四半期報告書-第18期第3四半期(平成27年10月1日-平成27年12月31日)

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2016/02/08 10:05
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13項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成27年4月1日から平成27年12月31日まで)におけるわが国経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかな景気回復基調が続きました。一方先行きについては、中国をはじめとするアジア新興国等の景気の下振れ等が国内景気を下押しするリスクとなっております。
このような状況の下、当社グループは、平成28年3月期をグローバルインターネットプレイヤーとして企業価値を持続的に向上させる事業基盤を強化する事業年度と位置付け、コスト管理の徹底を図りながら、主力のゲーム事業では競争優位性を一層高める取り組みを推進し、また、中長期で成長する構造的な強みを持つ事業の創出及び育成を進めております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、売上収益は、前年同期比で増加いたしました。利益率の高い国内ゲーム事業は前年同期比で減収となった一方、平成27年3月期下期以降に新規タイトルの投入が進んだ中国のゲーム事業や横浜DeNAベイスターズが主体のスポーツ事業等が増収となり、新規事業領域の拡充も行いました。
売上原価並びに販売費及び一般管理費は、前年同期比で増加いたしました。アプリ市場向けタイトルの開発・提供の拡充や利用拡大に伴い、ゲーム内課金の決済関連費用等の支払手数料やソフトウェアの償却費等が増加しました。
その他の収益には、第2四半期連結会計期間においてBtoB向けマーケットプレイス事業を譲渡したことに伴う売却益を計上しております。その他の費用には、第1四半期連結会計期間において欧米における体制及びゲームポートフォリオの見直しを行っており、これに伴う無形資産の除却等の一時費用を主に計上しております。
以上の結果、当社グループの売上収益は108,705百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は14,689百万円(同27.1%減)、税引前四半期利益は16,146百万円(同27.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,361百万円(同33.2%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結累計期間よりセグメント区分を変更しており、セグメント別業績の比較・分析は、変更後のセグメント区分に組み替えて行っております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記3 セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
また、本項目において記載しているセグメントごとの売上収益については、従来はセグメント間の取引を調整後の外部顧客からの売上収益の金額を用いておりましたが、第1四半期連結累計期間よりセグメント間の売上収益を含んだ金額に変更しております。これに伴い、前第3四半期連結累計期間のセグメントごとの売上収益についても組み替えて比較・分析を行っております。
①ゲーム事業
ゲーム事業の売上収益は83,047百万円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は19,261百万円(同18.1%減)となりました。
主力の国内市場でのゲーム内仮想通貨(コイン)消費高は1,106億円(前年同期比1%減)となりました。ブラウザ市場向けのコイン消費は緩やかに減少しましたが、国内及び海外アプリ市場向けでは、主力タイトルのコイン消費が引き続き堅調に推移したほか、新規タイトルの開発・提供も進みました。当第3四半期連結累計期間のアプリ市場向けタイトルにおけるコイン消費高は、国内では340億円(同156%増)、海外では144億円(同17%増)となりました。
②EC事業
EC事業の売上収益は14,674百万円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益は1,909百万円(同11.2%増)となりました。
注力分野の一つである旅行に関しては、株式会社DeNAトラベルにおける取扱高が順調に成長しました。ショッピング、決済代行の各サービスも概ね安定して推移しましたが、有料会員数の減少によりオークションサービスは減収となりました。 なお、第2四半期連結会計期間よりBtoB向けマーケットプレイス事業はEC事業の売上収益及びセグメント利益に含まれておりません。
③スポーツ事業
スポーツ事業の売上収益は8,408百万円(前年同期比19.5%増)、セグメント利益は77百万円(前年同期は518百万円の損失)となりました。株式会社横浜DeNAベイスターズは、2015年シーズンの主催試合の入場者数が増加し、好調に推移しました。
④新規事業・その他
新規事業・その他の売上収益は3,782百万円(前年同期比71.5%増)、セグメント損失は3,678百万円(前年同期は3,114百万円の損失)となりました。
当区分には、IP(知的財産)やコンテンツを構造的に生み出すことを目指すIP創出プラットフォーム事業、キュレーションプラットフォーム事業(注1)、ヘルスケア事業、オートモーティブ事業(注2)を含んでおります。中でも、キュレーションプラットフォーム事業では各サービスの利用者数が増加基調で、平成27年12月には女性向けファッションの「MERY(メリー)」のテレビコマーシャルを実施し、アプリダウンロード数が大きく増加するなどの成果が見られました。
コスト管理の徹底や投資の見極めを適切に行いつつ、中長期で成長する構造的な強みを持つ事業を創出するべく、複数の領域で取り組みを進めてまいります。
(注1)キュレーションプラットフォームとは、インターネット上に散在する情報を、独自の観点で目利きするキュレーターと呼ばれる人たちが、各自が興味をもつテーマについてひとつの記事にまとめあげて公開できるウェブサイトまたはアプリのことです。
(注2)自動運転技術を活用したロボットタクシー等、自動車領域における事業です。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は251,035百万円(前連結会計年度末比32,506百万円増)となりました。
流動資産は119,372百万円(同5,245百万円増)となりました。主な増加要因は現金及び現金同等物が7,174百万円増加したこと等によるものであり、主な減少要因は売掛金及びその他の短期債権が1,045百万円減少したこと等によるものであります。
非流動資産は131,662百万円(同27,261百万円増)となりました。主な増加要因はその他の長期金融資産が27,343百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は53,616百万円(同410百万円減)となりました。
流動負債は49,001百万円(同2,140百万円減)となりました。主な減少要因はその他の流動負債が3,261百万円減少したこと等によるものであり、主な増加要因はその他の短期金融負債が1,064百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債は4,615百万円(同1,730百万円増)となりました。主な増加要因はその他の非流動負債が1,723百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、197,418百万円(同32,916百万円増)となりました。主な増加要因は自己株式が31,443百万円減少したこと等によるものであります。
流動性に関する指標としては、当第3四半期連結会計期間末において流動比率243.6%、親会社所有者帰属持分比率75.6%となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,174百万円増加し、75,898百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は18,432百万円(前年同期は30,629百万円の収入)となりました。主な収入要因は税引前四半期利益16,146百万円、減価償却費及び償却費8,661百万円であり、主な支出要因は法人所得税支払額7,739百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は30,555百万円(前年同期は17,249百万円の支出)となりました。主な支出要因は有価証券及び投資有価証券の取得のための支出22,911百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は19,256百万円(前年同期は4,364百万円の支出)となりました。主な収入要因は自己株式の処分による収入22,143百万円であります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、携帯電話やPC等におけるインターネットサービスをはじめとする当社グループの事業の全体に係る幅広い知識と豊富な経験を有し、また当社を支える株主、従業員、ユーザ、取引先、広告主、地域社会等の様々なステークホルダーとの信頼関係を十分に理解した上で、企業価値及び株主共同の利益を中長期的に最大化できる者が望ましいと考えております。
上場会社である当社の株主は、当社株式の自由な取引を通じて決定されるものである以上、特定の買付者等による買付等に応じるか否かについても、最終的には株主の判断に委ねられるべきものです。しかしながら、株式の大量買付等の中には、企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付等の行為について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益に必ずしも資さないと評価されるべきものもあります。
当社は、このような大量買付等を行う買付者等は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、法令及び定款によって許容される限度において、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資する相当の措置を講じてまいります。
(5)従業員数
①連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
②提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、当社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
ゲーム事業では、国内外でアプリ市場向けタイトルの成長に注力してまいります。
国内ゲーム事業では、アプリ市場向けでは既存有力タイトルの利用活性化と新規ヒットタイトルの創出に注力しつつ、ブラウザ市場向けでは、より長くユーザに利用いただけるためのタイトル運営を継続してまいります。
海外ゲーム事業においては、 中国向けでは、既存有力タイトルの安定した運営を図りつつ、有力IPを活用したタイトルを中心に新規タイトルの開発・提供を進めてまいります。欧米向けでは、効率的な開発・運営体制の下、ジャンルを厳選しつつ、高品質のタイトル提供を目指します。
任天堂株式会社との資本・業務提携における協業タイトルの第一弾につきましては、平成28年3月の配信を目標に準備を進めています。
EC事業では、パートナー企業との連携を最大限に活用しながら、ショッピングでは食品・日用品分野の強化に、また、決済代行サービス及び旅行代理店サービスでは取扱高の拡大に引き続き取り組みます。
スポーツ事業は、10月から3月にかけてプロ野球がオフシーズンとなるため、第4四半期連結会計期間の売上収益は限定的です。なお、平成28年1月20日に終了した株式会社横浜DeNAベイスターズによる公開買付けにより、株式会社横浜スタジアムは平成28年3月期第4四半期連結会計期間より当社の連結子会社となります。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記9 重要な後発事象」をご参照ください。
新規事業・その他においては、自社での開発や他社との協業、M&A等の手法も活用した新たな事業の立ち上げ及びユーザベースの拡大に継続して取り組んでまいります。また、各事業の成長フェーズを見極めながら、収益化に向けた取り組みも進めてまいります。
販売費及び一般管理費については、コストコントロールを適切に実施し経費節減に努めてまいります。