有価証券報告書-第28期(2023/07/01-2024/06/30)

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2024/09/27 15:28
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、当社グループの第1四半期連結会計期間にあたる昨年の夏季において記録的な暑さが続き、人流の抑制が懸念されたものの、国内はもとより訪日外国人の旅行やインバウンドの回復により国内の観光、旅行、運輸、飲食等の業界を中心に業績が向上いたしました。一方、2024年年明けに能登半島地震が発生し一部の機械や半導体、食料品の製造業工場の被災に関連するサプライチェーンの寸断やインフラ回復の遅れによる地域経済の復興に大きな影響を与える結果となりました。また、国民生活全般に関しては円安が進行しあらゆる物品の値上げが継続しており、企業における賃上げ施策や政府、地方自治体の子育て支援への動きが活発に論じられる状況で推移いたしました。
当業界においては、日本卸電力取引市場の取引単価は比較的低い水準で安定的に推移いたしました。大手電力会社においては、昨年の一般消費者向け電力料金の値上げや発電に要する燃料価格の下落により極めて順調な業績となりました。一方、電力需要家からの視点では、電力料金値上げに対する緩和策としての電気・ガス価格激変緩和対策事業補助金の導入や延長が繰り返されている状況のほか、再生可能エネルギー賦課金の引き上げや託送料金の算定方法の変更、将来の電力の供給力を売買する容量市場の運用の開始等、電力料金の先行きには不透明な要素を含め消費者の負担は増加する傾向にあるものと予想されます。
このような状況のもと、当社の省エネルギー支援サービス事業に関しては、既存プロジェクトに関する売上高は小規模ながら継続している一方、新規案件の受注は能登半島地震の影響で一部順延となりました。一部のプロジェクトでは、引き続き設備のメンテナンス実施や省エネルギーのノウハウを活かした改修を実施する等業容維持に努めており、当連結会計年度では設備保全費が減少し増益となりました。
グリーンエナジー事業における発電事業においては、落雷による送電停止や一部発電所においてトラブルによる計画外停止が発生したものの、各発電所の稼働は堅調に推移し当連結会計年度の送電量は前連結会計年度を大きく上回る実績となりました。エフオン白河発電所は、2023年1月よりFIP制度(フィードインプレミアム(Feed-in Premium))に移行しており前年度実績のFIT制度(フィードインタリフ(Feed-in Tariff))との比較では、当連結会計年度ではFITとほぼ同等の業績となりました。FIP制度では、同制度における長期の業績をFITと同等のものとするよう設計されており、ある期間でFITを上回る業績であったとしてもその後のいずれかの期間において過去の上振れた業績の調整が行われ、その一部を吐き出す動きで推移いたします。当連結会計年度では、上半期においてFIT制度の指標を上回る業績で推移し下半期では逆に下回る業績で推移いたしました。また、FIP制度下の電力はすべて当社が購入していることからセグメント情報の内部売上高又は振替高が前年同期に比べ大幅に増加しております。
その他のグループ内発電所の業績では、前連結会計年度と比較して燃料消費量は低下傾向にあるものの燃料費は依然高水準で推移し業績を大きく押し下げる結果となりました。燃料以外の費用では、定期メンテナンスに係る価格が例年に比べ大幅な増加となったほか、灰処理費用が増加し収益を圧迫する結果となりました。
当社の電力小売事業ではグループ発電所の発電する電力をトレーサビリティ付の非化石証書と合わせグリーン電力として顧客へ販売する取り組みを推進しております。当連結会計年度においては市場連動型の電力販売に力を入れ契約電力量の獲得に尽力したことで、売上高は大幅に増加し黒字化を達成することが出来ました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高17,473百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益600百万円(前年同期比57.0%減)、経常利益346百万円(前年同期比73.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は281百万円(前年同期比65.9%減)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当連結会計年度においては、省エネルギー支援サービス契約の既存プロジェクトに係る売上高は、ほぼ前年と同等の結果となりました。エネルギー供給型の契約に代わり設備保守等のメンテナンス分野でプロジェクト維持に係る契約がスタートし、当連結会計年度では減価償却費や保険、その他の費用が逓減したことで業績が回復いたしました。なお、前連結会計年度のセグメント間の内部売上高はグループ内発電所建設に係るもので、完工により当連結会計年度は計上しておりません。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では213百万円(前年同期比50.3%減)、セグメント利益は51百万円(前年同期26百万円の損失)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当連結会計年度におけるグリーンエナジー事業は、第1四半期連結会計期間にエフオン日田発電所及びエフオン新宮発電所において落雷による所内単独やボイラー補機のトラブルによる計画外停止が発生いたしましたが、第2四半期連結会計期間においてエフオン白河発電所、エフオン日田発電所、第3四半期連結会計期間においてエフオン新宮発電所、エフオン壬生発電所、第4四半期連結会計期間においてエフオン豊後大野発電所がそれぞれ定期点検を実施し計画停止を実施したほかは極めて順調な稼働で推移いたしました。当連結会計年度ではエフオン新宮発電所の通年稼働を加え、送電電力量及び電力売上高は過去最高水準となりました。
一方、原価に関して木材市場の高騰から間伐材等の木質チップ燃料は、流通量が低下し購入価格を押し上げたことや比較的水分量の多い燃料が多く、発電所の燃料消費量を増加させる要因が継続しております。このため、山林事業の原木伐採量の一部を発電所付属のチップセンターで燃料に転換する業務を拡大するとともに、同事業の施業地獲得を拡充しております。これらの施業量増加に伴い外部委託費等のほか流通経費が増加したことや、山林事業の施業に係る大型設備の減価償却費が負担となりました。また、発電所に係る経費では、通例の発電設備定期点検メンテナンス費用に加え、エフオン日田、エフオン新宮発電所で将来の安定稼働に必要と思われる設備箇所の重点点検、補修を実施したことで定期メンテナンス費用が大幅に増加したほか、灰処理費用の単価が値上がりし同費用の額が増加しております。これらのことから、本事業セグメントの売上高は増加したものの、利益は大幅に減少する結果となりました。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高で16,782百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益627百万円(前年同期比60.9%減)となりました。
(財政状態)
(資産)
当連結会計年度末における資産は、長期借入金の追加実行により現預金が増加したほか、電力小売事業に係る売掛金が増加いたしました。減少した資産は、木質チップ燃料や定期メンテナンスの貯蔵部品に係るたな卸資産が使用により減少したほか、固定資産では山林事業に係る土地、立木が増加したもののその他の発電所に係る資産は減価償却費の計上により減少しております。これらにより、資産合計は前連結会計年度より455百万円減少し、45,262百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、電力事業の契約拡大に基づき支払手形及び買掛金、未払金が増加しておりますが、借入金の返済により1年内返済予定長期借入金及び長期借入金、メンテナンス実施によりメンテナンス費用引当金が減少したほか、未払法人税等が大幅に減少しております。負債の合計は、前連結会計年度より499百万円減少し27,028百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加のほか、従業員向け株式報酬制度導入に係る自己株式の取得により、前連結会計年度より44百万円増加し18,234百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,202百万円増加し、5,210百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は2,578百万円(前年同期3,673百万円の収入)となりました。主な要因は、子会社発電所設備や山林事業に係る施業機械設備の減価償却費の増加、木質チップ燃料及び定期メンテナンスに係る部品等の棚卸資産の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、630百万円(前年同期1,542百万円の支出)となりました。主に山林事業の施業地拡大に伴う土地、立木の増加のほか、子会社発電所の設備改修に係る有形固定資産の取得による支出です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、745百万円(前年同期2,292百万円の支出)となりました。主な要因は長期借入金の実行による収入のほか、各発電所の発電所建設資金に係る長期借入金の返済による支出です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。
セグメントの名称発電実績(MWh)前年同期比(%)
グリーンエナジー事業589,856101.9
合計589,856101.9

(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野、エフオン壬生、エフオン新宮の5基の発電所より送電された電力です。
(受注実績)
省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注実績について記載すべき事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
省エネルギー支援サービス事業2135.1
グリーンエナジー事業15,101△3.8
その他2,158107.4
合計17,4733.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
九州電力送配電株式会社6,28337.16,14735.1
東京電力パワーグリット株式会社3,73022.03,88622.2
東北電力ネットワーク株式会社1,1586.8--
関西電力送配電株式会社3,50520.73,68721.1

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等)
当連結会計年度の省エネルギー支援サービス事業においては、省エネルギー設備の維持を管理する契約で外部顧客あて売上高は前期同様の水準で推移いたしました。一方、セグメント間の内部売上高に関しては、グループの発電所建設工事が前期に完了したことで大幅に減少いたしました。本事業セグメントでは、温暖化ガスの排出量削減の機運を反映し設備の改善、更新等の施工工事請負へと変化してきております。顧客の求めるエネルギー利用の効率化のほか、施工工事全体のコスト低減、工事品質の管理といった分野において、当社グループがこれまで培ったノウハウを十分に発揮し信頼を獲得できるよう万全の体制で臨んでおります。当連結会計年度の経営環境は、年初に発生した能登半島地震の影響で進めていた案件の一時停止や順延が発生したほか、為替の下落、エネルギー価格の上昇のほか、労働力不足等の要素が素材や部品の調達、施工に少なからず影響を及ぼす状況が継続しております。当社グループでは、省エネルギーに関するノウハウや開発施工の技術をグリーンエナジー事業とのシナジー効果が発揮できるよう木材資源の有効利用、新素材開発等を通じて事業領域を拡大してまいります。
グリーンエナジー事業においては、グループ発電所の安定稼働により発電量及び売上高は、過去最高額を計上しております。一方、各発電所の使用する未利用木材の調達では、流通する素材原木の質、量ともに悪化し苦戦を強いられる状況が継続しております。木材に関する事業環境は原木の切出しから製品加工へとつながる流通の滞留期間が短くなっており、素材の含水率が比較的高い状態で推移し結果として燃費を悪化させる要因となっております。また、エフオン新宮発電所の立地近隣での燃料調達が想定した量を下回り主に九州地区から回送したため海運諸掛や荷役コストが大幅に増加しグループ全体の収益を圧迫いたしました。また、グループ発電所の使用する燃料チップ製造のためグループのチップ加工センターへ供給する原木の調達の一定程度を山林事業が担い量の確保を推進いたしました。原木の切出しに関しては、降雨の期間を回避するため短期間に集中して外部委託を活用したためその費用も増加する結果となりました。今後、燃料調達先の新たな開拓や陸送による搬送にシフトし収益を圧迫した要因の改善に努めてまいります。
電力小売事業においては、当社グループの発電所が発電するFIT・FIP電力をグリーン電力として顧客へ販売する取組を拡大させております。当連結会計年度では、日本卸電力市場の市場価格に連動する電力販売契約を積上げ事業収益の改善に努めた結果黒字化を達成しております。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりの結果となりました。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
当連結会計年度においては、エフオン新宮発電所の木質チップ燃料の調達に苦戦した結果、直接の燃料費に加え調達に関する荷役、運送、原木伐採等の外部委託費が想定を超過する状況で推移し収益を大幅に減ずる結果となりました。かかる状況を回避するため近畿、四国、東海地区での燃料調達先の確保に注力するとともに、グループの山林事業の拡充に努め山林経営の高効率化を推進してまいります。
我が国の国土は、約66%が森林資源であります。これまで非住宅建築では鉄やコンクリートを構造素材とした手法が中心となっておりますが、今後、温暖化ガスの排出量削減や地球環境に配慮した持続可能な経営戦略の推進から木材の素材活用が注目を集めることと予想されます。当社グループでは、グループ事業の中核を担う木質バイオマス発電事業の永続的発展と山林経営を通じた木材素材の健全な利用に関し、木の育苗、育林、伐採、木材生産、販売のサイクルを発電事業や電力小売事業と融合させ持続可能な経営基盤を整備してまいります。
こうした経営戦略を推進する上で気候温暖化に関する議論やその対策、地球環境に配慮した持続可能な社会の構築に関る意識の高まり等、各企業のこれまでの経営手法の大幅な変革が重要な要因となると考えます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、当連結会計年度の収益が前連結会計年度に比べ大幅に低下したことで相当程度低下する結果となりました。その他の要因では売上債権の増加や仕入債務の増加のほか、前連結会計年度のその他の資産の増減額に含めて表示していた繰延消費税やメンテナンス費用引当金等の非資金振替が大きな要因で営業活動によるキャッシュ・フローは大幅に減少いたしました。投資活動によるキャッシュ・フローは、エフオン新宮発電所の建設が終わり有形固定資産の取得による支出が減少したことから大幅な支出減となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローでは長期借入れによる収入が増加し全体としての支出が減少いたしました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループ木質バイオマス発電所の安定稼働に必要な施策や未利用木材燃料の安定供給に寄与する山林経営に必要な投資支出とグループ全体の出入のバランスを考慮し事業の継続発展に遂行上必要な資金の確保維持を推進してまいります。
③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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