有価証券報告書-第26期(平成25年6月1日-平成26年5月31日)

【提出】
2014/08/22 16:50
【資料】
PDFをみる
【項目】
117項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)主要な事業活動の前提となる契約について
当社グループの主要な事業活動であるコンテンツサービス事業は、当社が各移動体通信事業者を介して一般ユーザーにコンテンツを提供するため、各移動体通信事業者とコンテンツ提供に関する契約を締結しております。これらの契約については契約期間満了日の一定期間前までに双方のいずれからも意思表示がなければ自動継続される契約、又は、期間の定めのない契約が存在しております。
しかしながら、各移動体通信事業者の事業戦略の変更等の事由により、これらの契約の全部又は一部の更新を拒絶された場合、当社グループのコンテンツサービス事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)コンテンツの陳腐化について
当社グループが提供するコンテンツは、携帯情報端末の技術革新や消費者嗜好の変化の影響を受けるため、必ずしもライフサイクルが長いとは言えず、新技術への対応に遅れが生じた場合や消費者嗜好と乖離したサービス提供を行った場合、コンテンツサービス事業において、当社グループの運営する有料サイトでの利用者数の減少や、ソリューションでの新規顧客獲得が困難になり、経営成績に重大な影響を受ける可能性があります。
(3)競合について
携帯コンテンツ市場は、新規参入企業の急激な増加や既存企業の事業拡大、あるいは市場の急激な変化や成長の不確実性により、当該事業において優位性を維持できるという保証はなく、競争激化により経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報料の取扱いについて
当社グループのコンテンツサービス事業においては、情報料の回収を各移動体通信事業者に委託しております。この内、株式会社NTTドコモ及びKDDIグループ等に委託しているものについては、同社らの責に帰すべき事由によらず情報料を回収できない場合は、当社グループへ情報料の回収が不能であると通知し、その時点で同社らの当社グループに対する情報料回収代行義務は免責されることになっております。
なお、当社グループのコンテンツサービス事業は、各移動体通信事業者から回収可能な情報料を売上として計上しておりますが、移動体通信事業者が回収できない情報料が増減した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外における事業展開について
海外市場への事業展開においては、対象国における競業の問題、法律、為替等、様々な問題が内在しております。このような事象が発生した場合、当社グループの事業が円滑に推進できなくなり、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また事前調査の予想を超える事象が発生した場合には、当該事業投資が十分に回収できず、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、事業の成長が確実な場合であっても、費用が先行することで財務的に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)中国事業における不確定要素について
中国においてモバイルコンテンツ配信事業を営むためには、ICPライセンス(増値電信業務経営許可証)を取得することが必要となります。但し、外資である当社又は当社子会社が直接出資する会社が、当該ICPライセンスを取得することについては、外商投資電信企業管理規定において、当該出資比率が50%以下でなければならない等の外資参入規制が存在しており、また、実務的には50%以下の出資が認められる事例も極めて限定されています。
そこで、当社グループでは、以下の一連の契約(以下、「本契約関係」といいます。)を締結することによって中国におけるモバイルコンテンツ配信事業を営んでおります。本(6)項及び下記(7)項において、まず、当社は、当社海外部長かつ因特瑞思(北京)信息科技有限公司の董事である中国人従業員に対する貸付を行い、当該従業員及びその近親者は当該貸付金を用いて、モバイルコンテンツ配信を行う連結対象子会社である北京業主行網絡科技有限公司の出資者となるとともに、当社子会社である因特瑞思(北京)信息科技有限公司が、北京業主行網絡科技有限公司に対してモバイルコンテンツ及びモバイルコンテンツ配信に関する企画・開発サービス業務を提供し、北京業主行網絡科技有限公司がモバイルコンテンツの配信を行うという業務提携関係を構築しております。
また、当社は、中国の関連法規に違反しない範囲で、当社または当社子会社である因特瑞思(北京)信息科技有限公司、あるいは当社が別途指定する者が、当該従業員及びその近親者の保有する北京業主行網絡科技有限公司の持分を譲り受ける権利を得ており、将来的に中国政府当局が全面的に中国の電信業務市場を開放して外資にICPライセンス(増値電信業務経営許可証)の取得を認めた場合、速やかにこれを行使する予定であります。
当社グループは、この当社海外部長かつ因特瑞思(北京)信息科技有限公司の董事である中国人従業員に対する貸付及び当該貸付金を用いた北京業主行網絡科技有限公司に対する出資、モバイルコンテンツ配信に関る業務提携、また、将来の持分譲受権を保有することによる直接出資の実現性を併せて確保する等の本契約関係に基づくスキーム全体が中国の現行法に抵触していない旨の意見書を、中国現地法律事務所より入手することで適法性を確認しております。しかしながら、中国における法律は、より成熟した市場における法律と比較して相対的に新しく制定されたものであり、新たな法令も随時公布されていることから、これらの中国法令の解釈、適用及び運用には多くの不確定要素があり、また、新たな法令の影響については未だ明らかではなく、特に、中国の通信分野における法律は、中国政府当局の政策により変動する可能性が十分にあります。したがって、当社グループは、中国政府当局が将来、最終的に当社グループの考えと異なる見解を有しないと保証することはできません。
(7)中国事業における経営の支配度について
当社グループは、本契約関係に基づき、北京業主行網絡科技有限公司を実質的にコントロールしておりますが、直接出資している場合と比較した場合、その支配関係が弱いことは否めません。即ち、北京業主行網絡科技有限公司の出資者が、本契約関係に違反して当社グループのモバイルコンテンツ配信事業を行わない、または、北京業主行網絡科技有限公司に対する出資持分を当社の意向に反して第三者に譲渡する可能性もあります。この場合、当社及び当社子会社である因特瑞思(北京)信息科技有限公司は、中国法上の契約違反に基づく法的救済を北京業主行網絡科技有限公司の出資者、北京業主行網絡科技有限公司に請求するところになりますが、中国法令の解釈及び中国の司法手続が日本法の司法手続ほど整っておらず、不確定要素があることから、法的救済を求めるために相当程度の高い費用がかかる可能性、適切な判決または仲裁判断を得られない可能性、判決または仲裁判断の強制執行に支障が生じることによって、最終的に損害の回復を得ることができない場合があります。
(8)中国事業における人的依存について
当社グループの中国における事業は、100%子会社である因特瑞思(北京)信息科技有限公司及び連結対象子会社である北京業主行網絡科技有限公司を通じて行っております。そして、北京業主行網絡科技有限公司の経営は、当社海外部長かつ因特瑞思(北京)信息科技有限公司の董事である中国人従業員及びその近親者である出資者を通じて行っております。従って、当社グループの中国事業は、当該中国人従業員の継続的な経営参画に大きく依拠しており、同氏の経営への関与が失われた場合、当社グループの中国事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
(9)システムダウンについて
当社グループの事業は、コンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークにより、ユーザーにサービスを提供しておりますが、自然災害や不慮の事故によりデータセンター等で障害が発生した場合には、サービスを提供することが困難となり、当社グループだけでなくユーザーや、移動体通信事業者に対して様々な損害をもたらすことになります。また、予期しない急激なアクセス増等の一時的な過負担によってサーバが作動不能に陥った場合、一般ユーザーや顧客企業向けに提供するサービスが停止する可能性があります。さらには、ウイルスを用いた侵害行為や、当社グループの管理し得ないシステム障害が発生する可能性も否定できません。これらにより、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報の流出について
当社グループが一般ユーザー向けに直接行うサービス及び顧客企業向けに提供するシステムにおいて、一般ユーザーの個人情報や画像データ等をサーバ上に保管する場合があり、採用している様々なネットワークセキュリティーにも拘らず、不正アクセスによる個人情報の流出等の可能性は存在しております。このような個人情報の流出等が発生した場合、当社グループに対する損害賠償の請求、訴訟、行政官庁等による制裁、刑事罰その他の責任追及がなされる可能性があります。また、これらの責任追及が社会的な問題に発展し、当社グループが社会的信用を失う可能性があります。
(11)規制に関わるリスクについて
当社グループの属する事業者を規制対象とする新法令・新条例の制定等の状況によっては事業活動範囲が狭まることや監督官庁の監視、検査が厳しくなることが考えられます。また、当社グループの属する事業者間における自主的なルール等が、当社グループの事業計画を阻害する可能性があります。その結果、当社グループ事業や業績において悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)知的財産権に関するリスクについて
当社グループが行うシステムやソフトウェアの開発においては、特許や著作権等の知的財産権の確保が事業遂行上重要な事項であり、独自の技術・ノウハウ等の保護・保全や第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っておりますが、今後、当社グループの事業分野における第三者の特許等が成立した場合、また当該事業分野において認識していない特許等が既に成立している場合、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び特許に関する対価(ロイヤリティ)の支払等が発生する可能性があります。この結果、当社グループの業績や財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13)その他
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は会社法第236条、第238条及び第240条に基づく新株予約権の付与及び発行に関する取締役会決議を行いましたが、それらの権利が行使された場合、株式価値の希薄化が起こり、当社株価に影響を及ぼす可能性があります。