 9,773 | 10,934 | ||
公社債等 | 63,614 | 60,032 | ||
ファンド等への出資 | 107,020 | 138,092 | ||
合計 | 180,444 | 209,545 |
② 為替リスク
当企業グループは、主に、USドル(USD)、香港ドル(HKD)といったグループ企業の各機能通貨以外の通貨(以下、「外貨」)建て資産・負債について、為替リスクに晒されております。当企業グループの為替リスクに対する主なエクスポージャーは次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
USD | HKD | その他 | |||
百万円 | 百万円 | 百万円 | |||
外貨建貨幣性金融商品 | |||||
資産 | 65,336 | 1,407 | 21,349 | ||
負債 | 184,962 | 7,646 | 21,102 |
当期末(2021年3月31日)
USD | HKD | その他 | |||
百万円 | 百万円 | 百万円 | |||
外貨建貨幣性金融商品 | |||||
資産 | 89,751 | 3,031 | 28,768 | ||
負債 | 238,862 | 9,065 | 29,424 |
当企業グループの前期末及び当期末に保有する外貨建貨幣性金融商品について、各外貨が機能通貨に対して1%増価した場合、連結損益計算書の税引前利益は、前期末1,256百万円の減少及び当期末1,558百万円の減少となります。なお、金利等のその他の要因は一定であることを前提としております。
③ 金利リスク
当企業グループは、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されています。金利の変動は、金融資産については主に銀行預金や、金融サービス事業の子会社が保有する金銭信託、コールローン、法人及び個人向け融資に係る債権等から発生する金利収益に、金融負債については主に外部金融機関からの借入金、社債及び顧客預金等から発生する金利費用にそれぞれ影響を及ぼします。
当企業グループの前期末及び当期末に保有する金融商品について、金利が100bp上昇した場合、連結損益計算書の税引前利益は、それぞれ584百万円の減少及び1,240百万円の増加となります。
なお、金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。
(6)流動性リスク管理
流動性リスクとは、当企業グループが財務内容の悪化等により必要な資金が確保できない場合や、通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク及び市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクのことです。
当企業グループの流動性リスクの管理方針は以下のとおりであります。
1.銀行借入極度、社債発行登録、増資等、各種資金調達手段を確保する。
2.当企業グループの資金需要に関する情報収集に努め、資金繰りの状況を的確に把握する。
3.流動性リスクのうち資金繰りリスクを、管理対象とする重要なリスクと位置づけ、上記流動性リスクの管理方針1及び2につき、資金繰り主管部署より報告を受ける。
流動性リスクは現金又は他の金融資産を引き渡すことで決済される金融負債により生じます。当企業グループの金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前期末(2020年3月31日)
帳簿価額 | 契約上の金額 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | ||||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | ||||||||
社債及び借入金 | 1,149,050 | 1,160,342 | 743,165 | 150,425 | 105,107 | 72,965 | 51,386 | 37,294 | |||||||
営業債務及びその他の債務 | 76,977 | 77,284 | 67,480 | 4,002 | 2,396 | 936 | 513 | 1,956 | |||||||
証券業関連負債 | 2,674,358 | 2,674,358 | 2,674,358 | - | - | - | - | - | |||||||
顧客預金 | 734,221 | 750,425 | 503,962 | 101,017 | 145,288 | 158 | - | - |
当期末(2021年3月31日)
帳簿価額 | 契約上の金額 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | ||||||||
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | ||||||||
社債及び借入金 | 1,394,137 | 1,420,043 | 887,928 | 170,552 | 117,277 | 51,750 | 112,811 | 79,725 | |||||||
営業債務及びその他の債務 | 189,729 | 190,267 | 160,525 | 5,776 | 19,805 | 1,236 | 704 | 2,221 | |||||||
証券業関連負債 | 3,521,802 | 3,521,808 | 3,521,808 | - | - | - | - | - | |||||||
顧客預金 | 1,042,132 | 1,065,190 | 636,196 | 141,631 | 286,698 | 543 | 122 | - |
また、当企業グループは国内外の有力金融機関と当座貸越契約等のコミットメント契約を締結することにより、効率的に運転資金を調達し、流動性リスクの軽減を図っております。
各期末におけるコミットメント契約の総額及び実行済残高は次のとおりであります。
前期末 (2020年3月31日) | 当期末 (2021年3月31日) | ||
百万円 | 百万円 | ||
コミットメント契約総額 | 452,426 | 482,697 | |
期末実行済残高 | 158,441 | 133,727 | |
未実行残高 | 293,985 | 348,970 |