有価証券報告書-第27期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/23 10:21
【資料】
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【項目】
149項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
ワールドホールディングスは創業以来、世界に開かれた人と人の繋がりである“絆”を深めるために、下記の企業理念の基、より多くの人々に対して生活を営むための環境と多様な働く場所を提供し「人が活きるカタチ」を創造するという社会的使命に取組んでおります。
(企業理念)
・人として心の通った精神的な結びつきを持った企業を目指す。
・ビジネスを人材育成・教育の場として道徳的感覚を持った有為な人材を世に送り出す企業を目指す。
・自然環境を守り、地球資源を大切にし、常に社会貢献できる企業を目指す。
・シニア人材の経験を活かし、新しい雇用を創設できる企業を目指す。
・社員が働き甲斐のある会社を目指す。
(2)経営戦略及び今後の見通し
ワールドホールディングスは売上高・利益を安定的かつ継続的に維持できる“ストックビジネス”と、大きな売上高と利益が見込める“フロービジネス”をベースに、人材・教育ビジネス、不動産ビジネス、情報通信ビジネスの3つのビジネスを構成し事業展開することによって、経済環境・業種・業界のリスクヘッジとともに継続的な安定成長を図っております。
次期以降のわが国経済の見通しは、個人消費の動向や世界経済の減速等により先行きの不透明感が一層強まっております。
このような状況下、当社グループでは、2021年を最終年度とする「新・中期経営計画2021」のもと、『当社らしさ』を追求し、中長期的な将来性を的確に見据えた上で、各事業の適正規模を適宜見直しながら、自力成長をベースに拡大させてまいります。そして、短期的な経済動向のみを追わずリスクマネジメントにより安定成長を図るとともに、イノベーションを起こしながら業界内での独自ポジションを追求してまいります。
人材・教育ビジネスにおいては、派遣法改正、働き方改革関連法、出入国管理法法改正等によって業界を取り巻く環境が大きく変わろうとしている中、当社グループは「質」の向上に重きを置き、社員の「個」のレベルを上げ、企業価値を上げることによって業界内でのプレゼンス向上を目指してまいります。
特に重視している人材育成においては、学びを通じて社員の可能性を最大限に引き出し、適正に評価することによって個の価値を高め、それをチーム化することによって従前から推し進めている「人材プラットフォーム」の構築を加速度的に進化させ、高領域でのプレゼンスを高めることで差別化を図ってまいります。
また、㈱JTBとの共同出資による㈱JWソリューションでのツーリズム業界への参入例のように様々な視点からビジネスの裾野を広げる可能性を模索し、新たなマーケットを開拓することで業界での独自ポジションを形成してまいります。
不動産ビジネスにおいては、バブル的状況が長期化する中、適正規模を見直し、投資領域を明確にすることで安定成長を図ってまいります。
特に成長領域である再生分野に注力しリノベーションやコンバージョン等の拡大を進めながら、市場の環境反転を見据え、アセットマネジメントやサービサー等の不動産金融の準備を押し進めることでさらなる成長の機会を捉えてまいります。
情報通信ビジネスにおいては、モバイルショップの統廃合が長期化することが想定される中、残存者メリット享受に向け優良店舗網構築のための投資を継続するとともに、法人ソリューションにおける商材やエリア拡大等を模索し新たな収益モデルを構築することで安定成長を目指してまいります。
これら3つのコアビジネスを適正規模にて成長させながら、新たな柱となる新領域への参入も視野に『当社らしさ』を追求し、さらなる成長を実現して参ります。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「新・中期経営計画2021ローリングプラン」に基づき、計画最終年度2021年の目標である売上高1,750億円、営業利益80億円の達成に向け努めてまいります。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
「人材・教育ビジネス」
人材確保
わが国では、少子高齢化に起因する労働力人口の減少などにより全国的な人手不足が続いております。当社グループにおいても労働力が不足している若年層を中心に顧客ニーズが高いことなどから、今後、中長期的に人材採用の厳しさが増す可能性があります。
このような環境の中、当社の強みである「ワンストップサービス」による多様な働く環境の提供によって採用母集団の最大化を図るとともに、従前から推し進めている「人材プラットフォーム」構想の進化や、様々な志向に合わせたキャリア形成支援・人材育成を進め自らが望む仕事をしながらスキルアップ、キャリアアップできる体制整備を深化させ、「集まる力」(会社の魅力・ブランド力)を向上させることによって、優秀な人材の確保に繋げて参ります。そして、当社が取り組んできた、請負やコンソーシアムによる今までの取組実績から、クライアントとともに女性、高齢者などの様々な人材が働く場所を提供し採用母集団の最大化を図って参ります。
海外情勢の影響
当社の人材・教育ビジネスにおいては、「ものづくり」に関する製造分野に特に強みを持っておりますが、米中貿易摩擦をはじめとした海外情勢によって日本の「ものづくり」の生産量に減産等の影響があった場合は、収益の減少に繋がる可能性があります。
このような環境の中、当社の強みである「ワンストップサービス」による幅広い業種への取引実績によってリスクを分散することに加え、社員がスキルアップ・キャリアアップできる仕組みを構築することで社員の流動化を実現し対応して参ります。
関連法案の制定・改正
人材業界を取り巻く法制定・改正等により、その対応にかかるコストや方向性の転換等により収益に影響が出る可能性があります。
近年も派遣法改正、働き方改革関連法、出入国管理法改正等、関連する法案の改正等が行われておりますが、当社は業界に先んじてそれに対して真摯に対応し、課題解決を適切に図ることでコストを最小限に抑え、コンプライアンスに強い企業集団として業界でのプレゼンス向上に繋げております。
「不動産ビジネス」
市況の変動への対応
不動産ビジネスにおいては、経済環境や地域的な状況による変動要素が大きく、時期によって仕入難や販売価格高騰等により販売数や収益の減少に繋がる可能性があります。
このような環境の中、従来からのデベロップメント関連をはじめとしたフロービジネスだけでなく、ストックビジネスを安定成長させることによって、事業バランスの最適化と利益パフォーマンスの最大化を図って参ります。また、全国展開のネットワークから得た様々な最新状況・マーケット動向を各地域に特化した戦略策定に落とし込み、仕入や販売時期などをコントロールし、最適な規模と安定的な経営を追求しながら、可能性のある新たな不動産領域・地域へ積極的に投資し拡大して参ります。
「情報通信ビジネス」
関連法案改正及び変化する市場ニーズへの対応
携帯電話の販売市場が成熟期を迎える中、関連法案が改正されること及び市場ニーズの変化等により販売台数の減少をはじめ、携帯キャリアからの手数料の減額等が進み、収益の減少に繋がる可能性があります。
このような環境の中、当社グループでは顧客と携帯キャリアの囲い込みを重視し、良質でホスピタリティの高いサービスを提供できる人材の育成と優良店舗網の構築を進めて参ります。また、現在取り組んでいる法人向けサービスの拡充や、新規事業への取組を進め安定化を図ることで、変化する市場ニーズに対応できる体制を整え安定成長を目指して参ります。