有価証券報告書-第35期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)

【提出】
2021/08/27 14:46
【資料】
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
気象サービスの市場規模は全世界で6,000億円以上と想定されます。気象リスクへの関心の高まり、世界的なテーマである気候変動への適応策・緩和策ニーズの増加やICTの発展によって、気象サービス市場は今後も成長を続けると当社は考えています。
当期は「革新性」をテーマに掲げ本格的なグローバル展開を目指す第4成長期の9年目として、7つのPlanning(事業分野)で構成されるPlanning制の下、各事業の経営責任を明確にすることで各事業に特化したサービス企画・運営・開発・営業を行い事業を推進するとともに、BtoB事業での国内:海外のトールゲート売上比率50:50を目指して次の項目に取り組みました。
Sea Planning:航海気象
・沿岸部での座礁・衝突などによるダメージリスク対応策サービス「NAR (Navigation Assessment & Routeing)」の提供開始
・温室効果ガスの排出削減など海運の環境貢献を支援する様々な環境運航支援サービスの開発
Sky Planning:航空気象
・アジアのエアライン向けサービス、及び国内ヘリコプター市場における官公庁向けを中心としたサービス拡大
・欧州、米州におけるマーケティングの推進
・災害時のドローン活用を想定した実証実験への参加
Land Planning:陸上気象
・国内の道路及び鉄道市場を中心とした、気候変動がもたらす極端気象への対応を加味したサービスの強化
・自然災害に備える自治体向けAI防災システムの構築と企業向け防災気象サービスの展開
・高速道路及び高速鉄道市場向けサービスのアジア展開
Environment Planning:環境気象
・日本、アジア、欧州のエネルギー及び流通小売市場への需要予測サービスの提供を中心とした展開
・再生エネルギーの発電量予測サービス開発の強化
Sports Planning:スポーツ気象
・国内外のスポーツ大会の運営支援、代表チームへのサポート
・アスリート向け新サービスの検討
Mobile・Internet Planning:モバイル・インターネット気象
・DevOpsによる配信コンテンツの拡充や広告投資によるトラフィックの増大に向けた取り組み
・天気連動広告サービスを含む自社独自のインターネット広告事業の展開
・気象データAPIの提供と顧客ビジネスデータとの相関分析サービスの推進
Broadcast Planning:放送気象
・国内の既存市場の維持
・市場の構造的変化に対応する新たな収益モデルの検討
当期の連結売上高は18,843百万円と、前期比5.0%の増収となりました。BtoB事業の売上高は、トールゲート売上では航海気象においてアジアのバルク・タンカー市場を中心に新規顧客を獲得し、陸上気象において極端気象に対応した新サービスを展開したことで増収となりました。一方で、SRS売上が減収となったため、BtoB市場全体では前期比0.1%減収の10,259百万円となりました。BtoS事業の売上高は、モバイル・インターネット気象において、コンテンツの充実やテレビCM等の広告によりトラフィックが増大したことでDAU(Daily Active Users)をより多く獲得し、スマートフォン向けサービスと広告事業が好調に推移したことで、BtoS事業全体では前期比11.6%増収の8,583百万円となりました。
費用については、テレビCMやネット広告等の広告投資の増加があった一方で、営業活動のリモート化推進等による費用の最適化を行いました。その結果、営業利益は前期比7.2%増益の2,444百万円となりました。また、自動運航船の取り組みに関する補助金収入があったため経常利益は前期比16.7%増益の2,554百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14.3%増益の1,861百万円となりました。
[事業別の状況]
当連結会計年度における事業別売上高は以下のとおりです。当社は継続的にコンテンツを提供するトールゲート型ビジネスを主に展開しています。一方、将来のトールゲート売上につながる一時的な調査やシステムを販売する機会があり、当社はこれらをSRS(Stage Requirement Settings)と称しています。
事業区分
(Planning)
前連結会計年度
(自 2019年6月1日
至 2020年5月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2020年6月1日
至 2021年5月31日)
(百万円)
増減率
(%)
SRSトールゲート合計SRSトールゲート合計合計
航海気象244,7424,766184,7794,7980.7
航空気象1618681,029119807927△10.0
陸上気象4813,0583,5394703,1803,6513.2
環境気象174700874149719869△0.7
その他 BtoB3717547613△75.4
BtoB事業 計8789,38610,2647659,49310,259△0.1
モバイル・インターネット気象235,0745,098186,0876,10619.8
放送気象5951,9932,5895131,9632,477△4.3
BtoS事業 計6197,0687,6885328,0518,58311.6
合 計1,49716,45517,9531,29717,54518,8435.0

(参考)地域別売上高
地域区分前連結会計年度
(自 2019年6月1日
至 2020年5月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2020年6月1日
至 2021年5月31日)
(百万円)
増減率
(%)
SRSトールゲート合計SRSトールゲート合計合計
日本8385,6966,5347235,8176,5400.1
アジア111,6911,70331,7181,7221.1
欧州271,6881,716381,6521,691△1.4
米州-309309-304304△1.8
BtoB事業 計8789,38610,2647659,49310,259△0.1
日本6166,6357,2515327,2387,7717.2
アジア2362364-71971997.2
欧州-6060-5252△12.8
米州11011-4040252.2
BtoS事業 計6197,0687,6885328,0518,58311.6
合 計1,49716,45517,9531,29717,54518,8435.0

BtoB事業では、航海気象において船舶の稼働率が引続き低迷しているものの、アジアのバルク・タンカー市場や米州のバルク市場において新規顧客を獲得したことでトールゲート売上が増加しました。陸上気象においては、前年の一時的な受託調査業務に係るSRS売上が減少したものの、日本の道路・鉄道市場において気候変動がもたらす極端気象に対応するサービスのトールゲート売上が増加しました。また、企業向け防災気象サービスや施設管理支援サービスの市場展開も進みました。一方、航空気象では、日本のヘリコプター市場でのサービス拡販を進めたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるエアライン市場の市況低迷が継続していることから、アジア顧客を中心とするサービス提供が減少し、トールゲート売上は減収となりました。
BtoS事業では、放送気象において放送局向けシステムの更新サイクルの影響で初期型SRS売上が減少しました。一方、モバイル・インターネット気象において、DevOpsによるニュース記事配信数の増加や熱中症レーダーなど新しい自社配信コンテンツの充実、テレビCM放映での認知度の向上による継続的なトラフィックの増大により、より多くのDAU獲得に成功し、スマートフォンアプリと広告事業のトールゲート売上が増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等844百万円を支払う一方で、税金等調整前当期純利益2,504百万円を計上したことなどにより2,479百万円の収入(前期2,670百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支払などにより615百万円の支出(前期714百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより1,094百万円の支出(前期1,091百万円の支出)となりました。
現金及び現金同等物に係る換算差額46百万円を加算し、現金及び現金同等物の当期末残高は9,249百万円(前期末8,433百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社グループの主な事業は、気象情報を中心とした総合的なコンテンツ提供サービスです。加えて、継続的にサービスを行うトールゲート型ビジネスを主に展開しているため、受注生産方式を採用していません。このため、生産実績、受注実績を数量、金額で示すことはしておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度における事業別売上高は下記のとおりであります。
事業区分前連結会計年度
(自 2019年6月1日
至 2020年5月31日)
当連結会計年度
(自 2020年6月1日
至 2021年5月31日)
増減率
百万円百万円%
BtoB事業10,26410,259△0.1
BtoS事業7,6888,58311.6
合計17,95318,8435.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先当連結会計年度
(自 2020年6月1日
至 2021年5月31日)
金額(百万円)割合(%)
株式会社NTTドコモ2,30512.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<1>経営成績の分析
当社グループは「Global Business (BtoB事業での国内:国外のトールゲート売上比率 50:50)」の基本戦略のもと、4ヵ年の中期経営計画を策定しております。2年目となる当期における進捗については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
<2>財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金などの増加により、前連結会計年度末に比べて798百万円増加し、17,692百万円となりました。負債は、未払法人税等などの減少により、前連結会計年度末に比べて172百万円減少し、2,253百万円となりました。
純資産は、前期末及び当中間期末に配当1,095百万円を行う一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,861百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて970百万円増加し、15,439百万円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は86.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
<1>キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
<2>所要資金の調達方針
当社グループの所要資金の調達は、当社グループにおける財務安定性及び資本コストの適正性を勘案して行うことを方針としております。また、グループにおける資金需要を当社にて一元把握し、調達することとしております。基本的に、多額な設備投資以外の資金需要は「営業活動によるキャッシュ・フロー」により確保することとし、子会社(グローバルビジネスモデルにおけるSSB)にて資金の不足が生じる場合には、当社からの貸付けによって補うことを原則としております。
なお、グローバルビジネスモデルにおけるSSBは、本来的に戦略性に重点をおいた販売拠点展開として投資しているため、資金を固定的に用いるのではなく、その販売拠点の戦略性の変化に対してダイナミックに変化させることができるものとなっております。
<3>資金調達の方法
運転資金につきましては、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を原資として、必要な場合は金融機関からの短期的な借入を行い、設備投資・投融資資金につきましては、金融機関からの長期借入金・社債及び証券市場を通じての増資等により調達することとしております。また、より効率的な資金調達を行うため、取引金融機関とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。
<4>資金の流動性について
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性の維持及び機動的・効率的な資金の確保を財務活動の方針としております。当連結会計年度は、現預金及びコミットメントラインを十分に確保し、資金の流動性を維持しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は9,249百万円となっております。また、流動比率は610.8%となっております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループが採用している重要な会計方針(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載)のうち、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす事項であると考えております。
<1>貸倒引当金の計上
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
<2>固定資産の減損処理
当社グループは、事業用資産について、内部管理上、キャッシュ・フローを生み出す最小単位を基準として資産のグルーピングを行っております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討してまいりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
<3>繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得がその見積り額を下回る場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。

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